先生は17歳!?(10/100)縦書き表示RDF


コメディは書きやすい
先生は17歳!?
作:takuto



第9話お弁当パニック



 

 

そう……この飛鳥の一言から事件が始まった。

 

「カズちゃん、なんでいつも昼食は食堂なの?」

「……ぅん?」

 

うどんを食べている途中だったため、変な返事になる俺。

今、俺と飛鳥は学校の食堂で昼食を雑談をしていると唐突にその質問をしてきた。

 

「そうよ、そうよ。和弥っ!もっと健康に良い物食べないと」

「そうですね……いつもそれはちょっと……」

 

訂正。蓮と奏も一緒にいたな。

なぜかこのごろ俺、飛鳥、蓮、奏というメンツで昼食を食べることが定番になってしまい

今日もテーブル囲んで食べているのだが、3対1というどう考えたっておかしいこの状況に

周りから奇異の視線浴びまくりで、それプラス3人のファンクラブや親衛隊から注がれる

殺気に似た視線を浴び、居心地の悪さMAXな俺。

なのにその視線に気づいてないのかいつものんきに優雅な雑談をしている3人衆に

一瞬殺意すら覚えてしまった俺をだれが責められようか。

 

「カズちゃん〜どうかしたのぉ〜?」

 

俺の目の前で手を振り、意識があるかどうか確認する飛鳥。

少しこの現状を確認するつもりがいろいろと考え込んでしまったらしい。

 

「大丈夫だ、飛鳥。ちょっと考え事してただけだから」

「ほんとにぃ〜?なんかリストラされたサラリーマンみたいな顔をしてたよ?」

 

大分ここに来て精神年齢が上がったことを実感する俺。

 

「そんなことはどうでもいい。それより昼食の話だったな」

 

これ以上この話に触れるとまた俺の精神年齢が上がること請け合いなので話を変える。

 

「そうだよぉ〜!!昼食!なんでいっつも食堂なの?」

「そりゃ、家で弁当作るのもだるいし―――」

「でも和弥っ!お金は大丈夫なの?」

 

話に割り込んでくる蓮。まだ話途中なんだが……

 

「そうですよ。和弥さん。それに昼食は大抵麺類をよく頼むから健康によくないですよ?」

 

奏にすらダメ出しされる始末。

 

「そんなこといわれてもな……俺、朝弱いから弁当作るなんて無理だしな」

 

俺自身料理ができないわけではないのだが、朝は昔から弱く

なにか用事が無い限り早起きなんて無理な体質である。

でも、たしかに蓮の言うとおり毎日の昼食代はなかなか痛く

財布がピンチな状況なのも事実。

なんとかしなければならないと考えていたので

この際、明日から自分で弁当作るか!と頭の中で考えていると

飛鳥がなにか思いついたらしく、俺のほうに向かって一言。

 

「あっ!それならぁ、私がお弁当作ってきてあげるよぉ。カズちゃん!」

 

といきなり爆弾発言を言いやがる飛鳥。

親衛隊の耳に入れば即全殺しになること間違いなしだ。

この事態をまとめるため俺は飛鳥の説得に掛かるべく喋ろうとすると

 

「ずる〜い!!飛鳥ちゃん!そのお弁当で和弥とラブラブする気なんでしょ!?

それなら私も作るっ!和弥っ、なにが食べたい〜?」

「和弥さん。助けてもらったお礼もかねて私も作ります!そっ、その……

ダメですか?」

 

どうしてこんなことに?

つうか蓮!大声で弁当、弁当言うんじゃない!ファンクラブにばれるだろうが!

奏、少し悲しげにそんな事いうな……めっちゃ断りにくい。

 

「そんなのだめだよぉ!カズちゃん毎日3つもお弁当食べれるわけ無いよぉ。

だから幼馴染の私が作るからぁ、二人は忙しいから悪いよぉ」

「そんなこと言って!ただ和弥に食べてもらいたいだけでしょ!

