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今宵恋塚の鎖
作:秋時雨



第拾肆話 『学校崩壊の危機?〜前編〜』


「今からドッジボールを始める。ルールは簡単。内野四人、外野三人をあらかじめ決めて、内野全員をフルボッコにすれば終了だ。」

 よりによってドッジボールと申すか。ていうかフルボッコって完璧イジメだろ。先生が生徒イジメてどうする。

「チームは私が決める。では…。七刹、東乃、出席番号16、出席番号20。いけるか?」

「はい、と言いたいところですが先生に言いたいことがあります。」

「番号で呼ぶなよ、と」
 同じチームの20番が16番の代弁をする。

「うぉあ!?」

 驚く16番。

「さっさといくぞ、と」

 20番は16番を無視して試合へと向かった。


「・・・げげっ」

 相手チームを見ると桜花、美香、名無しキャラ2人の女子チームじゃないか。

「最悪なチームと当たってしまったな…。」

「転入生さんと美香さんには悪いけど、本気で行かせてもらうぜ。」
 体にオーラを纏っている16番。・・・お前きっと後悔することになるぞ。

「よし、おまえら気合いを付着させろー!!!」
「おぉー!!」

 付着の使い方間違っとる。
 月のかけ声によりみんな闘心満々だった。俺はため息をつく。

 桜花はこちらを見ていた。さらに軽くウィンクまでしてくる。

 そして試合開始、ボールは桜花にまわった。

「キター!」

 桜花の目が光っている…!

「まずい───!!」

 桜花のなげたボールは超豪速球で俺に向かってくる。俺は瞬時に避けて球は月に当たる。

「ア゛ッ━━━━!!!!!」

 月は外野まで吹き飛ばされた。・・・南無。ご愁傷様でした。お前は良い親友だったぜ。と俺は両手を合わせて祈りを捧げた。

 男女両チームは唖然としていた。勿論見ていた他のチームも、さっきの月の叫びで見に来た人も。

「やったね!」
「やったね!じゃねえだろ!!!下手したら死ぬぞ!!」

「いや、東乃くらい死んでも世界は平和だと思うが。いやより平和になる。」

「そうそう。」

 16番と20番は真剣な顔でそう言った。
 月、生まれ変わったら健全な人間になれよ。

「外野まで吹きとばしてしまうなんて凄いです!」

 天然な美香は目をキラめかせて桜花にそう言い放った。

「もう一度見せてあげようか?美香ちゃん。」
「はいっ!」

 ・・・何?このほのぼのしてるけどカオスが含まれている会話は。

 そして桜花はボールを拾い、16番の方に向く。ていうかもうこれドッジじゃねえな。

「ちょ、ちょちょちょちょっと待てぇ!」

「てぇい!」

 目では追いきれないスピードで16番に迫ってくる!

「ぐごべらっ!」

「ぐおっ!」

 吹き飛んだ16番に、20番まで巻き込まれる。

「凄いなぁ〜運動とかやってた?」

「ええ、ここに来る前にかなり訓練してたのよ。」

 ぐぐぐ、ほのぼのとしたカオスにはツッコミきれない。

「さて、次は黒の番だね。」

 桜花は跳ね返ってきたボールを拾い、こちらを向いておおきく振りかぶってきた。

「くそ、やるしかないのか!」

 俺は桜花に向かって突入した。ボールが超スピードで飛んでくる!

「うおおおお!!!」

 俺はボールを受け止める。

「うわああああああ!!」

「七刹選手、吹き飛ばされたー!!」

 吹き飛ばされた俺を見て先生が実況的なことを言う。

「く〜気分爽快っ!」

 桜花は伸びをして幸せな顔をする。

「こ…殺す気かー!」

 起き上がった俺はボールを桜花に向かって全力で投げる。

「いたっ!」

 油断していたか、桜花に当てることが出来た。

「なんのー!」

 桜花も反発してなげてくる。だが反射神経で俺は避ける。他の人が巻き込まれる。また俺はなげる。その繰り返し。
 最終的には乱闘となり、それを見ていた先生は、
「し、試合中止ー!」
 と、言うわけで殺伐とした空気ながらも第五限目は終了した。


「あー、楽しかった!」

「全然楽しくねーよ!皆に悪い印象与えてどうする。」

「ん、そんなこと無いと思うわよ。」

 何故桜花がそう断言できるかと言うと現在、桜花は女子に囲まれているからである。

「…凄い人気だな。俺にもその人気を分けて欲しい。」
「だよな、もっとモテたいよな!」

 俺の隣には復帰した月。

「俺はお前と違って、純粋に恋がしたい。」

 というか女子の前で何話してんだ。

「天崎、朝倉が呼んでるぞー。」

「? なにかしら。」

 げ。朝倉ってもしかして・・・。

「お、俺もついていくよ。」


 教室の外に出ると腰に木刀持ってる顔は可愛いがおっかないうさみみ妖怪、「朝倉 香奈」がいた。

「あなたが今日来た転入生の天崎さん?」

「ええ、そうだけど?」

「さっきの体育、暴動を起こしたって噂があるのだけど?」

 危険なイメージ湧いちゃってるよこの人。

 その時、香奈はさっきのある眼で桜花を睨みつける。
 ん・・・まさか…。

「放置しておくと何が起こるか分からないから、今のうちに処罰しておくわ。」

「処罰されるようなことはしてないのだけど。」

 桜花の言い訳も聞かず、香奈は木刀を振り下ろしてきた。
 だが桜花は恐れもせずに木刀を蹴る。

 バキッ!木刀の折れる音が大きく響いた。

「え…?」

「いきなり危ないわね。なにするのよ。」

 余裕の顔を見せる。だが香奈はニヤリと笑い出す。

「ふっ・・・はははっ!いいぞ、気に入った!うちの団体に来なさい!」

 でたよ、強制勧誘。まあ俺は断ったけど。

「そんなのお断りよ、って黒がそう言えという眼をしているわ。」

 香奈は首を落とす。残念だったな、お前の団体に来る奴は恐怖を感じた者しかこないぞ。

「ぐぐ…。何故黒といい、転入生といい、こんな悪を滅ぼす正義の団体に来ないのだー!」
 悪が強いお前が言うな。

「諦めろ、香奈。そんな脅迫は悪いイメージを持たされてしまう。」
 騒ぎで気が付いたのか、望月が来た。

「う〜、望月〜。」
 うお、拾ってくださいみたいな顔してる。凶暴な性格じゃなかったら拾ってやるんだが…。

 望月は香奈の手を引っ張って行く。
「いくぞ、次の授業が始まる。」
「はぁ〜い。」

「・・・あんな妖怪見たことが無いわ。」

「まったくだな。」

 とはいえ、おまえみたいな奴も見たことが無い。

「ふふふ。まあ楽しいからそれで良いんだけれども。」
 桜花は笑顔で教室へと入っていった。







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