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賢者の弟子を名乗る賢者 作者:りゅうせんひろつぐ
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129 新たな情報源

百二十九


「ゼル・シェダル? さあ、知らないな」

 ふっと視線を空に移したアイザックは、明らかに強がった様子で答える。だがその直後の事。悲痛な声をあげ悶えた。見れば、唯一無事だった片膝にもボウガンの矢が突き刺さっている。
 長衣の男はアイザックを見据えたまま、淡々とボウガンに矢を番え直す。その動きには、微塵の躊躇いも見られなかった。
 四肢を封じられたアイザックは、鈍く焼けるような痛みに顔を歪ませ、長衣の男を見上げた。そしてとうとう、長衣の男の瞳の奥に宿った深淵にも近い憎悪に気付き震える。
 それはもはや、人に向けるような目ではなかったのである。

「証言は得ている。そう言っただろう」

 男は酷く冷徹な声でそう言うと、続けて剣をアイザックの脚に突き立てた。僅かな間と、滲み出る血。途端に声にならない悲鳴が響く。

「分かった……! 話す……話す!」

 先程までの悪態は嘘のように掻き消え、アイザックの目には、ただただ恐怖だけが浮かんでいた。

(あの輝き、もしや《フェイタルペイン》か?)

 よく見れば、男の手にする剣が赤黒い光を発している。それを目にしたミラは、状況と見た目から、ふと一つの技を思い出した。
 フェイタルペイン。それは無形術に分類される術であり、痛みを増幅し追加ダメージを与えるという効果を持っている。
 ゲーム時代に痛みという概念はなかったため判断のしようがないが、アイザックの様子からみて受ける痛みは相当なもののようだ。
 長衣の男が剣を抜けば赤黒い光もまた鎮まり、代わりにアイザックの膝から赤い血が溢れ出す。

「早く話せ。ゼル・シェダルは今どこにいる」

 長衣の男は、反対の脚に細剣の切っ先を突きつけると、言いながら懐より小さなビンを取り出してみせる。緑の液体の詰まったそのビンにミラは見覚えがあった。ディノワール商会の店で販売されていた回復薬だ。しかも、なかなか高価な薬の方。ボウガンの矢による四箇所と細剣の傷全てを癒し切れるだけの一級品である。
 どうやらアイザックも、それを知っていたらしい。薬に長衣の男、そして遠くの岩山へ視線を巡らせたあと再び薬に戻したアイザックは、どこか覚悟したような色を顔に浮かべ、ゆっくりと口を開いた。

「あの男は、今──」

 その時だった。不意に、どこからともなく放たれた矢が鋭く飛来したのだ。そしてそれは寸分違わずアイザックの首元に吸い込まれていき、

「なんだっ!?」

 直前で唐突に出現した白い塔盾に衝突し弾き飛んだ。金属音を響かせ塔盾が消滅していく。驚いたような声をあげた長衣の男は、地面に落ちる赤い矢を目にすると、その矢が放たれたであろう遠方を瞬時に推察し睨み付けた。


 長衣の男の斜め前方にあった岩山の一角。そこには、必中の一矢が訳も分からず防がれ憤る男の姿があった。

「くそっ、どうなってやがる!」

 赤茶けたマントを羽織り弓を携えたその男は、そう喚きながら二矢目を手に取り番えた。

「口封じとは感心しないのぅ」

「誰だ──」

 男の背後。そこに立つのはミラであった。そして声をかけると同時に踏み込み、下手な問答など惜しいとばかりに仙術の《衝波》を男の背に叩きつける。
 純粋な破壊の奔流。有無を言わさず放たれた衝撃波が男を襲う。
 完全な不意打ち。そして圧倒的な魔力をもって生じたそれは、容赦なく男の全身を貫いた。
 大型の動物にでも撥ねられたように、男はもんどりうって岩山を転げ落ちていく。
 それでも男は、まだ動いてみせた。流石は暗殺者とでもいうべきか、その強靭な身体能力で体勢を立て直すと、素早く岩肌から飛び上がり、元いた一角に向けて矢を番えた。