でも私、和弥の好みの味とか詳しいから私が作ったほうが和弥は満足してくるわ。

だから私に任せなさい!」

「でっ、でも……私、和弥さんにこの前のお礼していないから……だからこの場は

私に任せてもらえないでしょうか?二人とも忙しいでしょうし……」

 

三者三様の言い分で俺のお弁当の権利を手に入れようとする3人。

俺からすればなぜこんなことにムキになっているか謎だが

かなり大きな声で喋っているため、そこらじゅうから注目を浴びる俺たち。

この状況はあまりよろしくないので先生として注意するべく

3人に向かって注意の言葉を言うことに

 

「おい!3人とも、ここは食堂であってな、大声で喋る場所では―――」

 

「カズちゃん!あっち行ってて!」

「和弥!あっち行ってなさい!」

「和弥さん!あっち行っててください!」

 

と3人とも同じようなことを言いつつ、殺気じみた視線を向けて来られ

そそくさと逃げ帰る俺。生徒に言い負ける先生である俺。

あまりにも威厳0であることの現実を知ってしまい、あまりのショックに

泣きそうになるがもうすぐ昼休憩の時間が終わることに気づき

それをどうやってこの凶悪三人衆に伝えるべきか考えていると

 

「どうしたんですか?この騒ぎは……」

 

救世主がやってきた。

そうこの学校の唯一の良心伊織先生である。

俺はすがるような思いでこの事態の説明をし、何とかしてもらえるよう頼んだ。

最初は悩んでるそぶりを見せていた伊織先生だが、少しするとなにかを思いついたらしく

3人に向かって歩いていく。

そして3人の間に割って入り一言。

 

「伝馬先生に3人のお弁当を食べてもらって決めてもらいましょう!」

 

とおっしゃった。救世主伊織先生。

その一言で3人は納得。そして明日、審査員俺、司会者伊織先生の料理対決が行われることになった。

あれ……根本的に解決してないような……

そう思う俺であった。

 

 

 
そして翌日の昼休み

司会者伊織先生

審査員俺

という3人の料理対決が始まった。俺の意思は無視で……

 

「こんにちわ!実況担当の伊織です。面白そうだからって理由でやっちゃったけどいいのかし

ら?というか、さっきから私に向かって「助けてください!」オーラを出している伝馬先生で

すがうざいので無視して進行します〜」

 

かなりハイテンションで司会を務める伊織先生。つうか何気にひどいこと言われた……

 

「料理対決ということですが……審査員が伝馬先生一人で観客ギャラリーがいないのは伊

織先生的のもちょっと寂しいかな?」

「観客いたら俺の人生終わってますよ……」

「とさっきから独り言を喋っている伝馬先生は置いといて時間も無いわけだし始めましょ!」

 

「というわけで1番宮本飛鳥さん!どうぞ〜」

「はぁ〜い」

 

と気の向けた声で俺のところに弁当箱を持ってくる飛鳥。

 

「どうぞ!カズちゃん!」

 

と言ったのと同時に弁当箱が開く。

飛鳥の弁当の中身はかなり一般的な弁当で卵焼き、ウインナー、おにぎり、サラダ、イカリン

グなどなどごく平凡なものである。

その中でもウインナーをタコさんウインナーにしたりしてかわいさを出しているところを見る

と飛鳥らしい弁当に見えた。

見た目を見終わった後、弁当を食べるため箸を探すが……ない。

 

「すまんが、飛鳥。箸は?」

 

箸がなければ食べれないので飛鳥に聞く。

すると箸は飛鳥が持っており、渡してもらうため手を出すと

 

「カズちゃん!私が食べさせてあげるっ!」

 

と訳分からんことを言い始めた。

 

「そんなことできるわけないだろうが!!バカップルじゃあるまいし……」

「ダメなのぉ〜私がカズちゃんに食べさせてあげるのぉ!」

 

だだをこね始める飛鳥

その様子に困っていると伊織先生が

 

「了承!」

「へっ!?」

「了承します!食べさせてあげるのはルール上ありとします。伝馬先生の反論は却下です」

 

伊織先生……あなたは救世主じゃなかったのですか……

 

結局飛鳥に食べさせてもらうことに……

 

「カズちゃん!あ〜ん」

「……あ〜ん」

 

おそるおそる卵焼きを口に入れる。

 

「…………………」

「どっ、どう?カズちゃん。おいしい?」

「…………うっ」

「……うっ?」

「……うっ、うまい!!どういうことだ!飛鳥。これお前が作ったのか?」

「うん……私が作ったけど」

 

意外だった……

俺は幼馴染のセオリーを踏んで料理作るのは好きだけど味は最悪と言うことを

予想してたのだが……

とてもおいしくてマンガの主人公のように生と死を彷徨うことはなかったが

なぜかとても悲しい気持ちでいっぱいになる俺であった。

 

 

「次はわが扇山高校生徒会長綾月蓮さんで〜す」

「は〜いっ!」

 

と声とともに弁当箱を俺の前におく蓮。

弁当箱はどこの金持ちかと思うくらいの入れ物で中身を見ると

そこにはどこかの料亭の料理のような品々が所狭しと敷き詰められている。

 

「こっ、これは……蓮が作った……のか?」

「あったりまえじゃない和弥っ!和弥に食べてもらうと思って気合入れて作っちゃった!」

 

正直気合の入れすぎだと思うくらいの品々にただ圧倒される俺。

とにかく見てるだけではと思い箸を探すが……やはり

 

「……お前もか」

「だって〜。やっぱり愛する和弥には私が食べさせないとぉ〜」

「わけが分からん。いいか。お前は男だ。お前が俺に食べさせれば

男通しがやってるわけだからそれは―――」

「気にしないの♪それにキスした仲でしょ?」

「……おっ、お前……」

 

いやな記憶が蘇って来る。

いや!あれは俺の中ではなかったことになっているんだ。

頭を振って考えないようにする。

 

「そんなに嫌だって言うなら口移しだって―――」

「さあ、蓮。腹減ってるんだ。この天ぷらくれ」

「だからくち―――」

「いいからっ!!早く!」

 

このままじゃ全うに男として生きていけないことされそうなったので

全力で阻止するため食べさせてもらうことを承諾した。

蓮の弁当は正直今まで食べたどの弁当よりもうまかった。

どうしてこんなにうまいか聞いてみると

「完璧な女」を目指すためらしい。そのためには料理くらいうまくなくてはならないらしい。

さすが、恋人にしたい&妻にしたいランキング第1位は伊達ではないらしい。

男だが……

 

 

 

「そして最後〜2-Cの委員長水城奏さんで〜す」

「よっ、よろしくお願いします!」

 

少し緊張した面持ちで俺のところにやってくる。

そして俺の目の前に弁当箱が

開くとそこには飛鳥と同じく一般的な弁当である。

でも、飛鳥に比べておかずにも凝ったものをつくっており、ごはんはそぼろのごはんで

俺の食欲をそそる。

さすが「完璧少女」の異名をもつ奏。料理も御手の物といったところか。

 

「……当然のごとく箸はなしか……」

「ええっ。すいません。これもお礼の一環なんで……」

 

顔を真っ赤にさせ下を向く奏。

正直こっちまで顔を赤くしてしまうくらいかわいい行動だ。

 

「それじゃ……和弥さん。あ〜ん」

「……あ〜ん」

 

まるでまだ付き合い始めたカップルのような感じに心を躍らせつつ

奏の料理を口に運ぶ。

 

「―――――っん!!」

 

異変が起こった。

口に入れた瞬間いきなりすごい刺激が走った。カレーのスパイシーとは比べ物にならないくら

いの衝撃が俺の舌から全体に伝わっていく。

まるで銃で打たれたような感覚だ。

 

「うっぅっぅんん!!!!」

「どうしたんですか!?和弥さん!大丈夫ですか?」

 

奏が俺に話しかけるが、さっきからぜんぜん声が出ず

意識すら飛びそうな感じまでなっていく。

いまだに俺は今起きていることを把握できずにいる。

しかし、考えようと思考を張り巡らせても頭がいっさい回転せず

最後には奏のすごく俺を心配している姿を見ながら俺の意識は遥か彼方へ飛んでいった。

 

 

 

後日談

あとから分かったことだが奏は大の辛党らしく、今回の弁当も辛党の奏に

あわせて作ったものだったらしい。

それに気合をいれて作ったらしく、奏秘伝の香辛料などなど

いろいろ使ったためこの状況が起きたらしい。

学校全体が認める「完璧少女」は辛いものしか作ることができないという

欠点を新発見することに成功したが

1週間俺が味覚を失うと言う代償を受け、苦しんだことは言うまでも無い。

結局料理対決はうやむやになってしまい、俺が自分で作ってくるという

意見でまとまった。

 



やっぱコメディはいいですね。
まあたまにはシリアスもいいですが……
感想、評価のコメント待ってます!






ランキング参加中です!! 投票よろしくお願いします!!







ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう