大分空きましたが、外伝一話目更新です!
ちょくちょくではありますが、よろしくお願いします
後、外伝ネタ募集中です!こんな話書いて欲しいなど
意見をお願いします。絶対とはいえませんが極力書いていこうと思いますので……
Another Episode1 初恋の味は……
初恋……
それは少し恥ずかしくも、甘酸っぱい思い出
誰もが通過する人生一度だけの体験
皆さんはそんな初恋の記憶、今でも覚えているだろうか?
それが見事に成就した人、逆に昔の誰かが言った
「初恋は実らない」を地でいき
儚い失恋へと終わった人……一人、一人様々であろう。
でも数え切れないほどの出会い、恋をする中で
初恋と言うものは特別、印象深い思い出として心の中へと刻まれているはずだ。
少なくとも俺、伝馬和弥もその一人……
……さて、今回はそんな初恋に関するお話
事の発端は何気ない、いつもと変わらない日常の中、飛鳥の一言から始まった
「初恋って、ロマンチックだよねぇ……」
「……んっ?」
現在は昼休憩、校内食堂
その日は珍しく俺と飛鳥の2人で昼食を食べている時
何の脈絡もなく、変な事を飛鳥は言い出していた。
俺はうどんをすすりながら、言葉とは言えない返答を返す。
うどんに向けていた視線を飛鳥へと変更すると
少女マンガのごとく、無駄にキラキラ眼を輝かせながら
あらぬ方向を見て逝っちゃっている少女の姿が一人……
思い込みの激しいこの方から察するに今、少女マンガの世界へとダイブしているご様子
その様子に少し恐怖を感じながらも、俺は飛鳥の手に握られている
一つのマンガ本の存在に気づく。
「飛鳥よ、いろいろと聞きたいことは山ほど……というか、突っ込みどころ満載で
どうすれば良いかわからないのだが、その持ってる本は?」
「……えっ、この本?これだよ!カズちゃん知らない?」
そう言って、俺の目の前へと……
距離にして本と俺の距離数センチの所まで、笑顔で近づけてくる飛鳥。
何かを伝えたくて高ぶっている気持ちはよ〜く分かるのだが、近すぎて何も見えやしない。
俺は飛鳥から奪い取るかのように本を掴み、そしてやっとのことで
目の焦点の合う距離へと、視線を表紙へと向ける。
そこに書いてあったのは……
「初恋○定?」
「そう!初恋をテーマにしたマンガなんだよぉ。これ見てたら、なんかぁ
初恋って良いなぁ〜って思っちゃった!」
嬉しそうに未だ健在である、少女マンガモードを維持しつつ
キラキラ眼で、その物語について話し始める飛鳥。
余談だが、あのキラキラ眼をいつも見ると頭の中に真っ先に浮かんでくるのが
ベル○イユのばらなのは俺だけなのだろうか……皆はどう思う?
話を元に戻し、熱心に話を続ける飛鳥の言葉に軽く耳を傾けながら
俺は意識をそのマンガへと向け、どこかで見たことある絵と
少年漫画であることに疑問を感じながら、中身をパラパラと眺めていく。
「どう、カズちゃん?面白いでしょ!それになんかぁ恋してるなぁ〜って
変に共感とか持っちゃうよぉ、そう思わない?」
俺のことなど完全に無視したまま、イノシシよろしく
猪突猛進に話を続ける飛鳥。
しかし、俺の耳にはもう飛鳥の言葉などは聞こえておらず
意識は完全にマンガへと向かっていた。
絵の感じから薄々は感づいてはいたが、表紙そして、作者名へと目を向け
あの有名なストロベリーで100%なマンガの作者だと、すぐに気づく。
それは最初の印象で、中身……内容にすぐに俺は釘付けになる。
このマンガは、俺の言葉で表すのなら初恋群像劇と言ったところだろうか
主人公を位置づけない多数の視点、繊細な女性の心理描写
好き嫌いがはっきりと分かれそうだが、中々の面白い作品……
これがこのマンガの俺なりの感想。でも、俺の中にはそれ以外の感情が
浮かび上がってきていて、言うならば昔の思い出……そう、あの時に出会った
一度きりしか出会わなかった少女の記憶が蘇って――――
「カズちゃん?ボーっとして、どうしたのぉ?」
「えっ……あぁ、少し考えごとしてた」
飛鳥の言葉で遠くへと行きそうになっていた意識が、こちら側へと戻ってくる。
妙な事を思い出そうとしていて、変に意識が集中してしまっていたのだろう。
俺は飛鳥に向け、軽く笑いを浮かべる。
「本当にぃ?なんかすごくカズちゃん真剣な表情してたよぉ」
「大丈夫だって!何にもないから」
「……嘘!カズちゃん昔からそういう時、周りに悟られないように誤魔化す癖
ちっさい頃から変わらないもんっ!幼馴染なんだから分かるよぉ!」
「だからそうじゃなくてだな、これは―――」
「とにかく喋る!幼馴染命令だよぉ!じゃないと……カズちゃん分かってるよねぇ?」
最後には命令ですか、飛鳥さん!!