「なんだよ、これ……」

 直後、男は目を見開き息を呑む。弓を向けた先、そこには白い塔盾を構え男に迫る白騎士の姿があったからだ。
 そして塔盾で強かに打ち据えられた男は、鈍い音を響かせ地面に墜落した。

「ふむ、やはりキメラの一人のようじゃな」

 少し遅れて、そこへ降り立ったミラは、男が腰に佩びていた黒霧石の加工品と思しき黒い短剣を見つける。男は、精霊武具の加護が強力だったため意識を刈り取られただけであり、死んではない。しかし、だからこそほぼ手加減無しのミラの攻撃を受ける事になったのだから、幸か不幸かは一概にはいえないだろう。
 一通り男の持ち物を検めたミラは、早速とばかりに買って来た捕縛布で男を簀巻きにする。そしてそれを白騎士に担がせて、長衣の男に向かって歩き出した。


「お前は確か、天秤の城塞で。そうか、来ていたか」

 堂々と歩み寄るミラへ、ちらりと目を向けた長衣の男は、そう口にして警戒を緩めると再びアイザックに向き直った。ミラが五十鈴連盟の者だと覚えているようだ。

「わしも情報が必要でな。すまぬがちょっかいを出させてもらった。死なせるわけにはいかぬからのぅ」

 まずアイザックを見下ろしたミラは、そう言いながら顔をあげ、長衣の男と真っ直ぐ向かい合う。

「……構わない。俺の用が済んだら好きにしろ」

「それは助かるのぅ。前回は散々な結果じゃったからな」

 天秤の城塞では彼がキメラのメンバーを全滅させてしまったので、ほとんど情報を得られなかった。ミラがその事を暗に匂わせると、長衣の男は僅かに思案する様子をみせてから了承の意を口にする。
 天秤の城塞での惨状を見る限り、長衣の男はキメラクローゼンに対して相当な恨みを持っていると思われた。放っておけばアイザックも始末されていただろう。だが今回も同様に剣を向ければ、確実にミラが介入する。長衣の男は、その状況を分が悪いとみたようだ。

 そうして長衣の男による、アイザックへの尋問が始まった。

 質問内容は、キメラクローゼンについてではなく、その幹部の一人である、ゼル・シュダルなる人物に関する事が全てであった。
 アイザックが答えるには、ゼル・シュダルという男は精霊について精通しているという事だ。抽出した精霊力を利用して様々な道具を生み出しているのもその男だそうで、精霊爆弾もまた、ゼル・シュダルが開発したものらしい。
 そして肝心の居場所だが、現在彼は、セントポリーから東に進んだ山脈の麓にある小さな村にいるという事だった。

「小さな村か。そこで何をしている?」

 長衣の男が最後にそう問えば、アイザックは本当に分からないと答えた。ただ最高幹部の数名だけが、そこに何があるのか知っているのだと。
 そこまで聞き終えた長衣の男は、剣を収めると、もう情報は充分だとばかりに振り返り歩き出す。

「何じゃ、一人で行く気か?」

 一歩引いた場所からやりとりを眺めていたミラは、すれ違いざまにそう声をかけた。

「ああ、そうだ。止めるか?」

 直ぐ隣に立ち止まった男は、冷たい目でミラをで見下ろした。

「そのつもりはない。お主が暴れれば、それだけわし等が目立たなくなるからのぅ」

 空の民の男。その一人によって被害が広がれば、警戒は増すとしてもキメラクローゼンの目はそちらに向けられる事だろう。その間、裏で動くにはミラ達にとって好都合である。

「出来ればわし等の作戦決行に合わせてもらえれば、陽動にもなって尚良いのじゃが」

「それは俺の知った事ではない。……まあ、準備があるからな。奴を始末するのは七日後だ。合わせたいならお前達が合わせろ」

 大した期待はせずミラが助力を求めると、長衣の男は条件付ながら決行日を提示する。それから手にした回復薬を半ば押し付けるようにミラに手渡し再び歩き出した。

「時に、ゼル・シュダルとは何者じゃ?」

 空の民の神官である彼が執着するキメラクローゼンの幹部。やはりその素性が気になったミラは、振り返り長衣の男の後ろ姿に向けてそう問いかける。
 すると男は、背を向けたまま一言「裏切り者だ」とだけ答え、去っていったのだった。
 それからミラは回復薬を飲ませる前に、アイザックの四肢に刺さったボウガンの矢を抜いていく。その都度アイザックは苦悶の声を漏らすが、必要な事だと理解しているようでミラに文句は言わなかった。ただ長衣の男に対して、「あいつ、人間じゃねぇよ」などと愚痴を吐き続けていたが。

