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フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 作者:埴輪星人

フォーレ編後日談・こぼれ話

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後日談 その2

 それは、子供達がいつものように採取に来ていた時の事であった。

「あれ?」

 しげみをがさがさやっていたライムが、ちょっとばかり珍しいものを見つけた。

 正確に言うなら、それ自体は珍しくもなんともない。ウルス近郊の場合、野生のものが手に入るのは基本的にもう少し前か後になるのだが、絶対にないとまでは言い切れない程度のものだ。それに、種類によっては毎日手に入るものもある。だから、それが見つかったこと自体はまったく珍しくもなんともない。

 では、何が珍しいのか?

「わあ、おっきなたまご!」

 そう、ライムが発見したのは、かなり大きな卵であった。具体的には、特大ポメを超えるほど大きい。いくら同年代の中では比較的発育がいいとはいえ、ライムだと両腕で抱え込まないと持ち運びできない大きさだ。この地域には大型の卵生動物がいないのだから、こんな巨大な卵が手に入るのは普通あり得ない。

 それだけのサイズの卵だが、しげみの中に巧妙に隠れるように産み落とされており、ライムのような小さな子供でなければ恐らく発見できなかっただろう。時期的にも、ウルス周辺の産卵時期はもう少し前か後がピークなので、そういう意味でも恐らくライム以外が発見するのは難しかったに違いない。

「おねーちゃん、おねーちゃん!」

 その大きさに興奮し、一緒に来ていたファムを呼ぶライム。その大声を聞きつけ、何事かと駆けつけるファムとルミナ。

「どうしたのさ、ライム?」

「ライムちゃん、何かあったの?」

「みてみて! おっきなたまご!」

 やってきたファムとルミナに、ライムが卵を見せびらかす。その大きさに、唖然とするファムとルミナ。

「……これ、何の卵?」

「ファムちゃん達が知らないのに、あたしが知る訳ないよ……」

 ファムの質問に、匙を投げたように首を左右に振るルミナ。素材に対する博識さは、ファムやライムとルミナでは勝負にすらならない。アズマ工房で仕事しているのは、伊達では無いのである。

「おねーちゃん。このたまごだと、プリンいっぱい作れるかな?」

「ありそうな黄身の量を考えたら、多分最低十個は作れるんじゃないかな?」

「わーい!」

「いいなあ……。あたしも食べたい……」

 幼女が卵を見た時に大人が期待する反応。それを見事に裏切って真っ先に食い気に走るちびっ子たち。メルヘンな物語なら、この手の卵を見つけたら、まず最初に孵化させる事を考えるだろう。だが、この世界はそこまで甘くはない。

 年寄りから子供まで、人間に分類されるほぼすべての種族において、卵は食材でしかないのだ。例外は食用に適さないものと繁殖用のものだけである。

 ましてや、ファムとライムはアズマ工房、ファーレーンの食の最先端を担っている施設で生活している。初めて見る巨大卵を前に、食わないという選択肢はない。

「とりあえず、持って帰らないと」

「おねーちゃん、袋あけて」

「ちょっと待って。……はい」

「よいしょっと」

 取らぬ狸の皮算用は、これを回収してからだ。魔力を使って筋力を増幅し、卵を持ちあげて姉が用意してくれた倉庫直結の袋に入れるライム。見た目通りかなりの重量があるその巨大卵は、所詮幼女であるライムの腕力では、魔力による増幅なしでは持ち上げるどころか傾けることすらできないのだ。

「これで割れたりする心配は無くなったね」

「おねーちゃん、もっといろいろさがそ!」

「りょーかい!」

 レア中のレアをゲットして、ホクホク顔のアズマ工房最年少チーム。魔力を使って持ち上げた瞬間卵が脈動した事に気が付かないまま、いつものように最年少なのに一番たくさんレア素材を回収して帰るのであった。







「ただいま~!」

「おかえりなのです。何かいいものを見つけてきたのですか?」

 意気揚々と帰ってきた子供達を、ノーラが迎え入れる。チビ達の様子から何かいいものを見つけたらしいとあたりをつけ、とりあえず確認してみる。

「すごいの見つけてきたの!」

「確実に珍しいものなんだけど、あたしやライムだとちょっと判断出来ないから、親方と春菜さんと澪さん呼んできて」

「分かったのです」

 ファムに言われ、すぐに宏達を呼びに行くノーラ。まだ幼児であるライムはともかく、ファムの判断能力はそれなりに当てになる。その彼女が分からないと言うのだから、ノーラが見ても分からないだろう。

