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伝説の木の棒 後編  作者: 木の棒
第2章 3人娘
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第18話 温泉

 ハールとの試合の夜、3人娘は一緒にお風呂に入っていた。


 温泉なのか?ハール達が会議するテントの近くに、公衆浴場のようなものがあったのだ。

 白色のお湯で、良い匂いがする温泉だった。


 いま入っているのは3人娘だけなので貸切状態だけどね。

 もちろん、俺もアーシュと一緒に入ってますよ♪


 3人娘達は今日の試合のことでも話しているのだろうか、俺には何を話しているのか分からないけど。







「あぁ~~~ん、癒されますわ♪」


「ラミア。変な声出さないでね」


「いいじゃありませんか~。殿方との熱い戦いの後の温泉は格別ですもの~」


「ちょっとラミア。私のお父様を汚すような発言やめてよ」


「え~~~。私ハール様を汚すつもりなんて、これっぽっちもありませんわよ? むしろ綺麗に洗って差し上げた「はいはい」」


「それにしても、ハール様やっぱり強いよね~。私達も新しい力でちょっとはやれるかな~って思っていたけど、全然だったね」


「雷帝の名に偽り無しだもんね。お父様って本当に戦うの大好きだから。でもあの顔はすっごい喜んでいる時の顔だったよ。」


「アーシュの見事な最後の一撃を見ることが出来なくて、残念ですわ~」


「目覚めたばかりの新しい力だよね? 刀もアーシュも、みなぎる力が段違いだもんね」


「うん♡」



 アーシュは一緒に温泉に入っている棒を大切そうに握りしめている。



「アーシュはその棒が本当にお気に入りなんですね~。温泉にまで一緒に連れてきちゃうなんて」


「でも温泉とか入れて大丈夫なの? 腐ったりしない?」


「大丈夫だよ。いつも一緒にお風呂に入ってるもん」


「え? そうなの? 本当に大切にしてるんだね~」


「棒を大切にする……ああ、なんて官能的な響き。アーシュったらいきなりそんな高度な感覚に目覚めるなんて、恐ろしい子ですわ」


「ちょ、ちょっと何を言ってるのよ! いやらしい感じで言わないでよ!」


「あら? アーシュは知らないの? 棒を使ったプレイを好む殿方は多いんですよ。それに棒はとても良い研修道具にもなるのですから」


「「え?!」」



 ラミアの聖なる講義が始まってしまった。



「ぼ、棒なんか使ったプレイがあるの? そ、それって知らないと男の子に嫌われちゃうとか?!」


「ちょっとベニちゃん!ラミアのこの手の話は真面目に聞いちゃだめよ。ラミアと私達では住んでる世界が違うんだから」


「あら、そんな風に思われているなんて悲しいですわ~。住んでいる世界が違うのではなく、済んでいる事が違うだけですわ」


「同じことよ!」


「そ、それで、具体的にどんな風に棒を使うの?」



 身を乗り出してラミアに聞くベニちゃん。


 彼女は3人の中で真面目でお姉さんタイプでツッコミ役なのだが……残念ながらアーシュと同じく男性経験は無く、またそういうことに興味津々なのだ。


 つまり真面目なムッツリスケベなのである。



「いいですわ~♪ 可愛いベニとアーシュのために、私が実践してあげますわ♪」



 ラミアは、ひょいとアーシュの手から棒を奪い取る。



「あ!」


「まずは、この棒をこうして……」


「ちょっとラミア! 返してよ!!!」



 ラミアから棒をすぐに奪い返すアーシュ。



「あらあら~。いいじゃありませんか~。ちょっと講義の実践に使うだけなんですから~。

すぐに返しますよ。」


「だめ! ルシ……この棒は私のものだもん!他の棒にしてよ!」


「仕方ありませんわね~。それなら私の水蛇ちゃん達に手伝ってもらおうかしら♪」



 ラミアは自分の能力である水蛇を作ると、その形状を棒にする。



「まずは棒をこうしてじっくりと見つめるのよ。見つめてあげることはとても大切なことですからね。殿方はそれだけで、身体の芯が熱くなるのですから」


