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兎のお手伝い 〜復讐編〜
作:銀色天使


昔々…と言っても、そんなに昔と言う訳でもないのですが、今から見れば、まぁ昔なんで…否、でも“昔々”という出だしだとなんだか大昔みたいですよね…
そんなに大昔でもないのに…あぁ…まっ、こんなことしても埒があかない
物語をはじめますね。
そんなに大昔じゃない昔、といってもやっぱり現代人の視点からだと大昔になるのでしょうか…
まぁ、そんな感じの時代に、ある山の奥のほうで…
これも、そんな山奥という訳ではないんですよ。
何というか、町からちょっと遠い程で。
この『ちょっと』っていうのも…あぁ…物語が進まない…
まぁ、その山に一組の老夫婦が住んでいました。
老夫婦と言っても………あぁ…苛々する。
この際もうどうでもいいや。
で、一組の老夫婦が住んでいた訳です。
ある日、爺さんは山の畑へ豆まきに出掛けました。そこで
「一粒の豆、千粒になぁれ。一粒の豆千粒になぁれ」と、意味不明かつ理解不能で不可能な事をほざきながら、豆を撒いていると、何故そんなところにあるのか分からない切株の上に座っていた狸が…
この狸、どうやって座ったんでしょうね。
……謎だ。
まっ、いいや。えっと、座っていた狸が爺さんの声にあわせて、
「じぃの豆片割れになぁれ、じぃの豆片割れになぁれ」
と、はやしたてました。
それに激怒した爺さんは………何故狸の言葉が……この物語に限らず、昔話やら何やらは何故、動物や花と会話できるんでございましょうか…ねぇ!!
まっ、そして激怒したじじぃ…否、爺さんは狸目掛けて鍬を投げました
何故豆を撒いているはずのじじ…おっと、爺さんが鍬を…
まぁ、何処からともなく取り出し、投げ付けました。
すると狸はコロリと倒れたので……このコロリって擬音も意味不明だ……え〜…あっ、倒れたのでじじぃはすかさず何処に持っていたのかしれない縄で狸の足を縛り、家に持って帰りました。
爺さんは言いました
「ばぁさま、ばぁさま。畑で狸を捕まえた。あわもちでもついて、狸汁こしらえておいてくれ」
そしてじじぃ…あっ…爺さんは町へ行きました。
爺さんが出かけてから婆さんはあわを蒸かせて餅をペッタンペッタンつき始めました。
すると狸はモゴモゴと動き出して言いました
「おい、ばぁ!俺も手伝ってやるからこの縄、解いてくれ」
「駄目だよ。じぃさまに叱られるから」
婆さんは断わりましたが狸があんまり言うので縄を解いてやりました。
狸は婆さんと一緒に餅をつきながらわざとあわをこぼしました。そして婆さんがそれを拾おうと屈んだ隙に槌を振り上げ、婆さんを打ち殺してしまいました。
狸は婆さんの着物を着て、婆さんに化けました………
いや、しっかしこの狸は凄いですねぇ。
全く…ホントに狸か?
そして、暫くすると、爺さんが帰って来ました。婆さんに化けた狸は言います。
「じぃさま、じぃさま。あわもち出来たし、狸汁もこしらえた。温かい内に上がってください」
「そうか、ではいただくか」
と爺さんは言い、箸を取って食べ始めました。…が、すぐに
「ばぁさま、この狸汁なんだかばぁさま臭いよ」
と、言い…
イヤイヤ、有り得ないでしょう。
ばばぁ…否、婆さん臭いとか少なくとも一回食ったことねぇとわかんないでしょう。
でも、狸の正体を見破れそうですね。
まっ、狸の言い分を聞きますと
「じぃさま、狸は古くなるとばぁさま臭くなるもんだよ」
はい、訳が解りません。こんな言い訳する狸も狸ですが、この言い訳を信用して食べたじじぃもじじぃですよ……あっ…ネタばらしを…
気にせず進めましょう。
え〜、まっ、その言い訳に納得した爺さん…否、じじぃ…えっ…あ、爺さんは婆さんに化けた狸と一緒にばぁさま汁をすっかり食べてしまいました。
食べ終わった後、狸は戸口の方へと駆けて行って
「あわもち食ったしばぁ汁食った、流しの下の骨を見ろ!」
と叫ぶと、着物を捨て、元の狸の姿に戻って山へ逃げて行きました。
爺さんは悔しくて悔しくて、おいおい泣いていると…まぁこのじじぃも一緒にばばぁを食っていた訳ですが…
おやっ…?私の出番でした………
「おいっ、じじ…違った、どうしたんですの、お爺さん」
そこに現れたのはとても可愛らしい兎、つまり私。
「狸に…狸にばぁさまを殺されてしまっ…うぅ…」
「まぁ、それはそれは…。よし、私がきっと敵をとってやりますの」
そういうと私は山へ帰って行きました。
私はかや山へいって、かやを刈り始めました。はっきり言うとだるい。
