第6チェックポイント・モハーベ砂漠
カリフォルニア州とアリゾナ州の州境近くにある砂漠、モハーベ砂漠。
ここにロサンゼルスの激戦を勝ち抜いた11名が集まっていた。
空は雲ひとつない青空で、気温の方も優に30度は超えているだろう。
「さて、ここで行ないますクイズですが…、アレを見ろ!」
caviarさんが空を指差す。
その方向を眺める11人。
おおっ、と歓声が上がる。
爆音が聞こえてきて1台のヘリコプターが飛んできたのだ。
「そう、ここで行なうのはバラマキクイズだ。今からあのヘリコプターから問題をばら撒く! 皆さんはあそこまで走って行って問題を拾ってここまで戻ってきて、問題に答えます。2ポイント先取で勝ち抜け! 但し、問題の中にハズレが20%あるのでハズレを引いた場合はもう一度取りに行ってくること! 落っこちるのは1名。ここを抜けると次はグランドキャニオンに行きます!」
拍手と歓声が聞こえる。
「さあ、それでは一列に並んで」
そして11人が横一列に並んだ。
それを待っていたかのように色とりどりの封筒がヘリコプターからばら撒かれた。
「用意、スタート!」
その声を合図に11人が一斉に駆け出した。
やがて封筒を持って一番初めに戻ってきたのは服部だった。
「お、服部君。早いね」
そして服部が封筒をcaviarさんに渡す。
「いきなりハズレだったらどうする?」
「それは勘弁して欲しいわ」
そしてcaviarさんが封筒を開く。
「…よかった。問題が入ってたよ。それでは行こう、問題。『朕は国家なり』と言ったのはルイ何世?」
「14世」
「正解!」
それを聞いた服部は問題を取りに駆け出していった。
「次は稼頭矢さんですね」
そう言われて稼頭矢さんが封筒を渡す。
「それでは行こう、問題。ピタゴラスの定理に関係があるのは丸・三角・四角のうちどれ?」
「三角!」
「正解!」
そして稼頭矢さんが走り出した。
「次は白馬君です」
そして白馬が封筒を渡す。
「問題が入ってるといいんですが…。この文字を何と読む!」
そしてcaviarさんは「ハズレ」と書かれた紙を白馬に見せる。
それを見た白馬は走り出していく。
「次はジェーンさんです」
そしてジェーンさんが封筒を差し出す。
「ハズレじゃないといいんですけど」
「そうだね、白馬君が今拾ったからね。…大丈夫、問題があったよ」
それを聞いたジェーンさんが安堵の表情を浮かべる。
「問題。19歳・33歳・42歳。このうち男性の厄年は?」
「42歳」
「正解!」
「とーやさん、いらっしゃい」
とーやさんが戻って来た。
「それでは行こう、問題。ピアノ曲『ムーンライト(月光)』を作曲したのはベートーベン。では『ムーンライト・セレナーデ』を作曲したのは?」
「え…、誰だろう?」
5秒後、
「正解はグレン・ミラー。さあ言って来い!」
そしてとーやさんは再び駆け出した。
「…やっと来たね、工藤君」
新一が問題を持って戻ってきた。
「あんまり急いでも仕方ないでしょう」
「まあ確かにそうだね。では行こう、…問題。『智に働けば角が立つ、情に棹差せば流される』と書かれている夏目漱石の小説の題名は?」
「草枕」
「正解!」
*
そして11人全員がとりあえず一巡した。正解は6人、不正解が3人、白馬とさばらさんがハズレを引き、もう一度取りに行った。
服部が戻ってきた。
「さあ、服部君。リーチが掛かってるよ。これで勝ち抜けを決めるかな?」
そしてcaviarさんが封筒を開ける。
「…問題。江戸川乱歩の小説『怪人二十面相』に出てくる『少年探偵団』のリーダーの名前は?」
「小林芳雄!」
「正解! 1抜け〜!」
「よっしゃあ!」
そして服部が勝者席に行った。
*
「白馬君、いらっしゃい」
そして白馬が封筒を差し出す。
「いや、さっきはハズレでしたからね。今度は問題が出ると言いのですが」
「そうだといいね」
そしてcaviarさんが封筒を開く。
「残念でした。またハズレ!」
思わず自分の目を疑う白馬。2回連続で「ハズレ」を引いてしまったのだ。
*
「稼頭矢さん、いらっしゃい」
稼頭矢さんが封筒を差し出す。
「どうだい?」
「いや〜、砂漠を走るのって思ったより大変ですね」
「そうか。じゃ、もう一回走ってもらおうか?」