「何ぞ珍しいもん拾ってきたんやって?」

「どんなもの?」

 ノーラに連れられ、宏達がやってくる。春菜と澪だけでなく、達也と真琴にテレスも一緒だ。

「えっとね。ライムが物凄くおっきい卵見つけたんだ。一応回収してきたんだけど、何の卵か分からないから、食べられるかどうかの判断が出来ないんだ」

「それで、僕らに鑑定せい、と」

「申し訳ないけど、多分親方か春菜さんか澪さんしか分かんないと思うんだ」

 ファムの言葉に頷く宏達。それを見て、ライムが袋から卵を取り出す。

「よいしょ、よいしょ」

「ライムちゃん、重いんだったら、一人で無理しちゃ駄目だよ」

 ライムが一生懸命袋から引っ張り出そうとしているのを見かねて、春菜が手を出す。どうにもこの流れだと、取り出した直後に落として割りそうな感じだったからだ。

「よっと。これはちょっと、子供には辛い重さかな?」

「せやろうなあ。明らかにライムの顔面よりでかいやん」

 ライムの代わりにテーブルの上に乗せての春菜のコメントに、同意せざるを得ない宏。ライムどころか、ファムの顔より大きな卵に、その場にいる全員の好奇心が集中する。

「それで親方、この卵何の卵だと思う?」

「残念ながら、サイズ以外に特徴がなさ過ぎて、候補のうちどれかがちょっとばかし絞り切れんわ。まあ、どれの卵やとしても、食う分には問題ないで」

「そっか。プリンに使える?」

「殻のある大概の卵でプリン作れんで」

 若干魔力を通して触りながらの宏の返事に、顔を輝かせるファムとライム。やはり、子供的に卵といえばプリンなのだろう。

「……って、あんたたちねえ」

「何やのん、真琴さん。いきなり呆れた声出して」

「普通、こういう卵見たら、温めて孵化させようとか考えるもんじゃないの?」

 メルヘンチックな事を言い出す真琴に対し、何言ってんだろうこの人は、という視線が達也以外から集中する。

「え? 何? あたしそんなおかしなこと言ってる?」

「あのなあ、真琴さん」

「何よ……」

「何の卵かも分からんのに、有精卵かどうかの区別なんざ出来る訳ないやん」

「そういう理由!?」

 孵化させようとしない理由を聞き、思わず全力で突っ込みを入れてしまう真琴。

 確かに、普通の生き物の卵なら一部例外を除き、有精卵でなければいくら温めた所で孵化などしない。そもそも、温めれば孵化するのか、とか、孵った雛だか幼生体だかが安全な生き物なのか、とかそのあたりの保証もない。なので、身も蓋もない話だが、食ってしまうのが一番安全で後腐れが無く、利益が大きいのだ。

「なあ、ヒロ……」

「兄貴も、食うんは反対派か?」

「まあ、真琴とは違う理由だが、そうなるな」

「違う理由? どんな理由なん?」

「こんなでかい卵だと、親も相応のサイズだと思うんだが、その卵を食って親が復讐とかに来ないかね?」

 達也の指摘に、言われてみればという顔をする工房職員一同。

「こんなところに産み落としとんやから、恐らく食われる可能性も織り込み済みの生態やろう」

 だが、それに対しても、宏が身も蓋もない返事をする。卵を奪われて復讐するような生き物は、そもそもこんな都市近郊に卵を産み落としたりはしない。

 逆に、卵を奪われて逆上するような生き物から盗んできたのだとすれば、とうの昔にそいつがウルスに襲撃をかけているはずだ。それに、盗んだ誰かが隠したにしても、隠す場所が中途半端すぎる。

 つまり、食う分には全く支障がないのである。

「……珍しい卵拾ってきて、真っ先に食べる相談するのは絶対間違ってるわよ……」

「真琴さん。おとぎ話やないんやから、こんな貴重なタンパク源回収して食わんとか、絶対あり得へんで」

「真琴姉、往生際が悪い」

 小声でぶつくさ言っている真琴に対して、宏と澪が追い打ちをかける。学生組の夢のない発言に加え、誰も味方がいない事に心が折れる真琴。

「じゃあ、台所持っていって、まずは割っちゃおうか」

「ライムがやりたい!」

「ライムちゃんが見つけたんだし、それもいいかな」

 もはや料理する気満々の春菜に、ライムがおねだりをする。それに気前良く頷くと、卵を抱えて台所に移動する春菜。折角だからと後について台所に移動する宏と澪。なんとなくついていくテレス達三人。

「ねえ、達也……」

「なんだ?」

「あたし、そんなにおかしいかな……?」

「日本人的には、そこまで間違ってねえとは思うがね」

 テレス達を見送り、自分の意見や感性を全否定された事にしおれる真琴を、しょうがないなあという感じで慰める達也であった。







「この大きさだと、普通のやり方で割るのは難しいよね?」

「せやなあ。やっぱりハンマーかなんかでしばかんと割れんやろうなあ」

 軽く表面を叩いて硬さを確認しながら、宏と春菜がそう結論を出す。それを真似するように、ライムが卵の表面をぺたぺた触っている。

「ほな、準備するんは料理用のハンマーやな」

「場合によっては、タガネか何かがいるかもね」

 料理とはいまいち縁がなさそうな道具をピックアップしつつ、黄身を取り分けるためのボウルなどの準備を始める宏と春菜。いろんな意味でやる気満々である。

 料理用のハンマーと聞くと何とも微妙な印象だが、塩釜を割るのに使ったりいくつかの殻のかたい食材を割ったり砕いたりするのに使ったり、更にはハモのような魚の目釘を打つのにも必要だったりと、意外と出番が多い。直接調理に使っているかといわれると微妙だが、れっきとした調理器具である。

