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先生は17歳!?
作:takuto



第62話突然の来訪者


「やぁ、ここにいたんだね。和弥くん」


視線を向けるとそこには俺と比べて少し年上な感じの顔の整った、美少年と呼んでも
良いであろう人物が俺に向け、言葉を送り、佇んでいた。
さわやかなそうな笑顔、筋肉質ではないだろうが、引き締まった細身の体
誰が見てもイケメンと声を揃えて言うであろう人物がそこに立っていた。
周りを見れば、少し離れた所に数十はいるであろう女性の影……
この学園内では中々の人気者であることは誰が見ても明らかであった。
しかし、俺はその愛想の良い笑顔は詐欺師のごとく胡散臭い笑顔にしか見えず
さわかそうな佇まいは自然にではなく、人工的な作られた感がしてならない。
いわゆる俺の認識化では、変な奴……それがこいつの俺の位置づけであった。


「ちょっと……隣座らせてもらっていいかな?」


そう言って奴は、すばやく音も立てることなく俺の隣の席に座ってくる。
……ちょっと待て。俺は一言も良いとは口にしてないはずだが


「いいじゃないか?僕と、和弥くんの仲だろう?」


どんな仲だよ!俺は声を大にしてそう言いたいが
場所が場所なため、俺は口を開いたところで思い直し、止めた。
こいつと話したのは今日が始めてと言うわけではなかった。もう何度も……
出会いは偶然だった。たまたま授業で2人一組のペアでの共同実験レポートの際
周りが仲の良い物同士ペアを組んでいく中、俺はいつもごとく
今回の実験も一人で行う……そう思っていた中


「和弥くん……だよね?僕と一緒に組まない?」


そう言って話しかけてきたのが……奴だった。
それからと言うもの、こいつの顔は一日一回……いや、それ以上出会っているであろうと
思えるくらい、会うたびに強引に話しけられ、他愛もない話を俺たちはしていた。

変わった奴……本当に変わった奴だった。

学園内一の人気者、そして俺は学園内一の嫌われ者
一緒に並んでいるだけで俺達は、周りの人達から見て奇妙な光景だったのだろう。
他愛もない話を奴が喋りながら俺に振り、俺は相槌を打ち、たまに独り言のように
奴に向けて言葉を述べる。一般的に考えて会話、雑談と言う言葉には当てはまらない
明らかに異なった行為………だけれど俺は、この奴と作り上げる数メートルの空間が
妙に愛しさや心地よさを感じるように徐々に俺はなっていった。


―――ピピピピピピッ………


目覚まし時計の6時を知らせる電子アラーム音……そんな耳障りな音が部屋中に広がり
まだ通常の回転しきっていない頭、ぼやけている視界の中
俺、伝馬和弥はベットからゆっくりと体を起し、未だ甲高い悲鳴を上げている目覚まし時計に
手を伸ばし、スイッチをオフに変えた。

………体が重い

まず目を覚まし最初に感じたのは、信じられないほどの体中から
溢れ出るような疲労の重み、頭痛が俺を襲った。
なんとかそれを振り払おうと勢い良く体を起し、立ち上がろうとするものの
グラッと視界がぶれ、バランスを保てないまま俺は再びベットへと体を倒してしまう。


「……あぁ、またか」


俺は視線を真っ白な天井に向けたまま、独り言のように苦言を洩らした。
そう、この状況は今日が初めてというわけではなかった。
あの日、奏のお弁当作りが終わったときに感じた頭の痛み……
その日から早一週間、俺は未だその頭の痛みに悩まされていた。
風邪というわけではない。熱もなく、喉、鼻にも何ら影響は見られない。
しかし、このなんともいえない気だるさ、頭の痛みは未だ消えることなく俺を苦しめていた。


「それに、もう一つ……」


もう一つ、あの日から一般的には普通の、なんらおかしいことではないのであろうが
自分の中で些細な、だけれど奇妙な変化が訪れていた。それは………

………夢

俺はあの日以来、寝ている時夢を必ず夢を見るようになっていた。

夢……それは睡眠中に起こる幻覚体験。また、見た者の将来に対する希望・願望
を映し出したり、過去……脳内に記憶されている自分が関連する出来事をテレビでも
見ているかのように思い起こさせる。場合によっては、予知夢と言ってこれから起き得る
危機を知らせる信号……

それが「夢」という言葉の大まかな説明だ。
俺はある日を境に夢を見ることはなくなり、夢と言うものを数年感じたことがなかったのだが
奏のお弁当作りの日から夢を……それも決まって過去、幼少時代、アメリカに渡ったばかりの
記憶、思い出が断片的に夢として毎日、俺の脳内に再生されていた。
しかし、その夢の中では見たことのない人物……今日の夢を例に挙げるならば
場所はアメリカにいた時代通っていた見知った学園、ちゃんと記憶されている風景の中に
世の女性を虜にしそうな顔持った、なぜか異様にムカつく――――
そこまで思い出したところで、俺はハッと気づき目覚まし時計に目を向ける。
時間はまだ遅刻しそうなほど遅い時間帯ではないが、いつも通り朝食を食べると考えると
なかなか難しい時間に差し掛かっているところであった。


