第13話テスト前の奔走後編
と飛鳥のいきなりの案により俺の家での勉強会が決定したことにより
俺は、いつもとは違い大量の材料を持って家に帰宅していた。
まあ自分は綺麗好きなため、早く家に帰って部屋のかたづけにがんばらなくてもよいので
ゆっくりとマイペースに帰宅する。
…………でも、女子高生が先生の家に泊まりに来るなんてヤバイのでは?
と考えも浮かび、苦悩する俺。
そう悶々と考えているうちに、もう家の玄関まで着いていた。
鍵を出し、扉を開けようするが……
「……あれ?開いてる?」
そう、家の鍵が開いていたのだ。
頭の中で泥棒と言う考えが思い浮かぶ。
一瞬、体に寒いものが走るが、中の確認をするためにドアを開けることにする。
俺は声を出さずにゆっくりと扉を開いていく。
するとそこには!!!!
「あ〜!カズちゃんおかえりぃ〜。先に家に入らせてもらったよ!」
「ふ〜ん……中々綺麗にしているではないか伝馬氏。今日の晩御飯は何だ?」
「ねぇ〜。カズくん。さっきから家の中隅々まで探したけどエロ本ないよ?
どこに隠してるの!?言っちゃいなよ♪」
バカレンジャーがいた。
つうかどうやって家の中に入ったんだ?
それに芹澤!!人に家に来て最初にする行動じゃないだろう!!
「おい……どうやってこの家の中入ったんだ……」
まず一番に疑問に思っていることを聞いてみる。
芹澤はまだ「エロ本〜エロはどこ〜?」って言ってるが無視。
「あっ!それなら鍵を開けて入ったんだよぉ。大丈夫!不法侵入じゃないから安心して!」
と鍵を見せながら言う飛鳥。
「鍵っていつの間に俺の家の鍵なんか持ってるんだ?」
「ん〜っとねぇ。カズちゃんがこっちに来た最初のほうに百合さんからもらったんだぁ!!
和弥をよろしくお願いしますって」
「そんなことが行われていたとは……」
ちなみに言うと百合っていうのは俺の母さんの名前である。
なぜ、飛鳥に名前で呼ばせているかと言うと「おばさん」と呼ばれるのは
毒マムシに噛み付かれるほど嫌らしく、逆に呼んだのもなら一生モンのトラウマになる
お説教もとい拷問を受けることになる。
前に俺の友達が受けたときにはまともに意思の疎通ができるようになるのに
半年掛かるという恐怖である。
まあそんな昔話は言いとして、無理やりながらも開いた勉強会である。
すぐさま、3人を居間に移動させて勉強会を開始することにした。
「もう頭がいたいよぉ〜。カズちゃん」
「こんな数式の計算なんて要らないとは思わないか?伝馬氏。やはり人間は技術を
学ぶべきであって、将来役に立つとは到底思えないこの高等学校の知識と言うものは……」
「やっぱりないな〜。エロ本。あっ、DVDやビデオのほうはあるかも♪」
ぜんぜん進まないぃぃぃ!!!
これぽっちも、1ミクロンさえも勉強ははかどらなかった。
つうかまじめにやっているのが飛鳥のみで、あとの二人は
堅苦しいことを並べて問題を解くことを拒否したり、俺の家をあさり続けたりと
まったくもってやる気が無い朝倉と芹澤であった。
「あのな……まあなんとか真面目にやっている飛鳥はいい。だが!!
お前ら二人!!少しは真面目に勉強しろ!なんのための勉強会だ!」
二人を指差し、叱る俺。
「とは言え伝馬氏。私もバカレンジャーといわれてる身、こんな問題解けるわけが―――」
「言い訳は聞かん!!とにかくやる気を見せろ!!」
「……めずらしく強引だな伝馬氏」
「そうだね〜。カズくん、いつもよりかなり強気♪」
「お前もだ芹澤!家に来てエロ本を探すな!今日は勉強会だろうが!」
「えぇ〜!!でもカズくん。さっきからマジで探してるけど本当でないよ?
もっ、もしかしてホモ疑惑は本当で―――」
「違う!!マジで違うからな!そこらへんは信じろ!朝倉も引くんじゃない!」
と俺、朝倉、芹澤はいい合いをを続けていると
一人取り残された飛鳥は
「もうっ!3人とも落ち着いてよぉ〜そろそろご飯の時間だし、気分転換もかねて
晩ご飯にしようよぉ!ねぇ?」
とめずらしく、本当にめずらしくいい案を上げる飛鳥。
俺も朝倉も芹澤もその意見に賛成し、晩御飯を食べることにした。
今日は人数も多いと言うことで定番のカレーライスにした。
みんなワイワイと楽しそうに食べている。
と、こういう風に3人を見てみるとなかなかの美少女達が俺の家に上がっているんだなと
今頃ながら実感する。
飛鳥はもちろんのこと、朝倉も芹澤も性格さえ除けばかなり顔も整っており、スタイルもよく
10人中9人は間違いなく美少女と言うほどの人物である。
まあ性格を知ってしまうとそうでも無いのだが……
だが、美少女達が食事をしている姿はなぜか微笑ましく見えてこっちまで笑顔になってしまう
のが不思議である。
「カズく〜ん。なに私達ののほうを見てニコニコ顔でエロい妄想してるの♪
どんなこと考えてるのかな〜?」
「さすが伝馬氏だな。いつでもエロを欠かさないとは……」
「カズちゃん……食事中くらいはちょっと……」
前言撤回
こいつらはかわいい顔した悪魔だ。
少しでも綺麗とかかわいいとか思ってしまった俺に腹が立つ。
つうか俺ってそんなにエロそうに見えるのか?
