ラティアスを守るためゲンガーとフーディンにバトルを挑んだバクフーンとリザードンだが!?
第二話旅立ち
「いくぜ、フレアドライブ!」
「火炎放射!」
バクフーンは体に炎を纏わせてフーディンに向かって突進、リザードンは口から炎を吐き出してゲンガーに向けて放つ。
「同じ手は通用しません、リフレクター!」
「シャドーボール!」
フーディンは前方にエネルギーで作ったバリアを出現させ、バクフーンのフレアドライブを受け止める。
そしてゲンガーは両手で黒いエネルギー弾を作り出して放ち、火炎放射にぶつける。
2つの技がぶつかった事で激しい爆発が発生した。
「ほう……ゲンガーの攻撃と互角に渡り合うとは、意外とやりますね」
相棒のゲンガーが放った攻撃を相殺させたリザードンのパワーを見て、少し驚いた表情を浮かべるフーディン。
「余所見してて良いのかよ!」
バクフーンはフレアドライブのパワーを上げ、フーディンのリフレクターを押し始める。
「なかなかのパワーですね……では、私も少しだけ本気でやらせてもらいます」
リフレクターを解除したフーディンはテレポートを使用……瞬間移動をしてフレアドライブを回避し、バクフーンの背後に回り込む。
「サイコキネシス!」
フーディンが強く念じると、バクフーンの体は宙に浮かび上がる。
サイコキネシスによって動きを封じられてしまう。
「ク、クソッ!?」
なんとか逃れようともがくバクフーンだが、サイコキネシスから抜け出す事が出来ない。
「バクフーン!」
バクフーンを助ける為にフーディンに攻撃を仕掛けしようとするリザードン。
「ケケ、お前の相手は俺だ! 10万ボルト!」
バクフーンを助けようとしたリザードンを、ゲンガーは体から強力な電撃を放出して不意打ち。
リザードンは回避出来ずに攻撃をまともに受けてしまう。
飛行タイプを持っているリザードンに電気技は効果は抜群だ。
「ぐあぁっ!?」
10万ボルトを受けたリザードンはその場に倒れてしまう。
なんとか立ち上がろうとするが、体が麻痺してしまったようで思うように動けない。
「リザードン!?」
「あなたも、そろそろやられなさい」
フーディンはサイコキネシスでバクフーンをリザードンの所まで吹き飛ばした。
「くっ……こ、こいつら強い……」
「ケケケ、お前らが弱いだけだろ?」
ゲンガーはバクフーン達をバカにするように笑いながらそう言い放つ。
「さて……邪魔が入りましたが、本来の目的を果たすとしましょう」
「ケケ、そうだな」
ゲンガーとフーディンはラティアスにゆっくりと近づいていく。
「行か……せるかよ!」
バクフーンは力を振り絞ってなんとか立ち上がり、2人の前に立ちはだかる。
リザードンも行こうとしたが、体が麻痺していて思うように動けない。
「ケッ……邪魔だ、退きな!」
行く手を遮るバクフーンに向かって怒鳴るゲンガー。
「退くもんか! この子は……お前達なんかに渡さない!」
退くつもりは無いバクフーンだが、立っているのがやっとのようで体が震えている。
「……目障りですね。ゲンガー、排除しなさい」
ゲンガーにバクフーンを排除するよう命令するフーディン。
「ケッ、言われるまでもねぇ!」
ゲンガーはシャドーボールを放つ体勢に入る。
「消えな、シャドー――」
「ハイドロポンプ!」
ゲンガーがシャドーボールを放とうとした時、突然背後から大量の水がゲンガーに襲いかかる。
水タイプの技、ハイドロポンプだ。
ハイドロポンプを背中に受けたゲンガーは前方に吹き飛ばされる。
「何者です!?」
突然の攻撃に驚いたフーディンは慌てて後ろに振り向き、攻撃を仕掛けてきた何者かに向かって叫ぶ。
「敵に名乗る必要は無いね、次はお前だ! ハイドロポンプ!」
謎のポケモンはフーディンに向けてハイドロポンプを放つ。
「光の壁!」
フーディンは前方にリフレクターとは違うバリアのような壁を出現させて、ハイドロポンプを防御する。
「またしても邪魔が入りましたか……さすがにこちらが不利ですね。仕方ありません、今日のところはこれで引き上げます」
フーディンは光の壁を解除し、すぐにテレポートを発動してハイドロポンプを回避、ゲンガーがいる所に瞬間移動する。
「次は必ずそのラティアスを連れて行きますからね……覚悟しておきなさい!」
そう言うと、フーディンはゲンガーと一緒にテレポートで何処かへと消えてしまった。
