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幕間   夜鷹―よだか― 六道計画
 『六道計画』というものが在った。
 厳密に言えば、今現在もなお進行している。
 それはおれ達が生まれる前から木ノ葉の里の闇で密かに行われていた。
 目的は一つ。
 忍の始祖である<六道仙人>を人為的に造りだし、量産するというもの。
 六道仙人が開眼したとされる『輪廻眼』を携えた部隊で混沌とした忍世界を統一する事を理想に掲げる一方で、人体実験を繰り返したと聞く。
 輪廻眼とは、うちはの写輪眼、日向の白眼に並ぶ三大瞳術の一つとされ、最も崇高にして最強の瞳術とされている。
 かつて、何代か前の火影の時代に輪廻眼を操る人物が何人も出てきたと言うが、本来突然変異で生まれる輪廻眼の保持者が同じ時代に何人も出て来るなぞ眉唾もいいところである。所詮は伝説だ。脚色されているに違いない。
 ゆえに実験は成功するハズなどなく、現火影により研究機関は廃止、解体された。
 研究者たちは忽然と姿を消し、後に残されたのは夥しい数の遺棄された死体の山だけだったという。
 数少ない研究資料の一つに『甲第一級禁術封印指定書』 通称『大蛇丸の書』についての記述がある。
 それによると『六道』へ至る道の一つとして、尾獣の存在が不可欠とされている。
 尾獣の発生方法はいくつか方法があり、その定義は時代によって異なる。
 かつての魔人 大蛇丸は全ての忍術を手に入れようと画策していた。
 その一環として、自ら尾獣を創り出す一歩手前まで迫る。
 しかし、それは現実となる一歩手前で頓挫してしまう。
 大蛇丸暗殺事件である。
 首謀者は木ノ葉の抜け忍である事までは判明しているが詳細は不明。一説にはうちはの一族が真犯人であると目されているが真相は闇の中だ。
 生前大蛇丸は、自分が殺された際の保険としていくつかのトラップを、あらゆる方法で残していた。
 自分の細胞を取り込んだ者の肉体を次第に侵食する『呪い』である。
 そして、それは大蛇丸の書も同様だ。
 書の中には大蛇丸の魂の一部が封じられている。
 この書を読み解き、開放する者は次第に精神も肉体も魂すらも大蛇丸に侵食され、果ては新たな大蛇丸が誕生してしまうらしい。
 あの魔法使いは依然として自我を保っているように思えるが、それも時間の問題だろう。
 六道へと至る道。それは六道仙人が敷いた忍術の理を崩壊させ、新たな六道が新たな忍術を創生する。
 あの魔法使いも同様の結論に達していたようだ。
 そして、そのカギとなるのは、書に封印されていた『零尾』である。
 真の零尾。
 しかもただのチャクラの塊ではなく、この世の始まりから終焉までに及ぶ膨大な知識を有しているとされる。
 だがしかし、それほどまで大量の知識を果たして人間が扱えるのだろうか。
 おれが思うに、あの狡猾な魔法使いは、零尾がもたらす知識をテセアラとかいう娘を介して自分に転送させようとしている。
 長年あの娘を蝕み続けた蛇の呪いは、魔法使いとの間にチャクラ、いや魔力の共有を可能としている。
 つまり、零尾が有している無尽蔵の知識の塊をテセアラが受け取る。それを共有魔力のバイパスを伝い、魔法使いへと転送させる。
 その方法を取れば魔法使いは安全だが中間となるテセアラは、まず脳が持たない。
 あらかたの知識の転送が終わる頃には廃人となる。
 バルゴ班が受けた任務は、『大蛇丸の書の奪還。不可能と判断した場合は完全なる封印』である。
 自分で封印を命令しておきながら、封印開放の手助けもしている。
 任を受けた当時は特に考える事も無かったが、今では火影の意図がまるで掴めない。
 しかし、火影の考えている事。星空 バルゴには察するところがあったらしい。
 火影。大蛇丸の書。零尾。戦争。そして、六道計画。
 おれ達が生まれる前から仕組まれていた人造の宿命。
 バラバラに散らばった『点』が『線』で結ばれ、『立体』となり正体を表す時、全ての真実が白日の下に曝されるのだろう。
 
 六道計画。
 その全貌を知るものは、いない。


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