透明少女 (9)エピローグ
その後の話。
山の倉庫の男たちは、ちゃんと警察にお世話になった。
でも、彼らが何をしていたのか? 何でネコを集めていたのか? は、発表されなかった。
しばらくして、あれは麻薬をつくろうとしていたという噂が流れた。
何でも、ネコはマタタビをかぐと酔っぱらったような中毒になる。そのマタタビに反応する成分をネコの体から大量に集め、薬にして打てば立派な麻薬になるということだ。
ほんとかなあ? 嘘っぽい。
でも、わたしはトモの薬を知ってるから、ひょっとしたら世の中にはそんな薬もあるのかもしれない。
この噂にトモは、
「とにかくネコを殺すのはよくない」
とかいう的はずれなことを言った。
いいのか? それで。
噂と言えば、二つばかり、おかしな噂が広まっている。
一つは、夜中に山道を猛烈なスピードでかけ下る、幽霊自転車の話。
誰も乗っていないのに、自転車だけが走っていくって言う話だ。
もう一つは、ハーメルンの笛吹男みたいに、町中のネコがつれて行かれる話。
こっちの笛吹男もなぜか自転車に乗ってるんだけど、そのあと何百匹というネコが行進していたという。
この二つの話を聞いて、わたしは頭が痛くなった。
どこかで、誰かが見ているものなのよね。
でも、こんな噂が立つと、誰かがトモに、幽霊自転車を探してくれとか言いに来ないかなあ? それが心配。
そういうとトモは、楽しそうに笑って、
「さあ、出来たよ。食べて」
といって、わたしのテーブルに、ボンゴレクリームパスタを置いてくれた。その横にはサラダと、スープ。
「あと、シャーベットのデザートもあるからね」
彼もイスに座る。
「よーし、じゃあ、いただきます」
そういって、わたしは今回のトモからの報酬を受け取った。
第一話 透明少女
おわり
第一話『透明少女』いかがでしたでしょうか?
次回から、第二話
『夏海パニック』
です。
どうぞよろしく。
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