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一日遅れですが、ホワイトデーネタです
いつもと少し書き方を変えてますが、楽しんでいただけると嬉しいです
先生は17歳!?
作:takuto



Another Episode8 White Day Panic


3月14日……White Day
それはバレンタインデーにチョコなどを貰った男性が
そのお返しとしてキャンディー、マシュマロなどのプレゼントを女性へと贈る日
欧米などでは見られない、日本を筆頭に韓国、台湾などで行なわれる独特の習慣。
始まりは若い世代の間でバレンタインデーが定着していくに従い
お返しをしようという風潮が生まれた。
それに乗りかかるようにお菓子業界が昭和50年代、ビスケットやマシュマロ
キャンデーなどを「お返しの贈り物」として宣伝販売するようになったのが
最初だったと言われている。
ちなみにホワイトデーのホワイトと言うのは、飴の材料である砂糖が白色だったため
ホワイトデーになったとか、白いマシュマロからホワイトデーになったとか
いろいろな説があったりする。


まぁ、長々とホワイトデーについて説明をしたのだが
この前フリから分かるように今回のお話は
3月14日……ホワイトデーにまつわる物語
いつもとは違い、5人の乙女達一人、一人の視点で
物語を進めて行こうと思う。
いつもとは違う今日と言う一日
外の風景が冬から春へと……春の温かみが感じられる
そんな3月14日の日のことであった


宮本飛鳥side 朝の登校風景にて


「カズちゃん、おはようでありますぅ!」
「……ぅん、飛鳥か。おはよう」


朝、伝馬和弥宅前
少し髪を跳ねさせ、いかにも眠そうな顔をしているカズちゃんに向け
私、宮本飛鳥は元気良くあいさつを送る。


「それにしても、飛鳥……今日は一段と元気だな〜。それに今日は職員会議の関係で
いつもより早く家から出たって言うのに、鉢合わせになるなんて」


未だ眠たそうにカズちゃんは、小さくあくびを浮かべながらも
少し不思議そうな顔を私に向け、言葉を送る。
確かにカズちゃんの言うとおりであり
今日はいつもと比べて、30分近く早めに私は家から出ていた。
こうやってカズちゃんと鉢合わせになったのも、偶然ではなく
家から出てくるカズちゃんを見計らって、出て来ただけのことであり
こうやって一緒に登校することも作戦の内だったりする訳で……


「なんか用事でもあったりするのか?」
「……えっ!?いっ、いやぁ用事あると言うか、今がその時と言うかぁ」
「何言ってるんだ?飛鳥」


不意打ちに近いカズちゃんの言葉で、一気に頭の中がパニック状態に陥り
先程よりも不審な目で見る和弥の視線が強くなり
更に私を混乱させていく。


「何のことか、良く分からんが先に学校行くぞ。俺はそんなに時間余裕無いんだからな」
「まっ、待ってよぉ!カズちゃん!」


時間が惜しいのか、私を置いて
通学路を早歩き気味にカズちゃんは進み始める。
当然のごとく私もカズちゃんの歩幅に合わせ、歩き始める。
ここでカズちゃんを逃がしたら、今日と言う一日が、私の作戦が無駄になってしまう。
とにかくアノ言葉を……そう心の中に思いながら、私は歩を進めていく。


「あっ、あのねカズちゃん!話したい事があるのぉ!」
「……何だ、先ほどからいつもの飛鳥らしくない。どうしたんだ?」


視線が再び、私の方へと戻ってくる。
今しかない。切り出すのはこの時だっ!
どこからか、そんな声が聞こえなくもない気がしてきて
私はゆっくりと口を開く。


「えっと、今日は何月何日か……カズちゃん知ってる」
「今日は3月14日。ちなみに掲示板サイトで有名な2ちゃん○るで電○男の
初めての書き込みがあったのも、確かこの日だったな」


日にちを、トリビア的な知識を足して答えてくるカズちゃん。
正直、その部分に少しばかり興味をそそられてしまったのは内緒である。


「じゃあ今日が何の日か、それも知ってるよね?」
「今日、3月14日……おっ!あの日のことか!」


何か思い出したかのように、和弥が下に向けていた視線を上へと上げる。


「そうだよぉ、やっと分かってくれたんだね!なんたって今日はホワイト―――」
「数学の日じゃないか!」
「…………はい?」


和弥から発せられた言葉は、私の思い描いていた言葉とは違い
全く持って予想外な、斜め上の行く答えで……


「数学の……日?」
「そうだぞ、今日は数学の日!日本数学検定協会が円周率の近似値3.14にちなんで
現代文明を支えている数学の一層の発展を願って祝う日だ!一人の数学教師としては
忘れてはならない一日だな!」


自信満々に、それでいて妙に誇らしげに数学の日を語るカズちゃん。
いや、こんな一般人にそんなマイナーな記念日を言われても……
もしかしてカズちゃん今日がホワイトデーって、まさか知らないのでは?