「かたいかたい~」

「これは頑丈そう」

 宏と春菜が調理器具を用意している間、二人の真似をして叩く、というよりぺたぺた触るライムと澪。それに釣られて、ファムやテレス、ノーラも卵を触って感触を確かめてしまう。

「下手すれば防具に使えそうなほど硬そうなのです」

「これは、単にハンマーで叩くだけで割れるのかな?」

 ノーラの意見に同意しつつ、好奇心に任せてそんな疑問を漏らすテレス。皆してすっかり卵に夢中だ。

「さて、そろそろ割るで~」

「は~い」

 最後までぺたぺた触っていたライムが、宏の宣言を聞いて一旦離れる。それを確認し、卵を支えるために手を添える春菜。料理用のタガネという、ハンマー以上に使いどころが限られるものを卵に押し当てる宏。皆してこれだけ触りまくっているのに、誰一人として卵が脈動を始めた事に気が付いていない。

 そして

「ライム、思いっきり振り下ろしや」

「は~い」

 宏の言葉に従い、思いっきりハンマーを振り上げるライム。今にも振り下ろされようとしたその時、エアリスが調理場に飛び込んでくる。

「その卵を割ってはいけません!!」

 エアリスのその叫びに、振り下ろそうとしたハンマーをどうにか止めるライム。

「割っちゃだめ~、割っちゃだめ~」

「食べちゃ駄目なの~」

「産まれる~、産まれる~」

 エアリスと一緒に転移してきたオクトガルも、口々に卵割りを阻止しようとする。良く見ると、一匹がハンマーが命中するであろう場所に陣取って、ブロックする構えを見せている。

「どうやら間に合ったみたいですね……」

 間一髪のところで間にあったのを確認し、ほっとするエアリス。その様子に何処となく違和感を覚え、良く観察していた宏が瞳を見て気が付く。

「もしかして、アルフェミナ様でっか?」

「はい。緊急事態でしたので、エアリスの身体を借りました」

 宏の質問にあっさりうなずくアルフェミナ。忙しい癖に割とどうでもいい事でエアリスの身体に降りていく彼女だが、今回ばかりは冗談抜きで緊急事態だったらしい。

「それで、この卵は何の卵で?」

「神獣の卵です」

 宏に問われ、さっくり危険な答えを返すアルフェミナ。その返事に納得する宏達。道理で女神が慌てて飛んでくる訳だ。

「神獣の卵って、どんなものが孵るんですか?」

「孵ってみないと、分かりません」

 春菜の質問に、かなりアバウトな回答をする女神様。大慌てで飛んできた割には、いい加減な話である。

「女神さま~。どうして食べちゃいけないの?」

「神獣が、この世界を維持するシステムの一部だからです」

「いなくなるとどうなるの?」

「一言で説明できない程度には、いろいろとややこしい事になります」

 ライムに聞かれ、アルフェミナが要領を得ない返事をする。恐らく、何が起こるかを口で説明するのが、相当難しいのだろう。

「とりあえず、時間的に限界です。詳しい説明が出来なくて申し訳ありませんが……」

 そう言い残して、アルフェミナがエアリスの身体から抜ける。冗談抜きで、女神様はまともな説明を何一つせずに帰って行った。

「で、エルは詳しい事は、分かっとんの?」

「口で説明するのが難しい、というくらいには……」

 宏の確認に、申し訳なさそうに答えざるを得ないエアリス。アバウトなイメージでしか共有していないため、言葉で説明するのは本当に難しいのだ。

「とりあえず、卵を孵化させんとあかんっちゅうんは確定した訳か」

「そうなるよね。プリンはお預け、かあ」

「残念」

 宏がしぶしぶ出した結論に対し、心底残念そうに応じる春菜と澪。プリンを食べる気満々だったため、お預けを食らうのが辛いのである。他のメンバーも、期待していただけにこの結論は非常に悲しそうだ。

