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  Alcemy of Blood 作者:QUATTRO
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第8章
その日の夕食は俺が倒したギガンテリウムのステーキとククルの実、そしてボイルされた野菜だった。案の定肉だけでは不安だった俺は野菜やらククルの実をがっついていたのは言うまでもない。


食事を済ませ、風呂に入り、布団の中につく頃部屋をノックする音がした。


「どうぞー開いてますよー。」

「失礼します。」


入って来たのはセェレだった。「今日は危ない所を救っていただきありがとうございました。ミコト・・さんを守る立場にありながら・・・」

「気にしなくていいよ?俺がやりたいからやった事だし。それに助け合うから仲間なんじゃないかな?」


そういって笑いかける。


「ミコトさんはこれからどうするおつもりですか?」


「んー、特に決めていなかったけど、世界を見て回ろうかな、と。」


「私も連れていって下さい!!」


・・・結構熱烈なオファーが来た。


「今日、ミコトさんの力をかいま見て、足手まといになるのは分かります。でも、私は何らかの形でミコトさんの役に立ちたいんです!」

「セェレ?家伝の事なら」

「家伝は関係ありません。私が、私自身の気持ちでミコトさんに着いて行きたいんです。」


・・・何と熱烈なオファーだろうか。これは簡単に切り崩すのは難しいぞ。


「で、でもセェレはこの村での仕事もあるし、ヘライアさん1人を残して」

「その事なら心配いりませんよ。」


ドアの所にはヘライアさんが壁にもたれ掛かっていた。


「セェレも修業の一つとして世界を回る途中じゃった。ちょっと前にこの村に帰って来たばっかりでな、遅かれ早かれまた旅に出る予定じゃった。ミコト君、どうじゃろか?邪魔じゃなければセェレを同行させてやってくれんかね?」


ん〜、堀は完全に埋まったって感じかな。何を言ってもセェレの勢いだと着いて来そうだし、それなら一緒にいた方がお互いの安全も守れる。それに俺にはまだこの世界のガイドが必要だ。


「そこまで言うなら、セェレ、一緒に旅をしよう!」

「はいっ!」


うん、やっぱセェレは笑顔のが可愛いや。

これからの事を軽く話し合った後、俺等は自室にて床に着いた。





それから数日、俺は狩りに参加したり銃や刀の練習をしたりと村での精一杯の生活をした。最初はどこかよそよそしかった村人達も狩りでの俺の活躍や日常の振る舞いを見ると段々と打ち解けてくれた。

銃や刀を腰に下げる腰帯を作ってくれたおばあさんは毎日乾燥させた肉片をくれる。飴玉みたいな物だろうか?

一緒に狩りに出掛ける連中とは焚火を囲んで夜中の警護にあたるようになった。

そういった中で俺はこの世界のちょっとした事を学んでいった。






「よしっ!」

腰帯を巻き、着替えを詰めた鞄と食糧を詰めた鞄を持つ。

今日は出発の日である。

部屋での準備を終え居間に行くと先に準備を済ませていたセェレとヘライアさんがいた。

「ミコト、セェレ、いよいよ出発だが、無事な旅を祈っているよ。あまり迷惑をかけないようにな。」

「どっちかっつーと俺の方がかけると思います。」

「はっはっは。まぁ信頼し合える仲間ならそれもよかろうて。」

「ですね。」


俺は飲みかけだったお茶を1口飲んだ。


「では、行ってきます。」

「爺様、行ってまいります。」

「気をつけてな!」


別れの挨拶を済ませると、俺達は一路東へ、シヴ王国の王都、ヘルカイトへと向かった。









歩き始めて数時間、太陽が真上に上がる頃、俺達は草村に腰掛け昼食をとっていた。

「今日はこの先の村、ルードーが目的地なんだっけ?」

「ええ、歩いてあと数時間ってところです。」

「宿探しと夕食、それと俺のスピナー登録、だっけ?」

「はい、合っています。」


狩り人は村や部族単位での物でしかなく、狩りを糧とし、得た命で次の命へと紡いでいく、世界中で承認された狩り人、紡ぎ人、それがスピナー。


「登録するのはいいけど、それに登録すると何かあるのか?」

「スピナーになると魔物の討伐を行い、その証明部位を持ち帰る事により報奨金を得られます。肉以外の食糧や武器、防具等の装備品にもお金はかかりますから。」


「成る程ねぇ。」

残っていた干し肉を平らげ立ち上がる。


「んじゃせめてスピナーになれるように頑張りますかっ!」

「あ、スピナーなら誰でもなれますよ?」

セェレも食べ終わり立ち上がると軽く伸びをする。そして歩きながら会話を続けた。


「先程言った通り、スピナーなら誰でもなる事は出来ます。ただ、スピナーにはGランクからAランク、そしてSランク、SSランクさらにSSSランクの10段階が存在します。ランクはこの腕にある模様で表されます。」


そう言ってセェレは腕を捲って見せた。そこにはトライバルの入れ墨みたいな模様が入っている。擦っても落ちないようだ。


「ランクが上がればそれだけ報酬の多い仕事にも付きやすいですがその分仕事の危険度もあがります。私は今Bランクです。ちなみに爺様はAランクですよ。」


「ただ者じゃないって思ってたけどかなりの強者だったか。」

「クスクス・・・村の狩りで倒した分の証明部位を持って来ました。これならミコトさんもDランクは確定ですよ?」

「へぇ〜」


何か楽そうなシステムなのかな?なんて考えていたら不意に悲鳴が聞こえた。


「た、助けてくれぇ〜!!」


セェレと顔を見合わせると刀を抜き、声のした方へ走り出した。!!!!


林の中から人が飛び出して来たので駆け寄ると、後ろから何十という木々が飛び出して来た。


木が人間を襲っている!?


「ミコトさん、奴らはウッドフォークといいます。木々の生命体で再生をしますので燃やし尽くすか再生出来ない程破壊し尽くすしかありません。」


「再生するとはめんどくさい相手だな!っと!」

右手に刀を握り左手に銃を握る。どちらも当たった相手を燃え尽くすイメージを与えておく。

ゴオォォ!ゴオォォ!ゴオォォ!ゴオォォ!ゴオォォ!ゴオォォ!

何匹か燃え広がりながらどんどん倒していくが数が減ったようには感じない。


「どんぐらい!いるんだ!よっ!」


喋りながら銃を撃ち刀を振り回し殲滅していく。


「ミコトさん、少ししゃがんでいて下さい!」


セェレに言われたまましゃがむ。


「少し本気を出します。」


セェレがそう言うとセェレの剣が鞭のようにくねりながら伸びた!


「はぁぁぁっ!はあっ!」


セェレが剣を一振りすると鞭のような動きでウッドフォークを2〜3匹纏めて倒して行く。


「ナイスだ!」


そう告げながらしゃがみ込んだ姿勢のまま銃を乱射する。みるみる内にウッドフォークはその数を減らしていった。



「こんなもんだろ。」


戦闘開始から十数分、襲い掛かってきたウッドフォークを全滅させる。


「ミコトさん、ウッドフォークの討伐証明部位は1枚だけ白い葉っぱです。」


そう言われて倒したウッドフォークから白い葉っぱを探し出す。死体が消し炭になっているやつもあったが、白い葉っぱだけはそのままで発見出来た。


「俺が18枚でセェレが21枚、約40匹も倒したのか。」

「ウッドフォークだと何十匹倒してもランクアップは難しいですが、小銭稼ぎにはなります。」


そんなもんか、と納得する。


「・・・っと、アンタ大丈夫だったか?」


飛び出して来た人に手を差し延べる。


「あ、ありがとうございましたぁ!」


土下座しそうな勢いで頭を下げる。むぅ、何か既視感。


「あのっ!今からお二人はルードーに行かれるんですか?」

「まぁ一応その予定だが?」

「ウチ、ルードーで宿屋やってますっ!是非お二人にお礼をさせてくださいっ!」


んー、ルードーでの宿は決まってないから俺は別に構わないんだがセェレはどうなんだろう?


「セェレ、セェレはどうしたい?」

「私は構わないかと。別段宿にあてがあるわけじゃないから。」

「という事だ。世話になるよ。」


そう告げるとまた
「ありがとうございます!」と言いながらペコペコしだした。



ルードーへの残りの道は魔物が出る事も無く、無事ルードーへと辿り着いた。


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