暫くすると、狸がやって来て
「うさぎどん、うさぎどん。かやを刈って何にするんだい?」
と聞きま…うさぎどんって…お前…どんって…
「今年の冬は寒いらしいですの。だからかやを刈って、小屋の屋根を塞ごうと思ってますの」
「そうか…じゃあ俺にもかやを刈らせてくれ」
「いいですの。一緒にやりますの〜」
そして私と狸はかやをいっぱい刈って背中にしょいました。
さ〜て、ここからが私、兎の復・讐・大・進・撃!!
狸の背中で私は“カチッ、カチッ”と火打ち石を打ち始めました。
すると狸が
「うさぎどん、うさぎどん。カチカチいうのは何の音かな?」と言いました。…うぜー狸だな…
「えーと…あ、そうだ…否、そうですの。この辺りはカチカチ山って呼ばれてますの。きっとカチカチ鳥の鳴き声ですの」
……かなり苦しいかな…
「へ〜、そんな鳥が…うさぎどん、物知りだな」
よっっっしゃ!こいつ馬鹿だ!!馬鹿狸だ!!よし!!
暫くすると、狸の背中のかやがぼうぼう燃え始めました。
すると狸が
「うさぎどん、うさぎどん。ぼうぼういうのは何の音かな?」
と聞いてきます。
「この辺りはぼうぼう山ですの。ぼうぼう鳥の鳴き声ですの〜」
「ほ〜、そんな鳥が…流石うさぎどん。しかし…今日は暑いな…こんなのしょってるからか?」
その通り。そんなのしょって歩いてるからだよ。
くは〜、おもしれぇ。
え〜…あっ、んで炎が背中に広がって、馬鹿狸は熱くて熱くて我慢できなくなり、かやを捨てて逃げて行きました。
めでたしめでたし……とはなりませんよ。
もっと苦しめないと…ね☆
次に私が向かったのは唐辛子山。
そこで私は唐辛子を取り始めました。
そこへ馬鹿狸がやって来て
「おい兎っ!!この間はよくも俺の背中に火傷をさせたな!!」
と、叫びました。
「違いますのっ…じゃない、違うのですぅ。かや山の兎はかや山の兎ですぅ。唐辛子山の兎は唐辛子山の兎なのですぅ。きっと馬鹿ダヌ…否…お前は勘違いをしていやがるのですぅ。それはそうと、お前、火傷をしていやがるのですぅ?それならこの唐辛子を塗れば治るのです」
「そうなのか。それじゃあ塗ってくれ」
や〜っぱりこの狸、馬鹿ですぅ…否、馬鹿だ。
唐辛子なんか塗ったら治る所が悪化するだけですぅ…
この口調、何だか気に入ったのですぅ…
否、そんなこといってる場合じゃない。
えっと…唐辛子をたっぷりと狸の背中に塗り付けてやりました。
狸は痛くて我慢できなかったのでしょう。山の奥へと逃げて行きました。
いい気味ですぅ…めでたしめでたし…とはまだいかないのですぅ。
私は次に、松山へいって、松を伐ります。
するとそこにまたあの馬鹿狸がやってきて
「おい兎!!この間はよくも…よくも俺の背中に唐辛子なんか塗りやがったな!!」
と、怒鳴りました。
「お前又勘違いをしていやがるのですぅ……あ、違う…えっと…た、狸さん、あなたは勘違いをしているんじゃ…い…いるんじゃないかしら〜。唐辛子山の兎は唐辛子山の兎かしら〜。松山の兎は松山の兎かしら〜」
「おいっ、今『ですぅ』っつったろ!お前唐辛子山の…」
「うるさいうるさいうるさいかしら〜。きっと気のせいかしら〜。それより今日はいい天気かしら〜。釣りでもどうかしら〜」
「そうか…。じゃあ俺にも舟を造ってくれ」
あ、危なかったかしら…ん?また口調が…まっいっか。私は自分の舟を木で、狸の舟を土で造りました。
しかし…何故狸は疑問を抱かなかったのでしょうかね。
土の舟で私と共に川の沖まで…この舟、まさか沖までもつなんて…
どうしましょうか…あ、そうだ。
「狸さんごめんなさいかしら。釣り道具を忘れたかしら〜」
「はぁ!?うさぎどん何やってんだよ」
「とりあえず…踊るかしら〜」
私は舟の上で踊ります。
「おっ、やるな、うさぎどん。よしっ、俺も」
狸は見事に私の策に引っ掛かり、
「…お前もなかなかやりやがるですぅ」
「な…おい兎、お前今なんて…うわっ!!」
土の舟は流石に踊る狸には耐えきれず、沈み始めます。もちろん狸もろとも…
狸はもがきながら
「お…お前、やっぱり唐辛子山…の…」
「ふん、今頃気が付きましたの。お馬鹿さぁんですの〜」
「な…か、かや山…の……」
そういって、狸は憐れにも川の底へと沈んでいきました。
しかし、狸が死んだことで、じじぃの悲しみは癒えるのか、そんなこと誰にも解りません。

じじぃ以外には……ね














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