「あっと、なんだ。助かった。とは違うな。話を聞いた限り、あんたも俺から情報が欲しいんだよな?」

 捕縛布で拘束したあと、ミラはアイザックに回復薬を飲ませた。高級品だけあってその効果は確かなもので傷は充分に癒え、アイザックは少し余裕を取り戻したといった様子だ。

「うむ、そうじゃ。素直に話す気はあるかのぅ?」

「ああ、もちろん。何が知りたい。というか、急に現れたように思えたが、あんた何者だ?」

 諦めの極みとでもいうのか、拘束されたままどかりと座り込んでいるアイザックは、どこかふてぶてしい態度で問い返す。

「五十鈴連盟といえば、分かるじゃろう」

 アイザックの態度など気にする事もなく、ミラはそう答えた。

「なるほどな。そうか、もうここまで手が伸びてきていたのか」

 アイザックは深く息を吐くと、得心したように言い遠い目をして空を見上げる。諦念が渦巻く心中だからだろうか、キメラクローゼンの終わりを予期した。そんな表情だった。

「それで知りたい事はなんだ、あんたも誰かの居場所とかか?」

 視線を戻したアイザックは、決心、というか何かと決別したような目を向ける。

「錬金術師のヨハンを知っておるか? いや、技術何とやらに所属しているならば知っておるじゃろう。どうにも誰かに攫われた様子でのぅ。お主、どこに連れて行かれたか、分からぬか?」

 アンジェリークとアンネを助け出したあとに倉庫街ですれ違った事は、偶然ではない。そう考えたミラは、探るような目でアイザックを睨みつける。

「そうだな……。移動させるって事は聞いたが、それがどこかまでは聞いていない。そういった、なんていうかな、人身云々については専門の部署? のようなものがあって、そいつ等が仕切ってるんだ。だから、それ以上の情報は知らない。本当だ」

「ほう、嘘や誤魔化しならば、どうなるか分かっての発言じゃな?」

「ああ、当然だ。分かっている。開発部の副長なんてやっているが、上の幹部共が裏で何をやっているかなんて情報、全く下りて来ないんだよ」

「……ふむ、そうか」

 演技をしている気配はない。確証はないが観察してみた限りでそう感じたミラは、一先ずはそこで引き下がり、次の質問を口にする。

「では、キメラクローゼン共の親玉の居場所を知っておるか?」

 親玉、つまりキメラクローゼンの本拠地はどこか。そう理解したアイザックは、

「あー……、すまないな、それも知らない。念のため言っておくが、これも本当に知らない事だ。そもそも俺は見放されたようだから、口を噤む理由もないしな」

 と言って少し気落ちしたように肩を竦めてみせた。

「なんというか、下っ端をつかまされた気分じゃのぅ……」

「笑ってくれよ……。本拠地にいる一部の幹部達に比べれば、俺みたいに副長やらそこらの役職の奴は、それこそ取替えの利く駒と同じだ」

 若干、黄昏気味にそう言葉を零したアイザックは、「けどまぁ、役に立つかは分からないが」と前置きすると、まるで夢から覚めたかのようにつらつらと本拠地について知っている事を語った。
 それはアイザック曰く、彼の直属の上司であり最高幹部の一人、ゼル・シェダルから聞いた話だという。
 まず、本拠地は巨大だが、普通に探しては見つからない場所にあるらしい。そしてそこには、捕まえてきた精霊や、その力を利用した武装、道具などが数多く蓄えられているそうだ。
 そんな本拠地の場所や出入り口は、上級幹部と裏仕事を担当する一部の者のみしか知らないという事だった。

