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非幸福者同盟 作者:相羽裕司

第四話「サヨナラの色」(後)

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88/心当たり

 ジョーがマンションの九階に辿り着くと、カレンはメイド姿のままリビングの床に横たわっていた。数度呼びかけても、反応は薄い。意識がないわけではない。ただ生気が薄く、生きる意志が、つまりは生命力が著しく弱っているようだった。

 ちょうど、アンナお祖母ちゃんがお昼寝から起きてきたので、カレンの代わりに車椅子を押して寝起きのトイレに連れていく。

 ジョーとしては困った状態だった。原因が超女王の能力によるオントロジカの収奪である以上、カレンを病院に連れて行っても回復の見込みは薄い。また、カレンを放ってもおけなければ、カレンが倒れているので、その間アンナお祖母ちゃんを介護する人間も必要だった。

 先ほど七階も見てきたが、母親は翻訳業の打ち合わせで外出していたし、父親は仕事に行っている。だが、そこまで考えた所で、一人心当たりが閃いた。

 アンナお祖母ちゃんを、テレビの前まで移動させて、これまたカレンの代わりに、お昼寝後の紅茶を一杯準備する。次に、カレンをリビングに併設された和室に布団を敷いてその上に寝かせる。

 そして、ジョーは姉の手を両手で握ってしばらく祈った後、キっとまた上を見上げて、一言アンナお祖母ちゃんに声をかけて駆け出した。

 アンナお祖母ちゃんには、こう言っておいた。

「今、ひぃじーじを連れてくるから、ちょっと待ってて。カレンは大丈夫だから。夜に日付が変わってしばらく経つ頃には、治ってるから」
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