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先生は17歳!?
作:takuto



第17話伝馬和弥の本気


 

「カズちゃん!!これ一緒に参加しよっ!」

 

やっと授業が終わって、一息ついて教室から出ようとした矢先

飛鳥がある一枚の紙を俺に見せてくる。

俺はその紙を凝視しつつ、書いてある内容を口に出して読む。

 

「生徒会主催クイズ大会開催決定!……何だ?……それ」

 

紙にはそれだけがデカデカと書かれており、詳細を飛鳥に聞く。

 

「うん!これはね、学校行事の一環で数ヶ月に一度生徒会が主催するイベントなのぉ!

生徒全員が全員参加なのは当たり前で、先生達も参加可能なんだよぉ〜」

 

また行事ごとである。

ちょっと前にレクリエーション大会があったと言うのに……

この学校は意外と行事ごとを好む学校らしい。

それに、生徒会主催となれば生徒会長である蓮の案だ。

だが……クイズ大会とは……

 

「なんか蓮が考えた割には盛り上がりに欠けるような企画だな。

それに全校生徒参加ってどうするんだよ?」

 

俺はこのイベントに関しての率直な感想と疑問を述べた。

 

「そこら辺は大丈夫だよぉ!クイズにもいろいろな種類があってね。

体感型クイズとかアトラクション型クイズとかいろいろな種類があるから大丈夫!

だからねっ!一緒に参加しよう!ねぇ!」

 

飛鳥は鼻息が掛かってしまうくらいに顔を近づけて、クイズ大会参加を要求する。

そこまで顔を近づけられると、視界全体が飛鳥一色になり

少しドキドキする自分がいた。

この見つめ合っている状況はなんかヤバイと俺の中の危険レーダーも

ビンビンと反応している。

このままではいけないと思い、クイズ大会のことを頭で考える。

まあ……俺自身、クイズ番組は嫌いではないし、多少興味もある。

この状況を打破するのもかねて、もう少し飛鳥から詳しい話を聞くことにする。

 

「じゃあそうだ……もし、俺が参加するとなったらどれに参加するんだ?」

「んっとね。ペアクイズだよぉ!」

「ペッ、ペアクイズ!?」

 

その名前を聞いただけなのに、なぜか嫌な予感MAXな俺。

 

「そっ、それはどんなクイズなんだ?」

 

飛鳥にそのペアクイズと言う名のクイズの概要を聞くことに。

 

「ペアクイズって言うのはねぇ、二人一組で参加するクイズでぇ〜

一緒に協力したり、助け合ったりするクイズらしいよぉ!それに男女混合もOKだから……

カズちゃんと私が一緒に出るのっ!!」

 

予想通り

こっ、このままではレクリエーション大会の時の二の舞になること間違いなしだ。

どうすれば……どうすれば飛鳥も納得するように断れるだろうか……

そんなことを考えながら一人思案にふけっていると

 

「おお、飛鳥。クイズ大会何に参加するか決まったのか?」

「やっぱり飛鳥ちゃんは大方の予想通りカズくんとペアクイズかな?」

 

朝倉と芹澤がやってきた。

とにかくこの二人は俺に厄介ごとしか持ってこないイメージがあるので

俺はある程度の警戒心を持って奴らとは付き合っている。

すると、そんなこともお構いなしに飛鳥は

 

「うん!カズちゃんとペアクイズ出るんだぁ〜。頑張るからっ!」

 

と能天気に朝倉、芹澤に向かって言う。

……っておい!いつも間にか勝手に俺が参加することに……

 

「ちょ、ちょっと待て飛鳥!俺は一言もそのペアクイズに参加するんなんて言ってないぞ!」

 

俺はすばやく参加決定を否定する。

 

「えっ!?カズちゃん、参加してくれるんじゃないの?」

「俺はただ詳細聞いただけであって参加するとは言ってない!」

「え〜っ!そんな……カズちゃん……一緒にできると思ったのに……」

 

