よく学べ
あのバカが、また話しかけてきた。
「かおり~」
「なによ、いつもいつも」
「ひまだなぁ」
「私はいそがしいの」
「うそつくなよ~。あそぼ~ぜ」
「うそじゃないもん。見なさいよー」
机の上には国語のノート、書き込まれる文字。
「だいたい、今授業中!! ヒロもちゃんと受けなさいよー」
「だって、たいくつじゃねーか」
「は? 意味わかんない」
「そのままだよ」
意味わかんない。私がもう一度言おうとすると、担任の桃井先生が声をあげた。
「ちょっと、大森くん! 何を騒いでるの?」
大森孝弘――ヒロの名前だ。
「さわいでねーっすよ」
「でも、騒がしい!! 前まで来なさい」
「………」
ヒロがしぶしぶ黒板の方へ行った。もう何回もこの光景を見てきたのに、クラスのみんなはあいかわらずクスクスと笑っている。
「だいたいあなたは……――」
でた! 桃井先生の得意技!! 『無限ループお説教』!!
これで、もう授業はつぶれるはず……。
「よしっ!!」
後ろの方から声が聞こえた。振り向くと、かずくんがすごい笑顔に、というかにやにやしている。
かずくんは、振り向いた私に気づいたのか、左手の親指をたてた。
私は、そんなかずくんに笑い返して、右手の親指をたてた。
ジャンルを恋愛としましたが、ぽくないですね。でも、コメディーでもないですよねぇ。その他っていうと、ぞんざいだし。
読んでいただきありがとうございました。