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先生は17歳!?
作:takuto



第18話ラブレターパニック!?


 

妙な視線を感じる。
そう思い始めたのは、生徒会主催のクイズ大会終了後の次の日からだ。
朝の出勤、学校内、帰宅
なぜか始終誰かに見られている感じが消えない。
一瞬、この前の飛鳥とのクイズ大会の件で親衛隊が俺に攻撃をしかける
タイミングを図っているのか?
と考えるも、あいつらだったらそんな面倒なことはしないだろうと自分なりに解釈。
となるとこの感じる視線は一体……
学校を出勤する間、俺は悶々と考えながら学校へ向かっていった。
結局、学校に着く間、ずっと考えては見たものも
これといった可能性を見つけることはできなかった。
まあ、俺の思い過ごしなのかもしれないと思い、俺は職員用の下駄箱に向かい、靴を変える。


「……ん?」

 
下駄箱の中から何か落ちてきた。
落ちた方向に目をやると、そこには1枚の封筒が……

 
「なんだよ……これ」


俺はその封筒に手を伸ばし、中を開けてみる。
1枚の便箋が折りたたんで入っていた。いわゆるこれは手紙ということである。
すると……まさか!!……これは……
下駄箱の手紙を入れるなんて、これはまさしくマンガでもベタなネタとして使われている……

 
「ラブレターか!!」

 
と声に出して言ってみるも、そんなことはマンガ、ドラマの世界に
しかありえないことである。
俺は、冷静に考えて須藤あたりが果たし状でも書いたかな〜と推測する。
まあ、考えるより行動せよである。
俺はさっそく封筒を開けて、中の手紙を見てみることに……

 
「…………………」

 
―――――時が止まった………

 
俺は高速スピードで手紙をカバンの中に隠す。そして周りを確認。
タイミングがよかったのか誰もいない。
俺はそのまま自分の出せる限界のスピードでトイレに向かった。

 
「はぁ、はぁ………これはどういうことだ?」

 
俺は、個室のトイレに閉じこもり、混乱した頭を落ち着かせる。
1、2回深呼吸をする。
多少ではあるが、冷静さを俺は取り戻していく。
……さあ……まずは状況把握である。
確認するためカバンから封筒を取り出し、中の手紙にもう一度目を通す。
手紙にはこう書かれていた。
 

伝馬先生へ

すいません。いきなりこのような手紙を出したこと謝ります。
伝馬先生がこの手紙を見たとき、とても驚かれていると思います。
私もわかっています。これがいけないことだってことも
ずっと心の奥に留めておこう。そう思っていたんです。
でも、あなたのクイズ大会の時の輝きを見ていたら、もう気持ちが抑えられなくて
今日の放課後、6時。屋上で待っています。

 
こっ、これは……まさしくこれが、ラブレターと言うものなのではないのか……
さっき言っていた冗談が現実なってしまった。
マンガ、ドラマの中だけの物だと思ったていたシチュエーションが
まさに今、自分の所に!!
だが……俺は先生である。
先生と生徒が付き合うなんて言語道断であるし、このラブレターを貰ったという事態が
バレてしまってもヤバイ雰囲気がする。
そう……今日の放課後まで名前は分からんが、その生徒と屋上で会うまで
平常心を保たなくてはならないようだ。
正直、ミッションインポッシブルな雰囲気でいっぱいな感じがするが
俺はこれをやり遂げなければならない。
今後の未来のためやいろいろなためにも!!!
俺は気合を入れ、教務室へ向かった。

 
朝の職員会議を終え、俺は今日の予定を見る。
今日は1時間目は授業がなく、2時間目まで暇である。
俺は、ホッと一息つき、1時間目は簡単に乗り切ることができると安心していると

