バクフーン
「なんか意味深なタイトルだな? どゆ意味?」
リザードン
「それは本文の後半辺りで解る」
ラグラージ
「……やっぱりMCなのに知らないんだねバクフーン(汗)」
第百二十八話 静寂の世界
ホウオウの身体に触れていたバクフーンとリザードンは、光がホウオウの身体に溶け込むように消えていった事を確認した後、ホウオウから離れる。それからしばらくすると、閉じられていたホウオウの目がゆっくりと開いていく。
「ホウオウ様!」
居ても立っても居られなくなったスイクンはホウオウの所へ駆け寄る。
「……心配をかけたなスイクン。もう大丈夫だ」
力強く翼を羽ばたかせるホウオウ。
「お帰り、ホウオウ」
近くに歩み寄り、笑みを浮かべながらホウオウに言うミュウ。
「久しぶりだな友よ……ずいぶんと世話になったな」
軽く頭を下げ、ミュウに礼を言うホウオウ。
「気にしないで良いよホウオウ。親友の頼みを聞いただけなんだから……あっ皆紹介するよ、彼がホウオウ。僕の一番の親友さ」
ミュウはバクフーン達にホウオウを紹介する。
「えっと、初めまして……で良いんかな?」
首を傾げながら聞くバクフーン。
「こうしてそなたと会うのは初めてだから、それで良い。だが挨拶する必要は無いぞ、我はそなたとリザードンの中で今まで起きた事を見てきたからな」
どうやらバクフーンとリザードンの中にいたホウオウは、今まで起きた事を見てきたらしい。
「そ、そうなんか?」
「ふふ、そんなに堅くならなくて良いぞ? 普段のそなたらしくで構わぬ」
「んじゃそうさせてもらうぜ」
切り替えが早いバクフーンである。
「話してるとこ悪ぃが、ちょっと良いかホウオウ?」
パルキアがホウオウに歩み寄る。
「言わなくとも解っているパルキア……ダークネスだな?」
「嗚呼……お前の聖なる力じゃねぇと野郎を完全に倒す事は出来ねぇ。お前の力を貸してくれ」
「もちろんそのつもりだ。だが……」
急にホウオウは表情を曇らせる。
「どうした?」
「奴はパルキアとディアルガの力を奪い、その力を強力にした。我だけでは、奴を倒す事は出来ないだろう……」
「じゃあどうすんだ?」
今度はバクフーンがホウオウに聞く。
「我一人では無理だが……我と同じ聖なる力をそなた達にも与え、全員で力を合わせれば奴を完全に消滅させる事が出来る筈」
「俺達にホウオウの力を? んな事出来んのか?」
腕組みしながらパルキアは聞く。
「当然だパルキア。だが、多少時間が掛かってしまうが……」
「時間が掛かっても、ダークネスを倒せるんだったら……やろうぜホウオウ!」
やるべきだとホウオウに強く言うバクフーン。
「……そうだな。だがバクフーン、それにリザードン……そなた達に我が聖なる力を与える必要は無い」
『な、なんで?』
予想外の事を言われて驚くバクフーンとリザードン。
「我の魂はそなた達と長い間一緒だった。その影響で、そなた達にも我と同じ力が備わったのだ。だから、我が離れてもそなた達が放つ攻撃には聖なる力が宿っているし、ブラストモードになる事も可能という訳だ」
「俺達に聖なる力が?」
少し驚いた表情をしながら互いを見つめるバクフーンとリザードン。
「ただし……我の魂が離れた事で失われた能力もある。どんな重傷を負ってもすぐに回復し、死からも復活出来てしまう超再生能力だ……だから、今までのように無茶をしたら今度こそ死んでしまう。これだけは忘れないでくれ」
ホウオウの言葉を聞き、二人は頷いて答える。
「解ったよホウオウ。良し、じゃあ俺達以外の皆に聖なる力を分けて、ダークネスをぶっ倒しにいこうぜ!」
「待ってバクフーン君、聖なる力を与えてもらうのは君達チームブラストとミュウにスイクン……そしてディアルガにパルキア、ブラキオ君達にヒトカゲ君達だけで良いよ」
そう言い出したのはカイリューだ。
「な、何言ってんだよカイリュー! 全員でやらなきゃ……」
「周りを良く見てよバクフーン君。他の皆はさっきの戦いで負傷して満足に動く事が出来ないんだ。僕も、ダークネスの攻撃で翼をやられちゃったしね……君達と一緒に行っても足手纏いになる」
