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  Alcemy of Blood 作者:QUATTRO
第1章
「ふあっぁあ〜〜〜」


寝起きの大欠伸をかまし、洗面台にて顔を洗う。髪型を整え鏡の中をチェック。


「よし」


自分の顔を見、パシッと両頬を叩き気合いを入れ居間に向かう。葛城弥呼都、今日で16歳になる。

居間には既に父の神武と母のイデアが座っており、どうやら自分を待っていたようだ。


「遅いっ!」


叫びながら神武は手に持っていたかじりかけの煎餅を投げ付ける。すると空中で回転しながら煎餅が十字型の手裏剣へと変わる。


「よっ!っと」


指で挟みながら受け止め、投げ返し暗器であったそれを煎餅に戻す。


「ふんっ、まぁいい、座れ。」


戻された煎餅をかじりつつ席に着くよう席につくように促される。


「とりあえず、誕生日おめでとう。貴様もやっと16歳か。」

「そうかやっと16年か・・」


ふと去年、15歳の誕生日を迎えた日から今日までの1年を思い返してみる。


・・・・・



「・・よく生きてるな。」


半年分も思い返す前に死にかけた記憶が2桁に達していた。


「細かい事は気にするな。今日は16歳になった貴様に言わなきゃいけない事がある。」

「細かくねぇーし!命に関わってんだよ!!」


駄目だ。相変わらずうちの親はぶっ飛んでやがる。10歳ぐらいから何とか訳の分からない両親のシゴキに対し、これまた訳の分からない自分の力で対応出来るようになったが、そうなると今度は2対1でシゴかれだしたのだ。


「思い出すと泣けてくるゎ・・」

「みことちゃん、細かい事を気にしちゃダメよ?」


何と言うか、この父にしてこの母あり、である。普段は真面目なくせに、2人とも俺をシゴく時だけは鬼になるのだ。


「はぁ・・・」

「溜め息なぞつくな。今日は貴様に話があると言っているだろう。」


口の端をニヤリと歪め笑うその姿は、いつになってもいい気がしないため止めて欲しいのだが、こういう時だけは割と重大な事を告げてくるので真剣に耳を傾けた。






「・・・・つまり、だ。神の世界、真存世界の住人である親父達がこの世界、現存世界を創りだした。そして今日、俺もこの世界から旅立ち、新しい世界を創り統治しなければならない。その為にそのテーブルの上の曇ったガラス球が必要であり、そのガラス球には真存世界にある国創りの素材が詰まっていると?」

「うむ」

「みことちゃんは理解が早いわね♪」



・・・・・ふっ


「信じられるかボケぇっ!!!」


タイミングを置いてのツッコミでちゃぶ台返しを決める。両親に当たる寸前にちゃぶ台が消える。消える瞬間にちゃぶ台の裏に
「ノリツッコミ以外使用不可」と書かれていたのは多分気のせいだろう。


「そんな話信じられるわけないだろっ!」

「それなら貴様や父さん達の使う力はどう説明する?」

「・・・」


言葉に詰まる。実際に使えているがこの力についての説明と言われたら何も言えない。


「いいか?貴様には父さんと母さん2人の力が受け継がれている。0を1にに変える力と1を2に変える力だ。使い方はガキの頃から学んでいるから問題は無いだろう。」


ここまで来ると反論の隙が無い。親父達の言い分は突拍子が無さ過ぎるが全てに対し説明がつく。この意味不明な力から全く歳をとっていないかのような両親に。


「まぁ、お母さんを誉めても何も出ないわよ?♪」

「誉めてないしっ!あと心を読むな心を!」


何やら全てがこのイカレ創造主カップルの手の平な気分もするが、いつまでも踊らされるわけにはいかない。


「残念ながら俺は旅立つ事は出来ない。学校もあるし突然人が消えたら不審にも思われる。」

「その事なら心配いらないわよ?既にみことちゃんがこの世界にいた証は消しといたから。」


・・・・この両親はどこまで人の道を踏み外す気なのだろう。思わず全身の力が抜けその場に倒れてしまう。


「権力は行使するためにある。それに創造主である存在に人の道なぞ関係無い。」

「だから心を読むな!それと開き直るな!」

「まぁ、みことちゃんが怒ったわ。反抗期かしら。」

「全く最近の若い者は・・・親の顔が見たいものだ。」

「貴様らだーーーーーーー!!!」


今日1番のツッコミをすると満足そうに頷く父と泣きまねからごまかすそぶりすら見せず立ち直る母。頭と胃が痛くなってくる。


「まぁそんな事は置いといて、だ。ちなみにこのガラス球は父さんと母さんの愛情という名で色々弄ってある。さぞかし楽しい世界創りになるだろう。」

「・・・・もう、好きにしてくれ・・・」

「分かりやすく説明すると、テレビゲームのドラ○エやファイナル○ァンタジー、○ンスターハンター等の面白そうな部分を・・」

「やめろーーーーーーーーーーーー!!!!!」






葛城弥呼都 16歳

運命の歯車が回り出した日は涙が止まらなかったという。


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