挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
うろな駅係員の先の見えない日常 作者:おじぃ

新入社員研修

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

85/100

興味持っちゃったかも

「あーめだああああああ!!」

 山頂から折り返してうろな裾野駅前を通過した直後、急な大雨が三人娘を襲った。ゴールの支社ビルまでの残り7キロメートル弱、傘も差さずに歩かなければならない。

「寒い。さすがに電車乗って帰ってもいいんじゃない?」

「都! 線路は遠いしバスもタクシーも滅多に通らないゾ!」

 田舎ではよくあることだが、うろな町では線路と幹線道路は離れた場所を通っていて、道を逸れて駅へ行くには億劫な場所が多い。

「美守に言われるとなんかウザイわー」

「なんだとお!? ってかさあ、私らいまジャージの上着脱いだら下着透けて超セクシーじゃね!? 水の滴るイイ女ってヤツ!? これでイケメン欲情させて社内恋愛からの人事優遇ってね! ぎゃーはっはっはっ!」

「うわー、売れ残りオーラ半端ないわー」

「ちょっと都ちゃん! 思っても言っちゃだめだよ!?」

「はははっ! 灯里も酷いなあ!」

「ごっ、ごめんなさい! そんなつもりじゃ……」

 ワイワイガヤガヤしながら歩いてたら意外と早くラッパを吹く天使のステンドグラスが迎える支社ビルのエントランスに着いた。雨の日のステンドグラスは雲の上の世界を垣間見ているようでなんだか神秘的。ホッとしたら急に寒くなってくしゃみが何発か出たけど気にしない!

「ぶはーっ! やっと着いたー! 生きて帰ったどー!!」

「大雨のなかお疲れさまでした。これで全員揃いましたね。シャワー室がありますので利用したい方はお申し付けください」

「ねぇねぇ汐入さん? 私と一緒にシャワー浴びよう?」

 戻って早々、ジャージのチャックを外し、Tシャツをチラッと覗かせ、上目遣いでアピールしてみる。

「はははっ。僕が同意したら本当に一緒に浴びてくれるんですか?」

「へっ!? それは、えと、ここは会社ですよ……?」

「ですね。ほら、頬が赤くなって鼻水出てますよ? 早くシャワー浴びて温まってください。僕はまだ仕事があるので」

「そっ、そうですかっ。では、お先に失礼します!」

 イケメンは「お疲れさまでした」と微笑みながらビルの内部へ向かう私たちを見送った。

 はははっ、どうしよ私。『汐入さん』に興味持っちゃったかも。柔く綻びそうな顔は、いまは誰にも見られないように、そっと胸中に閉じ込めよう。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