「親方、他には珍しい卵とかないんですか?」

「ちょっと待ってや……」

 どうしてもあきらめきれないらしい職員達を代表したテレスの質問に、在庫を調べながら宏が考える。意外と卵類は入手の機会が少ないため、眠っている在庫もありそうでない。

「珍しい卵は無いけど、珍しい乳はあるなあ。春菜さん、これで牛乳プリンとかどない?」

「試してみないと分かんないけど、それもいいかもね」

 宏の提案を、ちょっと弾んだ声で受け入れる春菜。珍しい乳というのは、ミダス連邦通過中に遭遇したモンスター、モルドレスの乳である。牛と虎を足して二で割ったような外見といかつい名前とは裏腹に知能が高くて大人しいモンスターで、友好的に接すれば乳を分けてもらえる事がある生き物である。

 無論、いざ戦闘となればその外見にそぐわぬ高い戦闘能力を発揮し、場合によってはアドラシアザウルスすら突進と牙で仕留めてしまう強さと獰猛さを見せるモンスターだ。なお、ほぼ草食ではあるが一応雑食動物なので、仕留めたアドラシアザウルスは彼らが美味しくいただいている。

 モルドレスの乳は濃厚な割に癖が無く、後味がさっぱりしつつも乳の甘味はしっかり感じられる、とても美味しい乳である。そのまま飲んでも美味しいが、シチューなどの料理に使っても美味、チーズの材料としても極上の一品である。性質は温厚とはいえど飼いならせるようなモンスターではないため、当然のことながら流通量は少ない高級品だ。

「師匠、春姉、一つ疑問」

「なんや?」

「牛のものじゃない乳を使うのに、牛乳プリンって呼ぶのはあってるの?」

 澪の素朴な疑問に、言われてみれば、という反応を見せる宏と春菜。牛に似ている部分があると言っても、モルドレスは明確に牛以外の何かだ。その乳を使ったプリンを牛乳プリンと呼ぶのは、たとえ材料が牛乳よりはるかに高級品であっても、間違いなく食材偽装だろう。

「ミルクプリン、やったら間違いやなくなるか?」

「そうだね。何のミルクかは言ってないから、それなら間違いじゃないと思う」

 とりあえず、呼び方を変える事で問題を解決する宏と春菜。身内だけしか食べないのだからそこまで神経質になるような問題でもないが、こういうレベルから何でもかんでもアバウトに処理してしまう習慣とか慣例が出来てしまう。その行きつく先が、日本でもそれなりの周期で問題になる食品偽装だと考えるなら、この程度のくだらない段階からちゃんとしておくに越した事は無いだろう。

「で、プリンはそれでええとして、この卵はどうやったら孵化するんやろな?」

 プリンの問題をとっとと解決済みにした上で、最後に残った難題を処理しにかかる宏。この難題は、プリンなどとは比較にならないほど厄介である。

「エルは何か聞いとる?」

「残念ながら、アルフェミナ様は何も」

「いつもの事やけど、肝心な情報は何もあらへんねんなあ」

 ある意味予想通りのエアリスの答え。それに呆れをにじませつつぼやく宏。自分の担当範囲と自分が直接関わった事がら以外は、ダルジャンの許可がないと大半の事は話せないらしいので、肝心な情報が貰えないのはある程度仕方がない。が、今回は単純にアルフェミナの伝達ミスだろう。

「お約束に従って、人肌で温めてみます?」

「確かにそれはお約束なのですが、誰が温めるのですか?」

「発見者だから、ライム?」

 テレスの発案に、とりあえず突っ込みを入れておくノーラ。突っ込みを受けて、とりあえず無難そうな提案をしておくテレス。その微妙に無責任な提案に、つい苦笑を浮かべる一同。

 現実問題として、鳥のようにずっと卵を抱え込んで温めるのは、人間には難しい。それを最年少で年齢的に落ち着きがないライムにやらせようとするあたり、それなりに生真面目な性格をしていたテレスも随分アズマ工房の緩さに染まってしまっている。

「あたためるって、こんな感じ~?」

 テレスの言葉を聞き、卵に抱きつくライム。その瞬間、卵に大きくヒビが入る。

「あれ?」

 いきなり入ったヒビに、不思議そうに首をかしげるライム。抱きつくと言っても別に体当たりのような勢いだった訳でもなく、抱え込むように抱いてはいても力入れていなかったからだ。もっともそれ以前の問題で、ライムの力で道具も使わずに割れるようならば、アルフェミナが飛び込んでくる前に割れているだろうが。

「産まれる~、産まれる~」

「もう少し~、もう少し~」

「お祝い~」

「お赤飯~」

 広がっていくヒビを見たオクトガルが、ライムやエアリスの頭の上で口々に騒ぎ始める。その声に押されるように更にヒビが広がって行き、ある程度のところで突然ぴたりと止まる。

「止まった?」

「どないしたんやろうなあ?」

 途中で変化が止まった卵を見て、首をかしげながら確認のために触れる宏と春菜。ヒビこそ入っているが、ヒビが入っただけで割れている訳では無いらしく、少々指で押した程度ではへこみもしない。

