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弘治改元2


すでに上野国の北半分を臣従させている二条にとって、下野や武蔵、常陸、上総下総の国人層が縁続きに二条の庇護下に入りたがることを抑止するつもりはないが、そうなると北条の蓋をすることになる。


「いかがしたものでしょうな?」

上杉政虎はそうした背景を良之に説明し、善後策を相談した。

「問題はさ、北条の領土的野心がどのくらいの大きさかってことなんだよね」

良之も必死で頭をひねっている。

北条はひとまず、北上野が二条に下ったため北進はあきらめてくれている。

だが、もし下総や上総、それに常陸や武蔵の国人であれば彼らは、既得権益を奪われたという感情を持ちかねない。

「それは、そうでしょうな」

政虎も同意見のようだ。

「ですが、ひとたび当家に従うと言った者がある以上、それを拒否してはなりませぬ。当家の評判は、ひとえにこれまで全ての家を救ってきたことに尽きますゆえ」

政虎はそういった。

「分かった。とにかく、当家の条件はいつも通り、全所領を二条に納めること。旧領での代官職として雇用して、少なくとも従来通りの収入は保証すること。検地をすること。条件に、検地した領地は年貢を四公六民にする事。あとは……食糧や生活物資の保証かな」

「承知しました」

上杉政虎は「側近たちと関東を回る」といって去って行った。


「千賀地殿、服部殿、望月殿」

「はっ」

良之は伊賀の統領である2名、甲賀の名家望月三郎を呼び出し、彼らの本貫の地について相談をはじめた。

「甲賀と伊賀、それぞれにM-16とウージーを持たせて、3人のうち2人に領主として治めて欲しいんです」

「……とおっしゃいますと?」

「おそらく、そう遠くない未来に六角と戦になります。その前に、伊賀と甲賀を防衛し、可能なら背後から突けるよう、それぞれに兵2000ずつと銃、迫撃砲を配備しようと思います」

「……なるほど」

3人とも異存はない。

だが、問題は誰が戻るかだった。

甲賀に関しては望月三郎が戻らざるを得ないだろう。

「ではそれがしが戻ります」

千賀地保長が名乗り出た。

服部半蔵正種にも異存はなさそうなので、2人に軍資金1万両ずつを与えて、早速連れて行く兵の人選にかかってもらう。


「あの……御所様」

三郎がおずおずと申し出た。

「実は、それがしにも、御名の偏諱を賜りたく……」

「ああ! もちろんいいよ。ごめんね、俺の方からとっくに言ってあげないといけなかった」

「とんでもございませぬ。して……」

「どっちでも良いよ、名前にあうほうを」

「それでは、良家、と」

望月三郎改め良家は、とても嬉しそうにはにかんで俯いた。


「千賀地殿、望月殿。補給は鈴鹿越えで行くと思います。いくら金がかかっても構わないんで、四日市に潜り込んで商家を建て、蔵を構えて下さい。荷を奪われないよう、警護にウージーの所有と使用を許します」

「承知しました」

「くれぐれも息災にお願いします。人が育てば医者も必ず在勤させますから」

「ありがたいことにございます」



式村です。

大変ご無沙汰をしてしまい申し訳ありません。

体調を崩す直前に書いていた部分、少量ですが公開しておきます。


今後、詳しく活動報告のほうでご報告しますが、申し訳ありませんが、当分、本作のほうは棚上げとさせていただきます。

何度か出版化のチャレンジをさせていただきました本作ですが、ツギクル大賞の最終選考に残していただけたものの、なかなか厳しいご意見を頂戴する事も多く、作者として反省するところです。

いつの日にか仕切り直してまた挑戦したいと思いますが、今後は、新しい作品を生み出せるよう、頑張りたいと思います。

中途半端な形で手放すこととなり、お楽しみいただけていたとしたら、お詫びいたします。

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― 新着の感想 ―
う〜ん、続きが読みたいです! 是非、ご検討をお願いします。
[良い点] 公家からの成り上がり、資源・技術開発、面白い切り口でした。戦国武将にギャフンなところが楽しかったです。 [一言] 楽しく読ませて頂きました。 ご苦労様です。 いつか再開される事があればいい…
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