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進め戦車よ!VRなど恐るるに足らず! 作者:トクメイさん

Es braust unser Panzer Im Sturmwind dahin.

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それぞれの行動

 再度訪れた冒険者ギルド。目的は稼げる依頼だ。手頃なものがあるといいのだが。

「荷物の配達、畑仕事の手伝い、ポーション納品・・・ありふれたものばかりだな」
「我々にできるのは力仕事でしょうね」

 よくファンタジー系小説にある、誰でも出来るが故に報酬が少ない依頼だな。こういうのは余り儲けが無いという理由で貯まっていくものなのだろう。ボードにはそのような依頼で埋まっていた。

「どうやらこのボードは比較的簡単な依頼で埋められているようですね」
「となると、隣にあるボードは荒事だったり難しかったり、か」
「そのようです」

 依頼の板で埋まっているボードの、隣にある依頼が少ないボード。そのボードの依頼を見ていく。

「モンスター討伐系が多いな」
「兎、犬、猿・・・大体倒してきたものですね」
「見たこと無いのもいるがな」

 パラライズバタフライというのは見た事無いな。

「・・・これなんてどうでしょう」
「ん?見せてくれ」

 ・・・ゴブリン偵察だと?


 ”ゴブリン捜索”
 現在、巷で噂されているゴブリンの確認。噂が本当かを確かめる事がこの依頼の目的である。

 達成条件
 ・ゴブリンの一部(耳など)の納品

 失敗条件
 ・なし

 報酬
 ・5000リン
 ・ゴブリンの規模の情報によって追加報酬


「・・・これにしよう」
「えぇ、我々は既に発見していますから、達成できると思います」

 依頼の板を手に、受付へと向かった。

「いらっしゃいませ。ご用件はなんでしょう?」
「この依頼を受けたいのだが」
「ゴブリン捜索ですね。この依頼についての注意事項を説明いたします」
「お願いする」
「この依頼は既に複数の方々が受けていて、報酬は先に見つけた人に渡される事になります」
「という事は、早い者勝ちか」
「そうなりますが、それとは別に、それぞれが得た情報の質によって追加報酬が発生します」

 そういえば、依頼内容にもそう書いてあったな。つまり、速く見つけて質の良い情報ならば、より多額の報酬を貰えるという事だな。

「・・・受諾処理を終えました。頑張ってきてくださいね!」
「判った。感謝する」

 ライバルに負けないよう、急いであの森に戻るとしよう。

「急ぐぞ、蜻蛉」
「了解しました」

 俺達は森へ向けて出発した。









 鉄の軋む音が森の中に響く。大地を踏み締めるその様は力強く、木の枝や石をへし折り踏み砕くその力は凄まじい。
 その装甲は分厚く、なんであろうと貫く事はない。あってはならない。戦車は砕ける事を許されない。

 突き出される剣は折れる、

「っつう!」

 振り下ろされる斧は砕ける。

「うぅっ」

 現在、森にてゴブリンと遭遇した。これを突破している。しかし、場所が場所だ。入り組んだ森では高速での移動は難しい。
 結果として、ゴブリンに包囲されてしまった。まぁ、相手はどうやらこちらの撃破が目的ではない様子。どちらかと言うと遅滞が目的か。自分が始まりの街へ行くのが嫌なのか、それともこの先に何かがあるのか。どちらかは判らないが、自分にはどうでもいい事だ。始まりの街へ向けて進み続ける。

「ま、まだ終わらないの?」

 だけれども、問題がある。今いる場所はエルフの森。ここ等一帯は魔法か何かが作用していて、方向感覚とマップが狂う。ついでに迷路のように入り組んでいる。自力で脱出する事は不可能に近い。
 此処から出るにはエルフの案内が必要なのだが、車内からでは無理な様子。当たり前か。だが、車外はこのゴブリンのお陰で危険極まりない。どうにかしないといけないなぁ。

 というかこいつら、なんで此処にいるんだ?方向感覚狂うのはゴブリンも例外ではないと思うのだが。
 ・・・あれか、エルフの村を襲った連中の残党か。エルフの村を襲ったは良いが、帰れなくなった、という事だろうか。いや、それだとどうやってエルフの村に来たんだろうか?道中にある迷路を通らないとエルフの村には・・・後で考えよう。今はこいつらをどうするかが優先だ。

 取り合えず振り切るとしよう。迷路といっても壁の役割をしているのは森。正確には木だ。戦車が突っ込めば、そして吹き飛ばせば突破は簡単だ。
 速度を出し、木々が細い箇所を探す。ここの木々は、太い木、細い木が入り混じっている。上手い具合に細い木でできた場所へ突っ込むとしよう。
 主砲に、榴弾を装填した。

「は、はやいっ!?」

 突如加速した自分に、周りのゴブリン達が五月蝿く鳴き出す。勿論無視だ。これで引き離せるならそれはそれで良い。





 突破点を発見。やや速度を落とし、方向を変える。突破点を正面に捉える。と同時に主砲を放つ。行進間射撃だが、目標は直ぐ目の前だ。外れる要素が無い。
 木々へ突き刺さった榴弾が爆発する。爆風が薙ぎ倒し、破片が切り刻む。これで突破点に綻びが生まれた。あとは突っ込むだけだ。

「うわっ」

 体当たり!ラミングだ!こんな時だけだけれども、衝角が欲しくなる。細く脆い木々を薙ぎ倒す。20tもの超重量の体当たりだ、余裕で突破する。
 後ろから追いかけて来るゴブリン達は、自分が木々へ突っ込むとは思わなかった様子で、その場で詰まっている。先頭のゴブリンが後続に押されて折れた木々へ突っ込んで血だらけになっていた。

 無論、これだけで終わる訳が無い。丁度、次弾の装填が終わった所だ。置き土産に榴弾を置いていこう。
 砲塔を旋回させ、車体も信地旋回させる。少しでも早く砲を後ろへ向ける為の工夫だ。そのお陰で、直ぐに砲を向ける事ができる。

 仰角よし、照準よし。ファイヤ。砲弾は狙い違わずゴブリンの集団へと直撃した。後続の更に後続は被害が少ないと思うが、先頭とその直ぐ後ろは致命的な被害を与えた。先頭はミンチより酷い事になり、後続もバラバラになった。

 さて、やるだけやった。あとは距離を置くだけだ。再度砲塔、車体を旋回させる。砲塔は車体正面12時の方向へ、車体は逃げる方向へ。
 旋回が終わった。此処から離れるとしよう。






「ふぅ・・・空気が美味しい」

 安全になったので、ハッチを開放した。これでこの森からの脱出ができる。あとは時間の問題だろう。
 あれから暫く移動を続け、撒いたと判断した。連中は森の中で右往左往していることだろう。

「・・・じゃあ、案内始めるね」

 キューポラから車外へ上半身を出す彼女。彼女の指示に従い、戦車を進めた。
 この迷路の中でも、モンスターは普通に現れる。ラミングボアやビックベアー、パラライズバタフライ等の強力なモンスターが多い印象だ。他にも居ると思うのだが、今の所この3種が目立つ。どれも地形的に有利な為、戦い易いのが幸いだ。ラミングボアやビックベアーも、正面からの戦いなら主砲を撃ち込めば大体一撃で終わるからである。偶に当たり所の問題で生き残るのもいるが、次弾を撃ち込めばそれで終わりだ。
 こんな感じに、ね。

「・・・相変わらず、凄い威力」

 通路でであったラミングボアへ砲撃する。狙い違わず頭へ直撃した榴弾は、硬い頭蓋骨に突き刺さり、信管を作動させる。榴弾は爆発し、首ごと頭を吹き飛ばした。
 さすが、7.5cm kwk 38 L24 戦車砲だ。T-34相手じゃあ、対戦車榴弾が無い限り無力に近いが、ソフトターゲット相手だったら無類の強さを誇る。この世界のハードターゲットといえば・・・ドラゴンや、ゴーレムだろうか。それらと遭遇する頃には、より強くなってないといけないな!具体的には8.8cm――

「そこを左」

 左へ車体を回す。四号戦車は信地旋回しかできない。超信地旋回と呼ばれる、両方の足回りをそれぞれ逆の方向へ回す事で、より早く旋回する技術。これができるのはまだ先だなぁ。六号戦車というのだが――

「そこを右に」

 右へ車体を回す。前方にパラライズバタフライを確認。距離200m。まだ気付かれていない。羽も体も薄いから、信管が作動しないかもしれない。ここは機銃で対応する。
 この森の迷路、今更だが中々に入り組んでいるな。案内がなかったらそのまま遭難していただろう。最悪、一方向に突き進み続けて知らない場所を彷徨っていたかもしれない。
 でもまぁ、道中で敵との戦闘は必ずあるだろうから、案外何とかなっていたかもしれないな。







「・・・迷路を抜けた」

 お、抜けたか。確かに、前方の森と後方の森では、何となくだが雰囲気が違うな。後ろの森は神秘的な感じがする。
 よし、ここらで休憩を取ろう。迷路は”戦い易い”閉所だったが、これからは”戦い難い”閉所になる。迷路は一本道だったりが多いが、森は四方八方に死角ができるし、なにより進み難い。より注意しないといけないから、今の内に休憩して――

「きゃっ!?」

 何!?今の石は何処から・・・ゴブリンか!
 迷路を抜けたらゴブリンがお出迎えってか!まずいな、このままでは彼女に被害が及んでしまう。

「ああ、あ、危ない」

 車内に入るのを確認し、ハッチを閉じる。同時に後退する。迷宮の入り口に身を収め、できるだけ正面から攻撃を受けるように移動する。
 フハハ!これで相手は正面から攻めるしかない。攻めてくるならそれに攻撃すればいいから、此方が圧倒的優位だ。正面を避けて、側背面を取るには迷路に入る必要がある。だがその迷路は此方にとっては庭で、相手にとっては文字通り迷路である。そのまま迷路で延々と迷い続ける事になる。相手からしたら、攻めようにも攻めれない、手が出しように無い状態だ。
 まぁ、自分も手が出し様に無い状態なんだけどね。このまま森へ切り込んで、裏を取られるのは勘弁だ。あの魔法使いの攻撃が機関部に当たったら、引火してそのまま誘爆するかもしれない。

 さて、暫くこの状態で休憩するとしよう。元々、休憩する予定だったから。
 取り合えず牽制目的に榴弾を1発撃ち込んでおく。この世界のモンスター相手だし、十分だろう。

 砲塔側面のハッチを開放し、車内に新鮮な空気を導く。閉めっぱなしは暑いからね。

「・・・終わったの?」

 いや、まだ終わってない。ハッチを一回閉めて、また開ける。これで伝わってくれるといいのだが。

「・・・まだ敵がいるのか」

 判ってくれたようで何よりです。

 パンツァー 四号戦車D型 lv 17 up!
 状態 車外装備品紛失

 攻撃力 7.5cm kwk 38 L24 戦車砲
     7.92mm MG34機関銃×2(同軸機銃・車載機銃

 砲塔装甲 正面30mm
      側面20mm
      背面20mm
      上面10mm
 車体装甲 正面30mm
      側面20mm
      背面20mm
      上面12mm

 速度 40km/h 300ps
 重量 20.00t

称号
・陸戦の王者
・エルフの楯
・ワールドクエスト発見者
・貢献した者
・新型受領

スキル
・目星 6lv
・拡大眼 6lv
・熱源探知 7lv
・音源探知 5lv
・マッピング 8lv
・風魔法 2lv
・放送 2lv
・迷彩 3lv
・隠密 5lv
・不整地走破 4lv up!

控え
・火魔法 1lv

どうも皆さん。匿名です。申し訳ありません、暫く不投稿でした。理由は、春休みを満喫していただけです。はい、サボっていた訳です。申し訳ありません・・・。活動報告を使うのも忘れておりました・・・。
次、長期休暇の時はこのような事が無いように改善する所存です!
+注意+
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