第11チェックポイント・マイアミ
アトランタからマイアミへ移動した頃、月が替わり10月となっていた。
しかし、である。1年中温暖な気候であるフロリダ州は10月でも半袖で過ごせるほどの環境でこの日も5人の挑戦者は半袖のTシャツ姿で会場となっているフロリダ州・マイアミのビーチに立っていた。
「皆さん、ビーチフラッグス、って知ってますか?」
caviarさんがいきなり5人に話しかけた。
「え? ええ」
5人が頷く。
「そうですね。砂浜でフラッグを取り合うスポーツですが、それをここでやってみようかと思うんです」
思わず「は?」という表情をする5人。今現在残っているのが男性ばかりだから、こんな体力勝負のクイズにしたのだろうか?
「…ここで行ないますクイズは名付けて『クイズ・ビーチフラッグス』。まず挑戦者の皆さんはスタートラインにビーチフラッグスの要領で早押し機に後ろ向きになり、うつ伏せになって両手をあごの下において寝転んでもらいます。私が問題を出しますので、合図と共に起き上がって20メートル先に置いてある早押し機に向かってダッシュをしてください。そして1番最初に早押しボタンを押した人に解答権が与えられます。正解すれば1ポイント。お手つき・誤答は1回休みとなり、次の問題には参加できません。3ポイントで勝ち抜けとなります。ここを通過できるのは4名。次はいよいよ準決勝、ワシントンへと行きます!」
その声におおっ、と5人が歓声を挙げた。
「それでは準備して」
それを聞き、5人が砂浜の上に敷かれたマットの上にうつ伏せになって寝転んだ。
「それでは行こう、問題。ディズニーランドがあるのはカリフォルニア州のアナハイム。では、ディズニーワールドがあるフロリダ州の都市は?」
そしてcaviarさんがホイッスルを吹くと同時に5人が起きだし、20メートル先の早押し機に向かってダッシュした。
とは言え砂の上は足場が悪く、足を取られるようで思ったように走れないようだ。
そんな中、文字通りタッチの差で早押し機を最初に押したのはとーやさんだった。
「とーやさん」
「オーランド」
「正解! とーやさん1ポイント。さあ、戻って」
そして5人がスタート地点に戻った。
「問題。ここ、フロリダ州にあるスペースシャトルの発射基地があることで知られているケネディ宇宙センター。かつての名称は何?」
そして再び5人がダッシュした。
今度は早押し機を押したのは新一だった。
「工藤君」
「ケープ・カナベラル」
「正解! 工藤君1ポイント!」
そして5人がスタート地点に戻る。
「問題。中国料理の四川、北京、上海、広東のうち一番辛いのは?」
5人がダッシュし、早押し機を押したのは稼頭矢さんだった。
「稼頭矢さん」
「広東」
ブザーが鳴った。
「残念。正解は四川料理。次の問題稼頭矢さんは1回休みです」
5人がスタート地点に戻る。
そして稼頭矢さんはスタート地点の後ろにあるペナルティエリアに立ち、残り4人がスタート地点に寝転んだ。
「問題。アルファベット小文字の筆記体。一筆書きをしないものはi、j、tともう一つは何?」
そして4人がダッシュし、服部が早押し機を押した。
「服部君」
「x」
「正解! 服部君1ポイント!」
そして4人がスタート地点に戻り、今度は稼頭矢さんも加わって再び5人でクイズが始まった。
「問題。全米最大のプロレス団体、WWEではレスラーのことを何と呼んでいる?」
そして5人が走り出す。
服部と新一が早押しボタンに手がかかり、一瞬だったが新一が早く押していた。
「工藤君」
「スーパースター」
「正解! 工藤君、リーチが掛かった!」
そして5人がスタート地点に戻る。
「問題。2004年に亡くなったいかりや長介さんが書いた自伝のタイトルは?」
5人がダッシュし、今度は服部が早押しボタンを押した。
「服部君」
「『だめだこりゃ』」
「正解! 服部君もリーチが掛かった!」
そしてスタート地点に引き返す5人。
「問題。グリム、アンデルセン、メーテルリンク。この中でノーベル文学賞を受賞したことがあるのは?」
再び服部が早押しボタンを押した。
「服部君」
「アンデルセン」
無情にもブザーが鳴った。
「残念、正解はメーテルリンク。服部君1回休みです」
そして服部がペナルティエリアに立ち、残り4人がスタート地点に寝転がった。
「問題。童謡『大きな古時計』。原詩では動いていたのは何年?」
それを聴いた瞬間、服部が正解を知っていたからだろうか、苦笑いを浮かべた。
そして4人はダッシュし、新一が早押しボタンを押した。
「工藤君」
「90年」
「正解! 1抜け〜!」
「よーし!」
そして新一が勝利者席に行った。
「まずは工藤君が1抜けを決めました。残る席は3つ。さあ、服部君が加わって4人で続けます」
そして4人となった挑戦者はスタート地点に寝転がった。