「そっ、そうじゃなくてカズちゃん!今日は―――」
「あっ!ヤバイ時間が……すまんが、飛鳥。急ぐので、この辺で」
「ちょっ、おまっ!私の話をぉ!」
「また、学校でな〜」


カズちゃんの声が、カズちゃんの姿が少しずつ遠ざかっていき
ほんの数秒の内に私の視界から見えなくなる。
残ったのは、朝を知らせる小鳥の鳴き声と呆然とした表情で
道のど真ん中で一人、佇む私だけであった。


水城奏side 授業終了後、校内廊下にて

――――キンコーンカンコーン


授業終了のチャイムが鳴り響く。
学校全体が椅子の引く音、喋り声に包まれ
緊張感から解き放たれた、開放的な空気が周りを包み込む。


「今日はここまで!ちゃんと重要って言った所、復習しておけよ!」


そんな中で私、水城奏は皆とはまるで逆の緊張に包まれた様子で
教壇から降りる和弥さんの様子を目で追っていた。
教室の扉に手を伸ばし、和弥さんが教室の外へ出たその瞬間
私も同じくして、椅子から腰を上げ、教室の外へと飛び出していた。


「和弥さ――伝馬先生!」
「……おっ、奏。どうかしたのか?」


私が声を掛けたその先には、教材を抱えた和弥さんの姿が……
軽いものとはいえ、大きくかさばる物ばかりで
明らかに歩きにくいのは、目に見えたことであった。


「あっ、あの……その教材、持つの手伝います!」
「……えっ、でもこれは」
「同い年だからって気にする必要ないです、ですからそれを私に!」
「おっ、おう!任せるよ」


少し強引な言い方だったかもしれないが、一応は作戦成功。
和弥さんの戸惑った顔が気になるが、そこまで気にすることではないはず……
教材を和弥さんから預かり、横へと並ぶ。
肩を並べて歩く……それは、私の憧れているシチュエーションであり
学校内とはいえ、妙に胸が高鳴るのを私は抑える事ができずにいた。


「はぅ、なんか幸せですぅ……」
「……おい、お〜い奏。大丈夫か?なんか顔がにやけて」
「―――はっ!だっ、大丈夫です。別に和弥さんとお花畑でルンルンな夢を見てた訳では
決してないです!」


いつの間にか意識がどこかへ飛んでいたようだ。
和弥さんの少し誰かを変な目で見るような視線を感じるが、ギリギリ問題ないだろう。
こんな横に並ぶと言う、コレだけの事に中々の時間を消費していることに
今更ながら気づく私。教務室までの距離はそれほど残ってはなく
ほんの限られた時間しか残されてない事を理解する。
言うなら、今しかない……
恥ずかしい気持ち、戸惑う気持ちが心を揺さぶるも
今日と言う日が、焦る思いが私を後押しし


「せっ、先生!」
「……どうかしたか、奏」


視線がこちらへと向けられる。
己の心拍数が早くなっていくのを、否応にでも感じずにはいられない。


「先生、先生は……」
「俺がどうしたんだ?」
「先生は、和弥さんはホワイト……」
「ホワイト、がどうかしたのか?」
「ホワイト……ホワイト!」


勇気を振り絞って、アノ言葉を!


「ホワ○トベースをご存知ですか!」


…………あっ、あれ?私、何を口走って
混乱した頭の中、なぜか出てきてしまったこの言葉
何を言っているのよ、私!早く、早くホワイトデーって言いなおさないと!
すぐに思考を切り返し、言い直すために私は口を開き


「あっ、あの間違っちゃって!そうじゃなくてホワイト―――」
「まさか奏からそんな言葉聞けるなんて!」
「……えっ?ですから間違いと―――」
「いや、いいんだ。皆まで言わなくていい。ガン○ムを好きな人は大なり小なり
俺達の仲間、同士なのだから!説明してあげよう、自分が知りうる限りの情報を!」
「ちっ、違うんです!それにホワ○トベースって何のことかさっぱり―――」
「ホワ○トベースとはアニメ、機動戦士ガン○ムに登場する宇宙戦艦であり、地球連邦軍所属
のペガサス級強襲揚陸艦2番艦でな。最終的には地球連邦宇宙軍第2連合艦隊第13独立部隊に
所属する機体で、艦籍番号はSCV-70あるいはLMSD-71で………」


