山羅くんの不幸(31/69)PDFで表示縦書き表示RDF


 もう私の書いたことは信じないでください……。
 今回を中編にしようかと思ったらなんとなくキリがよくないのでやめて、そのせいで少なめになってしまいました。
 嗚呼、こんなんだから友人に、
「山羅くんの不幸? つまんねぇな」
 と言われるのか。内心ショックだったなぁ。畜生。見返してやる……。

 あ。あと遅れましたが、アクセス数12345を突破しました。はい。特典もなにもありません。ただ、見てみたらそう並んでたのでスゲーと思っただけです。
 そしてまだ五話が終わった後ですが30話を越えました。さて、100話以内に終わらせることができるか……。

 最後に、今回は中編ではないどころか少なめですみません。こんな嘘だらけな作品ですが、応援してもらえると嬉しいです……。
山羅くんの不幸
作:紫水晃



外伝その3 朱雀家訪問・三


 

 警察の事情聴取が嫌だったので山羅存達はいろいろと言い訳して逃げ出し、朱雀の家までの道のりを歩いていた。

「それにしても、さっきの戦神さんかっこよかったですね!」

 さきほどの戦神の台詞で、山羅存は戦神に尊敬の念を抱いていた。

「………………」

 しかし、戦神はムスッとした表情をする。

「……素直には喜べないな。俺も、これは受け売りだからよ」

「え、そうなんですか?」

「ああ。…………にしても、お二人さんはどこに向かってんだ?」

 はぐらかすという目的もあったが、なんとなく付いてきてる状態である戦神は、二人がどこへ行くのか気になっていた。

 それを日登美が自然と答えた。

「ちょっとそこまで、ホテルでメタボリック・シンドローム・プレイを」

「なるほど」

「なわけないだろっ!
 なんだよそのプレイ!
 聞いたことがないよ!
 体に物凄く悪そうなプレイだなオイ!!
 明らかにおかしいでしょ!?
 なんで戦神さんは納得したように頷いたの!?」

 ぜぇはぁぜぇはぁ…………以上、山羅存が一瞬で考えたツッコミ一覧でした。

「……僕達は、朱雀の家に向かってるところなんです」

「朱雀……?」

 とても不思議そうな顔をしたので、山羅存は彼ら向きの言い方で付け加えた。

「あ、〈復讐者〉ですよ。復讐者」


 ぴきり。


 戦神の顔色が、一瞬にして肌色から土色に入れ替わった。

「な、ななな…な……んだっ…て……?」

 だらだらと冷や汗とも脂汗ともつかない汗を流す戦神に、山羅存は何事かと後退る。

「お、おおお俺、帰る!」

 戦神が叫び、走り出そうとしたその瞬間。

「ダメです」

 ガシッと、日登美が戦神の首を掴んだ。

「掴むとこ違う!? 首は首でもせめて手首にしてあげてよ!」

 山羅存がガビーンとツッコミした。

「どうしてですか?」

「いや、どうしてもなにも――って死ぬ!? 死んじゃう!? 早く手を離しなさい!」

 土色から青色、そして白色へと変わりつつある戦神の首から慌てて手を離させる。

「ごふ、ぐ……はぁはぁ…………し、死ぬかと思った………な、なにしやがるんだよ……!」

 息も絶え絶えに戦神が自らの主君に向かって怒りを露にする。

「首を掴んだんです」

「そんなことわかってんだよ!」

「なら聞かないでください」

 軽くあしらわれ、戦神は更に言い募ろうとしたが、無駄だと悟り、山羅存と日登美に背を向けた。

「俺はぜってぇ行かねぇからな。それにさっきので俺の役目も終わりのはずだ。あとはお二人さんだけで行ってくれ」

 そうして歩き出そうとしたところで、また日登美が制止の声を掛ける。

「待ってください。行く前に、これを見てください」

 赤い携帯を取り出し、画面を見せてくる。

「? なんだ?」

 ちらりとそれを見て、画面の中央に復讐者と自分の姿が見えたので近付いていく。山羅存も気になったので一緒に近付いた。

「これは、あなたと復讐者が罰で漫才をさせられたときの映像です」

 そう言って、再生ボタンが押される……。


……………………………


「どうもー、戦神です!」

「復讐者だ」

「二人合わせて、」

「『犬猿』だ。無論、猿はこいつだがな」

「てめぇだよ!」

「ほぅ……。この前特別区の女子更衣室を覗いていたことをバラされたいのかエロザル?」

「……いまバラしてんじゃねえか!」

「こんなものまだ氷山の一角だろう。他には……」

「えぇい黙れ! さっさとネタをやって終わらせるぞ!」

「ふむ、それもそうだな。苦しいはぐらかせ方だが、さっさと始めるぞエロザル」

「ク……! さ、さーて、復讐者よ、夏はやっぱり暑いなぁ!」

「今は冬だろう。とうとう季節すらわからなくなってしまったか。哀れな」

「いまネタやってんだろが! 脱線するんじゃねえ!」

「む、そうだったな。続けろエロザル」

「この野郎……! で、では気を取り直して、夏はやっぱり暑いなぁ!」

「そうだな」

「どうしてこんなに暑いんだろう?」

「どうしてお前はバカなんだろう?」

「テメェぶっ殺すぞッ! 茶々いれっから先に進めねぇじゃねぇか!」

「おいおい、今のネタだぞ」

「そんなんなかっただろが!」

「何を言う。ちゃんといれてたぞ」

「……え、マ、マジで?」

「打ち合わせの後でだけどな」

「意味ねぇじゃねぇか!」

「おっと、お前のせいでまた脱線してるな。戻すぞ」

「てめぇのせいだろ!」

「早くしろエロザル」

「こ、殺してぇ……! ……こ、こうも暑いのは、やっぱり地球温暖化の影響なんだよな?」

「うむ。それが一番の原因だろう」

「この温暖化をどうにかすることはできないのか?」

「とりあえずお前が息をしなければそれでいい」

「死・ぬ・じゃ・ね・え・か」

「いいではないか。その方が世の為になる」

「………………なら、てめぇの息の根を止めてやるよ!」

「あ、宇宙人だ」

「なにぃ!?」

 ドクシャ!

 そして画面は真っ暗に。


……………………………


「こ、これは……!」

 戦神がふるふる震えて声を絞り出すように口を開いた。

「どうです? 文句を言わなくていいのですか?」

「文句どころじゃねぇ……! どおりであの日の記憶がまったくないはずだ……あいつ殺してやる……!」

 行く(殺る)気満々となった戦神。荒々しく先に歩いていく。

「ちょろいですね」

「日登美……」

 笑顔でグッと拳を握る日登美に、山羅存は溜め息を禁じられなかった。






(つづく)


 
 
山羅「僕からも謝ります。すみません」

山羅「作者には僕からきつく言いますので!」

作者「なら今以上の不幸に堪える覚悟があるということだな?」

山羅「ハッ、作者降臨!?」

山羅「す、すみません! 調子に乗ってました! だからこれ以上――(ぶつん)」


許しはしないさ。











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