「ふう……皆さん、大丈夫ですか?」
敵がいなくなった事でほっと一安心したポケモンは、無事かどうかをバクフーン達に尋ねる。
そのポケモンは青を基調とした体色をしていて、硬い岩も砕きそうな太くて逞しい腕を持ち、頭には立派な鰭がある。
「嗚呼、おかげで助かったよ。ありが……あれ?」
バクフーンは助けてもらったお礼を言いかけた時、そのポケモンを見て驚きの表情を浮かべる。
「ラ、ラグラージ!?」
「えっ、バクフーン!?」
バクフーン達を助けてくれたのはラグラージというポケモンだった。
お互いに名前を知っている事から、どうやら知り合いらしい。
「お前、なんでここにいるんだ? 確かウォーターシティに引越した筈だろ?」
首を傾げながらバクフーンは尋ねる。
ウォーターシティとはバクフーン達が暮らすフレイムシティから少し離れた場所にある港街だ。
「そうだよ。でも、久しぶりにバクフーン達に会おうと思ったからここに来たんだ。そしたら、いきなり爆発音が聞こえてきて……それで急いでここに駆けつけてきたら、バクフーン達がいたって訳」
ここに来た理由をバクフーンに簡単に説明するラグラージ。
「そうだったのか……いやぁ、でもおかげで助かったよ。お前が来なかったらどうなってたか……」
「ところで……何でこんな場所でバトルしてたの? それと後ろの子は誰? 見かけないポケモンだけど……」
首を傾げながらラグラージは尋ねる。
バクフーンは今までの事をラグラージに説明する事に。
「……なるほど、大体状況は分かったよ。あっ、そういえばリザードンは何処?」
リザードンの事を思い出したラグラージは辺りを見回し、リザードンを捜す。
「ラグラージ……お前のすぐ後ろだよ」
「えっ?」
ラグラージが振り向くと、そこには麻痺して動けないでいるリザードンがいた。
「お前らなあ……俺がいる事を忘れるなよ!? まだ体が痺れて動けないっていうのによ……」
2人に忘れられていたリザードンはちょっと泣きそうになっている。
「あっ、悪ぃリザードン」
苦笑いを浮かべながらバクフーンは申し訳なさそうに謝る。
「ラグラージ、悪いんだけど俺達をポケモンセンターまで……連れて行ってくれないかな……」
そこまで言うと、バクフーンは突然大の字になって倒れてしまった。
「えっ!?」
突然バクフーンが倒れたのでラグラージは驚いてしまう。
「は、ははは……俺、もう体力の限界みたい……」
「はあ……もうしょうがないなあ。あっ、ラティアスだっけ? 悪いんだけどちょっと手伝ってくれないかな?」
さすがに1人でバクフーン達を運べないので、ラティアスに手伝ってもらうように頼むラグラージ。
「あっ、はい!」
ラグラージはラティアスと一緒に、バクフーンとリザードンを連れてポケモンセンターへと向かった。
ちなみにポケモンセンターとはラッキーとハピナスと呼ばれる姉妹のポケモンが運営していて、怪我をしたポケモンを治療したり、旅をしているポケモンを無料で泊めてくれる施設なのだ。
翌日の朝。
「ふぁ~……いやぁ、良く寝た」
念の為ポケモンセンター1日入院する事になっていたバクフーンとリザードン。大きな欠伸をしながらリザードンは目を覚ます。
「……あれ? バクフーン、もう起きてたのか?」
ふと窓際に目をやると、外の景色を見ていたバクフーンを発見するリザードン。
普段バクフーンは起きるのが遅い為、珍しい事もあるもんだとリザードンは驚いている。
「ん? あっ、おはよう……」
軽く挨拶するバクフーンだが、なにやら元気が無い様子。
「う~ん?」
バクフーンの元気が無い事にすぐ気づくリザードン。しかし、何故元気が無いのか分からないリザードンは首を傾げる。
「おはようさ~ん」
「おはようございます」
その時、寝室にラグラージとラティアスが入ってきた。
「あっ、ラグラージにラティアスか。おはよう」
リザードンは右手を上げ、2人に軽く挨拶する。
「良かった。2人共、元気になったんですね」
バクフーンとリザードンがすっかり回復した姿を見て、ラティアスは嬉しそうに笑みを浮かべる。
「そういえば2人共、ラティアスの記憶が少し戻ったみたいなんだよ」
『本当か!?』
ラティアスの記憶が少し戻った……ラグラージが言った言葉を聞いて、バクフーンとリザードンは驚きの表情を浮かべる。