「じっくり見つめると……メモメモ」



 いつの間にか、温泉の中にメモとペン、そしてメガネをかけたベニちゃんがいた。

 ちなみにメガネは伊達メガネでレンズは入っていないので曇らない。



「じっくりたっぷりと見つめてあげたら、ここを優しくそ~っと撫でてあげます」


「優しくそ~っと……メモメモ」


「いきなり大事な部分を触ったらだめですよ。殿方のここは敏感でデリケートなのですから、まずは周りから……そして徐々にこっちを指先でこうして……」


「いきなりはダメ、デリケートと……徐々に指先で……メモメモ」



 ラミアの講義を受けるベニちゃん。


 それを恥ずかしさのあまり、お湯に鼻までつかって、目だけのアーシュが、チラチラと見ながら、結局はガン見状態である。


 そして白色で見えないお湯の中では……棒を指先でそっと撫でていた。



「そして焦らしに焦らして、殿方の我慢が限界に来たとき、いきなり胸でこうやって挟み込むのです!」


「ふぉぉぉ! 焦らして……我慢の限界でいきなり胸でと……メモメモ」



 ラミアのその言葉を聞いて、お湯の中でアーシュは自らの胸を揉む。

 そして恨めしそうに2人と見る。



(私も2人みたいに胸が大きかったらな……小さくないと思うんだけど、2人が大きすぎるんだよ。でもお母さんはけっこう大きかったから、私だってまだまだこれからだもん!)



 ラミアの講義を実践出来ない自分を慰めるようにアーシュは未来に期待する。



(ルシラも胸が大きい人に挟まれるの好きなのかな……う~ん、でも私が胸で挟んであげて寝た時はすっごい喜んでいたから、きっとルシラは“私の胸”が好きなんだ! そうだよ! 大きさじゃないもん! ルシラは私のことが大好きなんだから♡)


 そう自分に言い聞かせながら、白色で見えないお湯の中で、胸を寄せて頑張って棒を挟もうとするアーシュ。



「そして、殿方の太い棒で私のここを…ああ、もう私我慢できませんわ!!!」


「はいはい~ベニちゃん出ようね~」


「ちょ、ちょっとアーシュ!まだ講義が!」



 1人ヒートアップするラミアを残して、温泉を出ていくアーシュ達。




 ラミアがその後、妄想の世界から戻ってきたのは2時間後であったことを追記しておく。




 さらに、その日の夜、アーシュが棒を使ってちょっと何かしようとしたけど、恥ずかしさのあまりすぐにやめたことも、ここに追記しておく。













 時は遡る。


 ルシラが再びこの世界にたどり着いた時、もう1つこの世界にたどり着いた物があった。


 そう、情報雑誌である。



 ルシラを拾ったゴブリンは、その木の棒に引っ掛かっていた情報雑誌も一緒に拾って巣に戻っていた。

 ただ、木の棒を拾ったゴブリンは、その木の棒の性能に驚き、情報雑誌は巣の中に放り投げて捨ててしまったのだ。



 その情報雑誌を拾ったのが、巣の中でも最も力が弱く、肩身の狭かったゴブリンである。



 そのゴブリンはもともとこの地下世界に生きていたゴブリンではない。


 地上世界で生きていたゴブリンだったのが、住んでいた巣がある日、人間達に襲われて父親は死亡。

 そして、散り散りに逃げていたところを、この地下世界のゴブリン達に捕まり、奴隷のような扱いを受けながら、いまこの地下世界で生きているのだ。



 ゴブリンは情報雑誌を見た。

 そこには、扇情的な人間の女性が写っていた。


 いったい、これは何なんだ?


 地下世界での生活や食べ物で、知能が上がり思考することを多少なりとも覚えたゴブリンは考えた。


 これは、自分に力を与える何かではないのか?


 そうだ……再び栄光ある日々を取り戻すのだ!!!!


 ゴブリンはその情報雑誌を隅々まで観察した。

 書かれていた文字はまったく読めなかったが、自分の力になる何かを探すために。


 つづく。


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