先生は17歳!?(41/100)縦書き表示RDF


祝40話!!そしてアクセス数七万ヒット突破!!
見てくれてる人本当にありがとうございます!!
先生は17歳!?
作:takuto



第40話一日だけの関係 後編


服屋で店員に生暖かい視線を注がれながらも、なんとか予定の服も購入し
店の外へと出た俺と薫。
自分のつけている腕時計の時間を見てみると、今は12時15分
もう昼は過ぎており、ちょうどいい昼ごはん時であった。
そうすると、薫が自分のお気に入りのお店がここの近くにある。
そう言っていたので、俺たち一行は昼ご飯を食べるため移動を開始することにした。
で、着いた所は……


「いらっしゃいませ〜。あっ、和弥くん!今日は彼女連れかな〜?」


そう着いた所はちょっと前に女装してまで働いた喫茶店百華屋であった。
確かに予想は出来たことだ……ここら辺で流行っている店と言えば真っ先ここの名前が挙がるのは、当たり前のことなのだから……
とは言え、薫が自らお薦めした所を俺の個人的な理由で断るのは薫に悪い。
そう思い飛鳥ママにばれるの覚悟で店の中へ強行突破したのだが
入った瞬間になぜか店長である飛鳥ママ直々にお迎えしてくるとは……
相変わらず運がないと言うか、何と言うか。
俺たちはそのまま飛鳥ママに案内されて、席へと座った。


「はい!ご注文はお決まりになりましたか?」


頼むものが決まり、店員に声を掛けるとなぜか店長である飛鳥ママがオーダーを取りに来た。
すいません。厨房の仕事大丈夫なんでしょうか……
そんな思いが頭の中から出てくるが、この人だから仕方がない……
そう自分に思い込ませて注文する物を言っていくことに


「えっと、俺はカルボナーラの大盛りにミックスピザのハーフで。あと食後にコーヒを」
「私はミートスパゲッティのハーフを。あと和弥くんと一緒で食後にコーヒお願いします」
「えっ?薫。それだけでいいのか?それじゃあ足りないような気がするんだが」


俺は薫の頼んだメニューを聞いて、疑問に思い本人に聞く。


「だっ、大丈夫です!私、小食なんで……」
「そう言ってもこれは少なすぎる気がするんだが。もしお金に余裕がないなら俺がおごっ!」


頭が何か固いもので叩かれたような痛みが走る。
見てみると、頭の上にメニューなどを運ぶトレイが……


「和弥くん、女心わかってなさすぎよ……ゲームの主人公じゃないんだから……
じゃあ注文はさっきので了解!しばしお待ちください」


そう言って、厨房へと戻っていく飛鳥ママ。
その後には、なぜトレイで殴られたのかわからぬまま疑問符が頭の中で増え続ける俺と
納得したような顔で微笑を浮かべる薫の対象的な二人の姿が写っていた。


「はい!お待ちどうさま。出来たてで熱いから気をつけてね」


時間にして10分も立っていない時間
まだ出来上がって間もない料理たちが俺たちの前に現れる。
俺はきちんと「いただきます!」と言い、カルボナーラへと手を伸ばす。
……うん!この絡まり具合、麺の固さ、正に完璧である。
俺はさっきの服屋での疲れもあったためか、勢い良く食べていく。


「あのっ!和弥くん!」


いきなり薫が俺に話しかけてくる。
さっきまで完全に食べ物のみに集中していた視線を元に戻す。


「んっ?どうしたんだ?」
「えっ〜と……おっ、美味しいね!やっぱりこのお店の料理」
「あっ?ああ。美味しいな」


唐突に話してくると思ったら、良く意味のわからない話題を俺に振ってくる。
それに今の薫はいつもより心なしか慌てているような感じだ。


「でっ、でね!美味しいから、食べ比べ……しない?」
「そういうことならいいけど……それじゃ皿を―――」
「そんなことしなくていいよ!わっ、私が食べさせてあげる……から」
「……はい?」


衝撃の展開!!
食べさせてくる?それって……あれだよな……あの行為をするのか
頭の中が急激に加速し始める。
すると、薫が真っ赤な顔をして


「和弥くん。あっ、あ〜ん……」


俺の口元の近くにミートスパが巻かれているフォークが表れる。
これは……しなければならない雰囲気に……
周りを見渡すと、近くにいる客はもちろんのこと、店員までが俺たちの方を見ている。
良く見ると厨房の所で飛鳥ママも興味深げにこっちを見てる。
この状況でするのか……恥ずかしすぎる。だけれども……