 
「伝馬先生!1時間目は授業ないんですか?私もないんですよ〜」

 
訂正。伊織先生がいた。
この人も俺がボロを出してしまう可能性の高い危険人物である。
俺はいつも通りに話しかけることを心がけつつ、会話をする。

 
「ああ!伊織先生もですか!奇遇ですね〜」
「………なんかいつもと雰囲気違いますね。伝馬先生」

 
いきなりピンチ!!
さすがは伊織先生……敏感に俺の変化を捉えるとは……

 
「そうですか?いつもどおりだと思うですが……」
「まあ……いいです。それじゃ1時間目はどちらも暇だから、お話でもしていましょうか?」
「あっ、はい!」

 
授業の準備はもう終えているので、伊織先生と話をすることにした。

 
「それにしてもすごかったですね〜この前のクイズ大会」
「たしかに……かなり凝ってましたからね」

 
伊織先生とは授業、テレビなどの話題から先日のクイズ大会のことになった。

 
「それと伝馬先生!とてもかっこよかったですよ!!」
「そっ、そうですか?いや〜照れます……」

 
俺は顔を赤くして、下を向いてしまう。
お世辞とは言え、美人の伊織先生に言われるのは悪くない。

 
「もしかしたら、生徒の中から伝馬先生の姿を見て惚れている人もいるかも知れませんよ?」

 
……ヤバイ……会話がいきなり核心に……

 
「そんなことないですよ!!俺なんかが―――」
「いや!何人かは見惚れていた人いますよ!すっごくかっこ良かったですもの!」

 
俺は止めようと、この会話に割り込もうとするが
伊織先生の会話はマシンガンのごとくのスピードで
俺は入り込む余地などなかった。

 
「あっ……でも、生徒と教師はだめですよ♪
いくら17歳と言っても教師は教師なんですから!
……あら?伝馬先生。すごい汗が……」

 
あんまりにもピンポイントに伊織先生が俺を攻め立てるため
俺は体中からヤバイ汗が滝のごとく出てくる。

 
「大丈夫ですよ……大丈夫……」
「伝馬先生……なんか悲壮感MAXな顔に……」

 
この伊織先生の会話により、俺は多大なダメージを受けるものの
なんとかきり抜けることに成功した。

 

「カズちゃん?どうしたのぉ〜?全然ご飯進んでないよぉ」
「なんかいつもより顔色も悪いわよ……和弥」
「目も虚ろですし……」
「何かあったのか?伝馬氏」
「このコロッケおいし〜♪」

 
そう、今、俺はいつものメンバーと食事をしている。
俺の中で一番危険率の高い状況である。
そのため俺は、まともに飯を食べれず、逆にみんな心配されて
いつもよりよく話しかけれている。
まあ……芹澤は心配などしてないみたいだが。

 
「ああ……大丈夫だって……少し寝不足なだけだ」

 
みんな心配をかけまいとそれらしいことを言っておく。

 
「ダメだよぉ!早く寝ないと!睡眠は大事なんだよぉ!」
「飛鳥というとおりだ。少しは早く寝ろ!」
「まあ……カズくんもいろいろと忙しいだよ。いろいろと……」

 
飛鳥などにそういう風に言われると俺の良心が痛む……
芹澤……意味深な事言うな。

 
「そんなに寝不足なら病院とか紹介しましょうか?」
「私も良い所しってるわよ。和弥」

 
奏と蓮まで……
不謹慎ではあるが、みんなが寝不足ごときでここまで心配してくれてるのに
一種の感動を覚えていた。
先生の体調を気にする生徒達……う〜ん……学園ドラマのようだ。
それでも、隣におられる芹澤さんは「あんぱんウマー♪」とか言いながら
食事を続けておられる。
まあ、こいつに心配されるなんて天と地がひっくり返ってもないだろうな。
と頭で考えていると、さっきまで食事をしていた芹澤が俺に近づいてくる。
なんだ?と思っていると

 
「ホントはラブレター貰ってドキドキしてるなんて言えないもんね♪カズくん♪」

 
芹澤は小声でえらいこと言いやがった!!
って言うかこいつ何でラブレターのことを……

 
「どうして知ってるんだ?とか思ってるでしょ〜。朝、たまたま見たんだよ。
まあ、手紙ってことは分かったんだけど果たし状かラブレターか
良く分からなかったからカマかけて見たの♪」