「やっ、やばい!こんな意味分からないこと考えてないで、急がないと!」


俺はさっきまで夢のことに対して、思考張り巡らせていた頭を朝の準備モードへと
働き○ンのごとくすばやく切り替え、準備を開始し始めた。
もう夢の出来事など遥か彼方へ飛んでいってしまうくらいに……


和弥の朝の風景
朝、俺はいつも洗面所に行くことから一日が始まる。寝ぼけた思考、ぼやけた視界を
はっきりさせるためにも顔を洗うのが一番なのを経験上良く分かってるためだ。
顔を洗い、ちょっと跳ねている寝癖を直し、すばやく洗面所を後にする。
まだ、起きた当初から続いている頭の痛みは多少は収まったものの治っておらず
多少は辛いが、アメリカにいた時代は徹夜などで日常茶飯事だったため
これくらいは俺の中では我慢できる範囲内だ。
とにかくそんなことに気を取られるわけにもいかず、もう一度二階に上がり
今度は身支度の準備をする。ハンガーに掛けてあったシャツ、ズボンを身につけ
エプロンとスーツを片手に一階へ、朝食を作るためキッチンへと足を運ぶ。
頭の中で今日は和食にしようか、洋食しようか……そんなことを考えながら
居間へと、キッチンへと繋がる扉を開き、入ろうとし――――
そのまま扉を閉めた。
廊下で足踏みをし、視線を扉の模様、木目などをじっくりと見つめ
頭の中で今見たものを考察する。
………信じられない、ありえないものを見た気がする。
顔を洗ったのにも関わらず、俺は幻覚でも見たのかと自分を疑ってみるが
明らかに違う。今、俺は完全に目が覚めている。確かな事実だ。
でも、目の前のことを俺は素直にうんと認めることができない、できるわけがない!!


「おっ、おい……こんなこと漫画じゃないんだから……しかし、でも……どうする?」


早朝とあってか早々に頭の中の情報処理能力が追いつかなくなり、完全にパニック状態に陥り
自他共に認める天才と言う与えられた称号も色あせそうなほどの慌てぶり、驚き具合に
情けなくなる気持ちが襲ってくるものの、この状況ではいい方法など考え付くわけもなく……


「……よし」


俺はもう一度、今度は勢い良く扉を開けた。
中にはカーテンの隙間から降り注ぐ太陽の光に注がれながら一人の女性……
いや、推定小学生にも満たないほど小さな女の子がこっちに視線を向けて
たった一人、静かに佇んでいた。
視線をその子に向けると、外見はセミロングの茶色がかった綺麗な髪
くりっとしたかわらしい瞳で、今はかわらしいという印象が強いその子だが
いずれ何年後には、綺麗な美少女になること間違いなしな雰囲気を………


「何考えてんだよ、俺!!違う、そこじゃなくて根本的な問題!!」


そう、根本的な問題……なぜこんな所に女の子、それも子供がいるのか
それが一番の問題である。遠まわし的な気づき方だが……
とは言え、この状況をどうすればいいか、俺は落ち着きを取り戻しつつある頭の中
一度深呼吸をし、ゆっくりと彼女、その女の子に向かって歩を進めた。
簡単な結論……その女の子に質問してみることにした。


「……あの、聞きたいんだけれど、ここは俺の家なんだけどさ。間違えたんじゃない?」


体を下ろし、女の子と同じ目線に合わせ言葉を掛ける。
女の子は一度、そのくりっとした瞳を大きく見開くと、かわらしい笑顔を浮かべ
首を横に振った。


「じゃ、じゃあ君の名前、名前を教えてくれないかな?」


その女の子が俺に向けた笑顔に多少ドキッとした気持ちになり、言葉に詰まりそうになるが
なんとか次の質問をゆっくりと分かりやすいように伝える。
ちなみに言っておくが、俺はロリじゃない……
そうすると、女の子は待ってましたとばかりに更に満面とも言える笑顔を俺に向け


「私の名前は九ノ宮、九ノ宮楓くのみやかえでっていうのっ!!」


元気のある声で俺に伝えた。
九ノ宮……どっかで聞いたことがある苗字であるが自分の記憶の中では
親戚の中に九ノ宮という苗字は記憶にない。それも、かなり珍しい苗字なため
記憶違いと言うことも考えにくい。自分の中にわずかに可能性があった親戚説は
可能性が薄いことが判明する。