少し悔しそうな表情をしながら言うカイリュー……本当は一緒に戦いたい気持ちがあるようだ。
「カイリュー……」
「……ダークネスを絶対倒してよ」
「……おう、任せろ!」
親指を突き立てて、カイリューと約束するバクフーン。
「バク君……絶対ダークネスを倒して帰ってきてね。待ってるから」
心配そうにしながら言うレナ。
「心配すんなよレナ、絶対ぶっ倒して帰ってくるからさ」
「ラグラージ、お前は残った方が良いんじゃないか? まださっきのライコウ達とのバトルで受けたダメージが残ってるだろ?」
ラグラージの身体を心配したリザードンは残るようラグラージに言う……しかし、ラグラージは首を左右に振ってそれを拒否する。
「こんな大事な戦いの時に、休んでなんかいられないよ。それに、戦力は出来るだけ多い方が良いでしょ?」
「お前……解ったよ。けど無茶すんなよ?」
「リザードンもね」
二人は笑みを浮かべる。
「サーナイトさん、ジラーチをよろしく頼むっす」
グラエナは自分の背中で眠っているジラーチをメイドのサーナイトに預ける。
「疲れて眠っちゃったジラーチを、一緒に連れてく訳にはいかないっすから……」
「解りました、ジラーチさんは私に任せて下さい。グラエナさん、頑張って下さいね」
「もちろんっすよ!」
そう言った後、グラエナはバクフーン達の所へ戻る。
「良し、それでは始めると……」
「そうはさせんぞ!」
ホウオウが皆に自分が持つ聖なる力を分け与えようとした時、突然何処からか大きな声が。
バクフーン達は声がした方へ振り向く……そこにいたのは、ダークネスからバクフーン達を始末するように言われたアブソル達だった。
「お前達は……」
アブソル達の中に、かつて自分の部下だったフーディン、ヨノワール、ゲンガーを見つけたダークライは驚いた表情をする。
「久しぶりですねダークライ。ダークネス様の命令で、あなた達にはここで消えてもらいますよ」
戦闘体勢に入るフーディン。そしてアブソル達も戦闘体勢に。
「こんな時に!」
バクフーンも戦闘体勢に入ろうとする。
「待てバクフーン。ここは俺達に任せろ」
バクフーンを止めたのはゴウカザルだった。
そしてゴウカザル以外にもここに残る事になったポケモン達がバクフーンの前に立つ……その中にはグレンもいた。
「父さんまで……」
「お前達はダークネスと戦う事に集中するんだ。奴らは俺達が食い止めるから、お前達はホウオウから聖なる力を受け取ってダークネスを倒してこい……頼んだぞ」
バクフーンにそう言って、グレン達はアブソル達に向かって突っ込んでいった。
「父さん……」
「バクフーン、お前の親父さんやゴウカザル達の気持ちを無駄にしちゃならない……解るよな?」
「……解ってるさリザードン。父さん達……頼むぜ」
アブソル達をグレン達に任せ、バクフーン達はホウオウの所へと集まる。
「良し、始めるぞ」
皆集まったのを確認したホウオウは目を閉じ、意識を集中し始める。
すると、ホウオウの身体が光り輝き始める。
「……汝らに、我が聖なる力の加護を……」
ホウオウから発せられた光は周りにいたポケモン達を包み込んでいく。
一方ディアボロス島にいるダークネスは……
「あと少しだ……あと少しでエネルギーが集まる。そしたら……ふふふ♪」
不気味な笑みを浮かべるダークネス。
その身体からは、禍禍しい黒いオーラが溢れるように発せられている。そのオーラは少しずつ大きくなっていく。
「……良し、チャージ完了♪ さぁ、ショーの始まりだ!」
ダークネスは両手を上に向けて翳す。
刹那、禍禍しい黒いオーラが天に向かって放出される。
ダークネスが天に向けて黒いオーラを放出したと同時に、ホウオウは皆に聖なる力を与える作業を終える。
「……良し、これで準備完了だ」
ホウオウから発せられていた光が消える。
「じゃあ、ダークネスの野郎をぶっ倒しにいくか。ダークライ、空間の扉を開けるか?」
皆準備が良い事を確認したパルキアはダークライに空間の扉を開くように言う。
ダークネスに空間を操る力を奪われてしまった為、今のパルキアには空間を操る事が出来ないからだ。