「あ〜ん……和弥くん早く食べて」


どこか寂しげで、期待に満ちた――それでいて潤んだ瞳でこっちを見ないでくれ!!
そんな心の声で絶叫するものの……


「あっ、あ〜ん」


結局は食べるこことなってしまった。
みんなに見られているという恥ずかしい状況で……
でも、これでなんとかもう恥ずかしい目には


「じゃあ、今度は私に食べさせてください……お願いします」


いや、まだ続くようだ。
こうして、みんなに見られ恥ずかしい思いをしながら昼ご飯の時間は過ぎていった。


そんな目に合いながらも、何とか和弥と薫は無事(?)に食事を済ませ
食後の運動も兼ねるという意味合いで、公園へと足を運んだ。


「う〜ん!!気持ちいいな。たまにはこんな日もありだな」


公園のベンチに座り、太陽から降り注ぐ日光に浴びながら、ふとそんな言葉が出てて来る。


「私は普段はよく外に出るんで……和弥くんはあまり外にはでないんですか?」
「まぁな。元々大学時代もずっと篭もって、数式と格闘する毎日だったからな……
こんな風にゆっくりする時間なんてなかった……」
「そうだったんですか……」


薫は聞いてはならないことを聞いてしまったと思い、下に視線を落とす。


「だけど、今日は薫のためにこんな風になってるのに、なぜか俺の方が充実した一日を
過ごせた感じだよ……ありがとうな」
「ええっ!?そっ、そんなことないです……私のほうも無理言っちゃってすいません」


突然の和弥からの感謝の言葉にびっくりしたのか、顔を真っ赤にして俯いてしまう薫。
梅雨の明けて、夏の日差しと流れゆく水のような風が二人の体に降り注ぐ。
誰もいない公園、聞こえてくるのは蝉の鳴き声のみ
なにもせず……時間だけがゆっくりとその時を刻んでいく。
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか
おもむろに薫が口を開く。


「和弥くん。少し前に私が告白したの覚えていますよね」
「……ああ、覚えているよ」


和弥はゆっくりと、しかしはっきりとした口調で言う。


「私あの告白の後、返事はいい、気持ちを伝えたかっただけ……
それで満足なんだって思ってました」
「………」


和弥は薫に視線を向けるだけで言葉は発しない。


「先生と生徒と言う関係で時々会話ができるだけでいい……そう思ってました
でも、違っていました。告白してから時間が経つうちに徐々に自分の気持ちが……
和弥くんへの思いが深まっていくのを……抑えることは出来ない思いだけは
和弥くんを愛していると言うこの思いだけは……」
「………俺、俺は―――」
「わかっています!わかってるんです……私なんかじゃダメなんだって
でも、和弥くんからその言葉は聞きたくないです」


ピロピロピロ

薫の携帯からメール受信の音が聞こえるメール内容は

『準備は完了。いつでもOKよ』

そう書かれたメールが薫に届く。


「和弥くん。もう一つだけ……もう一つだけ私のワガママを聞いてください。
今日だけだけど、恋人と言える私の願いを……」
「……わかったよ。恋人の願いはちゃんと聞かないといけないからな」


そう和弥は笑顔で言い、二人は手を繋ぎながらある場所へと向かう。
薫が言う、その願いをかなえる場所へと……


「落ち着かないな。この格好は」


俺は自分の着ている格好を見渡す。慣れない物を着ているせいか、気分が落ち着かずにいた。

薫の願い……それは結婚式を上げること

そう教会に着く前に薫から説明を受けた俺は、従業員からタキシードを渡され
貸しきり状態の教会で一人、薫が来るのを待っていた。


「まだね……薫ちゃん。着るのに時間掛かるのかしら?」


訂正。一人ではなかった。
どういう訳かは知らないが、今回牧師役として橘先生も教壇でだるさ気に突っ立っている。
薫が自分から頼んだということらしいが、もうこうなってしまったらいちいち気にしてなどいられない。どうやってこの教会を貸しきったのか?この服はどこから調達してきたのか?
などの疑問すらも良くわかっていないのだから……

そのときだった……

座席に挟まれた通路の先、外へと続くであろう大きな扉がゆっくりと開いていく。
そして、その向こうには……ウエディングドレス姿の薫の姿あった。
その身に纏う……純白のウエディングドレス


