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先生は17歳!?
作:takuto



第11話蓮ちゃん事件簿


 

 

「助けて!!和弥!」

 

いきなりの体当たりに何の準備もしてない俺はそのまま地面に頭を強打。

いつものことながら俺の意識は遥か彼方へ飛んで……

 

「逝くかよぉぉ!!」

 

と寸前のところで意識を覚醒させる。

いままでにない短さで1話を終えることを何とか防いだ俺。

 

「どっ、どうしたの?和弥。いきなり叫んだりして」

 

ぶつかってきた張本人である蓮は、俺の不可解な行動に動揺しているようだ。

つうかお前のせいだからな。こんな行動取った原因は……

 

「なんでもない。そんなことよりなんだ!?いきなり人にぶつかってきて……

何があったかはしらないが少しは落ち着いて―――」

「そうなのよ!和弥。助けてよ〜!!やっぱり警察に連絡するべきかな?

でも……和弥に守ってもらったほうが心強いし、それに一緒にいられるから……」

 

とわけの分からんことを延々としゃべり続ける蓮。

助けて?警察?

そのワード聞いて俺の中の危険レーダがビンビンに反応しているのが分かる。

間違いなくこのことに関われば俺は危険な目に会う。そういう予感がする。

俺はこの場から立ち去るため足音を立てずゆっくりとその場を離れて……

 

「だから……今昼休憩でしょ。飛鳥ちゃんと奏ちゃんはもう食堂に集まってるから行きましょ

そこで話し合うからっ!」

「ちょ、ちょっと待て!!蓮!俺はこれから職員の会議が―――」

「言い訳してもダメっ!!和弥の一日のスケジュールは私の頭の中に入ってるの!

今日の昼休憩は何もなかったから大丈夫!」

 

なぜそんなことを把握しているか、とても疑問に思ったが天下の生徒会長である蓮に逆らうこ

とは小さいころからの経験で不可能だとわかっているのでおとなしく蓮に同行することにした

 

 
そして食堂。

いつもどおりの4人メンバーで飯を食べているんだが、今日は空気は重く

飯も俺しか手に付けていない。飛鳥も奏も蓮が言う緊急事態なことに興味津々で一口も食べて

はいない。

 

「……で、蓮。話って何だよ?俺を呼び出すなんてそんなに深刻なことなのか?」

 

この状態は食事をしている俺にとって居心地も悪く、食べにくいので

話を早く切り出してもらうため俺から投げかけてみる。

すると、蓮はいままであまり見たことがないくらいの真剣な顔を俺に向けた。

 

「えっとね……私ね……………ストーカーにあってるの……」

「…………はぁ?」

 

いきなりの仰天発言に俺は変な声が出てしまう。

ちょっと待て……頭の中を整理してみよう。

ストーカー 自分が一方的に関心を抱いた相手にしつこくつきまとう人物。待ち伏せ・尾行・

      手紙や、昼夜をかまわず執拗に繰り返す人間のこと。

 

そう……それがストーカー。

でも俺がよく聞くストーカー被害は大半は女性の被害者が多いはずだが……

 

「お前……それって本当か?」

「ひどいっ!!和弥!ホントのことなのに!」

「カズちゃん。それはひどいよぉ!!蓮ちゃん真剣に悩んでるのにぃ〜」

「そうですよ。和弥さん!蓮さんの悩みは深刻なんですから!」

 

全員に怒られてしまった。

まあたしかにストーカーって言うのはテレビの番組なので特集されているのを時々見るが

中には人を殺すまで発展しているのがあるから怖くないわけがないだろう。

 

「すまん。ちょっと軽率な発言だな。で、蓮。一番聞いておきたいことがあるんだが……」

「なんなの?和弥」

「そのストーカーはお前のこと男だって分かってストーカーされているのか?」

「何言ってるのよ!!私はお・ん・な・の・こよ!!」

 

かなり切れ気味に俺に言う蓮。そういうことではないんだが……

 

「そういうことではなくて……お前が心は乙女なのはよ〜く分かってる。そこではなくて

そのストーカーはお前の性別をはっきりわかっているか?と言うことだ」

「それなら……多分女の子だと思っているはずよ。この前女性用洋服1セット送ってきたか

ら……」

 

そのときのことを思い出したのか暗い表情になる蓮。

大体の話は理解した。このストーカーは蓮のことを女と思ってストーカーに及んでるようだ。

まあたしかに蓮の外見はそこらの女子高生よりも数倍は綺麗だし

アイドルと言われている人間ともため張って勝負できる顔とスタイルを持っている。

間違えるのも仕方が無いと俺は思う。

しかし、この頃怪しいが親友である蓮の問題だ。親友が困ってるときに助けるのはあたりまえ

である。まずはとにかく現状を確認することにした。

 
「じゃあ、蓮。聞くがいつごろからストーカーの被害にあってるんだ?」

「おかしいと思ったのは2週間前くらい……その前から帰り道だれかついてくる感じはあったけ

ど気にしなかったから。それで2週間前に家のポストにこれが……」

 

