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フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 作者:埴輪星人

ローレン編

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第3話

「すりつぶし方が足りない」

「これでまだ駄目かあ……」

 無表情で淡々と駄目出しをする澪に、キツネ耳の少年ががっくりと肩を落とす。

 少年の名はジノ・コートエル、十六歳。レイオットが連れてきた新入りである。春菜より若干背が低い、この世界では小柄な方に入る少年だ。入って一週間になる、まだまだ見習いにも達していない若造である。

「完全に原型が無くなるまでつぶさないと、効能が出ない」

「いや、あの、もう原型なんて残ってないように見えるんだけど……」

「そう見えるんだったら、その目は節穴。こことここに茎が残ってるし、この破片なんか全然つぶれてない」

「あ、本当だ……」

 澪の厳しい指摘を受け、キツネの耳が力なく倒れる。ちゃんと観察すればすぐ分かる場所に残っていただけに、反論の余地がまったくない。

「等級外ポーションとしてなら、それでも問題ない。だけど、ジノは等級外ポーションで満足?」

「……満足なはず、ない」

「だったら、今はきついだろうけど、ひたすらすりつぶす練習。師匠やボク、ファム達も乗り越えてきた道」

 肩を落とすジノに、そう発破をかける澪。すりつぶす作業は、薬作りの基本。これをおろそかにしては上達しない。作るものによってどの程度潰す必要があるかも変わるのだから、何度も何度も徹底的にやって、体で覚える必要がある。

「今日のところはこの容器に一杯になるまで葉っぱすりつぶしたら、カレー粉の計量作業。計量も薬作るのに重要だから、まずはそっちで慣れること」

「はい……」

 肩を落としたまま、作業に戻るジノ。その様子に、来たばかりの頃のファム達を重ね合わせて、なんとなく懐かしい気持ちになる澪。もう半年以上前だが、まだ半年ちょっとでしかないともいえる。

 その半年ちょっとでファム、テレス、ノーラの三人は七級ポーションをある程度安定して作れるようになり、特に教えていた訳ではないライムまで等級外ポーションを作れるようになっていたことについては、あまり考えない事にしている。

「あ、ミオさん、ちょっといい?」

「どうしたの?」

 そんな感慨にふけっていると、当のファムが澪に声をかけてくる。

「いくつか微妙に半端になってる素材があるんだけど、あれ組み合わせてなんかポーション作れるのかな?」

「リスト見せて。……ん、錬金術を駆使すれば、七級スタミナが作れる。やってみる?」

「やってみる。ミオさん、ヒント頂戴」

「了解」

 既に本日のノルマを終え、自主研究に入っていたファムは、テレスとともに澪の監督のもと新たなチャレンジに入る。午後にノーラにもこのやり方を教える予定である。

「……ちょっと難しいけど、出来ない訳じゃない範囲かな」

「うん。あたし達でも、普通にできる範囲だよね、これ」

 二人揃って三回のチャレンジで二勝一敗という結果に、手ごたえを感じて目を輝かせるテレスとファム。そんな二人を見ていると、仲間がいないジノの事が気になってしまう。

「殿下達、早く次の人材を連れて来て欲しい」

「ミオさん、いきなりどうしたんです?」

「テレス達見てると、ジノ一人で下積みやるのは辛いんじゃないかなって思った」

「あ~……」

 澪の心配を聞き、自分達の時を思い出して納得してしまうテレス。一緒に愚痴をこぼし合い、一緒に新しい事が出来るようになり、一緒にその事を喜びあう仲間がいる事は、モチベーションの面で非常に重要である。

 別に、仲間でなくライバルでもいい。あいつにだけは負けたくない、そう思える相手がいれば、少々の事で折れたりはしなくなるものだ。

「まあでも、ゴヴェジョンさんとフォレダンさんがちゃんとフォローしてくれてますし、結構負けん気の強い子なので何とかなるんじゃないかな、と」

「ミオさんいないときにもあたし達にいろいろ質問してたし、今はへこんでるけど根性はあるみたいだから、一人でも折れたりはしないと思うよ」

「だったらいいけど」

 割とあっさりそう言い切るテレスとファム。それを聞いた澪も口では懸念を示しつつも、とりあえずこの場はそれ以上口に出さない事にする澪。

 この後、新たにファーレーンの貧乏貴族の末っ子という出自の双子(因みに男女ペア)と、イグレオス神殿からの転籍者の女性が二週間後に加わるのだが、その頃にはジノは等級外ポーションの調合がメインになっていたために、結局若干ポジションが浮いてしまうのであった。







 ルーフェウス学院の学食では、激論が交わされていた。

「他所者に何が分かる!?」

「いや、美味しい、美味しくないは他所者あんまり関係ないし。それにほら、学食に関する無記名アンケートね、千枚集めて美味しいと凄く美味しいが合計して十五枚、どっちでもないと無回答が七十枚しかなかったんだよ? 他が全部不味いかものすごく不味いって時点で、この食堂を改革する十分な理由になるよね?」

 唾を飛ばしながら凄む料理長に、春菜が呆れた口調でデータをもとに反論する。最初は敬語だったのだが、あまりに話が進まないため、途中から口調が素に戻っている。

「それにね、高いって意見も多かったから、これでも仕入れ値とかぐらいはちゃんと調べてきたんだよ?」

「だからどうした!?」

「この仕入れ値だったら、一食の量を倍にしても十分利益出るよね? 単品なんて、相場の倍取ってるんだからもっと食べ応えのある大きさとかにできるはずだよ?」

「厨房の苦労も知らねえ人間が、ごちゃごちゃぬかすな!」

「厨房の苦労、ねえ……」

 確かに、春菜はこれだけの規模の厨房を切り盛りした経験などない。だが、数百人分ぐらいの料理なら何度も経験しているし、同じ規模の食堂でももっと美味しくて安く食事を提供している店などいくらでも知っている。

 家賃その他を支払いながらそれができる店があるのだ。学院から場所を提供してもらい、かつ補助まで受けて何故できないのか、春菜としては理解に苦しむ。

 しかもこいつら、昼飯時が始まる直前まで、せいぜいゴミをどける程度の掃除しかせず、仕込みなど一切せずにだらけているのだ。そんな連中に、厨房の苦労とか言われても全然共感できない。

「大体、食いに来てる人間がたくさんいる時点で、俺達のやってる事が間違ってねえ、って事だろうが!」

 事前調査からの予想通り、春菜のような小娘の言い分など聞く耳を持たない料理長に、思わず内心で呆れる。そもそも、食べに来る人間が減らないのは、単に選択肢の問題だ。周辺の飲食店は値段と規模、双方の問題で需要を吸収しきれないために、不味くても食べにくるしかないだけである。

 それだけ圧倒的な競争力を持っているのに、満席になっていないどころかピークでも七割ぐらいしか埋まらない。知の国の国民のくせに、その事がどれほど問題なのか理解していない事が情けない。

「じゃあ、人が食べに来なくなれば、自分達のやり方に問題がある事認めるんだ」

「来なくなればな!」

「その言葉、忘れないでね」

 打ち合わせで決めてあったプランBの内容に内心で苦笑しつつも、表面上は堂々と言い切る春菜。そんな彼女を馬鹿にしたように見下し、せせら笑う料理人達。その視線を背に受けながら、さっさと薄汚れた厨房を出ていく。

「聞きしに勝るって感じでしたよ……」

 厨房を出た所で待機していた年配の女性に、肩をすくめながら苦笑がちにそう言う。それを聞いた女性が、処置なしという感じでため息をつき首を左右に振る。

 こんな阿漕な真似をしている学食がなぜ放置されていたのか、春菜が疑問を持たないはずがない。故に、講師や事務局に聞き取り調査をしたところ、料理長が一切聞く耳を持たなかったそうだ。人員を一新しようにも、単に不評というだけでは契約を切るのも難しいようで、他の仕事の忙しさも相まってなかなか手をつけられなかったとの事である。

 なのでこの件に関しては、アズマ工房に対して思うところのある教員もほとんどが全面的に味方に付いてくれることが決まっている。しがらみが何もない春菜達の方が思いきった事が出来るだろうと、ある意味においてはものすごく期待されているのである。

「それで、フルート教授。かなり悪質なやり方ですけど、本当にやってしまっていいんですね?」

「ええ、もちろんです」

 春菜の確認に、フルート教授と呼ばれた女性が真顔で頷く。その顔は、徹底的にやれと言っている。

「周囲への根回しは、学院の方で行っておきます」

「お願いします。場所については、うちの工房のお隣が空き家になったので、そこを買い上げて改装します」

「資金は大丈夫ですか?」

「問題ありません。それにしても、突然お隣が仕事をやめたのは、どうしてなんでしょうね?」

「さあ? ただ、前々からあそこはあまりいい噂がありませんでしたから、その関係で何かあったのでしょう」

 あまりに都合がいい展開に、首をかしげる春菜とフルート教授。

 アズマ工房・ルーフェウス支部の隣は、ダストン商会というかなり大きな商会が本拠地に使っていた、非常に大きな建物である。それだけ大きな建物を持っていただけあって色々と余り良くない噂はあるものの、商売自体は堅実で、表立ってはまともなやり方をして来ていた商会である。それゆえに、いきなり夜逃げのような形で仕事を畳んだ理由が部外者には分からなかったのだ。春菜達にとっては非常に都合がいいが、少なくとも学院はこれと言って圧力をかけた訳ではない。それが不気味でしょうがない。