「で、あんたが片付けた男がいるだろ──」

 そこまで語ったアイザックは、ふとミラの後ろ、白騎士に担がれている男をちらりと見つめると、今度は若干私情を交えつつ説明を再開した。
 その男は、『異物狩り』と呼ばれるキメラクローゼンの粛清担当で、相当な腕前だそうだ。その仕事は実に単純、最高幹部達が組織に不利益だと判断した構成員を処理するのだという。
 そして先程、敵の手に落ちた自分を粛清するように指示が下ったのだろうと言い、アイザックは笑ってみせる。加えて、そんな戦闘特化の男を圧倒するところを目にしたので、ミラには逆らわない事に決めたのだとアイザックは告白した。
 一度下された決定は覆らない。戻ったところで確実に殺される。もう帰れる場所は無い。だったらせめて価値ある情報源として五十鈴連盟に匿われた方がましだ。アイザックは最後にそう白状して話を締め括った。

「なにやら随分と口が軽くなったと思ったら、そういう事じゃったか」

「ああ、こうなりゃ自棄(やけ)だからな」

 嘘か真か判断する確証はない。けれどミラは、アイザックは嘘をついているようには思えなかった。かといって信じ切った訳でもないが。

「ああ、そうそう。ちなみに異物狩りのあの男なら、本拠地の場所を知っていると思うぞ。まあ繋がりが強い分、口も堅いだろうけどな」

 自分を殺そうとした相手だからだろうか、アイザックは仕返しだとばかりに男を睨み付け笑う。

「ほう、そうか。それはまた、飛んで火に入る夏の虫じゃったな」

「鳥も鳴かねば、撃たれなかったのにな」

 数少ない本拠地の場所を知るものが自ら姿を現してくれた事に、ミラは大いに喜んだ。そして同じ組織だった仲間を保身のために躊躇いなく売ったアイザックはといえば、非常に清清しい表情をしていたのだった。


「折角じゃ。もう一つ訊いておくとしよう」

 ふと思い出したようにそう言ってアイザックの前にしゃがみ込んだミラは、

「お主は確か初め、セントポリーの……外交なんとかのレイトンと名乗っておったじゃろう。もしやお主、この国の政治に関わっておるのか?」

 と、そう核心に迫る言葉を口にした。
 正確にはセントポリー貿易国外交官代表、レイトン・ノックスだ。いってみれば偽名だが、国の役職であるこれもまた本物の身分だというなら、かなりの大問題である。
 国の政治にキメラクローゼンが関わっていたという事なのだから。

「ああ、いかれた男との会話も聞いていたのか。まあ、あのタイミングで現れたからおかしくもないな」

 本当に腹を括ったのか、そう呟いたアイザックは内情を更に吐露する。確かに関わっていると。
 更にアイザックが言うには、セントポリー貿易国の上層部全員と、中層部の半数ほどがキメラクローゼンの構成員だという事だ。
 そして、そもそもセントポリー貿易国は、キメラクロ−ゼンが作った国だとアイザックは語る。
 途中参加のため彼は詳しくは知らないそうだが、人が住めるような環境ではなかった荒野の端を、精霊の力を存分に使い地形を操作して人が暮らせる環境に作り変えたと聞いたらしい。
 そして貿易が発達し、それにより国に納められた莫大な税は、そのままキメラクローゼンの活動資金になっているそうだ。

「という事で、この国は真っ黒さ。にしてもなんだ。表舞台ではレイトンの方が有名だと思ってたんだがな。これでも結構頑張ってたつもりだったのによ」

 話し終えたアイザックは、若干不貞腐れたように笑い、表情に影を落とした。

「ああ、そうだ。もう一つ保身のために言っておく。俺を監禁する場所だが、絶対に組合や国営の施設を使うなよ」

 念のため、というのだろうかアイザックはふと顔を上げると、最後にそう付け足した。
 保身のため、つまり組合や国の施設に捕虜として放り込むと、アイザックの命が危ないという事だ。確かに国の重役がキメラクローゼンなら、見限ったアイザックがのこのこ施設に来たら、迷わず始末するだろう。

「ふむ。国営は分かるが、組合とはどういう事じゃ? 確か国の干渉を受けない、特別な組織だったと記憶しておるが」

 ミラが言うように、大陸の各国にまたがり支部を設ける冒険者総合組合は、その国の政治には決して関わらないという条約があった。

「なに、単純な話だ。組合の職員にキメラの間者が数名紛れ込んでいるってだけさ」

 軽く肩を竦めてみせながら、アイザックは理由を口にする。組合内部に潜むキメラクローゼンの者が報告なり暗殺なりをするため、間違いなく自分の命はないだろうと。そして、街にある主要な組織には大抵息がかかっていると続けた。

