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非幸福者同盟 作者:相羽裕司

第八話「夢星」(前編)

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161/戦いの準備状況

 自分が消えてしまう前に、お母さんにもう一度会いたい。自分の気持ちに確信を得たアスミは、S市の駅周辺に歩を向けていた。おそらくは自分のこの最後の願い。父の話の含意を読み解くなら、叶えるには、自分は間もなく襲来する真実大王に勝利しなくてはならないのだ。

 仮に蝶女王・エルヘンカディアが予告した二週間という期限がぴったりだったとしたら、真実大王の襲来日は八月十四日ということになる。あと三日。

 もちろん、これまでの猶予期間に前もって準備は終えている。こちら側に有利な結界の触媒の配置。アスミの能力・志麻の能力にとって有利な場の把握・シミュレーション。そういったものを、敵が空路・海路・陸路でやってくるのを想定して、終えている。S市に入る経路というのは、そんなに多くない。空港・港・大きい国道。一般人への被害を出さないことを念頭に置くなら、重点的に警戒すべきはそんな所だった。加えて。

(新幹線に乗ってやってくるとは、思えないけどね)

 S市へのアクセスの要所である駅も、一応念頭に置いておく。一通りの配置や検討は終えていたが、まだ敵が駅から現れた場合に、いかに一般人のいない結界領域へ誘導するかのシミュレーションが甘いと思って、こうしてS市駅前のペデストリアンデッキに赴いている。

(大王だか何だか知らないけれど)

 一般人の被害を出さず、こちらで準備済みの結界領域まで誘導できれば。蝶女王が呼称した敵の本質能力(エッセンテティア)、『地球(ザ・ストロ)最強の(ンゲスト)存在(・マン)』がいかなるものかは分からないが、今回は予め準備してアスミの能力も志麻の能力も十全に使える。加えてジョーもいる。特にエッフェル塔のあの圧倒的な強さで、そうそう遅れを取るとは思えなかった。

 アスミと志麻の能力で、近くの結界領域である公園まで移動させる。そこで勝負。そうした駅から大王が現れた場合のイメージを確認する頃には、時刻は夕刻になっていた。

(この街を守って。お母さんに会おう)

 アスミは、今は自分の心に(よど)みがないのを自覚した。
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