肩をがっくり落として、誰から見ても落ち込んでるのが分かるくらい

飛鳥は落ち込んでいた。

かわいそうに思えたが、このまま俺が飛鳥とクイズに参加すれば

飛鳥親衛隊に殺されかねない。

不幸はもうたくさん合って来たので、これからは事前に避けなくてはいけない時代だ。

そう俺が、心の中で納得していると、朝倉と芹澤が飛鳥の元に駆け寄った。

 

「飛鳥……あんなに楽しみにしていたのに……まったく伝馬氏は冷たいな」

「仕方がないよ……きっとカズくんはクイズがに・が・てなんだよ♪

教師としていや、天才17歳としてそんな赤っ恥書きたくないもんね♪」

 

――――プチッ

 

俺の頭の中で何かが弾けた。

 

「そうか……そうなのか……伝馬氏にもそのような事情が……」

「だからね♪飛鳥ちゃんも元気出して♪」

 

そう言って二人は飛鳥を励まし、教室から出ようとする。すると……

 

「ちょっと待て……」

 

俺は3人を呼び止める。

 

「……どうしたのだ?伝馬氏」

 

朝倉は俺のほうを向いて聞き返す。
 

「……参加する……クイズ参加するよ。そんな風に思われてるのは尺だからな。

飛鳥。一緒にペアクイズ参加。それでいいな?」

 

飛鳥はいきなりの状況変化に多少戸惑いを感じつつも

 

「カズちゃん!?参加してくれるの?……よかった……」

 

と安堵感と嬉しい思いでいっぱいになっている飛鳥。

それに対して俺はいままでにない雰囲気を身にまといつつ

クイズ大会の参加を決意していた。

 

 

「カズちゃん……なんだか緊張するよ……」

 

飛鳥は俺の腕にくっついて、体を震わせていた。

今、俺たちはペアクイズ参加者の待合室で、もうすぐ始まるペアクイズ大会を

今か今かと待っていた。

 

「大丈夫だ。俺がいる。お前は俺についてくればいい」

 

震えている飛鳥を俺は自分なりの言い方で励ます。

 

 

「かっカズちゃん……」

「どうしたんだ?飛鳥」

「なんか……今日のカズちゃん……すごく頼もしいよぉ」

 

少し頬を染めながら言う飛鳥。

さすが、飛鳥。俺の違いにいち早く気づいている。さすがは幼馴染と言うところか。

 

「ああ、今日はやる気が違うからな……」

 

そう……朝倉、芹澤に言われた言葉。あれで俺は完全にキレていた。

もう、あいつらを見返すまでは俺のプライドが許されない。

 

「は〜い。ペアクイズの参加のみなさん。会場へお願いします〜」

 

関係者から入場の合図が掛かった。

さあ……クイズ大会の始まりである。

 

 

「始まりました〜!!今回の中でももっとも注目の種目ペアクイズ!!

二人で力を合わせてピンチを切り抜けていく……

そんな生徒達の姿に注目してくださ〜い!じゃあ、まずは参加選手の紹介から〜」

 

と透き通った声で司会をしているのはご存知伊織先生。

この頃は司会役が妙にはまっていますよ。

さて……選手紹介をしている間、俺は敵になりそうなペアに目をつける。

まずは綾月蓮&水城奏ペア

この二人は生徒会関係で組まされたらしいが強敵だ。

頭、体力ともにトップレベル。一番の敵と言っても過言ではない。

それに……さっきからこっちに向けてくる視線が異様に痛い。

あっちも敵視してるということか?

次は飛鳥親衛隊隊長である須藤太郎&部下Aペア

正直もう一人の名前は知らない(失礼)

どうあれ、俺らに妨害してくることは間違えない。

そして最後朝倉沙希&芹澤泉ペア

これと言って不安要素はないが、嫌な予感がするので注意する。

そう、この3つが当面の敵と考えて問題はないだろう。

紹介が終わり、競技の説明に入る。

 

「競技の説明をします!ルールはいたって単純!早押しクイズです!

制限時間内に問題を出し続けます。一番多くの正解を出したペアが優勝です!