「ええ、あのゲンガー達に襲われたショックで思い出せました。だけど、まだ全部を思い出した訳じゃないんですけどね……」
全部思い出した訳ではないので素直に喜べないラティアスは複雑な表情をする。
「それでも、思い出せて良かったよ。なっ、バクフーン?」
「そ、そうだな……」
「……あれ、バクフーンどうしたの? なんか元気無いみたいだけど?」
バクフーンが元気が無い事に気づいたラグラージはどうしたのかと尋ねる。
それから少し間を空けてから、バクフーンは話し始める。
「俺、ずっと考えてたんだ。またフーディン達が襲って来たら、ラティアスを守れないかもしれないってさ……だから、俺は今よりももっと強くなりたい!」
フーディン達に負けたのが余程悔しかったようで、バクフーンは今よりも強くなりたいと思っているようだ。
「気持ちはわかるけど……でも具体的にどうするのさ?」
首を傾げながらラグラージはバクフーンに尋ねる。
「前にリザードンと話してたんだけど……ポケモンリーグに挑戦しようと思う。各地のジムを巡って、ジムリーダーに勝って強くなってやるんだ!」
ポケモンリーグに挑戦する事……そうすれば自然と強くなるとバクフーンは考えたようだ。
「挑戦って……チームは? ちゃんとチームは作ったの?」
再び首を傾げながらラグラージが尋ねる。
「あっ、まだ俺とリザードンだけだった……」
右手を後頭部に当て、苦笑いするバクフーン。
「……無計画なとこは相変わらずだねバクフーン……はあ、しょうがない。僕も一緒に行くよ」
僕も一緒に行く、その言葉を聞いたバクフーンとリザードンは驚きの表情を浮かべる。
「い、良いのか!?」
「うん、僕も前からポケモンリーグには興味があったからね。それに……彼女をバクフーン達だけに任せるのはかなり心配だしさ」
ラティアスを見ながらラグラージは答える。
「……あの、私もチームに入って良いですか?」
突然ラティアスがバクフーン達のチームに入りたいと言い出した。
『えーっ!?』
予想外だったラティアスの発言に3人は思わず驚きの声を上げる。
「ダメ……ですか?」
「いやダメじゃないけど……でもどうして?」
何故急にチームに入りたいと言ったのか、気になったラグラージはラティアスに尋ねる。
「私、バクフーンさん達に守られてばかりじゃいけないって思ったんです。せめて、自分の身は自分で守れる位にはなりたい……だから、私もチームに入って一緒に強くなりたいって思ったんです。それに……2人が必死に私を守ってくれたのに、何も出来なかった自分が悔しいんです! だからお願いします、私もチームに入れてください!」
真剣な眼差しでラティアスはチームに入れてくれとバクフーン達に頼む。
どうやら本気のようだ。
「……わかったよ。一緒に頑張ろう、ラティアス」
ラティアスをチームに加える事にしたバクフーンは笑顔で言う。
「あ、ありがとうございます!」
チームに入れた事を喜ぶラティアス。
こうして4人はポケモンリーグを目指す為、バトルチームを結成した。
「えっとぉ……確かここに閉まってた筈……あっ、あったあった!」
旅の支度をする為、バクフーンとリザードンは自分の家に戻っていた。
バクフーンはバトルで役立つ道具を家中を探し回り、見つけてはリュックに入れるという作業を繰り返している。
「あとこれと、それにあれと~……だぁーっもう!? 面倒だ! 適当に入れる!」
途中で面倒になったバクフーンは手当たり次第に道具をリュックに詰め込む。適当過ぎるバクフーンである。
「よし、これで準備OKだ!」
準備出来たバクフーンはリュックを背負い、玄関へと向かう。
「…………」
玄関前まで来て、バクフーンは壁に掛けてある1枚の写真を見つめる。その写真には小さなヒノアラシを抱き、優しく微笑んでいるバクフーンが写っていた。
「……じゃあ、行ってくるよ……母さん」
そう呟いた後、バクフーンは外へ出る。
一方リザードンは……
「母さーん! ラムの実は何処に閉まってるんだっけ?」
様々な木の実を収納してある棚を漁っていた。
ラムの実とは、体に悪い状態異常などを回復してくれるありがたい木の実なのだ。
「確かこの辺に……あっ、あったわよ!」
木の実を見つけてくれたポケモンは黄緑色を基調とした体色で首が長く、さらに首周りには大きな花びらがあり、草食恐竜のような姿をしている。リザードンの母親……いや、母親代わりであるメガニウムだ。