 
なんて奴だ……
これで俺は窮地に追い詰められた。
それにもう一つ恐怖に感じることが……
それは芹澤の顔がいつもの笑顔のようであるが、一切笑っていないのだ。
結論、芹澤は今、怒っている様だ。
普段はそんな様子は全然見せないので、俺はかなりビビッていた。

 
「おっ、おい……芹澤何怒ってるんだ?たしかに先生が生徒になんて―――」
「怒ってなんかないよ♪本当に♪」

 

怒っている芹澤は俺にはどうしようもできないようだ。
とにかく、俺は芹澤をなんとかするべくある提案を持ちかける。

 
「芹澤……またではあるが、ひとつ願いを聞こう。それで手を打たないか?」

 
テストの時と同じ条件を芹澤に提示した。

 
「……ふ〜ん♪……じゃあ携帯番号教えて♪カズくん♪」
「すまんが、俺携帯持っていないんだが……」
「持ってないの!?じゃあ……自宅の電話番号でいいよ♪」
「バラ撒く気か?」
「そんなことしないよ♪」
「じゃあその条件でいこう。頼むぞ芹澤」
「了解♪」

 
俺と芹澤はテレパシーのごとく、周りにばれずに会話を成立させた。

 
「和弥……さっきから何芹澤さんとしてるの?」

 
蓮がこのおかしな様子に気づいたらしく聞いてくる。
そこで俺たちは会話を終える。

 
「いや、芹澤に勉強のことを教えていたんだよ」
「そうそう♪留年は困るからね♪」

 
さすがは芹澤。瞬時のその対応と協力してくれたことに感謝する。

 
「あっ!みんなさっきね、恋文……」

 
いきなり俺ピンチ!!!芹澤裏切りか!!

 
「って曲流れてたよね?E○Tの」
「あんまり聞いてなかったですから……良く分かりませんでした」
「私もぉ〜」

 
なんて奴だ……
それをネタにして俺をいじめるつもりらしい芹澤。
俺は結局昼休憩の間、芹澤にいじめられ続けた俺であった。

 
長い……本当に長い苦難を乗り越え、俺は放課後まで生き延びた。
俺は屋上の階段に登りながら、今日の戦いを振り返る。
始まりは伊織先生の悪意のない攻撃から始まり
芹澤に弱みなんか握られたりもした。
でも……これで屋上に行きさえすれば、俺の今日のミッション&教師生命も
失われることがなくなる。
さあ……まずはあって見なければな……
俺を好きになる酔狂な奴を。
俺は屋上の扉を開く。
するとそこには……一人の少女が立っていた。

 
少女の姿を確認し、これがマジであると判明したため、俺の緊張感が走る。
俺はゆっくりと少女のもとに近づく。

 
「えっと……君かな?この手紙くれたのは」

 
俺は背を向けている少女に声をかける。
すると背を向けていた少女は俺のほうに顔を向けた……
率直に言おう。めちゃくちゃ綺麗な方であった。
髪はショートカットでスタイルはスレンダーでモデル系な雰囲気であり
顔もアイドル並みに整っている。

 
「すいません……わざわざ来ていただいて……ありがとうございます」
「いや……大丈夫だよ」

 
多少パニくりながらも、何とか返答する。

 
「えっ〜と……もう一度確認するが俺であってる?間違いじゃない?」

 
俺は再度確認してみた。

 
「はい!!伝馬先生です」

 
どうやら本当で俺らしい。自分でも言うのもなんだが、この高校に入って
それほど目立ったことはしてないと思うのだが……

 
「伝馬先生……朝の全校集会のときに貧血で倒れた子のこと覚えていませんか?」
「ああ……そんなことあったな……そういえば……」

 
あの時のことを俺は思い出す。

 
「倒れたの私だったんです。伝馬先生は私を背負って保健室まで連れて行ってくれました」
「あの時の子だったんだ……」

 
あの時は俺もまだ先生になって間のないため、とにかくあせっていたことしか覚えていない。

 
「あの時……伝馬先生の優しさに触れたから……ずっと心に留めておくつもりでしたけど……
伝馬……先生!!私はあなたのことが……好きです」

 
俺は少女のほうを見る。
少女の目は俺の方を真っ直ぐに見つめており、夕焼けで照らされた顔は
とても魅力的で……綺麗だった……
俺は返事するため、少女のほうを見つめる。