手紙を蓮から渡されて開くことに。するとその中の文章はこう書いてあった。

―愛しの蓮ちゃんへ

  いつも生徒会のお仕事がんばってるね。いつも僕は君を見守っているから心配しないで

  何があっても君のそばにいるから。

  それに気に入らない人がいるなら僕が消してあげる。

  大丈夫……僕がそばにいるから。

 

 
「……まじ……だな」

 

初めてこういうものをまじかに見て、驚く俺。

つうか見ただけで背筋に寒いものが走る。これは本物ストーカーだとはっきりわかった。

 

「その後はよくある感じで無言電話がよく掛かってきたりとか、物が送られてきたりか……」

 

蓮はこの2週間に起きたことをこまかく話してくれた。

 

「これは……生活指導や警察に知らせたほうがいいかもしれんな」

「そうですね……これはただ事ではありませんよ」

 

奏も俺と同じ意見のようだ。これだけの事態だ。俺らだけでは心持たない。

 

「やっぱりそうなのかな……和弥」

 

心配そうに俺を見つめる蓮。

これはまず生活指導の先生に話をするべきだと思い、教務室へ向かうことにした。

 

 
「……わかったよ。これは警察に渡して捜査して貰うようにするよ」

 

なんとか警察が動いてくれるようにはなったみたいだが……

明日からだとは……

 

「すいませんが、今日は綾月はどうするのでしょうか?」

 

俺が思っていた疑問を言ってみた。

 

「そうですね……今日は誰か付き添いで先生と一緒に帰ってもらったほうがいいでしょうな。

じゃあ、伝馬先生。あなたが綾月さんを家まで送ってあげてください」

「おっ、俺がですか?」

「そうです。あなたです。お願いしますよ」

 

とその場にいる流れで大役を授かってしまった。

俺はセオリーを踏んでケンカとかも弱いし、運動もできないのに大丈夫だろうか

そんな不安を抱えつつ、時は進み放課後へなっていく……

 

 
結局帰りは俺、飛鳥、蓮、奏といういつもどおりのメンバーで帰ることになった。

俺は危ないと拒否したが、「大勢でいたほうがいい!」という飛鳥&奏の意見により

無理矢理丸め込まれてこのような状態になった。

この状態に予想外な難色を示したのは蓮で「和弥とふたりっきりだったのに……」

などの意味不明な発言をしていたが、俺としては蓮とふたりじゃ心細いので正直ありがたい。

軟弱すぎる自分の考え方に嫌気がさすがとにかくこの4人で帰宅することとなった。

 
「あそこのケーキ屋さんおいしいんだよぉ〜」

「へぇ〜今度行きましょうか。奏さん」

「そうね!じゃあ和弥も連れて行こうよっ!」

「それはいいアイデアですよ。和弥さんにおごってもらいましょう」

「わたしもぉ〜カズちゃん、何個くらいまでならOKなのかな?」

 

少し俺の金銭面を不安にさせるような話もあったが、こう後ろからこの3人を見ていると仲のい

い女友達の集団にしか見えない。

蓮に久しぶりに会ったとき女装姿だったのは、正直かなりの衝撃を受けたが

今となってはこれこそが蓮の本当の姿なんだなと思いつつある。

体はたしかに男なんだが、本当で蓮は心は女の子なんだと……そう俺は思っている。

でもいまだになぜそうなってしまったのか。それ理由がまだ俺はわかってはいなかった。

 

 
途中、ジュースを買いに行くため買出しに行ってくる飛鳥と奏。

その間公園の中で待つ俺と蓮。公園にもかなりの人がいるので襲ってくる心配はなさそうだ。

少しは気分が楽になってきたのかリラックスした表情を浮かべる蓮。

 

「少しは楽になったか?蓮」

「……うん。ありがとう和弥。」

「気にするなよ。お前らしくないだろ?」

「……私らしくないか……そうだね!私らしくないわよね!」

 

さっきよりも声が明るくなり、体を伸ばす蓮。

こうやって俺が話すだけでもリフレッシュになってくれれば……と思う。

そこでなぜかさっきから思っていた疑問点を聞いてしまっていた。

 

「蓮……なんで女装してるんだ?いやっ!似合わないとか軽蔑してるわけではないが疑問に思

ってな……」

 

その質問を蓮に伝えるとフッと一瞬寂しげな視線を俺に見せた。

 

「和弥……本当にわかってなかったんだ。まあ鈍感だってうすうす気づいてたけどね」

「どういうことなんだ?」

 

今度はあきれてるような視線を俺に向ける。なぜ、そのようにむられるのか全く持って見当が

つかない。

 