「ありがとう母さん」
リザードンはメガニウムからラムの実を受け取り、大きなリュックに入れる。
「……本当に旅に出るの?」
心配そうにしながらリザードンに尋ねるメガニウム。
「うん、もう決めた事だから……」
頷きながらリザードンは答える。
「……わかったわ、あなたが決めた事ですものね。でも……体には気をつけてね?」
「わかってるよ母さん。それじゃ、行って来ます!」
リザードンはそう言うと、皆と待ち合わせをしているフレイムシティにある噴水広場に向かって飛んでいった。
「……行ってしまったのか?」
家の奥から緑色を基調とした体色をしていて、両腕には葉っぱが生えており、肉食恐竜に似た姿をしたポケモンのジュカインがやってきて、メガニウムに尋ねる。
このジュカインはメガニウムの夫、そしてリザードンの父親だ。
「ええ……あなた、きっとあの子は無事に帰ってくるわよね?」
やはりリザードンの事が凄く心配のメガニウム。
「心配するな。あの子は大丈夫だ、俺達が育てた子だぞ?」
腕組みして、リザードンは大丈夫だと言うジュカイン。
「……えぇ、そうですよね」
フレイムシティの噴水広場。すでにそこにはラグラージとラティアスが2人が来るのを待ったいた。
「お~い!」
そこへリザードンが飛んでやってきた。
「悪い、待たせたな」
「やっと来たね。なんか凄いリュック……何が入ってるの?」
リザードンが背負っている大きいリュックを見ながらラグラージは尋ねる。
「木の実だよ。旅先でポケモンセンターが絶対あるとは限らないだろ? とりあえず、いろいろ持って来たんだ」
「へ~……さすがリザードン、準備が良いね」
「皆もう来てたのか!」
そこにバクフーンが遅れてやって来た。
「バクフーンが遅いだけでしょ! ってか、荷物少なっ!?」
旅に出るというのに、バクフーンが持っている荷物はバトルに役立つ道具が入った小さなリュックだけ……あまりの少なさにラグラージは驚く。
「そんなの気にしたら負けだぜ♪ それより、早速出発しようぜ~♪」
意気揚々(いきようよう)とバクフーンは出発しようとする。
「ちょっと待ったバクフーン! まずは何処に向かうか決めないといけないでしょ!」
ラグラージがバクフーンを呼び止める。
「何処に向かうのかって……んなもんジムがある街に決まってるじゃんか?」
両手を腰に当てながらバクフーンは答える。
「ジムにもレベルがあるんだよ。まず最初にレベルが低い順に挑戦してバッジをゲットしないといけないんだ。じゃないと、レベルの高いジムには挑戦出来ないよ?」
ジムにはレベルが8段階存在していて、まずレベル1のジムから挑戦する必要がある。
それから順にレベル2、3のジムに挑戦挑戦する事が出来るのだ。
「えっ、そうなの?」
キョトンとした表情をするバクフーン。
どうやら知らなかったらしい。
「……バクフーン、まさかそんな事も知らないでジムに挑戦するなんて言ってたの?」
目を細め、呆れた表情をしながらバクフーンを見つめるラグラージ。
「えっとぉ……そのぉ……すんません」
肩を落としてしょんぼりするバクフーン。
「はあ……、まずは僕が住んでるウォーターシティに行くよ。あそこのジムはレベル1、最初に行かないといけない場所だからさ」
ラグラージの提案で彼が住む街、ウォーターシティに向かう事が決定した。
「わかった! まずはウォーターシティだな? よし、そうと決まったらしゅっぱ~つ♪」
先程までしょんぼりしていた筈が、急に元気になるバクフーン。
「……相変わらず切り替えが早いね、バクフーン」
「誉めんなよラグラージ♪」
「いや誉めてないから」
こうして4人はポケモンリーグに挑戦する為、そしてラティアスの記憶を取り戻す為に旅に出るのだった。
第二話が完成しました。
ラグラージ
「どうも、ラグラージだよ。ラティアスの記憶が戻るのを手助けする為、そしてポケモンリーグ挑戦の為に出発したけど……正直不安だよ(汗)特にバクフーン。彼、ある意味でトラブルメーカーだからねぇ(汗)でもまあ、僕やリザードンがいるからなんとかなる……かな?(汗)」
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