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久しぶりの更新
シリアスです
先生は17歳!?
作:takuto



第7話水城の苦悩と俺の過去前編



「今日も1日ご苦労さんっ〜」

 
なんて今にも中年サラリーマンが言いそうなセリフを言う自分に嫌気が差す気分になるが
やっとのことで今日1日を終えることのほうが嬉しいのでよしとする。
今日は残ってするような仕事もないので、周りの人にあいさつをし
足早に家へ帰還することにした。
早くに家に帰還しすることは風呂に入り、風呂上りに大好きな牛乳を1杯と言う
これこそ中年サラリーマンらしい行動に楽しみを覚えているところを見れば
俺がどれくらいこの学校に来て、精神年齢が上がったか分かると思う。
それを達成するべく俺は少し早歩きで廊下を歩く。
すると、どこからかいきなり歌声が聞こえてきた。
耳をすませていないと聞こえないくらいの音だが、はっきりと俺の耳に入ってきた。
俺は気になりその声の聞こえるほうに進んでいく。
するとそれは音楽室から聞こえていることがわかりそこに向かう。
近づくにつれ声も大きく、クリアに聞こえてくる。
音楽室のドアの前に立ち、俺は躊躇することもなく、そっとドアを開いた。
するとそこには「天使」がいた――――

 
突き抜けるようなクリアな歌声。
高らかに美しく澄みきった歌声が音楽室全体に響き渡る。
素人でもわかる天才的な歌声に俺は時間を忘れ、聞き入っていた。

 
「――――っ!だっ、誰ですか?」

 
いきなり歌は中断され、歌っていた人物は俺のほうに顔を向ける。
いきなりこっちに話しかけられてしまい、無断で中に入ってしまった
罪悪感も込み上げてきてあたふたしていると

 
「……伝馬……先生……ですか?」

「……えっ?」

 
いきなり俺の名前を呼ばれ、びっくりしていると歌っていた人物は
こっちに向かって歩いてくる。
するとさっきまで日陰で顔が良く見えず誰か分からなかったが
近づいてくることによって少しずつ視界がクリアになっていき、そこには
水城奏がいた。

 
「……奏か〜びっくりしたよ」

「それはこっちのセリフですよ。無断で音楽室に入るんて……
少しはノックするとか考えてくださいよ」

 
めずらしく怒り気味な声で俺に注意する水城。

 
「そのことは悪かったと思ってるよ。すまない。謝るよ」

「そっ、そこまでしなくていいですよ!今度から気をつけてくれればいいですから」

 
いきなり謝る俺に動揺したのか、あわてる水城。

 
「それより伝馬先生どうしてこんなところに?」

「あっ?あ〜。いや〜帰る途中になんか声が聞こえたもんだからさ、
気になって見に来たんだよ」

「そう……だったんですか。もうここは片付けて、鍵閉めますが……」

「そうか?いや、俺は気になっただけだから気にしないで」

「そうですか。分かりました」

 
そういって片づけをはじめる水城。
俺は早く家に帰ることを思い出し、水城にあいさつをしその場を去った。
でも、なぜだろう……
水城の歌はとても上手く、他と違うものを感じたが
なぜか聞いていてとても悲しく、心が痛くなる自分がいた。
どこかで感じたような痛み、悲しみ……


……そうまるで昔の――――


そこまで思い出し、俺は首を振った。
そうだ……無理に思い出すことはない
これはもう終わった話なのだから……
そう……終わったことなんだ……

 
俺は次の朝早く学校に向かった。
昨日の一件以来、どうしても水城のことが気になり部活動を調べてみた。
すると水城は合唱部に所属していた。
しかし、資料にはここ最近のコンクールの参加者の名前に載ってなく
どうしても気になった俺は、顧問である伊織先生に話を聞くべく
早朝から学校に向かった。
予想通り、伊織先生はもう出勤してきており
すぐに昨日のことと自分の疑問に思っている点を伊織先生に伝えた。
すると伊織先生はいままでに見たことのない暗い顔をして
しばらく黙ったままでいた。
しかし、「伝馬先生は担任ですから知っておくべきですよね」
と一言いい話し始めた。

 
「水城さんは、この業界では「天使の歌声を持つ少女」としてかなり有名な方なんです。
それだけではなく、父は世界的ピアニスト、母は世界的ヴァイオリニストという
音楽一家に生まれたため、とても期待された方なんですよ。でも……」

「なんかあったんですか?」

「周囲の期待が強すぎたんです……17歳という年齢には重過ぎるくらいの期待と
重圧が彼女を襲ったんです」

「そんなことが……」

「彼女は期待にこたえるため、毎日練習をしました。何度何度も……
ほんの少しのミスすら彼女は許しはしませんでした。
そのためコンクールでは毎回期待通りの結果を収めてきました。
でも、音楽の情熱や楽しさはどんどん失われていき
最後には自ら歌うことを拒むように……」

 
伊織先生の話を聞き、全ての辻妻が通った。
やはりあのとき感じた気持ちは俺の間違いではなかった。

 
「伝馬先生」

「どうしました?伊織先生」

「顧問である私が頼むのも情けない話ですが、どうにか彼女を救ってもらえないでしょうか?
私はまだ彼女には歌う楽しさを忘れていない。そう思うです!
もう1度彼女の楽しそうに歌う笑顔が見たいんです!」

 
伊織先生は涙ながらに俺に話す。
でも、この先生が出来なかったことを俺ができるのか?
不安感がよぎる。
しかし、俺は水城の担任だ。それに……

 
「わかりました。俺も出来る限り頑張って見ます」

「あっ、ありがとうございます……ホントに…ありがと」

 

放課後俺は屋上へ
伊織先生いわく合唱の練習がある日は屋上で一人でいることが多いらしい。
その情報どおり水城は屋上に一人たたずんでいた。

 
「よっ!水城。こんな所で何してんだ?」

 
外の風景を見ていた水城がこっちを向く。

 
「先生こそ……なぜこんなところに?」

「いや〜外がいきなり見たくなってな〜」

「伝馬先生。見え見えな嘘はいいです。私に用事があったんじゃないんですか?」

 
完全に読まれているようだ。
俺も回りくどいのは苦手なのでストレートに伝える。

 
「お前、知らなかったけど合唱部休部状態らしいな」

「そうですね……」

「もう歌わないのか?」

「もう人前で歌う気は……」

「そうか……でも水城。お前は歌うのが嫌いになったわけではないのだろう?」

「……」

「好きという気持ちが別の違うものに埋もれて、流され、
消えていくのが怖かったんだろう?」

「―――っ!」

 

水城は一瞬体をビクッとさせて下を向いた。

 
「……せっ、先生に…何が分かるって……いうんですか」

「分かるよ……お前の気持ちは……」

「わっ、分かるわけない!私が…私が…どれだけ…苦労したかなんて

 あなたなんかに分かるわけがない!」

 

水城かと疑うくらいの大きな声で反論する。
もう顔は涙であふれていた。

 
「―――っ!すっ、すいません!」

 
いきなり冷静さを取り戻したのか俺に謝る水城。

 
「ごっ、ごめんなさい。先生に向かって……すいませんでした」

 
そう謝った水城は、俺に背を向け屋上から出て行った。
その後ろ姿は昔の馬鹿な……

 
そう……ある誰かの昔の姿と重なって見えてしまい

 
「……っ!くそったれが!」

 
俺はどうにもならない怒りを地面にたたきつけた。


パソコン破壊&部活の遠征で長い間更新できませんでした。今日から早めの更新ができるようなったので
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