「じゃあ、教えてあげる!私が女装しようと思ったのはね小学校の5年生のころ。

私、そのとき初恋していてね……それが男の子だったんだ!」

「お前そのころから……ってまだ俺ギリギリ日本にいたな。ぜんぜん気づかなかったぞ?」

「それは、あのころは男の子を好きになるなんておかしいって恥ずかしくて言えなかったから

必死に隠したわ。周りにも……その男の子にも」

「だから俺も気づかなかったわけか……」

「でも、その子は私の前から消えてしまった。転校しちゃたの……その子がいなくなってから

ようやく私はその気持ちに気づいたの。その子に恋をしてた……ってね」

 

俺は考えていた。

そのころは転校が相次ぎ俺を除いて5人。男子は転校したはずだ。

だが、だれかということまでは検討がついてなかった。

 

「そのあとは猛勉強したわ。本読んだり、レッスンに通ったり、料理を覚えたり、いろいろ

と……どんなに苦しくても苦にはならなかった……その子に再開するとき、かわいい女の子に

なるために」

 

そんな苦しいことを……耐えていたなんて……軽い気持ちで聞いた俺が恥ずかしかった。

 

「でも……なかなかその子は振る向いてくれないの……ライバルも多いしね」

「そうなのか……でも、それは蓮を悩ませるほど馬鹿男が悪いような気もするがな」

 

そういうとハァという溜息を蓮が俺の方を向きながら出した。

なんか俺悪いことでも言ったかな?

その後、しばらくぶつぶつと独り言を言っていた蓮だが、いきなり俺のほうに向かって歩いて

来るなり
 

「もぉ〜!!ここまで鈍感だとは思わなかったわ!!もうはっきり言うわね!

私が好きな人って言うのは―――」

 

蓮がなにかしゃべっているようだが、俺の視線は後ろに向いていた。

さっきから気になっていたが、その男は蓮が俺に近づいてきたのと同時にバット取り出し振り

かぶり始めた。

 

「蓮っ!!!」

「――――えっ!」

 

蓮を横に突き飛ばし、俺の元にバットが振り落とされる。

なんとかガード体制は取り、体で受け止める。

 

ドゴッ!!

 

両腕に来る衝撃。なんとか受けたものの、もう腕はすぐには言うことは聞いてくれなさそうだ

 

「かっ、和弥!」

 

俺を心配して駆け寄る蓮。

 

「おい、お前だな。蓮に付きまとってるやつは」

 

まだ日の明るいうちに、それも人がたくさんいるところで行動に及ぶとは俺も予想してなかっ

た事態である。

 

「付きまとっている?言いがかりはよしてほしいな。僕は蓮ちゃんを守っているんだよ」

 

大分頭がイカレてるようだ。

 

「それより君は蓮ちゃんのなんだい?君のほうが付きまとっているんじゃないのかな?

君がいなければ僕はゆっくり蓮ちゃんとお話ができるのに」

「あいにく付きまとってはないよ。俺は蓮の学校の先生だからな」

「そんなの関係ないよ。とにかくいつも君が蓮ちゃんの周りにいて正直うざいんだよ。

消えてくれ!そうしたら蓮ちゃんが僕のものに……」

「はあ?お前じゃあ蓮と対等につきあえねぇーよ。器が小さすぎる」

「ふ〜ん。君はよほど殺されたいと思っているようだね……じゃあ死んでくれ!!」

 

今度はさっきとは比べ物にならない高さからバットを振り上げる。

なんとかガードの体制だけでもと思い構える俺。

あぁ、少しでも格闘技習ってればよかったなと思う。

そこで俺は一つ昔のことを思い出した。

そういえば昔、蓮は………

 

そしてそのまま振り下ろされるはずのバットは俺の元に……

飛んでは来なかった……

目を開けて、周りを向くと地面に倒れてるストーカーの姿が。

その横でたたずむ蓮。

そう思い出した。蓮は昔、柔道、空手で全国に出るほどの猛者であったことを……

 

「すまんな……蓮。なさけないな……」

 

男とはいえ、心は女の子である蓮に助けてもらったのは少しなさけない。

でも、蓮は笑顔で首を横に振り

 

「そんなことないわ!!私を体を傷つけてまで守ってくれる和弥。カッコ良かったわよ!!」

「まあ……当たり前のことだ」

「それなら私も当たり前よね……」

「えっ!?何がだ?」

 

そう俺が言うと蓮は俺に背中を向けて

 

「和弥を守るために格闘技習ったんだもん……」

「……えっ!なんか言ったか?」

「ううん!なんでもないわ和弥。まだそのときではないみたいだし……」

「……意味が分からん」

「いいのよ!!今は意味が分からなくて。そのうち嫌なくらいよ〜く分かるようになるから、

そのときは覚悟しときなさいよ!」

 

そう笑顔で言う蓮の笑顔はとても魅力的な笑顔で

だれもが恋に落ちてしまうほどのまぶしすぎる笑顔だった……

 

 


ひさしぶりの蓮メインのお話です。
蓮はかなり使いやすいキャラで作者も書いてて楽しい
まだ、学校が本格的に動き出すまでかけるだけ書いておきたいです!
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