結局私は教務室に着くまでの間、和弥さんの意味の分からない話を
永遠と聞く羽目になってしまったのだった。


綾月蓮side 昼休憩、生徒会室にて


「いきなり呼び出したと思ったら、ただの荷物運びかよ……まったく、いくら知り合い
だからって先生を使うんじゃねぇよ、まったく」
「まぁ、良いじゃないの。どうせ今日は暇だったんでしょ?ちょっと位、手伝ったって
罰は当たらないわよ、和弥」


昼休憩、生徒会室
現在、私、綾月蓮は生徒会室で溜まった資料の片づけを
昼休憩も使って、作業をし続けていた。
年度末とあってか、目の前には膨大な資料の束が重なっており
一瞬、眩暈が起きそうな量が広がっている訳なのだが……
実際の所、片付けなどは二の次状態であり、ある一つのことについて
私の頭はいっぱいになっている状況であった。
それは、そこで片付けに悪戦苦闘している和弥が関係している事であり


「おっ、重い……こんなにまだ片付けが残っているのに、他の生徒会の役員は
何処に行ってるんだよ!」
「えっ、えっと……休みとか、補習とか、呼び出しとかで皆いなくて」
「珍しいな。生徒会って言ったら、真面目集団で有名な所なのにそんな用事があるなんて」
「そっ、そんな時もたまにはあるの!良いから口じゃなくて、手を動かして!」
「……了解しましたよ、会長」


しぶしぶ納得した表情で、再び片付けに戻った和弥。
……あっ、危ない。感づかれる所だった
やはり天才というか、嗅覚が聞くというか
不審な点に感づくのが、信じられないくらい鋭い。
その通り、和弥の言っている事は正論である。
生徒会役員全員が何かの用事があるなんて完全なでたらめ
ただ単に呼び出していないだけなのだから……
この今日の日に、和弥と2人っきりという状況を作り上げるために
私が仕立てた、シチュエーションなのだから。
心臓がドキドキする。和弥へと視線を向けると、そこには能天気な顔をして
片づけを黙々と行なう様子が目に映り、妙な憎らしさが沸いてきたりする。
今日が何の日か知らないような、そんな表情……


「……絶対に気づかせてやるんだから」


小さな声で気合を入れる言葉を放つ。
時間はそれほど残されてはいない。昼休憩の終わりまであと少し
私はゆっくりと視線を和弥へと向ける。


「えっと、和弥!ちょっと私の話を聞いてくれる?」
「……あぁ、いいぞ。なんの話だ」


和弥は私に向け、言葉を返すも作業の手は止めない。
相変わらず真面目というか、やり始めたら止まらない性格というか……
そう分かった上で話を続ける。


「私がこうやって言うのも何か変かもしれないけれど、今日私達に……と言うか
ある物を貰った人に対してあげる物とか、渡すものがあると思うんだけど」
「どうしたんだ、蓮?お前らしくもない、妙に歯切れの悪い話し方だな」


心配そうな視線をこちらへと和弥が向ける。
……やはり感が鋭い
確かに今の言葉は私らしくない、遠まわしな言い方であり
もっとストレートに言うべきなのだが、なぜかそのはっきりとした言葉を述べるのが
妙に恥ずかしく、躊躇う部分があり言うことができない自分がいる。
言ってしまえば早いのに、なぜか言えない微妙な思い。
自分に非があるのは分かっているのに、怒りの矛先は和弥に向かってしまう。


「だっ、だから!今日は白い……白いアレなの、察してよ!」


なんとも無茶な言い分である。
自分で言っていて、自分が嫌になってくる。
何やってるんだろう、私………
気分が考えるだけ泥沼のようにどんどんと落ち込んでいき
溜息を吐きそうになっていたその瞬間


「……白いアレ。何かと思ったら、蓮。そのことか!」


いきなり思いついたかのように、和弥が作業の手を止め
こちらへとゆっくり近づいてくる。
……もしかして、気づいてくれた?
先ほどとは打って変わって、期待した眼差しを和弥へと私は向ける。


「忘れてたよ、白いアレ……蓮に渡さなくちゃいけない物だったな」
「良いのよ!覚えていてくれたなら、それで」
「ごめんな、蓮」
「かっ、和弥……」


嬉しさが心の内から込み上げていく。
いつもの私が、生徒会長である私が崩れていき
顔のニヤケが留まる事を知らない。
今日と言う日をこれほどまで嬉しいのは、始めてのことであろう。
もうすぐ私の手にアレが、今日を象徴する物が……


