魔理沙とアリスの耳かき
秋も終わりかけて冬に入りかけた頃。
「アリス!!」
扉がばんっ!!と蹴破られる勢いで開けられた。
「ちょっと、優しく扉を開けてくれない?」
扉を開けた張本人---魔理沙にいう。
「そんなことより耳かきしてくれ、耳が昨日から痒くて痒くて仕方がないんだ。」
「そんなことよりって.....まぁいいわ、耳かきならやってあげるわ」
そういえば最近魔理沙の耳かきをしていなかった気がする。
「いや~助かった、痒過ぎて、昨日まともに寝れなくて今日は寝不足なんだぜ」
「なんで昨日の内にこなかったのよ」
「痒くなったのは夜だったから流石に迷惑かなぁと思ったからだぜ」
「へぇ~」
「なんだその目は」
「いや、いつも夜遅くまで人の家で宴会繰り広げてるわりにはいっちょまえなことを言うな~と思って」
事実二日前朝方まで霊夢と宴会を人の家で繰り広げていたのだ。
「酷いぜ、アリス。私がいつそんなことを...」
「二日前よ」
メソメソとわざとらしい泣き真似をしている魔理沙にキッパリと言う。
そんなことより耳かきをしなくては。
「魔理沙、何処でする?」
耳かきをする場所をどこでするか魔理沙に聞いてみる。
「ベットがいいぜ」
「わかったわ」
「さ、ここに座って」
ポンポンとベットを叩く。
「膝枕♪膝枕♪」
「え?」
「え?」
「最近外の本で耳かきしてるやつを見つけたんだよ、そこで耳かきをしている人が膝枕をしていたんだぜ」
耳かきをするときに膝枕をするのが外の世界では当たり前なのかしら...。
「わ、分かったわ」
「やったぜ!」
魔理沙の頭の重さが太ももに伝わる。
「アリスの太もも柔らかいぜ...」
「余計なことは言わなくていい」
「つれないなぁ」
案外太ももの感想を言われるのは恥ずかしいものだ。
「アリス?」
名前を呼ばれて我にかえる。
「ごめんごめん、それじゃあ手前からやっていくわ」
「おう」
魔理沙の耳の中の手前、細かい耳垢を綿棒で取っていく。
スーー サリサリ っと耳垢をなぞっていく。細かいのが綿棒に引っ付いてきて楽しい。
「魔理沙、凄い大きいのが奥に有るわね」
「多分痒みの原因はそいつなんだぜ」
細かいのを取り終え、竹の耳かきに持ち変える。
「奥の方をやっていくから、うごかないでね」
「は、早く....」
奥の方、雑魚を飛ばしてラスボスクラスの耳垢を取りにかかる。
ペリッ ザ ザ ペリペリペリ
落ちないように、耳垢を端の方から取っていく。
「んっ...そこっ...だぜ...」
「やっぱりこれが痒みの原因だったのね...」
ざりざり ぺり ぺり ごそ ごそごそ
耳を傷つけないように、丁寧に取っていく。
ゴソッ!!っと耳垢が魔理沙の耳から取れた。
「魔理沙、取れたわよ」
ふぅ、と息を漏らし魔理沙に伝える。
「ア、アリスッ..」
「ど、どうしたのよ」
「耳が..痒い..さっき耳垢を剥がしたところ....」
耳垢を剥がしたときに痒くなったのだろうか?
「ここかしら?」
「もう、ちょい..右」
「ここ?」
「そこだぜ」
カリカリと痒いところを掻いていく。
すると、ポロポロと耳垢が出てくるわ出てくるわ。
これを綿棒で絡め取っていく。
魔理沙は痒いところを掻かれて気持ちがいいのか、にへーっとだらしない笑顔。 可愛い。
他の中くらいの耳垢もまとめて取っていく。
かり...かり...ベリッ....ザー
壁に張り付いている耳垢を発見した。しかもかなり大きい。
「魔理沙!大きいのがあるわ!さっきのよりも大きいのが!」
「アリス落ち着け落ち着け、深呼吸だぜ」
「そ、そうね」
いけないいけない、ついつい大きすぎて興奮してしまった。
耳垢で興奮する女子とかどうよ.....。
「死角に張り付いていて、今まで見えなかったみたい...」
「早くすっきりしたいぜ」
「わ、わかったわ...じゃぁ、とるわね」
「頼むぜ」
ゆっくりと耳に耳かき棒を入れる。
耳垢を周囲から剥がしていく。
カリ....カリ....パリ...ペリ....カリカリカリ...ザリ.