「問題、世界で初めて飛行機で空を飛んだライト兄弟。飛行機に最初に乗ったのは兄、弟のどっち?」
そして4人がダッシュし、一瞬の差でとーやさんが早押しボタンを押した。
「とーやさん」
「弟」
「正解! とーやさんもリーチが掛かった! それでは行こう、問題。パンダの尻尾は白、黒どっち?」
そして4人がダッシュした。
服部ととーやさんがボタンを争ったが、今度もとーやさんが先に押した。
「とーやさん」
「白」
「正解、抜けた〜!」
そしてとーやさんが2人目の勝者となった。
そして3人になって再びクイズが始まった。
数問クイズが進んだ後、
「問題。最近流行の『トリビア』について、かつて『人間は無用な知識が増えることで快感を感じることが出来る唯一の動物である』と言ったSF作家は?」
そして服部が早押しボタンを押した。
「服部君」
「アイザック・アシモフ」
「正解、抜けた〜!」
そして服部が3人目の勝者となった。
*
そして残るはさばらさんと稼頭矢さんの二人となった。
ここまで来ると2人の顔にも疲労の色が見えてきた。
体力を使うクイズ、ということで時々休憩は取っているのだが、やはり砂浜の上を走る、と言うのは想像以上に体力を使うのだろうか。
「さあ、残る席はあと1つとなりました。稼頭矢さん、大丈夫ですか?」
その問に答えるかのように稼頭矢さんが右手を挙げた。
「さばらさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「わかりました。現在のポイントは二人とも1ポイントです。それでは準備して」
そして二人がスタート地点に寝転んだ。
「問題。英語で『milkyway』と言ったら何のこと?」
そして二人がダッシュする。
一瞬の差で稼頭矢さんが早押しボタンを押した。
「稼頭矢さん」
「天の川」
「正解。稼頭矢さんにリーチが掛かった!」
そして二人はスタート地点に戻った。
「問題。拾ったお金を警察に届けて落とし主が現れた時、支払われるお礼は、法律で最低何パーセント?」
今度はさばらさんが早押しボタンを押した。
「さばらさん!」
「10パーセント」
しかし不正解を告げるブザーが鳴った。
「残念。正解は5パーセント。次の問題さばらさんは1回休み。稼頭矢さんだけに出されます」
そしてさばらさんがペナルティエリアに立ち、稼頭矢さんがスタート地点に寝転んだ。
「問題。アメリカの野球で『インサイド・ザ・パーク・ホームラン』と言ったら何?」
それを聞いた瞬間、さばらさんが「しまった…」という表情をした。
稼頭矢さんは一人だけだが全力で走り、早押しボタンを押した。
「稼頭矢さん」
「ランニングホームラン」
「正解。抜けた〜!」
「やったー!」
稼頭矢さんが地面をたたいて喜ぶ。
そして勝利者席に向かう稼頭矢さんを3人が出迎えた。
「さあ、4人の勝者が決定いたしました。次はいよいよ準決勝。それではワシントンに向かってバンザイ!」
そして服部、とーやさん、新一、稼頭矢さんの4人がバンザイをした。
ワシントンDC行き4名決定!
*
「さばらさん、お疲れ様でした」
c aviarさんがさばらさんに話しかける。
「いやあ…。いろんな意味で残念ですね」
さばらさんが言う。
「どうしてですか?」
「最後の問題がああいった形で答えられなくて、敗者になってしまった、って言うのが何とも心残りですね」
「まあ、確かに残念でしょうね。でも勝負というのはああいった形で終わってしまうこともあるんですよ」
「まあ、それは仕方ないんですけどね」
「今回の旅はどうでした?」
「月並みな言い方かもしれないですけど、いろんな所を行くことが出来てとても楽しい旅でしたよ」
「そうですか。これからも頑張ってくださいね」
「はい」
〈罰ゲーム〉
「さばらさん、一寸このビーチを見回してください」
そしてcaviarさんとさばらさんはビーチを見渡す。
「綺麗ですねえ…。やはりこういう観光地と言うのは環境美化にも気を使ってるんでしょうね」
「そのようですね」
「でもね、さばらさんも海水浴場なんかで経験があると思いますけど、こういうビーチと言うのは結構落し物があるらしいですね」
「え? まさか…」
「勘がいいですね。そう、さばらさんへの罰ゲームは金属探知機を使ってそういった落し物を拾って貰いましょう」
それを聞いたさばらさんが苦笑した。
やがて金属探知機を手にしたさばらさんがやって来た。
「じゃ、お願いしますね。見つかったものはあそこに遺失物の届出センターがありますのであそこに提出してくださいね」
そしてさばらさんは金属探知機で落し物を探し始めた。
後で聞いた話によるといくつか落し物が見つかった…らしい。
10月%日 第11チェックポイント失格 さばら 帰国
(準決勝・ワシントンDCへ続く)
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