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今回は微シリアスになってます
先生は17歳!?
作:takuto



第2話完璧委員長の憂鬱


 
飛鳥との再会後
俺はいままでに感じることのない疲労感と苦労を背負う日々が続いた。
最初は授業のほうも同年代の先生に数学を教えてもらうという
意味不明な状態に生徒達も動揺や不安が隠しきれていなく
ギシャクした雰囲気が出ていたが
この高校の先生と同じく生徒もその場での順応が早いらしく3日しないうちに
この授業風景にもなれ、俺に対しての反応も最初の頃より戸惑いや不信感も消え
今では生徒から気さくに話しかけてくれたりもしてくれる。
というか完全に俺は生徒の中では先生というよりもクラスメイトという認識が強いらしく
今日の登校時だって……


「伝馬くんおはよう!!」
「伝馬!先生が遅刻したら格好がつかないぜ!」
「伝馬〜今日提出する宿題忘れてきちゃった。提出明日でいいよな?」


とこのように完璧に学生通しの朝の登校風景へとなっているわけなのだが……
まあ確かに同じ歳に敬語なんか使われるのは、俺も変に恥ずかしい感じがするので
クラスメイトとして扱ってくれるのは俺としてもとてもうれしいことだとは思うのだが
少しくらいは俺が先生だと言うことを認識してもよいのでは?
と思うのも事実である。


……まあ冒頭からこれまでのことを振り返ってみたが
やっぱり慣れないことをしているせいかこのごろ疲労感がすごく、体がかなりヤバイ感じだ。
寝てしまおうかと思うが、とはいえ形ながらも先生なので体を立たせて
生徒たちの話を聞く。
今はHRホームルームの時間で半年に1回行われるクラス対抗のレクリエーション大会で
何をするか話し合いをしているらしく、生徒たちは思い思いのアイデアを述べている。
サッカー、バスケ、卓球、ミニ運動会、クイズ合戦、カバディー、セパタクローなどなど
いろいろな意見が飛び交っている。

……っていうかマイナースポーツは出すなよ……絶対過半数はルールとか知らないだろ

意見は次々と出てくるのだが、いくらたっても意見がまとまらず
クラス内の生徒たちの声がうるさくなっていく。
その状態に気づいたのか教壇に立っている一人の少女が口を開いた。

 
「このままじゃいくら話をしたって決まるものも決まりませんので
今挙がっている候補から多数決をとりたいと思うのですが……よろしいでしょうか?」

 
簡潔かつスピーディーに物事を解決する方法を取った。
この少女の名は水城奏みずきかなで
うちのクラスの委員長にして完璧少女。いつでも冷静沈着で唯一このクラスで俺の
ことを先生と呼ぶロングヘアー可憐な少女。
逆に先生と呼ばれるということは俺のことを敬遠しているのでは?
とあたりまえのことを水城はしているのに違和感を感じる俺。

 
「先生?先生も多数決での決定でよろしいでしょうか?」
「あっ!いいよ、多数決で。早めに決めないとやばいしな」

 
いきなり話かけられて少しあわててしまったがなんとか返答


「じゃあ、まずはサッカーから……サッカーがいい人は手を上げてください」

 
まあこのように水城の判断によりかなり早いスピードで物事は進み
結果はバスケというなんのおもしろみもない結果として終わった。
HR終了後お礼言うため水城のもとへ駆け寄る。

 
「ありがとな、水城。お前のおかげで早く話し合いを終えることが出来たよ」

 
水城はこちらを向き

 
「いえ、私は委員長としての責務を果たしたまでですから……お礼をいわれるほどのことは」
「そんなことはないぞ。お前は委員長としてちゃんとすることはしてるし
勉強面やそのほかの部分でも水城はよくがんばってると思うが……」

 
俺は正直な感想を述べた。水城は勉強面、スポーツなどの部分でも
模範的かつ完璧な結果を出している。
完璧すぎて逆に怖くらいだと思ってしまうくらいに……
でも水城はいつも何かに怯えているようなさびしい目をしていた。