..ザリ...カリ..ペリ....コリコリ....
「魔理沙ピンセットに持ちかえるけど、冷たいけど動いちゃダメよ」
「暖めてほしかったぜ」
トホホと魔理沙が呟く。
「入れるわよ」
ピンセットを入れて、獲物を挟む。
ゴソッ!ゴソゴソゴソゴソ!!!
引っ張り上げた瞬間凄い音がした。
うおっ!と魔理沙がビックリしている。
「凄い大きいわね....」
出してみるとかなりの大きさだった。
「滅茶苦茶すっきりしたぜ」
魔理沙は大部気分は良さそうだ。
「最後に、綿棒で細かいのをとるわよ」
綿棒で、細かい耳垢を取っていく、綺麗になっていく魔理沙の耳。
ストレスがとれていくみたいな感覚がある。
「んじゃ仕上げに」
魔理沙の耳に顔を近づけて、ふーーっと息をかける。
ひゃっと短い悲鳴があがる。
「ア、アリス!?」
いきなりのことに魔理沙のからだがビクッとなる。
「もう一回いくわね」
「え!?ちょ!んあっ、」
魔理沙の反応がかわいくて、しばらく耳に息を吹き掛けていた。
「そういえば魔理沙、反対の耳は痒くないの?」
ここに来てから魔理沙は、片方の耳しか痒いと指摘していないのだ。
「ん?あぁ、反対の耳は昨日霊夢にやってもらったんだ」
「そう...でも何で反対はやってないの?」
「途中で霊夢が飽きたんだよ」
「フフッ霊夢らしいわね」
確かに霊夢なら、気まぐれで耳かきをしてすぐに飽きてしまいそうな気がする。
「それでさぁ、霊夢のやつがさぁ..」
そんな魔理沙の話を聞いて、羨ましいと思った。思ってしまった。
そして、霊夢に少しだけ嫉妬してしまった。
いつも、話をすると魔理沙は霊夢の話になるときが多い。
ダメだと思っていても、嫉妬してしまう、胸がズキンズキンと痛む。
魔理沙を取られた気がしてきた....わかっている、魔理沙は誰のものでもない、ただ生きたいようにいきてるんだと。
「アリス?」
ハッとなる。
いつの間にか涙が出ていたらしく、魔理沙が心配そうに声をかけてきた。
「ごめんなさい、ちょっと目に入っただけよ」
鼻をすすりながら、ベタな言い訳をする。
「アリス、私はアリスに感謝してるしアリスのことが好きだ、ほら、私器用な方じゃないかなんか知らない間に、アリスを傷つけてしまったかもしれない、けど、私はアリスのことが好きだぜ。」
私が考えていたことに気づいたか気づいてないかはわからないけど、魔理沙はそう言った。
魔理沙は膝枕をしていて、顔は見えないが、多分顔を赤らめているのだろう。
一気に涙があふれでる。
「そ、そうだ!明後日アリスの誕生日だろ!見せたい物があるんだ、来てくれるか?」
恥ずかしさを紛らしているのだろうか、魔理沙がそういった。
「えぇ、行くわ、楽しみにしてるわね」
魔理沙はちゃんと覚えていてくれたのか、と思うと凄く嬉しかった。
「なぁアリス」
「なに?魔理沙」
「このまま少し寝ていいか?」
「えぇ、構わないわ.....お休み魔理沙」
「お休みアリス」
魔理沙の頭を撫でながら、これから来る誕生日で魔理沙がどんなものを見せてくれるのかを想像していたら、微笑んでしまった。
はいはいはいはいはい!!おはようございます!こんにちは!こんばんわ!!やって参りました!!アリス!の!み!み!か!き!!!
ちょっと短いかなぁと思ったのですが、なんか疲れたときの休憩位には丁度いいかなと思った長さにしてみました。
え?後付けじゃないかって?チョットワカラナイ。
そんなことは置いておいて、連載を初めて見ようかなぁと思考中で、、、書きたい話はたくさんあるのですが、スマホだと文字が打ち辛くて.....。
ま、それはまた考えます!
ではでは、読んでくださった皆様ありがとうございます!!!
また別の作品で!!