「おっ?」

 なおも調査のためにあちらこちらを触っていた宏が、ついに卵が脈動した事に気が付く。もしかしてと思い、掌から多少魔力を注ぎ込んでみる。もう一度脈動。

「ライム、ちょっと魔力注いでみ」

「は~い!」

 宏の言葉に従い、全身から卵に魔力を注ぎ込むライム。卵がどくどくと脈動する。

「折角やから、皆ちょっとずつ魔力注いでみよか」

 卵の反応に気を良くした宏が、その場にいた全員にそう声をかけ、卵から離れる。宏に言われて真っ先に近寄ったファムが、たっぷり魔力を注ぎ込んで行く。

「あっ、動いてる」

「ファム、そろそろ代わるのです」

「了解」

 ノーラに言われて、素直に場所を譲る。そのまま一定量注ぐたびにノーラからテレス、テレスから澪、澪からエアリスという具合に入れ替わって行き、エアリスから交代した春菜が魔力を注ぎ終わろうかというところで、ひときわ大きく脈動する。

「春菜さん、ライム、そのまま孵化するまで注いでまい」

「は~い」

「了解」

 そろそろ生まれると判断した宏の指示。それを素直に受け入れてガンガン魔力を注ぎ込む二人。一般人ならとうに枯渇している量を注ぎ込んでいるが、春菜はもちろん、ライムも伊達にアズマ工房で育ってはいない。ヒューマン種の幼女の能力とは思えないのは、身体能力だけではない。むしろ、保有魔力こそがもっともヒューマン種離れをしているといえるのだ。

 結果、並の魔法使い一人分以上の魔力をライム一人で注ぎ込み、全部でこちらに来た時の達也一人分よりやや多いぐらいの魔力を卵に譲り渡したあたりで、とうとう殻が内側から破られた。

「おっ、なんか出てくんで」

「どんなのが孵るんだろうね?」

 徐々に広がって行く穴を、わくわくしながら見守る宏と春菜。他の人間も、宏と春菜に負けず劣らずわくわくしているのは言うまでもない。その好奇心満載の視線にさらされながら、ついに神獣が卵の穴から這い出てきた。

「か、可愛い!!」

「不細工だけど、愛嬌がある」

 出てきた神獣を見て、春菜が黄色い声を上げる。澪も、出てきたそいつの姿に、少々毒が混ざりながらも可愛らしさは認めているようなコメントをする。

 出てきた神獣は、ずんぐりむっくりとしか言いようのない体型をした、漫画的な見た目のひよこであった。ふわふわでもこもこの産毛に包まれたその姿は、不細工だからこそ愛嬌があって可愛らしいイメージを作り上げている。

 もっとも、いくら可愛いと言っても、そのサイズはひよこなんてちゃちなものではない。卵がライムの顔面より大きいのだから、当然ひよこも顔より大きい。

 そいつが、卵の中から這い出そうとしてつっかえ、じたばたしているうちに前につんのめってころんとひっくり返ったところで、それを見守っていた女性陣全員、つまり、宏以外のこの場に居る人間全員から、文章では表現できない黄色い歓声があふれ出た。

「……なんやろう、この普通にかわいいっちゅう事に対する、えも知れん不安は……?」

 歓声を上げながら見守る女性陣の反応に引きつつも、今までのあれこれを思い出して妙な不安を覚えてしまう宏。この世界で自分達が直接関わる小動物が、普通にかわいい見た目なのに警戒せざるを得ないようだ。

 そんな宏の警戒をよそに、じたばたしながらどうにか立ち上がった神獣が、よちよち歩きまわりながら全員に頭をすり寄せた後、ハエが止まりそうな速度でふよふよ浮かんでライムの頭の上に乗ろうとし、先に居座っていたオクトガルと目があって諦めようとする。

「こうた~い」

「ど~ぞ、ど~ぞ」

 神獣が諦めようとした事を察し、オクトガルが頭の上から立ち退く。場所を譲られた神獣がゆっくり移動して、ライムの上に軟着陸する。

「なんか、サイズがサイズだけに、凄まじい違和感やな」

「ライム、大丈夫? 重くない?」

「だいじょーぶだよ、おねーちゃん」

 宏がコメントした通り、ライムの頭の上に巨大なひよこが鎮座している姿は、非常に凄まじい違和感をばらまいている。そのサイズに色々心配になったファムの問いかけに、ライムがドヤ顔で胸を張って問題ないことを主張する。

「親方~、名前つけていい~?」

「ぴっ?」

「まあ、ライムが見つけた卵やし、ライムに一番懐いとるし、ライムがつけてええんちゃう?」

 ライムに聞かれて確認をとる宏に、笑顔で頷く女性陣。こうして名付けを任されたライムがつけたのは

「飛び方がひよひよひよって感じだから、ひよひよ!」

 実に子供らしい、安直なものであった。

「よっしゃ。神獣の名前はひよひよやな。これで名前も決まった事やし、春菜さん」

「ん? 何?」

「ミルクプリン、作ろうや」

「あ、そうだね」

 なんとなくインパクトがある出来事が続いたため、すっかり忘れかけていたプリン作り。宏にその話を蒸し返され、すぐに準備に入る春菜。やはり彼女にもまだ未練が残っていたらしい。物凄い情熱で極めておいしいプリンを作ることに全力投球する。