 
「…………おっ、俺は―――」

 
「カズちゃん!」「和弥!」「和弥さん!」「カズ!」「カズくん!」

「「「「「ダメぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」

 
「……えっ?」

 
俺は声の聞こえるほうに体を向ける。
すると、飛鳥、蓮、奏、朝倉、芹澤が俺のほうに向かって走ってくる。

 
「カズちゃん!ダメだよぉ〜!!それなら私だって昔からカズちゃんのこと……」
「こら!飛鳥。あんただけどさくさにまぎれて抜け駆けするなんてひどいわよ!」
「とにかく今は、和弥さんを……」
「カズ!!……いや伝馬氏!君は先生であってでな……」

 
俺の元に来るなり、いっせいにみんながギャーギャー騒ぎ始める。
何かいろいろと言ってるみたいだが、みんな声が重なってよく聞こえない。

 
「おい!!芹澤。どういうことだ!?これは!」

 
この事態を良く知っていそうな人物に話しかける。

 
「えっ!……いや〜ね……カズくんがラブレターもらったのばれちゃって♪」
「……はぁ?」
「昼休憩のこと4人に問い詰められてポロッと♪」
「お前な〜!!」

 
結局ばれてしまったようだ。
まあ……知ってしまったら、みんなが怒りながらくることは当たり前だろう。
教師と先生なんて……ダメだからな〜。
なんて考えていると

 
「どうしたんですか?これは……」

 
告白してきた少女が俺の元に近づいてくる。
ヤバイ…このまま5人接触すれば、騒ぎになる可能性が高くなる。
俺はとにかくこの場の収集を図るため喋ろうとすると

 
「あれ?もしかして……あなたが告白したの?」

 
蓮がその少女に話しかけていた。

 
「あっ!蓮ちゃん……うん……黙っておこうと思ってたんだけど……」
「じゃあ生徒会室のあれはマジだったのね……」
「……うん」

 
なんか二人で会話を始めていた。
二人は知り合いなのかかなりフレンドリーに話をしている。

 
「おい……蓮。その人知り合いか?」

 
気になったため俺は蓮に聞いてみる。

 
「うん?……ああ、この子はねうちの学校の生徒副会長よ!知らなかったの?和弥」


「へぇ〜」と俺は声を上げる。
未だにこの学校のことを把握していないと言うことを実感する俺。
だが、さらに衝撃な事実を蓮は俺に告げる。

 
「じゃあこのことも知らないわね。この子男なのよ」
「………えっ?」
「男の子!まあいわゆる私と同類ってことかな?」

 
俺は蓮に言われた後、その少女のほうに視線を向ける。
告白したばかりで緊張しているのか、真っ赤な顔をして下を向いている。
そのしぐさはどう見たって女そのものである……
しかし、蓮も同様に女しか見えないわけで……

 
「……こんなのってあり?」

 
と俺は一言つぶやいた。
俺の初めてのラブレターは同姓からのものであると言う
非日常的なもので終わりを告げた。

 
その後
告白の返事はその少女から「自分の気持ちを伝えたかっただけ。返事はいいです」
と言われたため返答はしなかった。
しかし、それからと言うもの学校や学校外で会うたびに
俺に律儀にあいさつをしてくれて、そのたびに見せられる魅力的な笑顔を
「あれは男。あれは男」と念仏のように心で繰り返さなければ
俺の中に眠る何かが壊れてしまいそうになると言う日々が続いた。
女装癖の生徒副会長はいろいろと俺の頭を悩ませる存在になってしまったようだ。


ゴールデンウィークと言うのに部活、勉強で大忙しのtakutoです。休みだからいっぱい投稿できる!ってのは甘い考え方でした。
投稿ペースは遅いですが、頑張って書いていきます。
評価、感想待ってます。一人一人の言葉にとても励まされています。






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