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白い狼と別れた後、黒い森の出口を目指し前へ進みます。
しかし探究心の強い羊の中である疑問が浮かびます・・・。
羊と狼
作:hakaru



夢の決意


羊と狼 07「夢の決意」

 探究心の強い羊は白い狼と別れた後、狼に見つからないように前へ進みました。
しかし、あまりにも狼の数が多いので思ったように前へ進めません。
そこで探究心の強い羊は、偶然見つけた洞窟の中で夜になるのを待ち、狼達が寝静まった頃に出発しました。

 何匹の狼達の目をかいくぐってきたでしょう、神経を集中させ自分の足音を殺しながら進みます、しかしいくら歩いても森の出口は見えません。それでも探究心の強い羊は前へと進みます。

やがて二つ目の洞窟へとたどり着きました。
そこで一休みしようと急ぎ足で近寄ります。
どこかで見たことある洞窟だと思いながら探究心の強い羊は中へ入りました。
すると最初の洞窟で自分が食べ残した草があるではありませんか、探究心の強い羊はどうやら森の中をグルグルと周り、またこの洞窟へと帰って来てしまったようです。
そのことを理解した探究心の強い羊は、大きくため息を一つ吐き、また同じ場所に座り込んでしまいました。
あの白い狼に道案内をしてもらえば良かった・・・などと後悔をしながらもう一度ため息を吐きます。
なんとも言えない脱力感が探究心の強い羊を襲います。
そしてそのまま探究心の強い羊は目を閉じ、眠り込んでしまいました。

 探究心の強い羊は朝一番で出発しこの森を抜けます、さらに荒野を歩き、その荒野が真っ赤に染まる頃今度は目の前に砂漠が広がりました。
水もなく、大好物の草ももちろんありません、それでも探究心の強い羊はひたすら前へと進みます。 

「僕はなぜ前へ進んでいるんだろう・・・、何のために? 自分のため? 誰かのため? このままここに寝転がって目を閉じてしまえばきっと楽になるだろうな・・・、もう何のために進んでるのかわからないや・・・、世界はもっと美しくて、壮大で、ドキドキやワクワクが沢山あるものだと思ってた・・・、だけどそうじゃないんだ・・・、ほんとは厳しくて、寂しくて、辛いものだったんじゃないだろうか・・・じゃあこの先に何があるんだろう? この先に進んでもまた熊さんのような出来事が起こるんだろうか・・・、長の言っていたことはこういう意味だったんじゃないのかな・・・?、もっと早くこの事に気づいていれば・・・、僕があの牧場を出なければ・・・熊さんは僕と出会うこともなかっただろうし、もちろん死ぬことだってなかったはずだ・・・、あの白い狼だって僕を助けたことがバレたらみんなから殺されるかもしれない・・・、僕はとんでもないことをしているのだろうか・・・」

いつのまにか探究心の強い羊は砂漠の真中で立ち止まっていました。
目からは涙が溢れています、頬をつたって砂の上に落ちた涙は、瞬く間もなく砂に吸収されていきます。
その光景を見た探究心の強い羊はとうとう砂漠の真中で座り込んでしまいました。
その時です、上から一滴の水が落ちて探究心の強い羊の鼻先を濡らしました。
その水に気づいた探究心の強い羊は空を見上げます。
しかし空は雲ひとつない青空で、雨が降るようにはとても思えません。
そのまま空を見続けていると、さらに水が落ちてきます。 
喉の渇いていた探究心の強い羊は精一杯舌を出し、落ちてくる水を舐めました。
たった一滴の水なのにお腹一杯草を食べ、お腹が出るほど水を飲んだような満足感を得ました。
さらにもう一滴落ちてきます、その一滴が砂の上に落ち、乾いて行くのかと思いながら探究心の強い羊は眺めていると、乾いていくどころか、どんどん広がり形を作りはじめました。
その水の形は、あの熊さんの顔に見えてならないのです。

「オメーはまだ死んじゃなんねぇ・・・」

そこで探究心の強い羊は、ハッと目が覚めました。
周りを見渡せばそこは自分が戻ってきた洞窟の中です。 
どうやら探究心の強い羊は夢を見ていたようでした。 
外の様子を見ようと洞窟の出入り口からそっと首を出すと、なんとそこにはあの豪快な熊を殺した狼達が、洞窟の入り口を囲むように探究心の強い羊を睨んでいます。

「よう、やっと見つけたぜ・・・、どうやらこの森から出る方法がわからなかったようだなぁ・・・、そうそう、あの熊はみんなで頂いたぜ、結構いけたよ、ガハハハハハハハ」

「クッ コノヤロォ!」

「さぁ どうする? 今度は誰もお前を助けるヤツはいないぜ!」

探究心の強い羊は空を見上げ、叫びました。

「・・・熊さん!! 僕は死なない!!」 



つづく・・・







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