「………」


俺は言葉を発することが出来ない。
まぶしいほどの白いドレス。それを見に包んだ薫が、ゆっくりとした足取りで
こちらへ向かってくる。一歩、一歩、俺のほうへ……
礼拝堂の彩る光の照明がドレスを来た薫をより綺麗に、より幻想的にしている。
そして、俺の前で歩みを止める。


「あの……どうですか?」


こんな格好をしていても、いつもの薫らしさは変わらず
顔を真っ赤にさせて俺に聞いてくる。


「うん……綺麗だよ。ものすごくね」


俺は正直な思いを薫へと伝える。
その言葉に反応して、薫の顔はもっと真っ赤へと染まっていく。


「それじゃあ準備も出来たことだし、結婚式を行いましょうか!」


その橘先生の言葉により、参式者などはいっさいいない結婚式が始まった。

まずは呼んであった聖歌隊による賛美歌の合唱
その後には橘先生による、聖書の朗読が行われて、神前での宣誓へと移っていく。


「それでは、誓いの言葉を……綾乃薫。汝はそこの伝馬和弥を夫することを誓いますか?」
「……はい。誓います」


顔を真っ赤にして、だけれども視線だけは前を向いて、はっきりとした口調で喋る。


「伝馬和弥?」
「はい……誓います」


いつもとは違い、俺自身も真面目な顔で、ゆっくりと言葉を述べる。


「それでは……誓いのキスを」


そう言って、橘先生は俺たちのほうに視線を向けた。
俺からすれば、ここまでは予定に入ってなかったのだが
横にいる薫のほうに視線を向けると、薫は俺のほうに視線を向けて
ただじっと俺のほうを見つめ続けた。
そして、優しく俺を抱きしめてくる……
俺は何もすることが出来ず、ただその身を薫へと預ける。


「今日一日。本当にありがとう、和弥くん……一日だけだったけれど……振りだったけれど
和弥くんの恋人になれて本当に良かったです。和弥くんとしたかったこと少しだけだったけれど実現できた。こんなワガママも……聞いてくれた。本当にありがとう……
でも、私欲張りだから最後に、最後に一つだけ……私に思い出をください。
和弥くんと恋人であった思い出を……」


そう言って、気づいたときには俺の唇にやわらかい感触が……
一瞬であったがそんな感触が俺の唇へと感じてきていた。


「本当にありがとうございます。和弥くん」


そう言って、俺に笑顔を見せる薫。

こうして、一日であったが俺と薫の一日限定の恋人デートは終わりを迎えたのであった。



「はぁ、はぁ、はぁ……」


私は結婚式が終えたあと、すぐに服を着替えて教会へと出て行った。
どこまで走ったのだろうか……とにかく自分の気力が持つところまで走り続けた。
今日のデート……それは和弥くん、伝馬先生の思いを断ち切るためのデートであった。
恋人と言う関係で、一日だけ伝馬先生との最初で最後の思い出を……
そう思い、私は橘先生に相談し、協力してもらうことで
自分でも欲張りだと思ったけれど、ずっと思い描いていたデートと結婚式を行うことが出来た
満足だった。十分すぎるくらいの思い出を手に入れることが出来た。
これで完璧にあの人の思いを吹っ切ることができる。
そう……思っていた。思っていたのに……


「薫ちゃん……」


橘先生の声が聞こえた。車に乗って追いかけてきてくれたようだ……
こんな私の間違っている恋でも応援してくれた人だ。
前のめりになり、橘先生に持たれかかる。


「先生……」
「どうしたの?」
「今日一日……とても楽しかった。夢のような一日だった……伝馬先生が隣にいて
理想とするデートもして……けっ、結婚式だって。思い残すことなんてないと思っていた。
なのに……それなのに!!」


涙が頬を伝っているのがわかる。涙が止まらない……


「辛いよぉ……辛いよ、先生」


それだけが言葉になって出てくる。
橘先生は何も言わず、私をギュと抱きしめてくれた。

夜が近いため街頭に灯がともり、周囲が明るくなる。

自分達を除いて……


なんか暗い感じなってしまった……ちょっと不憫なキャラになってしまいました綾乃薫。
まぁ、どうしても展開上こうなることはわかっていたんですがね……
話題は変わりますが、7万越えました!!本当にありがとうございます!!あと、感想、評価お待ちしております。ちょっとしたことでもいいのでお願いします!!とても参考になりますので……






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