「見た目は随分と絢爛じゃが、本当に真っ黒じゃな」

「今更ながら、俺もそう思う」

 そう言いながら、二人はどこか乾いた笑みを浮かべ合った。


(さて、思いの他大収穫じゃったが、どうしたものかのぅ)

 口が堅いというのなら、詳しくは専門家に任せよう。そう考えたミラは、捕虜として二人を連れ帰る事にした。そしてミレーヌの時のような事があっては危険だと、その事を例に出して、居場所が特定出来るような術具を持っていないかとアイザックに尋ねる。

「そんな術具があるのか……。そうだな……、ああ、確か議事堂の通行証とかいって、変な板を渡されたが。それはどうだろう」

「ほぅ……、怪しいのぅ。今は持っておるか」

「ああ、ローブの下の腰あたりにある小物入れの中だ」

 そう言ってアイザックは、重そうに身体を転がし「この辺りに入れてある」と続けて口にする。この場で何かを仕掛けても、アイザックに勝ち目などなさそうだが、ミラは慎重に手を伸ばし、ローブの中をまさぐった。

「なんというか……、少し興奮するな」

 目と鼻の先にいる美少女が、自分のローブの中に手を入れている。その状況にアイザックは思わず正直な感想を漏らす。

「馬鹿な事を抜かすでない」

 直後ミラに拳骨を貰い、アイザックはその見た目にそぐわぬ威力に涙を浮かべるのだった。

「ふむ、これか」

 アイザックの小物入れには、確かに不思議な模様の刻まれたプレートが入っていた。それを見つめながらアイザックは、「あともらい物は、武具関係だけだな」と告げる。
 ミラは念のため怪しいプレートとアイザックの短杖、短剣、精霊武具を預かり、少し離れた岩山に隠した。アイテムボックスを使わないのは、探知の術がどこまで及ぶか不明なためだ。
 それからミラは、異物狩りの男の持ち物も探り、同様に見つけたプレートと共に、武具全般をまとめて別の岩山に忍ばせるのだった。

「問題は、運搬方法と行き先じゃな」

 改めてミラは、捕獲した男二人に目を向ける。そして運ぶにしてもどこへ運んだらいいのかと悩む。
 一番は、尋問が得意だというヘビがいるアイリーンの街の隠れ家なのだが、問題はその距離だ。男二人となれば目立つ事この上ないため、まずワーズランベールの力で隠す必要がある。
 ミラとワーズランベール。そして男二人。これでは流石にペガサスに乗り切れない。往復を考慮しても、三人乗りは厳しいだろう。かといってガルーダでは大きすぎて、繋がりの浅い今の静寂の能力ではまだ全体を隠し切れそうもない。

(皆、すくすく元気に育っているからのぅ……)

 他にミラが召喚出来る空を飛べるもの達もまた、同様の理由で除外された。

「ふむ、ここはやはり誰かに訊くとしようか」

 あれこれ考えた末、こういう時こそ一人で決めず仲間に相談するのがいいと結論したミラは、白騎士に岩山の麓へ男二人を運ばせ、そのまま見張りに立たせる。そしてワーズランベールに残ってもらい、光学迷彩で隠れているように頼んだ。
 目立たぬ岩山の影。そして光学迷彩。そこになにかあると分かって調べない限り、容易に見つかる事はないだろう。
 振り返り、その隠蔽具合を確かめ満足したミラは、ペガサスに跨ってセントポリーの街へ向かい飛び立っていくのだった。
なんと先日、焼肉を食べにいきました!
しかも、いいところの焼肉です!

神(編集さんがそう言えと)にご馳走になったのです。
やはり、高い肉というのは食べただけで分かるものですね。ぱないものでした。
そして、ホルモン系もまた高級店は違う!
こりゃあ美味いと二人で盛り上がったものです。

良い肉食べてると、なんだか世界でも取った気になりますよね。
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