プロローグ
ここはポケモン達だけが暮らす、とくに争いもないとても平和な世界。
だけど、毎日が平和で何も変わらない日常に物足りなさを感じているポケモンがここに1人。
「はあ……」
フサフサとした体毛を持ち、深緑色をした背中にクリーム色をした腹、三角形の小さな耳があり、顔は何処かネズミに近い。そしてまるで炎みたいに赤い瞳を持っているそのポケモンの名はバクフーン。バクフーンは海が見える砂浜で横になり、軽く溜め息を吐く。
「どうしたんだよバクフーン、溜め息なんか吐いてさ?」
そんなバクフーンに声を掛けるポケモンが1人。橙色を基調とした体色で竜を思わせるような顔をしている。頭部には角が2本あり、首はやや長い。背中には一組みの立派な翼、そして長い尻尾もあり、尻尾の先端には炎が灯っている。
「ん? 嗚呼リザードンか」
海岸の砂浜で横になってたバクフーンに声を掛けた者はリザードンと呼ばれるポケモンだった。
リザードンはバクフーンの親友である。
「らしくないな、いつも陽気なお前が溜め息なんてさ」
いつもと違うバクフーンを見て、不思議そうな表情を浮かべるリザードン。
「俺だってたまにはこういう時もあるんだよ」
「ふ~ん……」
そこで会話が途絶え、海を見つめたまま、しばらく2人の間に沈黙が続く。
「……なんかさ、平和過ぎてつまらないなぁって思ってたんだよ」
先に沈黙を破ったのはバクフーンだ。
「そうか? 平和な事って良い事じゃないか?」
首を傾げながら言うリザードン。
「確かにそうなんだけど……もう少しワクワクするような事が起きてほしいんだよな~。なんかこう、燃えるようなやつがさ!」
「燃えるようなやつねぇ……だったら、ジムにチャレンジしてみたらどうだ? いろんなバトルが出来るし、それに自分の力を試すには打って付けだと思うんだけど?」
腕組みしながらリザードンはそう言った。
ちなみにジムとはそれぞれの街に存在する物で、そこにはジムリーダーと呼ばれるバトルのプロフェッショナルがいる。
そのジムリーダーに挑戦し、見事勝利する事が出来れば勝者の証としてバッジが貰える。
バッジを8つ集めると、全国から集まった強者達と戦い頂点を決める大会、ポケモンリーグに挑戦する事が出来るのだ。
「あっ、それ良いかもな! ……だけどさ、確かジムに挑戦すんにはまずチームを組まないとダメだろ? 最低でも3人はいないといけねぇし……」
腕組みをして考え込むバクフーン……この世界では、ポケモンリーグに挑戦する為にまずチームを作る必要があるのだ。
「あっ、そうか。うーん……じゃあ、俺が一緒に行こうか?」
自分の事を指差しながらリザードンが答える。
「嬉しいけど……良いのか? お前、父さんと母さんの店を手伝わないといけないんだろ?」
リザードンの両親は、様々な木の実を売るショップを経営しているのだ。
「それなら多分大丈夫。最近店は忙しくないし、俺が手伝わなくても母さんや父さんがなんとかしてくれるだろうしさ」
笑顔でリザードンはそう言った。
「お前がそう言うなら良いけど、でもあと1人はどうするよ? 他に頼めそうなやついるか?」
「どうだろ……他の知り合いはバトルとかあまり好きじゃないからなぁ……」
腕組みしながらリザードンとバクフーンは3人目に誰を誘うか一緒に考える。
「ん?」
2人で考えている時、リザードンは海の方で何かがプカプカと浮いている物を発見する。
「なんだあれ? バクフーン、あれ何か分かるか?」
リザードンは海に浮いている物を指差しながらバクフーンに聞く。
「ん? あれは……」
じーっと目を凝らして浮いている物が何かを確認しようとするバクフーン。
そしてその何かを確認出来た時、バクフーンは急に慌てだす。
「お、おい!? あれポケモンだぞ!?」
「えぇ!?」
バクフーン達は急いでそのポケモンを助ける為に走り出す。そのポケモンとの出会い……まさかこれが旅立つきっかけになるとは、バクフーンとリザードンは思いもしなかった。
プロローグ完成です。
バクフーン
「あっ、見つかったか。この小説を読んでくれてありがとうな。まだプロローグだけど、これからどんどんストーリーが展開していくからさ。楽しみにしていてくれよな♪」
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