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恋せよ狐と幼馴染み
作:爆弾蛙



第18話〜セフィリアなんとかなんとかウンディーネさん改めセフィリアさん対玉葛と僕〜


 睨みあう12人の玉葛と一人のセフィなんとかなんとかウンディーネさん……っていい加減長いよ。
 えぇっと、確か、玉葛が『セフィリア』って呼んでたな。
 セフィリアさんでいいよね。

「「「「晴信、安心しろすぐ終わる」」」」
 12人の玉葛が108個の狐火を携え、一斉にしゃべる。
 う〜ん、壮観だ。
 って違うだろ。
 コレがどの程度スゴいのか、まったく見当がつかないが、僕らからしてみれば、足元にも及ばない気がする。
 多分、五年前に『同じくらいね』と言われたサーチ能力だって、この五年でかなり離されているだろう。

「……八本……まだ、妾を愚弄する気か! それでは、貴様の八割ほどの力しか出ないであろう!! こんな……子供騙しで、何が出来る!!」
 セフィリアさんの怒声と共に、水の腕が弾け、雨粒ほどの無数の水の玉になった。
「玉葛……よく聞くのじゃ。こんな子供騙し、時間稼ぎにもならんぞ!! やれ!」
 セフィリアさんの声一つで、セフィリアさんを中心に回り始める無数の水の玉。
 その回転速度の速いこと……まるで台風だ。
 そして、徐々に、その回転する水の範囲が広がり、分身した玉葛達を飲み込んでいく。
 狐火も、108個有ったものが回転する水に当たり消えて行く。
 いくつか煙をたて、鎮火するかのように消えたのもあるようだが、全ての狐火がセフィリアさんの作った台風に飲まれた瞬間に消えていった。
 それは、狐火だけに言えたことではなく、12人の玉葛にもそうだった。

「ふん。どこに隠れおった、玉葛。姿を表すのじゃ」
 台風が元の水の腕に戻り、セフィリアさんの周りに控えると、そこには、玉葛は1人もいなかった。
 玉葛が1人もいないって表現は変かもしれないが、実際に12人に分身した玉葛が1人も残っていないんだから仕方ない。
 玉葛……どうしちまったんだ……。
「玉葛……やられちゃったの……?」
 紅葉も同じ様に心配している。
「コラ! 玉くず! こんな簡単に死ぬなぁ!!」
「おい、コラ! バカ枯れ葉。人を勝手に殺すな」
 …………お約束?
「このワラワが早々に負けるわけないだろ」
 玉葛は、僕らの後ろにあきれ顔で立っていた。
「な〜んだ」
 な〜んだ、っておい、紅葉、そんな反応? 僕は、玉葛に怪我無くて、嬉しいんですが?

「本当に九尾一族は、良く言えば慎重、悪く言えば臆病じゃな」
 うふふと優雅に笑うセフィリアさん。
「ほぉ〜言うようになったな」
 玉葛……頬がひきつってるよ?
 落ち着こ?
 ねっ?

 と思い、玉葛の肩に手を置こうとした時、玉葛の姿がスッと消え、空振りをする。
 えっ!?
「よいしょっ」
 玉葛は上にいた。
 しかも、なんかでっかい火の玉あるし、具体的に言うなら直径30cmぐらい?
 デカいよね……。

「はっ、大きくしたところで……」
「セフィリア、コレは、いつものより熱量多めに作ったぞ。……要するに熱いぞ」
 ニヤリと笑う玉葛。
 そして、放たれるでっかい狐火。
「……所詮、児戯じぎじゃ」
 即座に、一本の水の腕で受け止めるセフィリアさん。

 ジュゥゥ

 音と煙をたて、小さくなっていく水の腕。
「くっ!」
 すかさず、二本目の水の腕を使い、狐火を止める。
 そして、
「…………じゃ。あれ……じゃ。……は……じゃ」
 この場所からは、上手く聞こえないが、独り言をブツブツ言っているようだ。

 狐火を見てみると、音も煙も弱くなっているようだ。
 狐火の勢いは全然衰えてないし、水の腕だって健在だ。
 なのに……
「どうじゃ、玉葛。貴様の術など、対策が出来ておるのだ。そして、考えもお見通しじゃ」
 セフィリアさんがそれだけ言うと、一歩ずれて、振り返った。
 そこには、三本目の水の腕に捕まった玉葛がいた。
「玉葛、貴様の術の属性は“幻”。それも、かなり強力で、実際にあるように感じてしまう程のな。しかも、その効果は、術をかけられた者の思いによって変わる。じゃから狐火は、焼けると強く思えば思うほど焼けてしまうのじゃ。だったら焼けない。あれは偽物じゃと思えば焼けないと言うわけじゃ。そして、これも偽物なんじゃろ?」
 水の腕が玉葛を握り潰す。
 玉葛は、簡単に消える。
 本当に、偽物だったんだ……。
 てか玉葛の神秘の力ってスゴ……。

「本当に困った。まさか、ここまで読まれているとは……」
 またもや僕の後ろから現れる玉葛。
 もしかして……ずっと僕を盾にしてた?
「あっ! 晴信、決して盾にしてたなんてことはないぞ。絶対にないぞ。頼れる背中だなぁとは、思っていたが、決して盾などには……」
 はいはい……。
 てか、かなり余裕のある考えをお持ちなんですね。
 僕、か〜な〜りハラハラしながら見てたのに……

「ほ〜……、男にうつつを抜かすとは、なかなか余裕のようじゃな。まだ、策でもってあるのか?」
「いいや、ほとんど万策つきたな。セフィリア、ワラワは、初めてお前に負けたと思わなければならないかもしれないな」
 えっ?
 玉葛!?
「そうか? そうなのか? なら帰るぞ! 王になるためのお稽古をするぞ。これで、やりがいが出るというものじゃ」
 玉葛、帰るのか……
 嬉しそうに笑うセフィリアさんをみる玉葛は……どこか、悲しそうである。
 負けたことが悔しいのだろうか……

「セフィリア、お前は凄い。うん、ワラワの上をゆく頭を持っているようだ」
「そっそうか? そうか〜」
 が、すぐに悲しそうな顔をやめた玉葛はセフィリアさんをおだて始めた。
「そうだとも、そうだとも。そうだ、久しぶりにアレを見たいな。セフィリアの得意なアレだ。ほら、小さい容器に入るアレだ」
「ん? そうか? 見たいのか? いいじゃろう。見せてやるぞ。小さい容器はあるか?」
「あぁ、ワラワが持っておる。ペットボトルという、こちらの世界の飲み物を入れる容器だ」
 と玉葛が、取り出したのは200mlのペットボトル。
「ちょうど良さそうじゃな。入るから蓋を開けてくのじゃ」
 蓋を開け、待つ玉葛。
 セフィリアさんは、目を閉じ、現れた時の逆再生で水になる。
 そして、ゆっくりと水が浮かび、ペットボトルの中に吸い込まれる様に入っていった。
 ペットボトルがいっぱいになったところで玉葛が蓋を閉める。
 そして、
「ワラワの勝ちだ。セフィリア」
 玉葛が勝利を宣言した。
 は?
 はぁ!?


えっと特に何か言いたいコトが有るわけでもないので……次回予告。
玉藻さんです。

玉藻(以下藻)「なに? あたしが次回予告すればいいわけ? まぁ先のコトはわからない方が楽しいんじゃないかな? ってコトでサヨナラ」

あれ?
玉藻さん?
帰っちゃうんですか?
玉藻さ〜ん!

ととりあえず次回をお楽しみに











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