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十八話 双子の告白

長かったので、四話に分けました。

一挙に、書いたら、一回消えたんです、(泣)


だから、四話です。

冒険者達の村を見下ろせる小高い丘、その丘に建てられた一軒の屋敷、

その春の花を咲きみだらせる庭には、テーブルとイスに座って向かい合う三人の大人と、三人の子供がいた。

ただし、その雰囲気はまどろむような春の陽気に反して、とても談笑と言えるようなものではなかった。

金髪のエルフと、銀髪の少女が、眠るように気を失っていることを考えても、とてもじゃないが、そこに親子が楽しく談笑しているといった雰囲気は感じられない。


「先に聞いてもいいでしょうか、母上さま、確かに、たびたびうかつな行動をしていた自覚はあります、でも、どこで気が付いたんですか」


度重なる、図書室への進入、隠れて行った系陣魔法<エレメンタルスペル>の練習、おかげで系陣魔法<エレメンタルスペル>を中級レベルまである程度こうしできるようになった、まあ、ギルドなどの依頼で行使したことは無いし、実戦でどこまでできるかは、わかっていないし、属性を失ってしまった俺はこれ以上魔法を極めることができない、そんな袋小路まで俺はたどり着いてしまっていたのだが。


「そうね、去年の夏あたりかしら、私が二人が家出したと騒いだころから、二人の雰囲気が変わり始めたのに気が付いたわね」


なんと、俺達に意識が戻ったのは大体そのころ、もちろん【以心伝心】で妹と話し続けてはいたが、ある意味、身体はずっとまどろんでいたといってもいい。

つまり、あのころこそが、身体に明確に意識が宿ったころだといっても良いのだ。


「そうでしたか、つまり最初からずっと気づいておられたのですね」


まあ、昨日まで、歩くのもしゃべるのも年相応だった子供が、いきなり書庫に忍び込んだり魔法の練習をしているのに気が付けば、嫌でも変に思うだろう。


「最初って言うのが、いつかなのかは私にはわからないけど、そうね、うすうす感じていて、キャシーに魔法であなた達について調べてもらって、確信したといったところかしら」


キャシー姉さんに、なにを調べてもらったというのだろう、俺達の特異性を明確にできるような魔法がいまの世界にも存在すると言うのだろうか。

確か、古呪魔法にそんな魔法があった気もするが、聖属性、しかも戦闘用に限定使っていた俺は補助用の魔法をほとんど知らない。

今回、シルクにプレゼントした魔宝具にしても、俺一人じゃ考えに詰まりサクラにかなり迷惑をかけた、これからは、属性に左右されない、そういった補助魔法も練習するべきかなと真剣に悩んでいる俺であった。


「確か、古呪魔法にそういったものがあったと記憶しています、兄さんは、戦闘限定の魔法だけを突き詰めていたので知らないかもしれませんが」


-ああ、そうだな、今度からはその方向も勉強して置くよ


サクラの補足に心の中で頷きながら、キャシー姉さんを見ると少なからず驚いた顔をしていた。


「古呪魔法を知っているなんて、あなた達はやっぱり」


「ええ、ご察しのとおり、私達は転生者です」


サクラの言葉に、母上さまとキャシー姉さんは、表情を暗くはしたが、そこまでは驚いていないようだった。


うすうす、感じてはいたのだろう。


俺達から感じる違和感、あるはずの無い知識。


考えてみれば、簡単にわかる話であった、ただ、その事実を認めるか認めないか、それができるかの話のだけで。


「そう、じゃああなた達のギフトも転生前の存在に関係があるのかしら」


ギフト?何のことだ。


-妹よ


-はい、お兄様


-ギフトってなんだ?


-私にも、わかりません、多分この『三千年』の間に生まれたものなのでは。


-そうか


なら、訊ねればいいだけのことだ、確かに『三千年』の間に生まれたものもあるだろう。

それを、まったく考えていなかった。

もしかしたら、俺達が知らないことはまだまだあるのかもしれない。

なんせ、いまの世界は、俺達が最後に過ごした世界から『三千年』後なのだから。


「すみません、キャシー姉さん、ギフトとは何なのでしょうか?」










一話目ー

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