 実のところ、ダストン商会の倒産にはレイオットとレイニーが絡んでいる。レイニーが春菜の援護射撃のために、学院の学食がらみのあれこれについて色々調べているうちにダストン商会についての見過ごせない情報を拾い、レイオットに報告したのだ。結果、百年以上の歴史を誇るダストン商会は、わずか三日で倒産に追い込まれてしまったのである。レイオットが何をしたのかは、本人が悪役っぽい笑顔で秘密だとしか言わないため、片棒を担いだレイニーも知らない。

 ファーレーンの国益にも絡む問題であったため容赦しなかったレイオットだが、春菜達が不審がっている事は知りつつも内容が内容だけに下手な事は言えず、レイニーともども口を閉ざしている。なので、今は色々と噂が独り歩きしており、自分達に対する状況の都合のよさも相まって、アズマ工房の内部では余計に不信感を増幅している状況である。

 とは言え、好都合なのは好都合なので、春菜は容赦なく利用するつもりだ。何しろ、学院の入り口から徒歩五分圏内という好立地の、アズマ工房・ルーフェウス支部より広い土地だ。色々と使い道はある。

「それで、仕入れルートは大丈夫なのですか?」

「一応、目星はつけてあります。まあ、最悪、当座の分はウルスやオルテム村で仕入れればいいと思ってますから」

「ルーフェウスの人間としては、このあたりで手に入るものは、このあたりで仕入れていただければありがたいのですが……」

「基本的には、そのつもりです。従業員も、できるだけこの街で人を募りたいところですが、それをやるにはちょっと時間が足りないので、しばらくはいろんなところから伝手を使って引っ張ってくるしかないかな、と思ってます」

 春菜の計画を聞き、当面はそれで行くしかないか、とため息をつくフルート教授。

「とりあえず、十日で開店までこぎつける予定ですので、それで根回ししておいていただけますか?」

「それは構いませんが、本当に大丈夫なのですか?」

「従業員になる人たちには泣いてもらうことになりそうですけど、内容を絞りますので、一週間あれば十分形になりますよ」

 綺麗な顔でなかなか鬼畜な事を言う春菜に、少々引くフルート教授。

「何にしても時間がないので、帰ったら宏君に協力してもらって、すぐに敷地を確保して工事に入って貰います」

「分かりました。こちらもすぐに根回しを始めましょう」

「お願いします」

 方針をサクサク決め、もう少しだけ細かい打ち合わせを済ませる春菜とフルート教授。計画実行の前にちょっと休憩、という事で教授の研究室へ行く途中、宏を見かけた春菜が声をかける。

「あ、宏君」

「おう、春菜さんか」

「そっちはどう?」

「順調やで。購買の方はやる気ゼロやったん違うて、単に知識も経験も無いからどう手ぇつけてええか分からんかっただけやったみたいやし」

「それはすごく羨ましい……」

 宏の状況を聞き、本気で羨ましいと思ってしまう春菜。はっきり言って、学食の頑なさは洒落が通じない。

「で、そっちは……、って、その様子やと相当な状況みたいやなあ」

「正直、相当悪質な荒療治が必要な感じ」

「っちゅうことは、僕もそっち手伝うた方がええっちゅうことか?」

「うん。詳しくはまた説明するけど、かなりいろいろ手伝ってもらうことになるよ」

「ほな、今からそっち手伝おか?」

 相当手こずっている様子の春菜を見て、自身の作業との兼ね合いを考えてそう提案する宏。

「いいの?」

「こっちは、一週間ぐらい様子見でええんちゃうか、っちゅう感じやから」

 宏の申し出に対して顔を輝かせつつ、それでも遠慮勝ちに確認を取る春菜。それに対してあっさり頷く宏。

 実際、購買の方は既に最初にやる事は大方終わっている。後は売れ行きや反応を見て色々調整するだけで、既に購買担当者と新しい各業者とのつながりもできているのだから、相談されない限り宏があれこれ口を挟むことはない。

「だったら、これからフルート教授の研究室でお茶の予定だから、そこでお茶を飲みながら現状と計画を説明するよ」

「了解や。せやったらついでやから、購買で売る予定のパン、ちっと試食してみてくれへん?」

「あ、販売前の最終調整、終わったんだ」

「クリームパンと焼きそばパンはな」

 そう言って取り出して見せたパン二つ、正確には微妙な色合いの麺が挟まったパンのビジュアルに引くフルート教授。

「ちょっと変わった色合いになったんだ」

「この国の伝統的なソース使うてるからな。ウスターソースとか焼きそばソースよりも、そっちの味付けの方が受けが良かったんよ。同じ理由で、紅ショウガも抜きや」

「そっか、なるほど」

 宏の言葉に納得する春菜。やはり、その国の人にはその国の調味料の味付けが一番なのだろう。恐らく醤油や味噌のような異物をいきなり受け入れる、ファーレーンやフォーレの方がおかしいのだ。