「お前らな……もういいや。そんなことよりお前達はどうやったらやる気出してくれるん
だ?」
「「「やる気?」」」
「そう、やる気。特に朝倉と芹澤。どうやったら勉強する気になるんだ?」
もう俺は本人達に希望を聞くことにした。
正直このままではこの勉強会の意味を成さないまま終了する恐れがある。
「そうだな……私はサインがほしいわけでもないしな……」
「そうだね。欲しかったら私の場合取って来てもらえるし♪」
そうなのだ。こいつらは一般の欲は通じない。
なぜなら二人ともありえないくらいの大金持ちの家であり、欲しいものはすぐに手に入れる環
境にいるからだ。
よってサインなどではピクリとも動きはしなかった。
俺はもうどうしようもないのか?と思い、最後にもう一つの条件を提示してみた。
「じゃあさ……俺が一つ、2人のお願いを聞いてやるってのはどうだ?
でっ、でも金銭的なことやあまりにも不可能なことはダメだぞ」
と、どう考えたってお金持ちのお嬢様には見向きもされないような条件を提示する俺。
もうあきらめて飛鳥だけでも点数アップさせるかと思い、その場から離れようとすると
「伝馬氏。ちょっと待ってくれ。さっきなんでも1つお願いを聞くとそう言ったな?」
「それって本気で言ってるの?カズくん」
マジな顔をして俺のほうに目を向ける二人。
「ああ……でもすごく高いものは買えないぞ。まあ少しくらいなら――」
「そんな物など私達がねだる訳ないだろうが」
「そうだよ♪私達は一応は金持ちなんだよ♪」
たしかに二人は俺なんかに頼まなくても物は買えるはずだ。
「ふ〜ん……そうか……たしかに……よし!その条件を飲もう。
さあ伝馬氏勉強を始めよう。時間は有限なんだ」
「いいよ♪私もその条件でいいよ。じゃあ早く勉強を始めよ♪カズくん」
「……はあ?」
あまりにもいきなりのことで変な声が出てしまった俺。
どういうことなんだ?いきなり積極的に勉強を始めるなんて……
不信に思いながらもやる気を出してくれたことには変わらないので
気持ちが変わる前に勉強会をまた開始させた。
二人はその言葉通りいままで見たことの無い集中力で俺の授業を受けていた。
しかし、なぜか俺のほうを睨みながら
「まさか沙希ちゃんと泉ちゃん、カズちゃんになんかする気なんじゃ……
でも私は昔からカズちゃんのことを……」
と小さな声で聞こえないが独り言を言いながら、俺のほうに殺気に近い
目線を向けている飛鳥がとても怖かった俺であった。
結果から申し上げよう
飛鳥平均20→54
朝倉平均22→78
芹澤平均25→85
俺はこの結果を見た瞬間、目を疑いたくなった。
まさかこんな短時間でここまで点数アップするとは……
これを中間テストで結果として出してくれさえすれば間違いなく俺の最下位はない。
「おい……飛鳥もがんばったとは思うが二人ともやればできるじゃないか!」
と心のそこから率直に思ってること言ってみた。
すると二人は俺の方に目線を向けて
「まあ、これが私達のホンキの気持ちってことだよ伝馬氏」
「そういうこと♪人間は好きなことのためなら頑張れるんだよ♪」
そういい残してこの勉強会は終了を迎えることとなった。
そして時は過ぎ中間テストも終了し結果は……
2-Cクラス3位という結果に終わった。
1位には届きはしなかったが、クラス平均82,4という今まででは信じられない記録
を出したのだからよく頑張ったといってもいい結果だろう。
それに朝倉と芹澤にいたっては
朝倉平均82点
芹澤平均87点
という考えられない点をたたき出し、バカレンジャーの奇跡とまで言われていた。
とにかく罰ゲームに逃れられて、ホッしていると
「伝馬氏話があるのだが……」
「そう♪話があるの♪」
朝倉と芹澤が話しかけてきた。
「どうしたんだ?二人とも」
「ああ、話というのはなこの前の条件のことなんだが……」
「ああ一つお願い聞くってやつだろ?この成績だ。いいだろう。一つお願いを
聞いてやるよ。なんだ?」
そう俺が尋ねると、めずらしく朝倉が言うことにとまどいを見せているのか
なかなかしゃべり始めなかった。
朝倉はひとつ深呼吸をして、そのお願い事を言った。
「今度の休みの日デートにつれてってはくれないだろうか?」
「私も一緒♪だからダブルデートだね♪」
といきなりの仰天発言!!
俺が頭のなかでパニックになっていると、後ろから肩につかまる手が……
恐る恐る後ろを見てみると
「カズちゃん……デートってホント?」
「和弥………浮気って重罪なのよ……」
「生徒と先生が……デート?……変態ですか?和弥さん」
三者三様の切り口で俺に言葉の攻撃を与える飛鳥、蓮、奏。
俺はいまだにパニックに陥っている頭を落ち着かせるべく目を閉じる……
俺に平穏と言う文字はない。
そう心から思う。今日この頃だった。
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