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ドグロックの毒を受け、死にかけたバクフーンだったがラティアスのおかげで一命を取り留める事が出来た。
ドダイトスは単身、焔の悪魔がいるとされるバトルアイランドにそびえる大きな山に向かって行った・・・
第六十八話 ドダイトス死す!?ヒードランVSドダイトス!
ジラーチが目覚めるまであと3日。
「うお〜復活〜!」
ドグロックから受けた攻撃もすっかり癒えて元気になったバクフーン。
「良かったっすねアニキ♪」
「おう♪もうバトルがしたくてたまらないぜ♪」一度死にかけた者とはとても思えない程元気なバクフーンである。
「バクフーンさんらしいですね。」
「あれ?なぁ、ドダイトスは何処に行ったんだ?」バクフーンは辺りをキョロキョロとしながらラティアスに聞いた。
「解りません。でも、こんな置き手紙がありましたよ。」
そう言ってラティアスは一枚の手紙をバクフーンに手渡した。
「これはドダイトスの文字だな・・・用事が出来た。俺はしばらくお前達とは別行動を取らせてもらう。勝手な行動を許してくれ・・・だってさ。」
「用事?一体何の用事っすかね?」
「さあな。でも、その用事ってのが終わったらまた俺達の所に戻って来るだろ。・・・そういえばポリゴンZの奴もいないな?」
「あっ本当っすね!何処行ったんすかねぇ?」





その頃ドダイトスはバトルアイランドの中央にある大きな山に来ていた。「・・・ここの頂上にヒードランが・・・待ってろよ、ヒードラン!」
ドダイトスは山を登り始めた。そんなドダイトスのあとを追いかけていた一人のポケモンがいた。ポリゴンZだ。
「・・・あいつ程のポケモンが俺の存在に気づかないなんて・・・あいつとボスに一体何があったっていうんだ?」
ポリゴンZもドダイトスを追って山を登り始めた。





ドダイトスが山を登り始めて数時間。ようやく頂上付近に到着した。
「・・・あれは・・・」ドダイトスの視線の先には大きな洞窟があった。洞窟の出入口周辺には見張りのポケモンが数人いた。
「間違いない・・・あの中に奴がいる・・・まずは邪魔なあいつらを退かせるか・・・ハードプラント!」
ドダイトスはハードプラントを発動した!
見張りのポケモンの足下からイバラが出現し、そのイバラで見張りのポケモン達を包み込んだ!
「・・・お前達を殺しはしない。しばらくその中で大人しくしていてもらおう。」
見張りのポケモン達をイバラの檻に閉じ込めたあと、ドダイトスは洞窟の中へ侵入した。
「・・・暑いな・・・確かこの山は火山だったな・・・」
洞窟の中はかなり暑かった。ドダイトスの言う通りこの山は火山なのだ。洞窟の奥まで来るとそこは洞窟の中なのに凄く明るかった。マグマがあるからだ。中央には大きな穴があいておりその下にはマグマの池が。穴の周りは今にも崩れ落ちそうな崖になっている。
「何処だヒードラン!いるなら出てこい!」
ドダイトスは叫んだ。
洞窟の中でドダイトスの声が響き渡る。
「・・・何者だ?」
ドダイトスがいる向かい側から低い声が聞こえてきた。そしてズシン、ズシンと足音が。どんどんドダイトスに近づいて来る。
「・・・ヒードラン。」ドダイトスの目の前にヒードランが現れた。
「貴様は何者だ?何故俺を知っている?」
「・・・知ってるさ・・・お前は・・・お前は・・・俺の家族を殺した奴なんだからな!!」
ドダイトスはヒードランに怒声を浴びせた。