 
「そんな……私はすごくないですよ。そんなこといったら先生なんか私達の同い年で
先生になっているんですからすごいですよ。私なんてまだまだ……」

 
そして水城はいつものように自分に自信がないことを主張する。
謙遜ともいえなくはないがそれにしても、自分のいままでの努力すらも
否定するくらいの勢いで……

 
「……水城、お前何か悩みでもあるのか?」

 
率直に俺が思っていたことを言ってみた。

 
「………」

 
返ってくるのは沈黙。顔を下に向けていて水城の顔はまったく見えないが
この姿からでも、顔をゆがめて何か悩んでいるような素振りが容易に想像が出来る。

 
「……あっ!言いたくなければそれでいいんだ。ただすごくなにかに思いつめているような
顔をしていたから気になってな。こんなんでも一応は俺……先生だから」
「……どうして私が何かに悩んでいるなんて先生は思ったんですか?」

 
水城は視線を下に向けたまま聞いてくる。

 
「お前な……誰にも気づかれていないと思っているのかもしれないが、丸分かりだ。
ここ最近お前を見ていて、無理に笑顔を作ったり、無理に気を張ってみたりしていて
違和感がすごくあったぞ」

 
そうなのだ。このクラスに来て初めて水城と会った当初から感じていた違和感……
この学校生活で無理をしている水城の姿
これが前から気になってしょうがなかったのだ。

 
「ふっふふ……さすがですね先生。やっぱり先生はすごいですよ。
私、誰にも気づかれたことなかったのに……気づいちゃうなんて……」


ここに来て初めて水城の笑う顔を見ることが出来た。
きれいな女神の微笑とも取れる笑顔に一瞬意識が遥か彼方へ……
いっいかん!先生が生徒に見惚れるなんて!!
いくら俺が17歳とは言え一応先生。頭を振り意識をはっきりさせる。


「そっ……そういうことだ!言えない悩みなら俺は無理には聞こうとはしない。
でも、もし少しでも相談したいという気持ちがあるなら俺のところに来い!
いつでも相談乗るから……ただの世間話にくるだけでもいいぞ!」
「でも、先生とは言え同年代にそのセリフを言われると違和感を感じますね」
「うっ……たっ、確かに」

 
水城の言うとおりだ。勢いでさっきのセリフを勢いよく言い放ってしまったが
かなりクサイことを恥ずかしげもなく言ってしまったらしい。
今頃になって恥ずかしさが溢れかえってくる。

 
「でも……先生うれしかったです。こんなこと言われたの先生……いや、伝馬先生が
初めてですから……ちょっと気分が楽になりました」
「そうか?ならいいんだが……水城はちょっと肩に力が入りすぎだからな。
もう少し力抜いて生活したほうがいいぞ」
「はいっ!ありがとうございます。伝馬先生」

 
また俺に笑顔を向けてくれた。
正直、俺にはまぶしすぎるくらいの笑顔でありなんて破壊力バツグンの笑顔であろう。
間違いなくこれを見た男子は見惚れないほうがおかしいだろう。

 
「次の授業が始まるので失礼させてもらいます」
「そっ、そうか?次の授業もがんばって来いよ」
「はい。伝馬先生もがんばってお仕事してくださいね」
「まかしておけ。なんとか今日1日乗り切って見せるよ」
「無理は禁物ですよ」

 
と会話を終え、次の授業の準備に取り掛かるため教務室に向かって歩いていく。

 
「……伝馬先生!」

 
水城に呼ばれたので歩くのをやめ、後ろを振り向く。

 
「伝馬先生!私と同い年で不安もあるでしょうが
伝馬先生はちゃんと先生としてやっていますよ!」

 
と一言いい、足早に去っていく。

 
「ちゃんと先生やっているか……」

 
どう表現したらいいか分からないが率直にうれしいと思った。
それに水城は俺のことを「伝馬先生」と呼ぶようになってくれた。
普通の人からすれば微々たる変化かもしれないが確実に俺と水城の関係は
いい方向に向かって行ってるようだ。
この2つの事態に喜びを感じつつ俺は次の授業の準備のため
教務室に向かって歩き始めた。


第2話です!読んでくれている方ありがとうございます
かなりスムーズにかけてしまったので今日は2話連続です。明日の投稿がえらくなるかも……
感想いただくとうれしいです。ちょっとしたことでも
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