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前回の桃香編を読まなくても、お話はわかるようにできてます。ですが、少しだけ関連している部分もあるので、まだ読んでない方で興味があればぜひ桃香編も。読んで下さった方は、ああ、あそこだな。みたいな感じで思ってください。

月・詠が好きな方、ぜひぜひ読んでみてください。。

あと、若干各キャラ呼称が違ったり、想像でこう呼んでるだろうな、という部分が多々ありますが、ご容赦ください。
その7 月・詠編 ~メイドの看護~
これは、魏、呉、蜀による三国同盟からしばらくして、蜀に集まった魏や呉の要人たちがそれぞれの国に帰っていった後の話である。

蜀の中心である成都。その城内にある一刀の部屋に、一刀と彼の次女でありメイドの服を着た月がいた。

「ごほっごほっ……はは、すまないな、月。こんなことさせちゃって」
「いいえ。気にしないでください。お次は背中を拭きますので」
「ああ、頼むよ」
「はい。お任せ下さい」

一刀に頼まれ、笑顔で応じる月。その姿は、仕える幸せを知った恋する乙女の様子であった。
現在、一刀は上半身裸で後ろを向きながら寝台に座っており、月はお湯で濡らした手拭いでその背中の汗を拭いているところであった。

「ごほごほっ……あー、桃香たちにも伝えないと」
「あ、大丈夫です。今、詠ちゃんが桃香様たちにお伝えしているので、ご主人様はゆっくり休んでいてください。……はい、終わりました。こちらに替えの服がありますので」
「あー、ありがとう……はあ、体がだるいし節々が痛い……」
「あ……でしたら、お着せしますよ。では、ゆっくりでいいので腕をあげてください」
「ほんと申し訳ない」

のろのろと腕を上げ、動き全体が緩慢になっている一刀は、月に優しい手つきで丁寧に着せていってもらう。汗も拭いてもらい、清潔な服を着たことで幾分さっぱりとした気分になるが、頭には未だ重たい物が入っているような鈍痛がする。

「はあ……まさか、風邪をひくとはなあ……ごほっごほっ……」

そう、一刀は風邪をひいてしまったのだ。どうやら昨晩、風呂上がりの直後に閨で頑張りすぎたのがいけなかったらしい。連日の政務の疲れも合わさって、翌朝見事に風邪を引いて今に至る。ちなみに、閨のお相手は目の前の月と、ここにはいない詠のメイド2人である。2人にうつらなかったのが不幸中の幸いであった。

「……ご主人様、早く布団に戻ってください。風邪の時は、温かくして休むのが大事ですよ」
「あ、ああ。すまない。それじゃあ、しばらく横にならせてもらうよ」

これ以上、月に心配をかけるわけにもいかないので、枕に頭を沈めた一刀は目を瞑る。すると、風邪で弱った頭はすぐに睡魔に襲われ、そのまま静かに寝息をたてるのであった。


「ふう。ご主人様、ぐっすり眠れているみたい。よかった……」

布団で眠れている主人を見て、月は自分のことのように喜んだが、苦しそうに赤らんだ顔を見てすぐに不安な気持ちになってしまう。
月にとって、一刀は恋する男というだけではなく、命の恩人でもあるのだ。帝の権力争いに巻き込まれ、傀儡となってしまった自分を親友と共に救ってくれたのが一刀であった。もし、最初に見つけてくれたのが一刀ではなかったら、その場で処刑され命はなかったはずだ。その後、安全のため名前を捨ててしまうことになってしまったが、自分たちのことを心配してくれた上に、敵であったのにも関わらず傍に置いてくれた一刀のことを考えれば真名で呼ばれることに不満などあるわけがなかった。一刀を想う気持ちはいつしか恋へと変わり、それが親友である詠と同じ気持ちであったのを機に、一緒に夜を共にした。
とはいえ、詠の方は何かと一刀につかみかかってしまうが、それが一刀を想うのと自分を大事にしてくれる気持ちの裏返しだとわかっているので、あまり気にしていない。たまに、平気で殴ったり大声で罵倒したりするのはどうかとも思うけど。

「早くよくなって下さいね。ご主人様……」

寝台の傍らに座りながら、濡れた水で絞った手ぬぐいを額に乗せ、熱いであろう顔に浮く小さな汗の玉を拭いていく。すると、後ろで扉が開いた音がした。振り返ると、そこにいたのは月の親友であり、同じメイド服を着た詠であった。よく見ると、疲れ果てたような顔をしている。

「ふう……説明するだけなのになんでこんなに疲れるんだろう」

月とおそろいのメイド服だが、詠のほうが丈が短い。月は膝下までに対し、詠は膝上のふともも半ばまでしかない。初めて着たとき、詠は動きやすくていいと言っていたが、違う理由を訊ねたときに、俺の趣味だ! と豪語した一刀をぐーで殴ったこともあった。

「へぅ……どうしたの詠ちゃん? 何か問題でもあった?」
「問題も何もあったもんじゃないわ……それで、そっちはどう?」
「今はぐっすり眠ってるよ。ただ、少し熱が高いみたいだから注意しないと……」
「ふん、昨日あれだけ腰振っておいて倒れるなんて。全く、自業自得よ」
「あうぅ~、詠ちゃん……」
「うっ、ゆ、月。そ、そんな目で見ないでよ……うう、そりゃ、まあぼくたちも、その、き、気持ちい…………って、違う! 違うからね! うん!」
「え、詠ちゃん声が大きいよ……」
そう言いながら、同じように月の傍らに椅子を持ってきた詠はよっこらしょ、と言いながら深く腰を落とす。悪態をつきながらも、寝ている一刀を見る目には、心配の色がありありと浮かんでいるのだが、素直じゃない親友はそのことを認めないだろう。額に浮いた僅かな汗を拭いてあげながら、月は何があったかを訊ねた。
月や詠はお気に入りキャラですが、いかんせん、特に詠を書くのがここまで難しいとは……デレ要素が! デレ要素の塩梅がわからない……

まだまだ、駄文、誤字脱字、これキャラ違うだろ、などありますが、寛大な心で読んでいただけたらと。感想や意見もぜひ!



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