 もっとも、フォーレの場合は醤油と味醂で濃いめに味付けした料理が、肴としてほとんどの酒と相性が良かった事の影響が大きいのだろうが。

「フルート教授はちょっとこの時間にパン二個はきついと思うから、春菜さんと半分こにした方がええかな?」

「そうですね。私の歳では、この時間にパンを二つも食べてしまうと、下手をすると夕食まで何も食べられなくなってしまいます」

 宏の提案に同意するフルート教授。一人前を食べるのは厳しい歳になってきた自覚があるだけに、その配慮はありがたい。人によっては馬鹿にしてと反発するかもしれないが、知の国の人間としては加齢による変化を認めないような愚かさとは無縁であるつもりだ。

「……なるほど、どちらもとても美味しいです。こちらの焼きそばパン、でしたか? 見た目さえクリアできれば十分受け入れられると思いますよ。クリームパンは、むしろなぜ今まで誰もやらなかったのかが不思議なぐらいしっくりきます」

 お茶受けとして出されたハーフサイズの二つのパンは、フルート教授の舌を大層満足させ、コーラと一緒に購買に売り出されると、割と早い段階で大人気になって学食に大打撃を与える第一歩となる。

 因みに焼きそばパンの見た目の問題は、と言うと

「学食の飯を食う事を考えたら、この程度の見た目どうってことない」

「美味くて安くて腹にたまるんだから、見た目程度で文句言ってちゃあ食うもんが無くなる」

「慣れたら気にならない」

 という意見で一蹴されてしまう。このあたりに、現在の学食のすさまじい評価の低さがうかがえるが、別に学食の売り上げにダメージを与えるつもりで用意した訳ではないのが実に皮肉な成り行きだろう。

 こんな感じで、学院の学食は自らの行いの報いを着々と受けていくのであった。







「ライムちゃん、おはよう!」

「ライム、今日もかわいい!」

「ライム、その子何? すごくかわいいんだけど?」

 今日も今日とて、登校すると同時に物凄くちやほやされるライム。ライムの人気に頭の上のひよひよが驚き、目を白黒させる。

「おはよう! この子はひよひよなの!」

「きゅっ!」

 物凄い勢いで寄ってくるクラスメイトに物おじせず、元気一杯に挨拶を返すライム。この人見知りとは無縁の態度が、更にクラスメイトの心をわしづかみにする。

「ライムがかわいいのは事実なのですが、レラさんが苦労するのであまり甘やかさないでほしいのです」

 あまりに猫かわいがりするクラスメイトに対し、苦笑しながら釘を刺すノーラ。放置しておくと、クラスメイトたちは際限なくライムをかまおうとするのだ。

 ノーラも十分に美少女なのだが、ウサギ型獣人の美少女というのはこの学校において、ライムほどの希少価値は無い。そのため、もてない訳ではないがそこまで騒がれる訳でもない。

「ふん、いい御身分な事で」

「ノーラもそう思うのですが、上司の命令には逆らえないのです」

 その様子を見て嫌みを言うクラスメイトの男に、思わず同意してしまうノーラ。立場が変われば、同じ感想を持つのが予想できてしまうからである。

 もっとも、ノーラの場合、ライムをかわいがりに行く方かもしれないが。

「ここは勉強しに来る場所だ。ガキ連れて遊びに来るんじゃねえよ」

「一応ノーラもライムも勉強しに来てるのです。それに、ライムは質問はしても授業の邪魔とかはしてなかったのです」

 流石にこの言いがかりには反論が必要だと考え、淡々と事実を訴えるノーラ。どうせ聞く耳は持たないだろうが、事実は事実として訴えることは重要である。淡々とした伝え方になったのは、感情的になってしまえば逆効果だからだ。

「ふん。どうせ何か後ろ暗い事してここに通ってんだろう? でなきゃ、ガキがこのルーフェウス学院に通える訳ないからな」

「証拠も無しにそれを言うのは、単なる名誉棄損なのです。仮にも賢者の学院に通う人間なら、明確な証拠を用意してから喧嘩を売ってくるのです」

 レベルの低い言いがかりに呆れ、ぴしゃりと言い切るノーラ。見ると、この男と同じくノーラやライムにいい感情を持っていない他のクラスメイトまで、地味に彼女の言い分に同意している。

 ノーラが強気なのは、自分達はなにも悪い事をしていないと断言できる事に加え、通えなくなっても何も困らないからだ。頻繁に質問や議論をぶつけるため一部の教師達にとって目障りな存在だという自覚はあるが、どちらかといえばそれが求められている役割である。それに、議論をふっかけたり疑問について徹底的に質問する事は、双方冷静でなければならないと但し書きがつくが推奨されている。

 仮に、ノーラ達がここに通っている事が何かの法に引っかかるのであれば、そうなるように仕向けた国王と学院長の責任である。

「ちっ。いずれその化けの皮をはがしてやるから、覚悟しろ!」

 形勢不利と見て、顔を真っ赤にしながらそんな捨て台詞を吐いてその場から離れる男。その様子を、クラスメイト全員が冷ややかに見つめる。はっきり言って彼には味方が一人もいない状況だが、憶測や思い込み、噂などをもとに相手を攻撃するのはローレン人が最も嫌うところなのだから、自業自得ではある。

「ライム、そろそろ席に着くのです。ひよひよは後ろで邪魔しないように大人しくしておくのです」

「は~い」

「きゅっ」

 そろそろ講義が始まる時間だと察し、ライムとひよひよに声をかけるノーラ。ノーラの呼びかけに素直に答え、ライムとひよひよが移動する。その様子に、教室のあちらこちらから黄色いため息が漏れる。その様子を見たノーラが、更にクラスメイトにも釘を刺す事にする。

「とりあえず注意しておくのですが、ひよひよはあのなりでも一応は神獣だそうなのです。邪な心で触れると、ひよひよの意思とは関係なくお仕置きされてしまうのです。物凄く熱いそうなのです」

 ノーラのその宣言に硬直するクラスメイト達。そのまま、ギギギと錆びついた音でも聞こえてきそうな動きで、ひよひよに視線を移す。注目を浴びたひよひよは、我関せずといった体で羽づくろいなどをしている。

「……大口叩いてるが、そんなウソには騙されねえ!!」

 折角のノーラの忠告を無視し、件の因縁をつけてきたクラスメイトがひよひよに突撃する。その結果……。

「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」

「だから注意したのです……」

 白い炎でこんがり焼きあげられてしまう。やけど一つ負わずにこんがり焼きあげられ、きっちり頭がアフロヘアになった男をひよひよが不思議そうに首をかしげて見降ろす。

「まあ、こういう事なので注意するのです。判定基準はいまいちよく分かっていないのです」

 目の前で起こった事に完全にフリーズしているクラスメイト達に対し、もっとも重要な事柄を説明するノーラ。結局このクラスは、講師が入ってくるまで解凍される事は無かったのであった。







「まったくもって、面倒くさいぞ……」

 本棚から打ち出され、直撃コースで飛んできた本をキャッチしながら達也がぼやく。大図書館の特別書庫は、今日も全力で達也の調査を妨害していた。

「何とかならんのかね?」

「私に言われても困りますが……」

 のんびりぼやく達也に、心底困ったように本日の担当司書(二十四歳男性・独身)が答える。

「司書の皆様が攻撃を食らわないのはなんとなく分かるが、それ以外の利用者をこうまで目の敵にする理由は何なのかね?」

「特別書庫に関しては、我々にもよく分からない事がたくさんありまして……」

「要は、ダルジャン様に聞けって事か……」

「申し訳ありません……」

 ぐらりと動いた本棚から距離を取りつつ問う達也に、恐縮しながら己の無力を告げる司書。そもそも、特別書庫がいつからダンジョンに化けたのかすら、ダルジャン以外誰も知らないのだ。何故司書以外の侵入者を排除しようとするかなど、調べようがない。

「何にしても、一度発動した罠は同一人物には発動しないらしい事と、棚の蔵書が入れ替わったりしないのだけはありがたいな。特に蔵書の方は、入るたびにランダムで変更とかやられたらどうにもならん」

「そうですね。流石にそれをやられると、司書の我々も管理できなくて困りますし」

 地図の本棚にチェックを入れながら、しみじみと言いあう達也と司書。そうでなくても一区画に膨大な蔵書があるのに、その中身がランダムで入れ替わったりした日には、目的の本を探す手段が無くなってしまう。

「そういや思ったんだが、あんた達司書に、目的の本を検索したり呼び寄せたりする魔法とかは無いのか?」

「残念ながら、大雑把にこのあたりというのまでは絞り込めますが、ピンポイントで特定するものはありません。あれば便利なんですが、世の中そう上手くは行きませんで……」

「なるほど、そっちも大変なんだな。っと、この本は外れか。戻しておかねえと」

 もう少し楽にいかないかと期待した達也の質問は、無情にも世の中の厳しさを思い知らせるものだった。もっとも、質問した達也自身、期待はしたが当てにはしていなかったのでそれほど落胆した様子は見せず、平常運転で飛んできた本の内容をチェックしていたのだが。