caviarさんが差し出した紙には「ハズレ」と書かれてあった。
「頑張って!」
稼頭矢さんの次に並んでいた蘭が声をかける。
「じゃ、蘭さん、行こうか」
蘭が封筒を差し出す。
「蘭さんもリーチが掛かってますからね。…問題。『ヘリコプター』『コザック』などの技があるスキー競技は何?」
「モーグル!」
「正解! 勝ち抜け〜!」
そして蘭が勝利者席に向かう。
*
ジェーンさんが肩で息をしている。
「…ジェーンさん、大丈夫かい?」
「いえ…、大丈夫です」
「そうかい。では行こう…、問題。ドライアイスとはどんなガスを固体にしたもの?」
「二酸化炭素」
「正解、勝ち抜け〜!」
それを聞いたジェーンさんは大きくため息をついた。
そして勝者席へと向かった。
*
「問題。ことわざで嘘から出るのはまこと。ではひょうたんから出るのは?」
「駒」
「正解、勝ち抜け〜!」
「問題。F1日本グランプリが開催される鈴鹿サーキットは何県にある?」
「三重県」
「正解。勝ち抜け〜!」
…と、この調子で次々と勝者が決まり、佐山理人さん、さばらさん、そして白馬探の3人が残った。
現在のポイントは3人とも1ポイント。後1ポイント取れば勝ち抜けとなる状態だった。
残った3人で一番最初に戻ってきたのは佐山理人さんだった。
「大丈夫かい?」
「まだ大丈夫ですよ」
「そうかい。それじゃ行こうか」
caviarさんが封筒を開く。
「問題」
それを聞いて思わずホッとする佐山さん。
「WWF・世界野生動物基金のシンボルマークとなっている中国の動物は?」
「パンダ」
「正解。勝ち抜け〜!」
それを聞いた佐山さんは大きくため息をつくと勝利者席に向かっていく。
そして、さばらさんがやって来た。
「さあ、残る席は後一つだ。決めたいね〜」
「はい」
「それでは行こう」
そして封筒を開く。
「問題。映画『ビルマの竪琴』で日本兵とイギリス兵が一緒に歌う『埴生の宿』の英語名は?」
「え?」
思わず言葉に詰まるさばらさん。あっという間に5秒が過ぎ、
「正解は『ホーム・スイート・ホーム』。さあ行け!」
それを聞いたさばらさんが問題を取りに行く。
「さあ、白馬君。チャンスだ!」
そして白馬が封筒を差し出す。
「果たしてこれで決まるかな…?」
caviarさんが封筒を開く。
「君はよほど『ハズレ』に好かれてるようだね!」
またまた「ハズレ」を引いた白馬は天を仰いで駆け出していった。
「さあ、これで決まるかな?」
さばらさんが戻ってきて、封筒を差し出す。
「よかった、問題があったよ。さあ問題。『ドレミの唄』で『シ』は何の『シ』?」
「しあわせの『シ』」
「正解。勝ち抜け〜!」
それを聞いたさばらさんがガッツポーズをする。
一方、それを聞いた白馬は全身の力が抜けたか、座り込んでしまった。
「皆さん、この暑い中お疲れ様でした。さあ、それではグランドキャニオンに向かってバンザイ!」
グランドキャニオン行き10名決定!
*
「…お疲れ様」
caviarさんが白馬に近付いた。
「どうだった?」
「まさか、こんなところで落ちるとは思わなかったですよ」
「何だか君はハズレばっかり拾ってたからねえ…」
「…20%しかないはずなのに…」
「確率ってのはそんなもんだよ。じゃあ、罰ゲームやろうか」
〈罰ゲーム〉
「白馬君、ちょっとスーツケースの中身を見せて」
そう言うとcaviarさんは白馬のスーツケースを開けた。
「ほお、いろいろあるんだねえ…」
するとcaviarさんはスーツケースからトレーナーやらジャケットやらを取り出した。
「白馬君、これを着て」
「え?」
「君への罰ゲームは着られるだけ服を着て、空港まで歩いて帰ることだ」
*
そして数分後、着られるだけの服を着てみているだけで暑苦しい格好になった白馬がバスの中から出て来た。
「それじゃ、気をつけて帰るんだよ」
そして白馬は歩き出した。
「…なんでボクがこんな目にあわなきゃいけないんだ…」
そう呟きながら汗まみれになって白馬探はモハーベ砂漠から帰っていった。
9月◇日 第6チェックポイント失格 白馬探 帰国
(第7チェックポイント・グランドキャニオンへ続く)
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