〜天使〜縦書き表示RDF


初めての小説投稿です。感想とか貰えたらうれしいです。
〜天使〜
作:御子柴 隼人


オレは今まで普通に生活する高校生だった。
アイツがあらわれるまでは。





――ミカエル――。


そう――。天使ミカエル。
アイツが今オレの前にいる。
外見は人間と変わらない。本人に天使と言われなければ気づかない。
でも、あっちから天使だと言われても普通は信じられない。
もちろんオレだって最初は信じちゃいなかった。
だけど、ある事がきっかけで気づいた。



なぜか目の前の彼は霞んでいる。
それだけじゃない。
彼は、オレにしか見えないらしいのだ。
…そして触る事ができない。

オレは自分がおかしくなったのかと思い精密検査までうけた。

しかし結果は異常なし。


オレは最大の疑問をまだ本人に聞いていなかった。


「天使って…。羽あるのか?」
そう聞くと彼は質問で返して来た。
「君は…?なんでボクが見えるの?ボクが見えるって事は君も天使なの?」

「はぃっ!??」

「だから、君天使なの?」
彼は目を輝かせながら聞いてくる。


――オレは耳を疑った。
オレが天使だなんてありえない。羽だってないし。

しかし…そもそも天使に羽なんてあるのか?

さっき聞けなかった質問をもう一度ぶつける。違う形で。

「羽ないし、天使じゃないと思うよ。」
そう言ってみた。

「あいまいだなぁ…自分が天使かどうか分からないの?背中見せて。」

そう言われ背中を彼にむける。

「あぁ…。君、羽が無くなってる…。しかもかなり小さい頃に。これ切れたあとかな?」

「それは多分、交通事故にあった時の傷だよ。」

「でもこのキズは…」

交通事故。
しかし、この話しは自分の記憶には無い。
オレが親に傷の事を聞くといつも

あんたは、小さい頃に事故にあって死にかけたんだからね。そのときの傷だよ。 
と、言われてきた。


そんな事を考えていると背中に激痛が走った。
今までも何度か痛みがあった事があったが、今回は比べ物にならない。
「うっ…。」
呼吸ができない…。
そして、そのままオレは気を失った。






目が覚めるといつもの天井が目に入った。
「ふぅ…。今までのは夢だったのかな…。」
少しほっとした。

次の瞬間。
背中に違和感があった。

「なんか気持ち悪い…。もしかして…羽!?」
手を回してみたが、それらしい感触はなかった。
少しがっかりした。

「そういえばアイツは…?あっ夢か…。霞んでたし…。」

そう思った時。
部屋のドアが開いた。


「えっ!?」
とにかくオレは驚いた。

アイツが来たのだ。
そして今まで霞んでいたアイツがハッキリ見えるのだ。

「なんで夢のはずのお前がハッキリ見えるんだよ!?いや!ゆめじゃなかったのか??」

「君が変わったからだよ。」
微笑んでアイツは言う。


「いや…オレは何も変わって…。」

そこで気づいた。背中の違和感の事を。

「なぁ…。背中に違和感あるんだけど…。」
そういうと、アイツはにやけて言った。
「羽が再生してるんだょ。」


「何!?さっき触れなかったけど?」

「自分の羽は、自分じゃ触れないんだ。」

「…なんで?」
率直な疑問をぶつける。

「羽がなきゃ普通の人間になれるんだもん。さっきまで君は人間だったでしょ?」

「だったでしょって…。今、天使って実感わかないけど…。」

「じゃぁ学校に行ってみれば?どうゆうことか解るよ。」

「どうゆう意味?」

「だから行けば解るって!」

「わかった…。行ってみる。」
彼に促されて、自宅をあとにした。








「ただいま…。」

「意味わかった?」

「うん…。誰にも見えてないみたいだし、声かけても返事してくれないし…。」

「やっぱりね」

「お前もこんな感じなのか?」

「まぁね。」

「まぁねじゃねぇよ…。めちゃめちゃ寂しいじゃん!!」

「だけど、君と仲良くなれたからさ。」

「あぁ…。」

「人間に戻りたい?」

「戻りたいけど…もどれないんだろ?羽触れないし。」
沈黙が続く。



沈黙を破ったのは彼の方だった。

「戻れるよ。言ったでしょ。聞いてなかったの?“自分”じゃ触れないって。」
そういうと彼は、おもむろにオレの羽に手を掛けた。 
「お前…。そんな事したら…」
オレを静止するように、彼が言う。

「いいの!!寂しいのには慣れてるからさ。」

「わかった…。じゃぁこれだけは約束して!」

「なに?」

「もしオレがまた羽が再生することがあったら、絶対会いに来て!」

「わかったょ。」
最後に笑いかけて来たが、ふと寂しそうな顔をみせた。

「羽には天使だった頃の記憶が詰まってるんだ…。バイバイ…。」
その後、辺りを光りが包み込んだ。








気付けばベットの上。

「よく寝たぁ〜。」
「うわっ!!」
目の前に涙目の人が立っていた。

「あれっ…?確かに羽は取り除いたはず…。なのに見えてる…?」

「確かに無くなったね。」
オレは、そう言い返した。 
「じゃぁ…何で見えるんだょ!?」

「だってオレ最初は羽なかっただろ?」

「??」

「初めて会った時だよ。」

「言いたい事がよくわかんないょ…」

「羽がなくても見えてたでしょ?」

「そっか!!」
今にも泣きそうだった顔が笑顔になる。

「よく分かんないけど記憶だって残ってるし」

「えっ??じゃぁ…」

「もう悲しい事言うなよ…バイバイとか…。」

「ごめん…」

「まぁいいや。これからずっと一緒だよな?」

「もちろん!」



こうしてオレには天使という友達ができた。
そしてアイツは今も俺の隣にずっといる。














ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう