第7チェックポイント・グランドキャニオン
何千万年と言う時間をかけて大地が侵食をして作り上げた大自然の芸術、とでも言うべきところ・グランドキャニオン。
今、ここに10人の挑戦者がやってきた。
「さて、ここで行ないますクイズですが…、こういう景色を見ると大声を上げて日頃のストレスを発散したいでしょう?」
「え? もしかして…」
「そう、ここで行ないますクイズは大声クイズです!」
そして、グランドキャニオンの一角に並べられた早押しボタンがなく、挑戦者の右側に声の大きさを示すゲージがついた早押し台に10人が立った。
「…ところで服部君」
caviarさんが一番左端の早押し台にいる服部に話しかける。
「はい?」
「今一番帰って欲しい人物は誰ですか?」
「やっぱり工藤のヤツやな」
「よし、決まり。『工藤、帰れー!』」
笑い声が起こる。
「山崎さん」
「はい」
「確かCNRで一番最初にコナンキャラと作家さんのコラボレーション小説を書いたのはあなたでしたよね」
「はい」
「ということはあなたが元祖、というわけですね。…それじゃこれで行きましょう。『私が元祖!』」
「蘭さん」
「はい」
「そういえは、お父さんの小五郎さんはドームで落ちたんですよね?」
「はい」
「今頃心配してるんじゃないかな?」
「そんなことはないと思うんですけどね」
「それじゃこれで行こう。『お父さん、心配しないで!』」
思わず苦笑いを浮かべる蘭。
「とーやさん」
「はい」
「なんだか運だけで勝ち残っている、とみんなに言ってるそうですね」
「いや、ホントにここまで来れたのは運ですよ」
「でもそれも実力じゃないですか? ということで『運も実力のうち!』」
「佐山さん」
「はい」
「先日、CNRの作家さんに『挿絵を描かせて欲しい』と言ったそうですが」
「ええ。でも何人かから好感触があったのでよかったですよ」
「じゃあ、これで行きましょうか。『挿絵を描かせて!』」
「さばらさん」
「はい」
「さばらさんは『野球に関わる話』を連載していたこともあって相当野球にはお詳しいようですね」
「ええ、野球だったらプロ野球でもMLBでも高校野球でも何でもいいです」
「じゃあこうしましょう。『野球の問題を出せ!』」
「工藤君」
「はい」
「…あんなことを服部君が言ってましたが…」
「いや、服部のヤツには昨日、夜食代わりのハンバーガーおごってるんで、その分返してもらわないうちには帰るわけには行きませんよ」
「じゃあ、これで行きますか? 『服部、帰れー!』」
「あ、いいですね」
思わず「おいおい…」という顔を服部がする。
「ジェーンさん」
「はい」
「ジェーンさんはCNRでいろんなジャンルの小説を描く上、挿絵もご自分で書かれますよね」
「ええ。私は自分が書きたいジャンルの話が数多くあるので」
「そうですね、じゃ、こうしましょう。『何でも書きます!』」
「快斗君」
「はい?」
「この旅で気づいたんですけど、快斗君、全然魚料理食べないね」
「いやあ、魚が嫌いなもんで」
「よーし、『魚料理は嫌いだ!』」
「え…」
思わず絶句する快斗。
「稼頭矢さん」
「はい」
「この稼頭矢、という名前ですけど…。結構間違える方がおられるようですね」
「ええ。でも松井稼頭央選手のおかげで間違える人は少なくなってますし、面倒だったらひらがなでもいい、と言ってますし」
「でもやっぱり間違えられると困るでしょうね。と言うことで『名前間違えないで!』」
「ははは…」
…と、この調子で10人の叫ぶフレーズが決まった。
「それではクイズを始めます。クイズの答がわかったら、早押しボタンを押す代わりにマイクに向かって大声で叫んでください。3ポイント先取、お手つき・誤答は1回休み。ここを通過できるのは8名。ここを抜けますと次はダラスへと行きます。それでは行きましょう」
それを聞いた10人がマイクの前にスタンバイする。
「問題。ここ、グランドキャニオン上流のレイクパウエルでロケが行なわれた、衝撃のラストが話題となったSF映画は?」
次の瞬間、
「工藤、帰れー!」
「運も実力のうち!」
「野球の問題を出せ!」
「服部、帰れー!」
「魚料理は嫌いだ!」
等といった大声が響いた。
その迫力に女性陣は圧倒されてるようだ。
そんな中、回答権を得たのは意外、といっては失礼だがさばらさんだった。
「はい、さばらさん」
「猿の惑星」
「正解!」
*
「問題。味の素スタジアム、Yahoo! BBスタジアムといった球場などの命名権を企業に売却することを英語でなんと言う?」
「お父さん、心配しないで!」
蘭が叫び、早押しハットが上がる。
「蘭さん!」
「ネーミングライツ」
のどが枯れたか、蘭の声は少々がらがら声だった。
「正解!」
それを聞いた蘭が「ふうっ…」とため息をついた。