「う〜ん、じゃあ楓ちゃん。もう一度聞くんだけれど、本当にここで合ってる?
何かの間違いじゃない?もし間違えなら早めに―――」
「合ってるのぉ!楓、間違えたりしてないもんっ!」


もう一度確認のため、楓ちゃんに聞こうとしたのだが、途中で怒ってしまったらしく
頬に空気をため、風船のように膨らませて怒りを表現しておられる。


「本当だよぉ!だって楓、百合おば……百合お姉さんに言われてここに来たんだもん!」
「百合お姉さんね……………えっ?」


唐突に楓ちゃんから告げられた信じられない言葉
さっき、楓ちゃん……ゆっ、百合って………

―――トゥルルルルルル!!!

そして、タイミングが良すぎるくらいの電話音がこの伝馬家中に響き渡る。
まさか……いや、そうとしか………
俺は、おそるおそる電話の元に近づき、ゆっくりと受話器を上げた。


「……はい、てん―――」
『ひっさしぶり〜!!元気にしてた?和弥』


電話越しだというのに鼓膜が破れそうなほど大声
間違いない、この電話の主……それは我が母、伝馬百合であった。
と言うか、母よ。俺がまだ言い終わる前に喋り始めるのはどうかと思うのだが……


「元気にしてた?じゃないだろうがぁ!それよりも母さんあんたには―――」
『そういえば、もうそっちに楓ちゃん着いてる?』


また、俺の話無視だよ。この人は……
それよりもやっぱり楓ちゃんのことはやはり我が母の仕業のようで


「それ、それについてだな俺は意見を―――」
『時間がないから簡単に伝えるわ。和弥、あんた今日一日楓ちゃんの面倒ヨロシク!』
「……えっ?ヨロシクじゃないよ!あの子は一体―――」
『説明は面倒だわ。和弥、テレビのチャンネルFテレビにしなさい。早く!』


もうここまで来たら、軽くイジメである。
あぁ……涙が出てきそうだ。
しかし、今まで我が母によるしつけ、もとい俺の負け犬根性が染み付いてるためか
無意識の内にテレビを付け、チャンネルをFテレビに合わせていた。
ある意味神の域に達してるような勢いに自分で、自分を褒めたくなってくる。
チャンネルを合わせると、ニュース番組で今、ゲストを呼んで生トークをしている最中の
ようで、アナウンサーの質問をかなりの美人な方が滑らかに質問を答えている所であった。
ゲストの方は芸能などに無知な俺も知っている顔で世界的な有名ブランドのオーナーで
名前は確か……あっ、あれ?そういえば……苗字は……


『今回の日本帰国は日本で新しくオープンするお店の宣伝のためとお聞きしましたが?』
『はい。それもありますが、今回は私の娘……楓も連れてきて、楓に日本を知ってほしいと
いうことも目的なんです。だけれど、仕事が忙しいもので知り合いの家にいるんですけどね』
『そうなんですか!じゃあこの写真の楓ちゃんが未来の九ノ宮ブランドを支えるんですかね』


そう言って番組の方は盛り上がり、話は進んで言っていくのだが
俺はもう話などには耳は入らず、飾られるように置いてある娘の写真……
楓という名の女の子の写真に目が離せなくなる。
……おい、これは夢か?誰か状況をまとめてくれ。なぜこんな事態に!?
信じられない事態が今、目の前に迫っているわけだが
俺はどうも認めなくてはならないようだ。
俺の横に座っている少女……九ノ宮楓ちゃんは世界的有名ブランド九ノ宮の娘であること


『……だいたい、事情は飲み込めたでしょ?』
「いっ、一応は。でも、この子の面倒見るなんて!それに俺はがっ――」
『とにかく今日一日お父さん役お願いね!楓ちゃん。このお兄ちゃん、今日だけは楓ちゃん
のお父さんだからよろしくね!』
「わかったっ!」
『じゃあ、後は頑張って!健闘を祈る!』


そう言って我が母は俺の話も聞かず、一方的に電話し、一方的に話しかけ
一方的に頼み込み、一方的に去っていった。
残されたのは、俺とニコニコ顔の楓ちゃんの二人のみ……
とにかく俺は先積みされた沢山の問題には目もくれず


「それじゃあ……まずは朝食食べようか?楓ちゃん」
「うんっ!おにい……パパっ!!」


2人で言葉を交わし、手を繋いで居間へと、キッチンへと歩を進めた。




やっとテスト週間も終わり、やっと書ける!!ってのに次に続きます。一話にまとめるつもりが長くなってしまう……この頃こんなのばっかです。まあとにかく皆さんからも言われている通り早く更新を心がけたいと思います。感想、評価お待ちしています!!ちょっとしたことでもとても励みになったり、参考になりますのでよろしくお願いします!!






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