「お前大好きだもんな、白い○人」
「……へぇ?」


スルリと私の手から離れていくのを、心の中で感じていた。


「……白い、○人?」
「そうだよ、白い○人。この前の北海道の出張で買って来いって散々蓮が言ってたじゃないか
白いアレってこのことだろ?」


和弥の言葉に、唖然とした表情しか浮かべる事のできない私
……ホワイトデーに白い○人って
確かに大好きなものではあるけれど、今日はこれじゃなくて


「あっ、もうこんな時間だ。白い○人は明日にでも渡せるように準備しておくから
楽しみに待っとけよ、じゃあな!」


和弥はそう言葉を残し、颯爽と生徒会室を去っていった。
私は生徒会室に一人、呆然と立ち尽くしたまま……
どれだけの時が過ぎ去ったのだろうか、私は和弥が出て行った扉を見つめ
姿見えぬ、彼に向かって……


「和弥の、バカ……」


小さく言葉を洩らしたのだった。


飛鳥、奏、蓮side 放課後、生徒玄関前にて


「信じられないよぉ!何、数学の日って!そんなもの一般人が知るわけ無いじゃん!」
「私は意味の分からない話を和弥さんから……私のミスと言え、まさかあんなことを」
「私なんて白い○人よ、北海道の名産品!大ボケにもほどがあるわよ!」


放課後、生徒玄関前の廊下
三人は偶然にも帰りが重なり、帰宅する途中
今日の話のネタと来れば、間違いなく今日という日を象徴するホワイトデーの話で
いわゆる和弥の事、和弥に対する愚痴の言い合いであった。


「やっぱりカズちゃんはホワイトデーのこと忘れちゃってるのかなぁ」
「ホワイトデーはアメリカにはない行事ですからね。和弥さんに察しろと言う方が
無茶があったかもしれません」
「そうかもね……和弥、物覚えはいいし、頭もいいんだけれど行事とかイベントとか
疎い男だったものね。無理があったかも」


三人の意見が交錯しあう。
納得しようとするも、でも貰えなかったショックなのかどことなく足取りは重い。
三人はその足取りのまま生徒玄関へと、各々の下駄箱へと手を掛け
ゆっくりと開く。すると……


「「「……あっ!」」」


信じられないものが、三人の視界に入り込んできた


和弥、沙希、泉side 夜の和弥宅電話にて


『それにしても、いきなりクッキーの作り方教えろって何が起きたかと思ったよ♪』
『ふふっ、まさか私達に助けを求めるとはな。私達もカズにチョコを渡した者だと言うのに』


2人の楽しげな笑い声が俺の耳に響き渡る。
その声はとても憎たらしく、それでいて妙に嬉しそうな声


「仕方が無いだろう。あの悲惨な状況を見られたら、説明するほか無いだろうが」
『まぁ、あれは仕方が無いかも♪』


始まりは約一週間前
自宅でホワイトデーの贈り物を製作していた所
たまたま遊びに来た、泉&沙希に悲惨なクッキー作りの現場を
発見させられ協力を仰いだのが、最初であった。
あのままでは悲惨な結果が目に見えていたので、この2人のおかげで
あの3人にマトモなホワイトデーのプレゼントを送れたのは
感謝すべきことであろう。


「一応確認だけれど、お前達2人のホワイトデーのプレゼントは来週の日曜日に
遊園地に連れて行く。それでよかったな」
『おっ、覚えていてくれてたんだね♪お兄ちゃんとの遊園地楽しみにしているからね』
『ちなみに全部、カズのおごりでな』


まぁ、そのために多少の代償はあるようだが……
とにかく無事にこの日を終えたことを、俺は心から安堵し


『そういえば、伊織さんや橘さん、葉月さんにもホワイトデーのプレゼント渡したの?』


……する訳がなさそうだ。


「やっ、やべぇ……どうしよう」
『ドンマイ、お兄ちゃん♪』
『ご愁傷様だな、カズ』


二人の言葉に耳を傾けながら、俺は頭を抱えながら思った。

―――次、学校に行く時は地獄だ

………と


ちなみに一人、和弥から学校で手渡しされた人物がいるのだが
それは和弥だけの秘密……彼女だけしか知らない出来事なのであった。





……で、ホワイトデーネタでした
また一人、ひいきな感じになっていますが
それは微妙に個人的な感情も入っています。
一番気にいっているキャラなもので……
まぁ、サブだから外伝くらいは許してやってください
今回の小説はえ〜っとさんの意見を参考に書かせていただきました。
感想、評価お待ちしております!!ちょっとしたことでも二部、外伝への活力となりますので、どうぞよろしくお願いします!!  






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