「…蘭さん、大丈夫ですか?」
「いえ、大丈夫です」
「そうかい。でも声が枯れてるよ」
*
「問題。寝台券・特急券・普通乗車券。このうち、JRの子供運賃が半額にならないのは?」
「名前間違えないで!」
「はい、稼頭矢さん!」
「寝台券」
「正解。1抜け〜!」
「よーし!」
そして稼頭矢さんは勝利者席に向かう。
「いや〜、CNRの作家さんで初めての1抜けですね。それでは行こう、問題。『フック』『ウェンディ』『ティンカーベル』といったら、何の話の登場人物?」
「運も実力のうち!」
「はい、とーやさん」
「ピーターパン」
「正解、勝ち抜け〜!」
それを聞いたとーやさんがガッツポーズをする。
「さあ、2番目の勝ち抜けもCNRの作家さんだ。皆さん、頑張って! さあ、それでは問題。熱狂のあまり、騒動を引き起こす過激なサッカーファンのことをなんと言う?」
「服部、帰れー!」
「工藤君!」
「フーリガン」
「正解! さあ、これで服部君と工藤君にリーチが掛かりました。問題。『四六時中』と言ったら何時間のこと?」
「工藤、帰れー!」
「服部君!」
「24時間」
「正解、抜けたー!」
その瞬間新一が複雑な表情をした。これで2回連続で服部に先を越されたのだから。
「さあ行こう、問題。南洋に浮かぶ架空の島・インファント島の守護神である蛾の怪獣といえば?」
「服部、帰れー!」
既に通過した人間に対し「帰れ」というのも何だか変だが、決まりだから仕方ない。
「工藤君」
「モスラ」
「正解、抜けたー!」
ようやく勝ち抜けた新一は一つため息をつくと勝者席に向かった。
*
「問題。日本で一番距離が長い国道は何号線?」
「魚料理は嫌いだ!」
「快斗君」
「4号線」
「正解。勝ち抜け!」
「問題。童謡『七つの子』でカラスは何と鳴く?」
「お父さん、心配しないで!」
「蘭さん」
「かわいかわい」
「正解、抜けたー!」
「問題。東京の名所で『日本電波塔』と言ったら何?」
「野球の問題を出せ!」
「さばらさん」
「東京タワー」
「正解。勝ち抜け!」
と7人が抜け、残ったのは山崎佳実さん、ジェーンさん、佐山理人さんの3人となった。
ポイントは佐山さんが2ポイント、残り2人が1ポイントだった。
「さあ、いよいよ残った席は一つです。行くぞ、問題。古代エジプトで守護神として最も多くに人に崇拝されていた動物といえば?」
「挿絵を描かせて!」
「佐山さん!」
「鷲」
「残念、答えはネコです。佐山さんは次の問題、1回休みです。では問題。放送衛星の略称はBS。では通信衛星の略称は?」
「私が元祖!」
「はい、山崎さん」
「CS」
「正解。さあ、山崎さんもリーチが掛かった。では以降、問題。古希と言ったら70歳。では、白寿と言ったら何歳?」
「挿絵を描かせて!」
「私が元祖!」
「何でも書きます!」
3人がほぼ同時に叫んだが、早押しハットが上がったのは山崎さんだった。
「山崎さん」
「99歳」
「正解、抜けたー!」
そして山崎さんは勝者席に向かった。
「いやあ、皆さん本当に大声出して疲れたでしょう。でも、あと一回だけ大声を出してくださいね」
それを聞いた8人から失笑が起こる。
「さあ、それではダラスに向かってバンザイ!」
ダラス行き8名決定!
*
「…どうでした、佐山さん」
「本当に、ここまで来ることができるなんて思いませんでした」
「…ジェーンさんは?」
「正直、成田で落ちた時はもう駄目かと思ったんですけど、敗者復活してここまで来ることができたのですから満足です」
「…そうかい、一寸後ろを見て下さい」
そう言われて後ろを見る二人。
二人の目の前には何処までも続く大峡谷が広がっていた。
「…おそらく今日、あなた達二人がここで見た光景は一生の思い出に残るでしょうね」
そして、二人が大きなことをなし終えたかのような笑顔を浮かべた。
〈罰ゲーム〉
二人が連れて行かれたのは何やら広場のようなところだった。
「…ここで何をやるんですか?」
ジェーンさんが聞く。
「実はですね、今日これから先住民族のショーがあるらしいんですけどね」
「…それを見るんですか?」
佐山理人さんが聞く。
「見るだけじゃ罰ゲームにならないでしょ? お二人にそのショーに出演していただきます」
「え?」
思わず絶句する二人。
そして二人は担当者から徹底的に指導をされて、ショーのダンスの振り付けを叩き込まれた。
ショーが始まり、二人の出番となった。
先住民族の衣装を来た二人がステージに出てきた。
何とか自分の出番を終わらせた二人に拍手が送られる。
そして二人は退場した。
その背中には「東京直行」と書かれていた。
9月@日 第7チェックポイント失格 ジェーン、佐山理人 帰国
(第8チェックポイント・ダラスへ続く)
|