「そう言えば、この子は何を食べるのですか?」

「エル様、アルフェミナ様は何かおっしゃっています?」

「大抵は見た目とそれほど変わらない食性だそうですが、そもそも魔力を与えておけば、何も食べなくても育つとのことです」

 宏達がプリンのために台所に移動したところで、ノーラやテレスとエアリスの間でそんなやり取りが行われる。エアリスの回答を聞いてひよこが食べそうなものはと在庫を漁る澪とファムだが、ひよひよが人間が食べるものなら何でも食べられる事がすぐに分かり、その事実が判明した夕食の席で神獣の生態的なアバウトさに遠い目をすることになるのであった。







「アズマ工房の小娘が、妙な生き物を飼い始めたのは本当か?」

「我々に確認を取らなくても、早朝に東門あたりで張っていれば一週間もせずにその目で確かめられる事実だが?」

「……事実なのか……」

 ウルスの暗黒街。その中でも奥まった地味な一角で、盗賊ギルドの情報屋と落ちぶれた風情の男がそんなやり取りをしていた。

「先に言っておくが、アズマ工房に手を出すのであれば、我々は一切協力は出来んぞ?」

「何故だ?」

「我々にメリットがない。向こうはアルフェミナ神を味方につけ、ウルスの王侯貴族から高い支持を得ている。そこに手を出すなど、自殺行為とすら呼べんからな」

 情報屋の回答に、不愉快そうに顔をしかめる男。

「奴らが好き放題のさばっていて、貴様らは何とも思わんのか?」

「こちらに害がないからな。もっとも、奴らのせいでこちらが何か損をしたとして、排除に動くリスクの方が大きすぎて迂闊に手を出せんのは同じ事だがな」

 情報屋からの追い打ちに、男の表情が般若に変わる。

「怖い顔をするが、仮にお前がアズマ工房に手を出すとして、その場合我々は国と歩調を合わせてお前を排除することになるぞ」

「何故、奴らだけ……」

「お前の今の境遇は、自業自得としか思えんがな」

 恨み言を言い続ける男にうんざりしながら、ばっさりと切り捨てる情報屋。

 情報屋が相手をしている男は、カタリナの乱の時に身内がカタリナサイドに協力し、連座制で地位と財産を没収された人物である。

 当人は直接反乱に関わってこそいないが、当時強い勢力を誇っていたカタリナ派の尻馬に乗って王家や神殿を中傷しており、しかも宏達の手によって潰された奴隷商とも裏でつながっていたという言い訳の効かない状況だったため、処罰を躊躇う理由がなかったのだ。

 それだけいろいろあっても死刑にならなかったのは、反乱に関わっていたのが嫁に出た妹だった事、尻馬に乗って中傷していたと言っても、罰せられるほどの発言はしていなかった事、妹が嫁いだ家とのつながりがそれほど強くなかったことから、このレベルを全員処刑していると浄化が追い付かないと判断されるぎりぎりのラインに引っかかっただけである。

 奴隷商とのつながりにしても、二度ほど袖の下をもらって入国審査を優先、短縮した程度、それも不正を見逃した訳では無く、単に怪しいと分かっていて背景の洗い出しをしなかった程度の、癒着していたとまでは言えない程度の事だった。

 手数料を追加で受け取って審査を優先するシステム自体は、そのシステムを公にして必要な金額をきっちり明記しておけばファーレーンの方では違法にならない。短縮も、ちゃんと要求されるすべての項目の審査をしておけば、人海戦術などで審査に必要な時間自体を短縮するのは認められている。なので、そちら側も、袖の下という形をとっていた事といくつかの犯罪につながりにくい項目を故意に審査せずに省いていた事だけが処罰の対象で、それだけならここまで重くはならなかった。

 本来なら、恐らくは財産と身分をすべて没収まではいかなかったであろう小物。それが、全てを失いこんなところで逆恨みの炎を燃やしている理由は簡単。無駄な抵抗をした揚句のはてに多数の無実の人間に罪をなすりつけようとし、更に無視できないところまで王家や神殿を中傷してしまったからだ。

 法改正後であったら、少なくとも本人は絶対死刑になっていたであろう。そうならなかった王家の慈悲に本来感謝すべきだというのに、いまだに逆恨みをやめずに暗い情熱の焔を燃やし続けている。何処までも救いのない男であった。

(面倒なのに絡まれたもんだぜ、まったく)

