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セピア色
作:Maria


色あせたはずのあの日の風景が今でもまだ私の心をかすかになぞる。





卒業して君と離れてあの日の風景はいつしか思い出に変わったけれど今でもまだこの胸に残る。





あれから何度も春が来て夏が来て秋、冬とめぐりめぐったけれど…





たったひとつのメロディーが街に流れたその瞬間にたくさんのものが舞い戻る。



街にはこんなにたくさんの人が溢れているのにたった一瞬かすかに香る香水であの日がきのうのように私を包む。





あの日の君も私ももう今はセピア色の中にいて何事もなかったかのように毎日を過ごしている。





けれど覚えてるの。
覚えてるんだよ。



この足が君と歩いたこの道を…





この瞳が君と見た景色を…





この耳が君と聴いたあのメロディーを…






この手が君の温もりを…





そしてこの心が今でもまだ君からの愛を覚えている。
忘れられず覚えてるの。





色あせてしまった思い出はもうあの頃のようには戻らないのですか?






一年前の今日この場所で偶然君を見かけた。






あれから一年もたってまた私はこの場所に立っている。






もしかしたらまた偶然会えるかもなんて淡い期待を抱いて待っているの。






見覚えのあるシルエット。
聞き慣れたあの優しい声。






そこにはあの頃と変わらない優しい笑顔の君が居ました。





となりには幸せそうに笑う可愛らしい彼女を連れて…






「…久しぶり。誰か待ってるの?」





君はもうセピア色の中にはいないんだと気付いた秋の日だった。






「…うん。そうなんだ!そっちは?デート?」






"うん、まぁ…"って少し恥ずかしそうに照れ笑いをした君がたまらなく愛おしかった。






「幸せになってね」






「ありがとう。」






私の大好きだった君が、あの日のままの君でホッとして涙はもう出なかった。





Dear大好きだった君へ。



本当に本当に大好きでした。
ありがとう。














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