しかし、解答者は一人。もう一人の方はこれに乗ってもらいます!」


そう言って、伊織先生はある方向に指差す。

そこにはエクササイズバイクが。

 

「もう一人の方にはこれをこいでもらいます。

それも……解答者が解答している間ずっとです。

もし、問題を解答者が間違えた場合はそのペアの方の

エクササイズバイクのスピードはアップします」

 

周りでざわめきが起きる。

単純に言えば、知力と体力を競うと言うことか……

 

「一応言っておきますがもし、片方の方がエアロバイクに耐え切れなくなって

ストップする場合はもちろんリタイヤですよ!さあ準備を開始してください」

 

それぞれバラバラになって話し合いを始める。

 

「カズちゃん。私達はどうするのぉ?」

「すまんが……飛鳥。バイクのほうに乗ってくれ。普通これは俺がやる物だろうが

勝つためには飛鳥が乗ってくれると助かる」

 

俺は頭に中で飛鳥がしたほうがいいと考えていたので、そのように飛鳥に伝える。

 

「わかったよ!カズちゃん!」

 

そう言ってエクササイズバイクに乗る飛鳥。

 

「カズちゃん!クイズ頑張ってね!」

 

飛鳥に応援を受け、俺は一言。

 

「まかせとけ……」

 

と言った。いくら飛鳥と言えども長時間は辛い。

とにかく俺は早く終わらせることだけを考える。

 

周りを見ると解答者には奏、須藤、朝倉が立っている。

俺は目を閉じ、問題が読まれるのを静かに待つ。

 

「第1問!歴史の問題です。

ペリーが来航時、老中首座として幕政の――」

「ピンポン!」

「「「……えっ!!!!」」」

 

まだ全文を読まず、ボタンが押されたためみんなが驚きの声を上げた。

観客も同様である。

 

「……ええっと……伝馬先生……どうぞ」

 

動揺したため伊織先生は俺に当てるまで、数秒かかってしまった。

いつもは冷静な人だが、さすがに今の事態には混乱しているのだろう。

その中で俺、伝馬和弥は答える。

 

「阿部正弘」

「……せっ、正解です!!」

 

選手、観客とも騒がしいくらい動揺の声が聞こえる。

 

さあ……これからが……本番だ……

 



やはり……というかさすがと言うべきだろうな。

私達がけしかけたこととは言え、ここまでの力とは……

私、朝倉沙希はカズの力を過小評価し過ぎていたようだ。

私達の中ではいくら天才と言われていても、クイズと勉強では

まるっきり違うものだと思ったのが間違いであった。

さすがは天才……

そっ、それに、今日のカズはいつもと違って……そっ、その……かっこいい……

普段はダルそうにしていて分かりにくいが、カズは意外とイケメンの部類に入る顔だ。

本人は月並みの顔だと言っているが、異性の私から見て

目や鼻もくっきりしており、整った顔をしている。

多少童顔な顔にも見えるが、見ようによってはそれもカズの良さといえるだろう。

そう……そのカズが今、信じられないほど真面目な顔をしている。

いつもの情けなさい所と時折見せるカズのシリアスな一面のギャップといったら



………………ポッ♪………ボンッ!!


ヤバイ……危険だ……今のカズの顔を見るのは危険だ。

一瞬、横目で見ただけなのに顔は茹でタコのごとく赤くなり

脳内は自分ではどうにもならないくらいパニック状態に陥っている。

とにかく……今はクイズに集中するんだ。

そう私は言い聞かせて、意識をクイズの方に向けた。




結果を申し上げよう。

簡潔に言うと俺の圧勝であった。

俺は、自分が先生であること完璧に忘れて、本気でクイズに挑んだ。

この頃はダメキャラが板についてきた俺だが

腐っても天才。

この事態により、自分のクラスはもとより

他クラスからも歓声と拍手を大量に頂き

本当に本当にめずらしく、不幸もなくクイズ大会は終了した。



だが次の日

俺はめずらしく頭をフル回転させたためか

激しい頭痛に悩まされた。

やっぱりタダでは終わらない俺であった。




いや〜。まずはすいません。
コメディーでもシリアスでもないですね。
感想の中でかっこいい和弥が見たいという意見があったので書いてみました。
正直うまくまとめられてないような……頑張ります。
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