「というかよく考えますと、そう言う便利な魔法があっても、今回のケースではあまり役に立たないかと」

「まあ、そうだよな。条件設定が漠然としすぎてるから、大雑把にこのあたり、しか絞りようがねえか」

 結局地道にやるしかない、と覚悟を決め、ぎっしり詰まった本棚を観察し続ける達也。

「……ふむ。三百年前のマルクトでの客人の話か。……こいつの裏付けを取る資料とか、大体の区画は分からないか?」

 速読法により五分ほどで一通り目を通し、重要だと思わしき場所を真琴から借りたコピー機でコピーしながら、達也が司書に問う。

「そうですね。少々お待ちください。……東に三つ目、北に四つ目の棚、もしくはその周辺にあるみたいです」

「そうか。そろそろコピーも終わるから、先にそっちを探しちまうか」

「分かりました」

 達也の方針に頷く司書。手元の地図から現在の棚を探し、調査中のマークを入れて間違えないようにして、達也のコピーが終わるのを待つ。

「しかし、まだまだ終わらんなあ……」

「まだ、一割ですからね。でも実際のところ、むしろ特別書庫の一ブロックとはいえ、こんな短期間で一割も調査が終わっている事の方が凄いですけどね」

「まあ、そうだろうなあ」

 などと駄弁りながら、まるで無限に続くかのような数の本棚にうんざりしつつ移動を開始する。まだまだ達也の戦いは始まったばかりであった。








「っちゅう訳でやな、購買の方はすぐケリつきそうやねんけど、学食が長期戦なりそうやねん」

「お前らなあ……」

 宏の報告に、呆れた顔をする達也。真琴と澪も、似たような表情である。

「本当にあんた達、よくも毎度毎度そこまで脇道にそれられるわよねえ」

 開いた口がふさがらなくなっている達也と澪に代わり、真琴が呆れながら感想をぶつける。

「しゃあないやん。購買と違うて学食は改善する気ゼロやねんから」

「学食を良くしたところで、あたし達にはあんまり関係ないじゃない」

「うちらにゃ確かに関係あらへんけど、ライムとか継続して通うんやから、こういう些細なところでも良うできるんやったら、良うしといたほうがええやん」

 宏からのある種の正論ともいえる言葉に、これ以上反論する気が失せて沈黙する真琴。正論ではあるが、その調子でずっと明後日の方向に突っ走り続けられると、時間がいくらあっても足りないのではないか、とは思っても今更なので突っ込まない。

「それで、どう言う予定だ?」

「まあ、今日のうちに土地建物は押さえたから、宏君が明日朝から内装と設備をいじって、その間に私があっちこっちから人を集めるって感じかな?」

「学院の学食に対抗するんだから飲食店なんだろうが、どう言う方向でやるんだ?」

「料金前払いのセルフサービス方式。しばらくはメニューも定番ものに絞って、それを手早く提供できるように頑張って覚えてもらう予定」

 今後の予定を確認してくる達也に、春菜が決まっている事を全て告げる。

「定番、ねえ。何を出す予定だ?」

「ポトフとブイヤベース、シチュー三パターンぐらいに簡単な焼き物いくつか。セットはパンとサラダをつける予定で、飲み物に関しては薄い麦茶みたいなお茶になるけど、食事した人には一杯無料。飲み物だけのメニューは食堂の方では見送り、かな」

「なるほど。揚げ物はやらねえのか?」

「好みを調査する時間が足りてないから、開店早々はやらないつもり。お店やりながら並行で調査と宣伝をして、受けそうな味付けを特定してからメニューに昇格、かな」

「まあ、ここはファーレーンとは大分好みが違うみたいだから、どうしてもそうなるわな……」

 春菜の余計な方向での地道な努力に、それしかないかと納得する達也。そもそも、食堂なんてやらずに屋台程度で済ませておくならここまで苦労する必要は無かったのだが、それを言って意味のある時期はすでに終わっている。

「で、収益は出せそうなの?」

「大丈夫だと思うよ。今回は学院からの補助も出るし、設備費は自作だから材料費だけだし、食材の仕入れも普通に利益出せる水準だから、問題になりそうなのは人件費ぐらいかな」

「人件費はペイできそうなのか?」

「人件費が相場にちょっと色つけて一日一人三クローネプラス賄い食として、十人ちょっと雇ってもランチセットを二百ぐらい売れば、一日分の人件費には十分になるよ。ランチセットは一食三十チロルで提供の予定で、材料費が平均で十チロル行くか行かないかになるから」