話は遡る(さかのぼる)事15年前。当時のドダイトスはまだナエトル、バクフーンやリザードン、そしてラグラージもヒノアラシとヒトカゲとミズゴロウだった。
その日はナエトルが家族と一緒にフレイムシティからリーフシティに引っ越す日だった。
「寂しくなっちゃうね。ナエトル・・・」
ナエトルの引っ越すを見送りに来ていたヒノアラシとヒトカゲとミズゴロウ。その中のヒトカゲが寂しげにそう言った。
「・・・うん・・・」
ナエトルはヒノアラシ達と別れるのが辛いのであろう。涙が溢れていた。
「泣くなよナエトル。本当に泣き虫なんだからお前は。また会おうと思えば会えるでしょ?」
ナエトルの肩に手を当てながらヒノアラシが言った。
「・・・うん・・・」
「ナエトル〜!そろそろ出発するぞ〜!」
荷物をトラックに乗せ終わったナエトルの父、ドダイトスのガイアがナエトルを呼んだ。
「あ、うん・・・今行くよ・・・」
ナエトルは父の所に向かって行った。
「ナエトル!ちゃんと手紙とか送ってよね!待ってるから!」
「元気でね!」
「また会おうね!」
ヒノアラシ達がナエトルに叫んだ。
ナエトルも泣きながらではあるが、うん!っと答え、父がいるトラックに向かった。





リーフシティに向かう途中、トラックの中。
ナエトルはまだ泣いていた。
「ごめんなナエトル。父さんの仕事の都合で引っ越す事になって・・・」ドダイトスのガイアが申し訳なさそうにナエトルに言った。
「・・・」
「ほら、もう泣かないの。男の子でしょ?」
そう言いながらキレイハナがナエトルの涙をハンカチで拭いてあげた。
このキレイハナはサクラと言う名前でガイアの妻、そしてナエトルの母だ。
「お兄ちゃん、大丈夫?」ナエトルを心配しているのはナゾノクサだ。
この子の名前はナナ。
女の子でナエトルの妹。
「・・・だ、大丈夫だよ・・・」
そうは言うがまだ涙が止まらないナエトル。
「良し!ナエトル、今度仕事の休みが取れたらまたみんなに会いに行こう!」
ガイアがナエトルに言った。その言葉を聞いた瞬間暗かったナエトルの表情が明るくなった。
「本当?」
「あぁ本当だ!約束する!」
ガイアはナエトルと約束した。その時!
突然トラックが急停止した!
「な、なんだ!?何があった!?」
ガイアは運転手のゴーリキーに聞いた。
「あ、あれ・・・」
ゴーリキーは前を指差した。脅えているのか震えている。ガイアはゴーリキーが指差した方向を見てみた。
「あれは!?」
ガイアが目にしたものは漆黒の闇と焔の悪魔の悪の2大勢力がバトルをしているところだった。
当時の漆黒の闇と焔の悪魔は互いに潰しあおうと頻繁にバトルをしていたのだ。だが、普通なら警察などに見つからない為に誰もいない所でバトルをするのだが、この日に限って人の通りが多い場所で派手にバトルをしていたのだ。
「巻き込まれたらまずい!逃げるんだ!」
ガイアは家族を連れてトラックから降り、その場から逃げ出そうとした。
「うわっ!?」
だがナエトルが躓いてこけてしまった。
「ナエトル!」
ガイアがナエトルの所に駆け寄ったその時、一つの光る閃光がトラックに直撃!トラックが爆発した!爆発の衝撃でナエトルはガイアの所まで吹き飛ばされた。
ガイアは何とかナエトルを受け止めた。
「ナエトル!大丈夫か!?」
「と、父さん・・・」
ナエトルは火傷を負っていた。
「あなた!ナエトル!」キレイハナのサクラとナゾノクサのナナもナエトルとガイアの所に駆け寄った。
「・・・邪魔だ・・・」その時近くに漆黒の闇の首領、ダークライが来ていた。そしてダークライが見ている先には焔の悪魔の首領ヒードランが。「くたばれダークライ!マグマストーム!!」
ヒードランが炎タイプの大技、マグマストームを発動した。ガイア達の目の前に炎の竜巻が出現!
「現れよ・・・闇の盾!」ダークライは特殊な闇の力を使い目の前に大きな漆黒の壁を出現させてマグマストームを防ぐが、ガイア達は防ぐ手段を持っていなかった。
マグマストームはガイア達家族を飲み込んだ!
ナエトルはあまりの熱さにすぐに気を失ってしまった。



「・・・うっ・・・」
気を失っていたナエトルが目を覚ました。
辺りは静かになっていた。漆黒の闇と焔の悪魔はもういなくなっていた。
「・・・父さん?」
ナエトルを覆うようにガイアがナエトルの上にいた。マグマストームからナエトルを身体を張って守ったのだ。ナエトルが呼びかけるが、ガイアは返事をしない。
「・・・母さん?ナナ?」ナエトルの隣にはサクラとナナがいた。だが、二人共目を閉じたままだ。ナエトルが呼んでも起きない。
「・・・ねぇ・・・冗談止めてよ・・・父さん、母さん、ナナ・・・ねぇ、返事してよ!」
ナエトルがいくら呼びかけてもガイア達が返事する事はなかった。
ナエトルだけが生き残ったのだ。





それからナエトルはただヒードランに復讐する為だけに生きてきた。
家族を奪ったヒードランを倒す為にひたすら強くなる為に特訓をした。
そして現在に至る。
「貴様の家族を俺が殺った?覚えてないなぁ。何せ、今まで何人も殺ってきたからなぁ・・・」
ヒードランは覚えていない様子。
「貴様ぁぁぁ!!」
ドダイトスは怒りに任せヒードランに向かって突進して行った。
「灰にしてくれる!火炎放射!」
ヒードランは火炎放射をドダイトスに放った。
「リーフストーム!!」ドダイトスはリーフストームを使い火炎放射を吹き飛ばした!
「捨て身タックル!!」そしてドダイトスはそのままヒードランに捨て身の体当たりを決めた!
だが!
「フッ・・・大したパワーだ。だが、俺を倒す事は出来ないぞ!」
ドダイトスの捨て身タックルを耐えたのだ!
「なっ!?」
「本当の攻撃ってのはな・・・こうすんだ!アイアンヘッド!!」
ヒードランはドダイトスにアイアンヘッドを直撃させた!
「ぐっ!?」
「オーバーヒート!!」アイアンヘッドを受けて怯んでいたドダイトスにヒードランはオーバーヒートを直撃させた!
ドダイトスは吹き飛ばされた!だが、ドダイトスはすぐに体勢を立て直した!
「エナジーボール!!」ドダイトスは草のエネルギーを集めたエネルギー弾を放った!
「鬼火!」
ヒードランは自分の前に火の玉を無数に出現させた。そして無数の火の玉は合体して大きな火の壁となりエナジーボールを防いだ!更にエナジーボールを防いだあと、火の壁はドダイトスに向かって行った!
「岩石封じ!」
ドダイトスは岩石封じを使い自分の前に岩の壁を出現させて火の壁を防いだ。
「これで決めてやる!ハードプラント!!」
ドダイトスはハードプラントを発動した!地面からイバラが無数に出現してヒードランに向かって行った!
「火炎放射!」
ヒードランは火炎放射を放ちハードプラントを焼き払った!
「まだだぁぁぁ!!」
再びイバラが出現してヒードランに向かって行った!ドダイトスは数分間ハードプラントを発動し続ける事が出来るのだ。
「どうやらしばらくの間ハードプラントを持続出来るらしいな・・・攻撃し続ける事は確かに強力だが、本体の守りがおろそかになっているぞ!火炎放射!」
ヒードランはハードプラントを無視してドダイトスを直接狙った!
「くっ!?」
ドダイトスは攻撃に使っていたハードプラントを火炎放射から身を守る為に自分の前にハードプラントを集結させて壁にし、防御に使った!
「ラスターカノン!!」ドダイトスがハードプラントを防御に使用したその瞬間ヒードランがラスターカノンを放った!
通常のラスターカノンはシャドーボールやエナジーボールのように鋼のエネルギーをエネルギー弾として放つ技なのだが、このヒードランのラスターカノンはまるでレーザーのようにドダイトスに向けて放たれた!
ラスターカノンはハードプラントを貫通してドダイトスの右前足を貫いた!
「ぐあぁぁぁっ!?・・・あ、足が・・・!?」
ドダイトスは激痛に襲われその場に倒れた。
「俺のラスターカノンは殺傷能力を極限まで高めてあるんだ。・・・残りの足も使えなくしてやる!」