「まだこの力を完全に制御出来ていないので開けるか解りませんが……やってみます」
ダークライは両手を前に翳し、準備を始める。
「ね、ねぇあれ何!?」
ラグラージはダークネスが天に向けて放出している黒いオーラに気づき、指差しながらバクフーン達に知らせる。
「あの方角はディアボロス島がある方か……あのエネルギーはまさか……マズい!? ダークライ、お前に与えた時を操る力を私に戻すんだ、早く!」
天に向かって放たれているオーラを見たディアルガは、何故か慌てながらダークライに自分の力を返すように言う。
「きゅ、急にどうなされたのですか?」
「良いからディアルガに力を戻してやれ! ついでに俺にも空間を操る力を返せ! あれを防ぐには時と空間、両方の力を完璧に使う必要がある!」
パルキアまで慌てながらダークライに力を返すように言い出す。
「わ、解りました……ふぅ~、はっ!」
ダークライは意識を集中して右手と左手、それぞれからエネルギーの塊を出現させる。
そして二つのエネルギーはダークライから離れ、ディアルガとパルキアの中に溶け込むようにして入っていった。
それと同時に、ダークネスが放出した黒いオーラがディアボロス島を中心に凄いスピードで広まり始めた。まるで世界の全てを飲み込んでしまいそうな勢いである。
「急ぐぞパルキア!」
「てめぇに言われなくても解ってら、やるぞ!」
力の一部を取り戻したディアルガとパルキア。
二人が意識を集中し始めると、ディアルガは胸にあるダイヤモンドのような宝石が……パルキアは両肩にあるパールのような宝石が光り輝き始める。そしてさらに輝きを強めると、二つの輝きは一つに合わさりバクフーン達を守るようにして包み込んでいく。
完全に光で包まれた後、黒いオーラはあっという間にその場にいたポケモン達や街などを飲み込んでいく。
「……もう大丈夫だな。パルキア、バリアーを解くぞ」
「嗚呼……」
それからしばらくして、ディアルガとパルキアはバリアーを解く。
「お、おい……なんだよこれ……」
目の前に広がる光景に絶句するバクフーン達。
ダークネスが放出した黒いオーラによって街や海、草や木が全て灰色に染まっていた……風は吹いおらず、太陽までもが灰色に染まっていて本来放つべき光を放っていなかった。
「……父さん?」
ふとバクフーンは先程までアブソル達と戦っていたグレン達に目を向ける。グレン達とアブソル達は攻撃を繰り出そうとした体勢のままピクリとも動いていない……まるで時を停められたように。
「どうなってんだよ……」
「ダークネスだ。奴が私から奪った時を操る力を使って、世界の時を停止させたんだ」
目の前に広がっている異常を説明したのはディアルガだ。
「ディアルガ、父さん達を助けられないのか?」
バクフーンに聞かれたディアルガは首を左右に振る。
「……今私にある時を操る力はほんの一部だけだ。パルキアと協力してお前達を時の停止から守る事は出来たが……グレン達を助ける為にはダークネスを倒し、奴から時を操る力を取り戻すしか方法がない」
「そう、か……なら、早くダークネスをぶっ倒さないとな!」
右手で作った拳を左手で受け止め、ダークネスを絶対倒すと心に決めるバクフーン。
「準備は良いなてめぇら、この戦いで決着をつけるぞ。開け、空間の扉!」
パルキアは右手を前に翳し、空間を歪めてディアボロス島に続く穴を開ける。そしてバクフーン達は中に入り、最終決戦の地へと向かう。
バクフーン
「時間が停まった!?」
リザードン
「ダークネス、そのチートっぷりを発揮してるなぁ(汗)」
ラグラージ
「それでリザードン、次回は?」
リザードン
「ディアボロス島に再び乗り込んで、そこで最終決戦だ」
バクフーン
「おっ、クライマックスも近いのか!」
リザードン
「だが作者の事だ、すぐには終わらせないかもしんないぜ?」
ラグラージ
「あの人、バトル中心で執筆するとかなり話数増やすからね(汗)」
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