 ランチセット二百というのは、ちょっとばかりハードルが高いのではないか。そう思って真琴の方に視線を向けると

「最初数日は何とも言えないけど、最終的には二百どころか三百でも余裕だと思うわよ。メニューも基本は大量に煮込んで盛りつけるだけ、って感じだから数捌くのもそれほど問題ないでしょうし。それに、春菜が監修する料理だから、あの学食と同じ値段どころか十チロル高いぐらいでも間違いなく飛び付くって」

「そこまでなのか?」

「食べたらわかるわよ。まあ、学食の件が無くても、春菜の料理でまともなランチメニューで三十チロルとか、下手したら周辺の飲食店も駆逐しかねない値段なんだけどね」

「俺らからすればそうかもしれないが、味覚が違うこの国でそれが通用するのか?」

「そこは断言し辛いんだけど、ただ、普通のボリュームで三十チロルなら、無難なメニューだしてる限りは学生は絶対食い付くから」

 真琴の話を聞き、今の学院内の学食がどれほど不味いのかがとてつもなく気になる達也。だが、周囲の人間の反応から、わざわざ手を出そうという気も起らない。

 罰ゲームか調査でもない限りわざわざ進んで不味いものに手を出すような、そんな酔狂な性質を達也は持ち合わせていないのだ。

「で、二百も三百も売るんだったら、皿洗いとかも大変じゃないのか?」

「そら、設備僕がやるんやから、負荷の軽減のために殺菌機能付き食器洗い乾燥機ぐらいは設置すんで。残飯入れも入った残飯肥料に加工する機能組み込むしな」

「……せめて設備は、普通に存在しうる飲食店のレベルに抑えておけよ……」

 一切自重する気配のない宏に、頭痛をこらえながら突っ込む達也。現代日本の社員食堂などならともかく、こちらの世界では一食三十チロルで提供するような安い店の設備ではない。

 モンスター食材や希少な高級食材を使わない限り、食材の値段はほとんど変わらない。故に、安く料理を提供するとなると、客の回転率を上げるか人件費と設備費用をケチる事になる。

 そのケチる対象である設備費用が自作でほぼ無料だからと言って、高級料理店でも導入できないような高性能なものを入れるのは、いくらなんでも反則ではないかと小一時間ほど問い詰めたいところである。

「それで、周囲の根回しは? いきなり場を荒らしにかかってるようなもんだが」

「ちゃんとフルート教授がやってくれる事になってるよ。元々学食の代わりだから、周辺のお店で食べてた人は、混んでたら周りで食べるだろうし、根回しの結果次第だけど、問題がありそうだったら学割システムも考えてるし」

「学割か。証明できるようなものはあるのか?」

「ちゃんと学生証があるんだよね?」

 達也の質問を受けての春菜の問いかけに、真琴が頷く。それを見て納得した達也が、他に突っ込んでおくべき事は無いかを考える。

「営業時間は?」

「周りとの兼ね合いで、ランチ営業だけ。十一時から二時までの予定。色つけてる割に人件費を安く計算してるのも、それが理由。因みに賃金がこれぐらいでいける理由は、雇われ料理人の人たちって結構、昼だけの店と夜だけの店を掛け持ちしてる事が多いから」

「なるほどな。つまり、根回しの結果次第だが、現状では問題になりそうな事は大体押さえてる訳か」

「多分ね。あからさまな妨害とかもあるかもしれないけど、それに関しては内容に合わせて都度対応の予定だし」

 完璧かどうかはともかく、想定される問題には大体対応している事を示す春菜の回答に、これ以上突っ込んでも無駄だと判断して納得する事にした達也。正直、飲食店まではいろんな意味でやり過ぎだと思うが、もうすでにスタートしている事案にこれ以上突っ込んでも無意味である。

「しかし、毎度のことながらお前ら、明後日の方向に突っ走るときだけは全力を出すよな……」

「いや、基本いつでも全力出しとんで?」

「そうは見えねえんだよ……」

 達也のぼやきとも突っ込みとも取れない言葉に、釈然としない様子を見せる宏と春菜。だが、どちらかと言うと宏と春菜の側である澪にすら肯定され、更にウルスの工房から用事があって出てきたテレスとノーラにまで同意されてしまい、反論できずに沈黙するしかない二人であった。







