新八に頼まれた買い物を済ませ、万事屋へと紙袋を抱えて人混みを歩いていた神楽。
「うぉっ!」
何かに足をひっかけ買った物を全てぶちまけ転んでしまった。
「なんなのヨ!」
起き上がり地面に散らばる物を拾うよりも先に後ろを振り返ると、沖田が足を伸ばしてベンチに腰掛け眠っていた。その姿を睨みつけ飛びかかる神楽。沖田の両側に足を置いて立花、胸ぐらを掴んだ。
「どーしてくれるネ! 全部台無しアル! 弁償するヨロシ!」
ガクガクと揺さぶりふざけたアイマスクをはぎとると、寝惚け眼の沖田が迷惑そうに神楽を見上げた。
「─一体どうしたってんだィ人の安眠邪魔するたァ、ろくな教育受けてねーだろ」
「なーにが安眠だ! 永眠にしてやろーかコラ。てめーの短い足につまづいて全てぶちまけたネ!」
沖田は、チラリと道に転がった物を見ると、神楽の首に手をかけて引き寄せキスをした。途端に真っ赤に染まる神楽の顔。
「そりゃ悪かったなこれで勘弁しろィ」
「なっ、な……」
沖田は巧く頭が回らない神楽の手からアイマスクを取って装着し、腕を組んで再び眠りについた。
「ふ、ふざけるな! キ……キス一つで済ませようなんて許さないネ!」
なおもくってかかるが、何の反応もしない沖田。神楽はその憎たらしい沖田の顔に、己のそれを寄せた。
「……仕方ないネ。キス二つで許してやるヨ」
そっと唇を触れさせると沖田から手を離し、落ちている物を手早く拾い集め足早に去っていった。神楽が真っ赤な顔で去ったあと、沖田の口元には笑みが浮かんでいた。
fin
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