 己の運のなさを嘆きながら、とりあえず余計な事をする余力を少しでも奪うため、限界までふっかけて金を絞りとることにする情報屋。無論、こいつが来たこと自体、男が去ってすぐに王家に垂れこむつもりである。

 面倒くさいのは、この種の逆恨みをしているのはこの男だけではない事だ。情報屋が把握しているだけでも、カタリナの乱以降に暗黒街に流れ込んできた連中の八割は王家と神殿、アズマ工房を恨んでいる。今まで何事も無かったのは、連中がほぼ全てを失って再起できる状況になかったからと、アズマ工房の関係者にはひそかに国の護衛が付いているからの二つの事情に尽きる。

 そのうちの一つ、再起できる状況にないという事情が他所者の手引きによって解消されつつある今、もう一つの事情がブレーキにならなくなるのも時間の問題であろう。ならば、他所者に好き勝手させないためにも、アズマ工房の子供を囮にしてでも、この鬱陶しい馬鹿者どもを今度こそきっちり処刑してもらわなければいけない。

「ってな感じですが、どうしますかい?」

「そうだな。知られざる大陸からの客人一同に自覚がないのはある程度仕方がないにせよ、それ以外の連中が自分の立ち位置を理解していない事については問題がありすぎる。いい機会だから、自分達が本来狙われる立場だとそろそろ自覚してもらおう」

 男が完全に立ち去ったところで途中から気配を消して一部始終を聞いていた人物に声をかけ、方針を確認する情報屋。神殿から直接持ち込まれた情報が正しければ、アズマ工房の最年少が頭の上に乗せている生き物はどんなに間抜けに見えても神獣である。神獣自体はもちろんのこと、最年少にも何かあってはまずい。

 だが、神獣などという生き物が、狙われない訳がない。そうでなくても本来狙われる側のアズマ工房、その中でも最も手を出しやすい最年少の幼女に、さらに付加価値が付いているのだ。邪神勢力に好事家、犯罪組織と、国に睨まれ神殿に喧嘩を売る事を理解したうえで手を出そうとする連中など枚挙にいとまがない。

 この状況で、狙われる側が自分が狙われる自覚がないなど、守るのが大変だとかそういう次元の話ではない。是非とも護衛が対処できる程度の危険に遭遇した上で、無事にそこを切りぬけて自分達が狙われていると自覚してほしいものである。

「万一の事があってはいかんから、こちらもしばらくは増員して護衛にあたる。そちらも、出来るだけ協力するように」

「分かってますって。どうやら久々に、ボスに全力を出してもらうことになりそうですな」

 表だって動けない連中が結託し、馬鹿の掃除の段取りを始める。彼らが神獣とはどう言う生き物なのかを知るのは、もう少し先の話である。







「……ものの見事に、釣り上げられてんなあ……」

「あたし達がこそこそついてくる理由、あったのかしら……?」

 ひよひよが孵化してから一週間後。元気よく採取に出かけたファム達を隠れて見守っていた達也と真琴が、敵対勢力のあまりの頭の悪さに呆れかえっていた。複数の筋から警告され、念のために彼らと連携をとって影からの護衛に回ったのだが、正直そこまでする必要はなさそうである。

 そもそも、素人の自分達に発見され、しかもつけられている事に気が付いていない時点で終わっている。これが役割分担がシーフ系の澪や、無駄に探知能力と隠密能力が高い宏相手であれば、気が付かないのは仕方がない。だが、尾行に役に立つスキルなどほとんど身につけていない達也と真琴に気が付かないとか、何かをたくらむ前から失敗が確定しているとしか言いようがない。

「俺達だけじゃなく、警告のためにわざと気配駄々漏れで追跡してる連中にも気が付いてないんだから、本気で色々終わってるよなあ」

「まあ、だから逆に安心してられる面はあるんだけどさ」

 ひそひそと話をしながら、フリーパスで東門を出ていく達也と真琴。ウルスの門で彼らを止める門番はいない。基本街の中に引きこもり気味の学生組はもちろんのこと、比較的良く出入りする達也と真琴も全く自覚していないが、ウルスの治安関係や国家関係の人間には彼らの顔は知れ渡っているのだ。

「しかし、ファムやライムに手を出して、どうするつもりなのかねえ?」

「見せしめとか、そういう方向なんじゃない? それか、人質にして無理やり言う事を聞かせるか」

「そりゃまた、頭悪い話だよな……」

 真琴が提示した馬鹿が考えそうなことの内容に、本気で頭を抱えたくなる達也。そこらへんの対策をまったくせずに子供を門の外に出すほど、アズマ工房は能天気ではない。モンスターや盗賊に対する対策をちゃんと実行しておけば、そのあたりの行動に対しても自然と対策が成立するのだ。

