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32話 それはアメちゃん

第32話です。よろしくお願いします!

 なんだかここ最近の日々が、夢を見ていた様に感じる。まるで自分が自分ではないような。訓練に没頭しすぎたのだろうか?


 「俺、ここ最近の自分が、自分ではなかったような気がするんだけど、サクヤは大丈夫?」


 「はい……。恐らく訓練の影響かと思います。辛く厳しい訓練だったので。御労しや……」


 そうか。訓練のせいなのか。それだけのめり込んでしっかりやっていたと思うことにしておこう。

 

 訓練のおかげで、槍術(2)のスキルが取得出来ていた。ステータスを確認すると、


□ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー□

 名前:マヒロ・アサヒナ 種族:異世界人


 スキル     

 転移魔法(10)

 言語翻訳(10)

 槍術(2)

 

 ユニークスキル 

 武具創生

 シソーラス


 奴隷:サクヤ

□ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー□


 こんな具合である! 努力した証が目で確認できるとは何たるやり甲斐! サクヤも、刀術(4)に上がっていたそうだ!


 訓練終了からの追加講習で、フランカさんにダンジョンの歩き方と魔物の解体の仕方も教えて貰ったので攻略が捗ることだろう!


 1階層でエンカウントするゴブリンの魔石は、クズ魔石で銅貨5枚ほどにしかならなかったのでシソーラス(宝物庫)に放り込んであげる。


 ランクアップするために必要な魔石は、11階層からの魔物から回収出来るらしい。そこまでは、ルーキー冒険者のお試しみたいなものだそうで、そこで経験をつんでから、先に進むのが一般的だと。本格的に下の階層に進んで早いところランクを上げたいものである。


 「随分と厳しい訓練だったようで、体格も変わってきましたね?」


 コンコンとノックでロランさんの登場だ。たまに顔はあわせていたけれど、ゆっくり話すのは久しぶりだ。そうであろう! 体が引き締まっているのだよ! それで何か御用?


 「そろそろ新しい品でも思いついたのではと、お伺いにきたのですよ」


 そういえば、考えておくって言ってすっかり忘れてたね。何かあるかなと考えるがまずもってして訓練漬けの日々である。出てくるわけがないのだ。考えるのが面倒なときは人に素直に聞いていくスタイル。逆に何かないですかね?


 「そうですね、なにか珍しい食べ物などないでしょうか? 食べ物は追加購入までの回転が早いですからね」


 食べ物か。考えてみるかな。取り敢えず日本戻るか。訓練期間も途中までちょこちょこ帰っていたけれど、最近はご無沙汰だしな。


 「分かりました。落ち着いて考えてみますので、少し時間下さい」


 「是非お願いします! では、私は少し外出しますので、また夜にでもお願いしますね」


 さらりとタイムリミットが決められていく。仕方ない、今日は夜まで日本で過ごして何か無いか、俺の灰色の脳みそを稼働させてみようではないか。ロランさんとさよならしたら、サクヤを連れて日本へ。


 今回のお出かけは、初めてのサクヤと一緒にお出かけである! 通販でポチっておいたサクヤの服が届いていたので、うまく尻尾と耳を隠して外出だ! 会話は、俺とサクヤしか理解できないだろうし、他人に聞かれても珍しい外国語でいけるであろう。


 「どうでしょうか! ご主人様! 似合っているでしょうか?」


 物凄く似合ってる! 灰色のゆったりとした厚手のロングスカート、上着は首元にファーのついた茶色のロングコートを用意した。そしてニット帽だ。 

   

「すごく似合ってるよ! 下着はどうだった?」


「もぅっ! お褒めの言葉だけでよろしかったです! 下着は、その、サイズがあう物をつけさせていただきました……。」


 どうやらサイズがあうものがあったようだ。もじもじとしているサクヤ。尻尾が見えないのでそこだけが残念だ。サクヤの将来を心配して用意するという、そんな紳士な俺である。


 「よし! 準備できたなら出かけようか!」


 「はいっ! 楽しみで御座います! どんなものがあるのか!」


 サクヤの手を取り外出。逸れたりしては行けないので、手をしっかりつなぐ。



♢♦♢



 「なんて大きな! 大きな建物ばかりで御座いますよ! ご主人様! あれ! あれは何ですか?」


 サクヤは終始はしゃぎまくりで、キョロキョロとまわりを物珍しそうに眺めながら歩く。車やバイクなどに大いに驚いていた。


 本日は、リクエストにお応えして食品を探しに、大型のスーパーへ。


 少し距離があるが、近所の小さな所ではなく、大きめの所にやって来た。色々見て回れたほうがサクヤも楽しめるだろうしね。


 「すごいですっ! この……、大きな建物全てで食材を売っているのですか!?」


 到着するまでに驚き、到着しても驚いている。ずっと驚きっぱなしのサクヤを連れて、店内を適当に回ってみる。美少女が謎言語ではしゃいでるので注目を集めまくっている。


 「サクヤはどんな物がルドラアトルで売れると思う?」


 「売れそうな物ですか……、私が思うに、此方の世界にあるどんな物でも大いに売れそうで御座います!」


 「そうなんだけど、まだ、あんまりルドラアトルで違和感ないほうが良いと思うんだよね。来訪者で、更に行き来きできるとバレて、なにかあって対処できないとこ困るし」


 「そうですね。きっと、知られてしまうと、回りが騒がしくなってしまいますね」


 コソコソするつもりもないが、自由に過ごせなくなるのは困る。奴隷制度もあって、摩訶不思議な魔法があるのだから警戒しておかないとね。警戒はするが、あまり自重もしたくない。バランスが難しい。


 う〜んと、悩んでいるサクヤを連れてウロウロする。もうじき昼時だな。昼飯どうするかな? サクヤに食べたいものでも聞いてみるか。せっかくだから外食でもいいかもな?


 「食べたいもので御座いますか? 何でも美味しいので……。強いて上げるならば、此方の世界の甘い物が食べてみたいです!」


 甘いものねー。女性は好きだよね。俺はそこまで甘いモノは好んで食べないな。あ、お菓子なんかいいかもな。ルドラアトルにはどんなお菓子があるの?


 「甘味ですと、フルーツを煮詰めた物や、焼き菓子などでしょうか?」


 あまりバリエーションは無いのかな? 砂糖はあるにはあるが、やはり高いようだ。貴族ならともかく、平民階級は頻繁には食べないらしい。何か特別な日など、お祝いの時に奮発して食すようだ。お菓子なら簡単な物がいいよな。


 お菓子コーナーで物色していると、ふらふらしていたサクヤが何やら見ている。


 「これは何でございますか? 宝石が入っているのでしょうか?」


 それはアメちゃんだよ。おばちゃんがくれるやつだね。て、飴玉知らないの?


 「こんな綺麗な甘味など見たことありません! なんて素敵なのでしょう!」


 おお! いいかもね! アメちゃんならいろんな味が楽しめるし、溶けるような暑さじゃなきゃ日持ちするし。でかしたサクヤ!


 「お褒めに預かり光栄で御座います」


 ドヤ顔サクヤ。尻尾は隠れているはずなのにぶんぶんと揺れている尻尾の幻覚がみえる。


 よし! アメちゃんにしよう!

お読み頂きありがとうございます! 活動報告にも上げておりますが、体調を崩してしまったので、切りの良い所まで更新したかったのですが、本日、明日は1話ずつの更新とさせていただきます。本当にすいません!詳しくは活動報告ご確認下さい!

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