恋せよ狐と幼馴染み(1/37)縦書き表示RDF


【花嫁は狐と幼馴染み】の連載版です。
設定を煮詰めていったら【花嫁は狐と幼馴染み】とは似て非なるモノになってしまいました。
楽しんでもらえたら光栄です。
恋せよ狐と幼馴染み
作:爆弾蛙



プロローグ〜週一回の夢〜


コレは夢だ。
あと、昔体験したことを追体験してる夢というのもわかってる。
わかるのはそれだけ、他は全く分からない。
ココがドコなのか、コレからなにが起こるのかも分からない。
「おい、人間。小娘が目を醒ましたぞ」
後ろから女の子の声がした。
どこか警戒心のある。
僕は、声の主を確認しようと振りかえようとすると、暗転。

見える景色が一気に変わる。
川べりから屋内に、趣のある和室に変わった。
和室には布団が敷いてあり、ソコには毛の赤い小さな少女が寝ていた。
気持ち少女が薄く透けて見える。
まだ起き上がるコトはできないようだが、精一杯の笑顔を僕に向けている。
その精一杯の笑顔は、本当に嬉しそうだ。
「少し待ってね。今起きるから」
とてもつらそうな声。
無理はして欲しくない。
僕が止めようと口を開こうとした時、ふすまが開き、
「小娘、無理をするな。今は休め。どうせ焦ったとしても、お前たちの世界への道は閉じたままだ」
先ほどの少女だ。
僕は、さっき見るコトのできなかった少女を見るために振り返った。
だがまたしてもここで暗転。
この夢はどうしても僕に少女を見せたく無いのだろか。
だが、そんな考えは次の場面で間違いだと理解した。

次の場面は、公園のような広場。
布団に寝ていた少女も元気になったようで、地元の子たちと遊んでいる。
そして、僕はベンチに座り休んでいる。
隣には、あの姿を見ることのできない少女が座っている。
「お前たちが来て一週間たったが、小娘もあんなに元気になった。よかったな」
少女が話掛けてきた。
今度は難なく少女を見るコトができた。
そして、今までなぜ見るコトができなかったのかがわかった。
僕は、少女の顔を覚えていないようなのだ。
少女の顔は歪み、ぼやけていた。
表情は分からないが、雰囲気で笑って居るのが分かる。

それにしても少女は僕らと一緒に遊ばないのだろうか。
僕も地味に汗をかき、大分整ってきたが息だって切れていた。
少女にその様子が一切ない。
「そんな顔するな。ワラワだって遊びたいさ。だがな、ワラワは、化物だから…皆…とは遊べ…ない」
少女はうつむき、何かを耐えるような声で話す。
気付けば少女を優しくだき、頭をナデていた。
多分、記憶の中の行動だと思う。
ここでまた暗転。

今度の場面は、ふすまの前。
ふすまの向こう、部屋の中からは、あの少女の声がする。
「ワラワはアイツが好きなのだ! だからアイツと一緒にアイツの世界に行く。小娘とも、らいばるだなと話しをしたし、勝負すると約束したのだ。約束を破るなと言ったのはお姉様方だ。だから…」
少女の懇願する声。
多分、少女と話しているのは、この屋敷の主人である双子の美人姉妹。
この少女との関係は……思い出せない。
「わかってるでしょ。神隠しにあった子共をあちらに返す時は、こちらでの記憶を消さなきゃならないこと、力を満足に制御できない者の渡航が禁止されていること。あなた達はまだ11歳。子供なのよ?」
玉藻たまも、それぐらいにしてあげてわいかが?」
葛葉くずは!」
「あなただって可愛い孫娘の恋を応援したいでしょ? だったら…」
どうやら美人双子姉妹は密談に入ったようである。
そこでまた、考える間無く暗転。

どうやら次は、神社のようだ。
ココには見覚えがある。
近所の狐禮こらい神社に似ている。
「お急ぎ下さい。もうじき閉じてしまいます」
神主らしき人がせかしてくる。
「おい」
僕が赤毛の少女を連れ、神主さんの所に行こうとした時、あの少女が声を掛けてきた。
「五年だ。五年待っていろ。五年でワラワはそちらに行ける。だから待っていてくれ。必死で勉強するから。女を磨いて行くからな。覚悟しろよ小娘」
「いい加減名前で呼んでよね。たく…待ってるわ。正々堂々と行きましょ。それまで待っててあげる」
ふふふと笑い会う二人。
「「恋敵の一人や二人、倒せないで何が恋か!何が乙女か!ってね」」
すっかり意気投合してたらしい。
「お二方。お急ぎ下さい」
焦る神主さんの声。
「は〜い。またね。待ってるから」
「あぁ待っていろよ。あと――」
少女が改めて僕の方を見る。
「ありがとうな。絶対に行くから…本当にありがとう」
まだ少女の口は動く。
だが僕には聞こえない。
ただ口が動くのを僕は見ているだけ、たぶん僕の名前を言っているのだろう。
そして僕の視界は徐々に暗くなっていった。
夢の終わりなのだろう。


ありがとうございました。
2、3話ぐらいはすぐに載せるコトが出来ると思いますが……後は……


すみませんわかりません。











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