 工房職員が外に採取に行く時は、防具としてスパイダーシルク製の服を着ていく。これは、一般的な冒険者が使うエンチャントもかかっていない普通の片手剣ぐらいなら、着用者に一切ダメージを通さずはじくだけの防御性能を誇る。これを身につけている時点で、大半の冒険者はファムやライムですら害する事は出来なくなる。しかも、その上に安物とはいえ革製のガチガチにエンチャントをかけたジャケットを羽織っているのだ。見せしめに何かすることなど、まず不可能である。

 人質にしても、職員達は魔道具作りの練習で防犯ブザーとGPSの機能を兼ね備えたものを持たされている。さらわれた時点でそいつを起動すれば、何処に隔離されているかがすぐに分かる。救援信号が出た時点で宏達がいれば宏達が、いてもいなくても国の特殊部隊と冒険者協会が動くため、人質にした時点で終わりである。

 まあ、それ以前の問題として、常日頃の生産訓練や採取作業に加え毎日比較的レベルの高いモンスター食材を食べている工房職員達は、並の冒険者より身体能力が高くて戦闘能力もあるので、捕まえるのも殺すのも下手なモンスターを相手にするより難しいのだが。

「とりあえず、決定的瞬間って奴を目撃するまで、大人しく隠れてようかね」

「そうね。あの様子じゃ、あたし達の出番もなさそうだしね」

 ファムとライムを尾行している連中の身のこなしから、そう結論付けて気楽に後をつける達也と真琴。いくら頭が悪い連中でも、流石に門が見えている間は手を出すつもりはないらしく、大人しくこそこそ子供達を追いかけている。

 そろそろ東門が視界から消え、グループごとに採取活動に入ろうかというころ合いに、とうとう我慢しきれなくなった愚か者が行動を開始する。

「きゅっ?」

 物陰から飛びかかろうとした愚か者がひよひよに発見され、だからどうしたと言わんばかりに拉致を強行しようとしたのだ。この時点で既に間抜けなのに、捕まえようとしたライムがしげみをかき分けるためにしゃがみこんだため、勢いよくとび出した身体が空振りし、顔面からしげみに突っ込んで行った揚句に巻き込まれそうになったひよひよに踏み台にされたのだ。

 結果、全身でしげみの中に突撃した愚か者は、ひよひよに踏まれた瞬間に白い炎で燃え上がる羽目になった。

「きゅっ!?」

「わっ、燃えてる!?」

 踏まれた愚か者以外、何一つ燃やさない炎。その炎の存在に、原因となったはずのひよひよが驚いて、そのつぶらな瞳を更に丸くしている。

「ひよひよ、なにかした?」

「きゅっ、きゅっ!」

「えっ? 突っ込んできたのをよけそこなってふんだだけ、って?」

「きゅっ!」

 何故か言葉が通じるライムに対し、ひよひよが必死に今起こった事を説明する。状況から察するに間違いなくひよひよが原因なのだが、当事者にも心当たりが無いようだ。

「どうしよっか?」

「きゅっ」

「そうだね。みなかったことにして、材料あつめがんばろう」

「きゅっ!」

 子供に飛びかかろうとするような変態に、深く関わりたくは無いらしい。無かったことにして採取作業を続けるライムとひよひよ。隣でまだ燃えたままの愚か者を、きっちり完全無視する。このあたりの妙な図太さは、やはりアズマ工房で鍛えられた成果なのだろう。

「あっ、レッチェ発見」

「きゅっ」

 平常運転に戻ったライムが、七級から六級にかけての各種アイテムに使える特殊素材をせっせと回収する。その間に、ようやく素に戻った他の愚か者たちがライムやひよひよに手を出そうとするも、全員ひよひよに触れた瞬間に炎上して気絶する。

「今日もたいりょう」

「今日は、違う意味でも大猟っぽいんだけど?」

「あ、おねーちゃん」

「こんなに変質者が多いんじゃ、殿下とかエル様にお願いして取り締まり強化してもらわないと駄目かも?」

 いつものように十日分はあろうかという素材調達を済ませたライムに、いろんな意味で呆れたような口調で声をかけるファム。最初に燃やされた変質者は、やけど一つないのにきっちりと髪の毛がアフロヘアになっている。

「で、さ。こいつらどうすんの?」

「みなかったことにする!」

「了解。あたしも何も見てない」

 変質者に関するライムの一貫した対応に納得し、自身もそれにならうことにするファム。見なかった事にする以上、完全放置だ。

「ちびたちも、実に図太く育ってるようだなあ……」

「まあ、頼もしくていいんじゃない?」

 見なかったことにして放置された馬鹿者を回収しつつ、いいとも悪いとも言い難い成長を見せているファムとライムについて語り合う達也と真琴。

「なんにしても、ルーフェウスの大図書館で調べるべき事が、また一つ増えたな」

「今回は、あんまり寄り道とかする余裕はないかもね」

 こうして、後にアズマ工房のマークにも使われることになる種族名不明の神獣・ひよひよが、工房の一員として一緒に生活することになるのであった。
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