頬を膨らませて、周りから見れば小学生のような怒り方を俺に向ける。
一見可愛らしい、微笑ましい風景に見えなくもないが
俺には周りの人達とは違う、内なる感情……もう、飛鳥のデフォルトになりつつある
某鉈少女、某空鍋少女ような、なんとも言えないプレッシャーが俺を襲う。
……っ!こっ、これが今流行のヤンデレかぁぁ!!
笑顔を飛鳥は浮かべているだけなのに、何?この殺っちゃう感?
これより、もっとすごいのを鳴海○之や伊○誠は体験したと言うのか!?
時間にして数秒、俺はもちろんのごとく
「飛鳥様の仰せのままに……」
「うんっ、よろしい!」
教師もひったくれもなく、完全に俺は飛鳥へと屈服していた。
「……で、結局の所何を考えていたのぉ?」
俺を跪かせたことで、ある程度の満足感を得られたのか
満面の笑みを浮かべて、俺に向け言葉を送る飛鳥。
その憎たらしいほどの笑顔を眺めながら、いずれは復讐を!
そんな野望を抱きながら、俺は正面にいる飛鳥へと顔を向ける。
「そんなたいした事じゃねぇよ。ただ、あのマンガ読んでたら昔のことを思い出したんだよ」
「昔のことって?」
首をかしげ、飛鳥は不思議そうな顔をする。
俺は次に自分が言うであろう己の言葉に、多少の恥ずかしさを持つものの
コンマ何秒の躊躇の後……ゆっくりと口を開く。
「自分の初恋のことを……な」
「……えっ、えぇ!?」
驚きの声を浮かべて飛鳥が立ち上がる。
周りの人々の視線が飛鳥に集中していくも、本人はそのことに気づいてないのか
視線は俺の方へとまっすぐと向いている。
「かっ、カズちゃん初恋してたんだ」
「……あっ、まぁ人並みには」
飛鳥の迫力に驚きを隠せないまま、小さな声で返答をする。
飛鳥の表情も驚きと不安を入り混じらせたような、微妙な顔
まるで、俺が初恋を体験していた事が信じられないような、そんな雰囲気。
「話して……」
「えっ、何を―――」
「私にも教えてっ!カズちゃんの初恋話!」
「なっ、何を飛鳥そんな怒った顔をして」
「良いから話すのぉ!幼馴染命令っ!」
来ました!本日二回目の命令宣言!
正直、飛鳥がそこまで必死になって俺の初恋話を聞きたがるなんて
訳が分からなかったが、ここは逆らってはいけない空気。
自称空気読むのが得意な俺は、肩の力を抜くように一息深呼吸を入れて
「分かったよ……そこまで飛鳥が言うんなら、話そう。今から考えれば初恋と言えるのか
微妙だが、一日だけ出会ったある少女の事を」
俺はその当時の事を、過去の記憶を掘り起こすようにゆっくりと喋り始めた。
あれは俺がまだ海外に行く前の小学校中学年
今日のような季節に合わない、少し暖かい一日の日のこと……
休日を珍しく、外で過ごそうと決めた日の出来事であった。
この日は友達である蓮、飛鳥などは家の用事で遊ぶことはできず
妹である泉は、検査のため今日一日は面会謝絶。
それ以外にも友人である人間をくまなく誘ってみるも
ことごとく用事、留守ばっかりで俺は一人寂しく公園で空を眺めていた。
「なんだよ、これ……いじめかよ!」
少し、いや完全にふて腐れた様子で空に向けて文句を言う若かりし頃の俺
この当時、俺自身控えめに考えても交友関係は広かったほうで
決して少ないわけではなかった。だからこそ、この時の状態に俺は納得がいかなったのだろう
せっかく外に出たのに、何もできない……それが更に俺の気持ちを害していく。
「本当にムカつくなぁ……こうなるんだったら、家に帰ってコロ○ロかニュー○ン
読んでるほうがマシだったなぁ」
自然に愚痴もこぼれてくる。
今から考えれば、日本中の小学生の中で有名マンガ雑誌コロ○ロと有名科学雑誌ニュー○ンを
同列に扱った自分は我ながら特殊だった事を今更ながら思う。
「なんかイライラしてくるなぁ〜。日差しだって、無駄に眩しいし!