「また、面白い事を始めましたな」

「ええ。話には聞いておりましたが、流石にここまで行動力があるとは想定外でした」

「まあ、普通は学内の食堂に文句があるからと言って、自分達で外に新たな食堂をつくろうなどとは考えんでしょうしなあ」

 フルート教授から宏達の活動報告を聞き、目を細めて頷く学院長。全体から見れば割と些細な問題ではあるが、学食の問題はそろそろ無視できないところまで来ていた。

 学食も、二代前の料理長が仕切っていた頃は、まともだったのだ。先代あたりからおかしくなり始め、今の代ではもはや詐欺同然のやり方がまかり通るようになっている。

 不自然なのは、先代がメニューの質を落とし始めたころから、外部の受け皿になりうるレストランやカフェの移転・閉店がじわじわと増えてきた事であろう。不自然ながらも確たる証拠は無く、管轄や権限の問題で突っ込んだ捜査もできないまま、気がつけば受け皿になりうる店が全滅。不味くてぼったくり値段だが、それでも満足いく量を食べるなら周囲よりやや安い学内の学食か、美味いが最低七十チロルから、かつ値段の割にボリュームが控えめで一般の学生が手を出しにくい店かのどちらかしかなくなっていたのだ。

 学食を廃止するにも周辺に受け皿は無く、採算がとれているため不満が多くても人員の入れ替えも通り辛い。そんな環境がもう三年ほど続いている。そこにアズマ工房傘下の新食堂である。恐らくこれまでの反動から、余程ローレン人の舌にあわない味付けをしていない限り、大盛況間違いなしになるだろう。

「既に購買は改革が始まっておりますし、この調子で内部の問題を解決していければありがたい事です」

「購買については、我々の不明を恥じるばかりです。担当者にはちゃんとやる気があったというのに、話も聞かずフォローもせず、学食ほどクレームがないからと放置してしまいました。まったく、少し考えれば手をつける事柄などいくらでも見つかったというのに、本当に情けない話です」

 学院長の言葉に、実に恥ずかしそうに情けなさそうに、教員の一人が懺悔の言葉を漏らす。宏の指導によってたった一日で購買の販売内容が充実し、教師達も早くもその恩恵を受けているのである。しかも、今日は扱っているパンの種類が増え、新たに飲み物も扱いだしたという大きな変化が起こり、更に関係者に大きな恩恵を与えるようになった。

 一日で可能だったのだから、初日の変化の内容としてはそれほど派手なものではない。せいぜい等級外ポーションの棚が目立つようになったくらいで、後はロープをはじめとした便利グッズの取り扱いを始めたという広告程度。それ以外は売り場に細かいものが増えただけの、見た目には大した変化はないのだが、その細かいものを扱っているおかげで、市場まで走らなくても良くなって助かったと評判も上々である。

 流石にパンの種類はともかくとして、初日に増えた取扱品目は仕入れも難しくなく、棚のレイアウトなどをいじる必要もほとんどなく、さらに自分達が不便だと思っていた事なのだから、誰でもテコ入れとして思いつくような事だった。それに気がつかず、当たり前のように市場まで走っていたのだから、賢者の学院の教師とは思えない頭の悪さだと恥じるのも仕方がない事だろう。

「まあ、学者というのは専門以外の事にはどうしても視野が狭くなりがちですからな。今回の事で、広い視線で物事を判断することを心掛けるようになれば、それで十分ではないでしょうか?」

「はい。本当に、今回の事では色々と気がつかされることが多かったです」

「私は、彼らがこの学院に関わる事には今も反対です。ですが、それとは別に、今回の件で自分達に足りなかった視点を教えてくれた事に関しては、いくら感謝してもし足りないと考えております」

 学院長の問いかけに、彼に賛成している派閥からも反対している派閥からも次々に賛同の声が上がる。無論、この程度で反対派の抵抗が収まる訳ではない。だが、それでも自身が持論に固執しすぎていないか、とか、権威におもねりすぎていないか、とか、そういった視点で自分達の思考に注意を払ってくれるのであれば、それだけでもリスクを冒してアズマ工房の手を借りた意義があったというものだ。

「とりあえず、学食の件に関しては、しばらくは彼らの邪魔をしないように様子を見ましょう」

「もちろんです」

「別に飯の味なんてどうでもいいとは思いますが、それでも今の学食は実質的にものすごく高いですからな。流石に安くなると予想できる状況で邪魔をするほど、彼らを敵視しておる訳ではありませんしな」

 やはり、今の学食に関しては、教授達も色々と腹にすえかねていたらしい。賛成派も反対派も関係なく、大半の人間が安くてまともな分量になるのであれば、わざわざ妨害などする必要は無いと断言する。

「さて、ついでに何故この一帯の飲食店の構成がここまで偏ってしまったのか、その理由も明らかになればありがたい事ですが」

 その一言に、先ほどから沈黙を守っていた一団の様子が、若干おかしくなる。その事に、あえて気がつかない振りをする学院長であった。
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