ヒードランはドダイトスの左前足、そして後ろの両足をラスターカノンで貫いた!そしてまたドダイトスの絶叫が洞窟に響き渡った。全ての足を貫かれ立ち上がる事が出来なくなってしまったドダイトス。そんなドダイトスにゆっくりとヒードランが近づいて来る。
「・・・消えろ、カスが・・・」
ヒードランの口から灼熱の炎が溢れ出し始めた!
「・・・くそ・・・」
「破壊光線!!」
その時突然何処からか破壊光線が放たれた!
破壊光線はヒードランに直撃した!
「・・・誰だ?」
破壊光線を受けた筈なのに、全く効いていないようだ。
「お、お前は・・・」
ドダイトスが見た先にはポリゴンZがいた。
「貴様・・・何のつもりだ?」
「・・・何でかな?俺でもどうしてこんな事をしたのか良く解らない・・・だけど、このままそいつが死ぬのを見てるのはいけない・・・そう思ったんだ。」
どうやらバクフーン達に命の助けられ、そして命の大切さを教えられた事でポリゴンZに良心が芽生えたらしい。
「・・・お前を殺すのは後回しだ。先に始末しなきゃならない奴が出来た。」
ヒードランがポリゴンZに向かって歩き始めた。「に、逃げろ!お前じゃヒードランに勝てない!」ドダイトスが叫ぶがポリゴンZは逃げようとしない。
「くそ!待てよヒードラン!お前の相手は俺だ!」ドダイトスはヒードランを止めようと立ち上がろうとするが、足に大怪我を負っているため立ち上がる事が出来ない!
「逃げないのか?」
ヒードランがポリゴンZに聞いた。
「・・・どうせ俺には帰る場所が無い。だが、最後くらい誰かの役に立ちたいんだ・・・それに・・・あんたの命令で殺された仲間の仇を取らないといけないからな!うおぉぉぉ!!」
ポリゴンZがヒードランに突っ込んで行った!
「・・・カスが・・・マグマストーム!!」
ヒードランはマグマストームを放った!
ヒードランのマグマストームを受けてポリゴンZはその身を焼かれながら洞窟の外まで吹き飛ばされた!
「ふん。カスが粋がりやがって・・・さぁ、あとはお前・・・」
「ハードプラント!!」ドダイトスが最後の力を振り絞って最大パワーのハードプラントを発動した!更に特性の深緑が発動した事でハードプラントはより強化されている。ハードプラントはヒードランを束縛し、そのままマグマの中へとヒードランを引きずり落とした!
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・や、やったぞ・・・」
ドダイトスは勝利を確信した。だが!
「本当にそれで勝ったつもりか?」
マグマの中からヒードランが戻って来た!
身体にはドロドロのマグマが付いている。
「なっ!?」
「マグマは俺にとってはプールのようなものでな・・・さぁ、今度こそお前を始末してやる!」
ヒードランの口から灼熱の炎が溢れ出した!
「くらえ!マグマストーム!!」
ヒードランがマグマストームを放った!
ドダイトスの家族の命を奪った技が向かってくる!ドダイトスは動く事が出来ずマグマストームを受けてしまった!そしてマグマの池がある穴の中へ吹き飛ばされた!
(・・・父さん・・・母さん・・・ナナ・・・)ドダイトスの脳裏に過去の思い出が走馬灯のように蘇ってきた。
(仇・・・取れなかったよ・・・ごめん・・・)ドダイトスの目から涙が溢れた。そしてドダイトスはそのまま落ちて行った・・・





その頃バクフーン達はバトルドーム目指して歩いていた。
「ん?」
バクフーンは何か感じたのか急に山の方を見ながらその場で止まった。
「どうしたんすかアニキ?」
「いや・・・何か・・・嫌な胸騒ぎがして・・・」
「大丈夫ですか?」
「あ、あぁ。多分気のせいだろ。さっ先に進もうぜ!」
バクフーン達はまた歩き始めた。
(・・・ドダイトス。お前に何かあったのか?)
第六十八話完成です。


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