太陽も少しは身の程を弁えろよな、察しろよ太陽!」
挙句の果てには太陽にケンカを売る始末
子供とは言え、場所においては神格化されている物に文句を言うなど
現在の俺からは考えられないほどの、中々の過激な子供だったと言う事がありありと分かる。
「……もう、帰ろうかな」
さすがに文句も言い飽き、数時間公園内で誰か待ってみるものの
人っ子一人として来る気配はなかった。
さすがにここまで来れば、誰も……
俺の中でそんな諦めが浮かび上がってきたその瞬間
一陣の風が吹き荒れ、砂嵐が俺を襲う。
咄嗟の判断で目を閉じ、両腕を顔の前に被せる。
時間にして、一秒もない一瞬の出来事
だけれど、次に俺が目を開けた先には……
「……あっ」
驚いた表情をこちらに視線を向ける同じくらいの年齢の
ツインテール少女が一人、佇んでいた。
「こっ、こんにちわ」
鈴の音がなるような優しい声
その少女は、俺に向けて挨拶をして来るも、俺は文字通り固まったまま動けずにいた。
「……どうかしたんですか?」
心配そうに少女がこちらに視線を向け、近づいてくる。
俺はあいも変わらず、固まったまま……
「本当に、大丈夫?ボーっとして……もしかしたら、風邪でも引いてるんじゃ」
少女の左手が、俺の額へと伸びていく。
完全にショートし切ってしまっている俺は、こんな近距離になっても未だ固まったまま
しかし、少女の左手が俺の額に接触したその瞬間
「……えっ?うぉぉおぉお!!」
さっきまで俺がなんであったかのように、俊敏に動き始める。
少女も突然の行動に驚いたのか「きゃっ!」とかわらしい悲鳴を上げた。
止まっていた思考が働き始める、体中から感じたことのない異様な汗が流れ出てくる。
「あっ、あの……どうも、普段と違う調子みたいだったので心配しましたが
この様子だと、大丈夫みたいですね」
「あっ、はい。大丈夫です!元気いっぱいアン○ンマンです!!」
少女に話しかけられ、普段からは考えられない言葉を口にする。
俺自身何を言ったのかすら良く分からない。
もう正直な話、まとも思考する事など出来ずにいた。
「それなら良かったです、やっぱり元気なのが一番ですから!」
百万ドルの笑顔が降り注ぐ
己の心臓が自分でも分かるくらい、早く動いている。
俺は直視できなかった少女の顔をゆっくりと、視線を合わせていく。
俺は始め、風に舞ってやってきた妖精か何かかと、本気で一瞬ではあるがそう思った。
まず、目の前にいる少女を一言の言葉で表すなら可憐、優美
そんな言葉が浮かび上がるほど、見たことのないほどの綺麗なお方がそこにいた。
目、鼻、口……一つ、一つのパーツが整っていて驚嘆する点は数え切れないほどあるのだが
この当時、小学三年生の俺にはただ綺麗。その言葉しか浮かんでこなかった。
自分の周りには飛鳥、泉など美少女と呼べる人達がいることにはいたのだが
それとは全く違う、触れた事のない領域の美しさ。
俺はそんな人物と出会い、何かしなければいけないという衝動に駆られた。
良くは分からない、具体的に何をすれば良いのか浮かび上がらない。
でも、立ち止まって入られない……
これが何の感情か分からないが、俺は今一歩を踏み出す時なのだと
直感的に思っていた。
入り乱れる様々な思い、交錯しあう言葉の数々
俺は数秒の思考の後、こう言葉を放っていた。
「おっ、俺と一緒に散歩しませんかっ!」
のちに天才と呼ばれる頭脳を持った人間が考えた一世一代の誘い文句だった……
本当に、悲しい事に……
言った後に襲うのは後悔と言う二文字、小学校三年生ながら
これはないだろうと心の中で自問自答。
でも、帰ってきた言葉は俺の予想を遥かに裏切るもので
「ふふっ……誘ってくれるなんて思ってなかったな。こちらこそ……
よろしくお願いします、和弥くん」
一度だけの出会い、2人で共有した時間
数時間の、いつも見慣れた風景での散歩
その後その少女とは出会うことはもう、なかった……
でも、あの散歩の日の記憶は未だに俺の中の記憶に息づいている。
これが、初恋とは言えないかもしれない。
恋という感情ではなかったのかもしれない……
だけれど、ツインテールの少女と過ごしたあの日の思い出は忘れる事はないだろう。
これが俺の初恋と言えるか分からないお話
これにて、終焉である………
「まさか、こんなことがぁ」
話を終え、飛鳥に視線を向けると眉間に中指を当て
どこぞ探偵のように考えるポーズをしているのが目に入る。
「まるで無邪気な青春の一ページ!?たわいもない恋愛模様!?カズちゃんは
フラグクラッシャーだって信じてたのにぃ!何時の間にそんなことをぉぉ!!」
……すまん、何を言いたいのかさっぱり分かりません
フラグクラッシャーって何だよ?俺、そんなに暴力的ではないつもりなのだが
「そう言うがな、飛鳥。とは言っても、この後に何か展開があった訳でもなかったんだし」
「とは言っても興味はあったんでしょ?」
「まぁ……確かに……無いわけではないが」
「やっぱりぃ!!カズちゃんの浮気者ぉ、裏切り者ぉ!」
ポコポコと効果音はかわいらしい雰囲気だが、確実に急所目掛けて殴りかかってくる飛鳥
すんません、マジで痛いんですが。やっ、痛いんだって!やめてぇ!
反撃すら叶わない雰囲気。話せといわれて話したのにひどい扱いである。
「じゃあ、聞くけどカズちゃん!もし、もしもだけれどそのツインテールの子に再会したら
カズちゃんはどうするのぉ?」
ある程度攻撃して、満足したのか攻撃を止めた途端
飛鳥からそんな言葉が投げかけられてくる。
それは考えたことのないことであった。
もう一度会える……あの時は会うことはないと決め付けてはいたが
絶対に二度と会えないというわけではない。
もしも、再び目の前にあの少女が現れたとき、俺はどうするのだろうか?
俺は考える……そして、浮かび上がってきたのは
「もしも、俺の目の前にその少女が現れたら今の段階じゃはっきりとはいえないが
自分が持っている気持ち、好―――」
「生徒会の仕事早めに終わったから、来ちゃった!あっ、和弥のうどんおいしそ〜」
決め台詞を決めるかのごとく、カッコ良く喋り続けた所で
予想はしてなかったわけではないが、唐突に蓮の横槍が入ってくる。
いつものこととは言え、さすがに注意なしはどうかと思い
俺は蓮がいるであろう後ろを向き
「おい、蓮!いつも思うのだが、俺が話している途中に会話をするなと何度も……」
ここで俺の言葉は途切れる、途切れざるを得なかった。
目の前に広がるのは、予想通り蓮の姿……だけれど、どこかが変化した蓮の姿が
俺の瞳に映りこんでいた。それは、とても信じられる光景ではなく
見てみぬふりをしたくて堪らなかったが、どうする事できない。
次に俺が述べる言葉はもう、決まっていた。
言いたくないが、言わなければならない。真実を探求しなくてはならない。
「……おい、蓮」
「どうしたの、そんなローテンションで。何かあった、和弥?」
「一つ聞きたいんだが、その髪型は」
「あっ、これ?気がついてくれたんだ!和弥がツインテール好きって聞いてたからしてみよう
と思って。似合う?」
嬉しそうにツインテール姿を惜しげもなく、俺に見せ付ける蓮。
蓮のツインテール姿、感想から言えばピッタリといっても良いくらい似合っていた。
本当に男か?俺の親友なのか?と疑ってしまうほどの出来……
でも、それ以上に俺は重要な事に気づいてしまった。
気づかなくても良かったのかもしれない、知らなければ良かったのかもしれない
その姿はあの時の、月日は経ち大人びいてはいるが、見間違いでなければ間違えなく……
「もう一つ、質問なんだが……いいか?重要な質問だ、真剣に答えてくれ」
「……うん、分かった」
「そのツインテール姿、もしかして昔一回だけ―――」
「えっ、覚えていたんだ和弥!あの時の私の姿」
嫌な予感がする……いや、これは予感じゃない確信
もしかして、もしかしなくても俺の初恋って
あのとき出会った美少女って
ドキドキしたあの思い出って……
「あの時の散歩誘ってくれて、ちょっと嬉しかった……かな」
グッバイ、青春
グッバイ、輝かしい記憶……
俺は蓮の頬を赤らめながら述べるその言葉を聞いた後
いつの間にか駆け出していた、現実を逃避するかのごとく……
今日の流した涙は、とても熱く甘酸っぱい味がした
なんとか書けました外伝
初恋です。いろいろとネタはあったのですが
上手く書けなくて、いろいろとあってこれになりました。
予定では、二部の予定の話ですが、まぁ外伝っぽい話なので……
感想、評価お待ちしております!二部、外伝への活力となりますので、よろしくお願いします!!
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