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非幸福者同盟 作者:相羽裕司

第八話「夢星」(前編)

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165/ビール飲みたい

 目的の勾灯台(こうとうだい)公園に着いたアスミとジョーは、中を一通り回って戦闘準備の確認を済ませる。

「休日だと、時間帯によってかなり人がいるぞ」
「中立の組織の人達が、一般人の避難には協力してくれることになってるわ」

 アスミとしても、聖女・中谷(なかたに)理華(りか)を始め、この二週間で各所に手は回してみた。この場が戦場になった場合、避難誘導と結界構築を同時進行で行い、真実大王と対峙するのはアスミ達三人のみという状態に手早く持っていくのがまずは大事となる。

 明日には戦場となるかもしれない場だったが、夏休みの現在は中に即席のビアガーデンが開かれており、日中の仕事を終えた人々で賑わっていた。

「あ~、俺もビール飲みたいなぁ」

 ジョーがのほほんと口にしたので、思わず真顔で返す。

「何? 冗談? ダメよ。未成年なんだから」
「アスミは、そういうのに厳しいよな」

 ちょっと心外。本当に冗談? 部活動の打ち上げで、こっそりお酒を飲んでいる同級生たちの噂も聞いたことがある。密かにアルコールを飲んでいるとしたら、ジョーの株が下がる事実であった。未成年の飲酒・喫煙、ダメ。不純異性交遊、ダメ。

「冗談だよ。地下鉄で帰ろう」
「歩いて帰れるわよ?」

 確かに、公園の目の前が地下鉄の駅なので、そっちの方が楽ではあるのだが。

「アスミ、疲れた顔してるよ。戦いに備える時は、コンディション調整も大事なんだ」

 アスミ自身に疲れている自覚はなかったが。そもそも、ジョーには疲れて見える顔も、認識阻害のリボンを通して見えてる顔であって。

 色々と考える所があったが、ジョーがさっさと地下鉄構内への階段を降りて行ってしまったので、アスミも思わず後を追った。

 後にした公園内のステージから、ローカルアイドルが歌う唄が聴こえてくる。世間を賑わす流行歌にはなれなさそうな、どこか垢抜けない、良く言えば手作り感があるメロディの中、悲しい出来事があったとしても、もう一度立ち上がって歩き始める。そんな内容の歌詞が聴こえてきた。
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