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    桜色の贈りもの (4)
 朝起きて、ぼんやりしていた。
 こんなにぼーとした朝は久しぶり。なんだか調子が悪い。
 それでも、朝ご飯を食べて、制服に着替えたらだいぶ良くなってきた。
 と思っていた。
 いつも通り、家の門をくぐり、学校に向かう。

 そこに、トモが待っていた。

 突然思い出した。昨日の夢を。
 心臓がいきなり、ドキドキと打ち出す。彼の顔をまともに見れない。
「お、おはよう」
 なぜかトモが、ちょっと、どもりがちに挨拶する。
 わたしは……
 えっと、どうしよう?
 挨拶しなきゃ。へ、へんに思われるじゃない。
 え、「えっと……」
 緊張が声を震わす。
「おは、よう……」
 ふーと息が漏れる。
 あ、あれは、夢。本当じゃないんだから……だから……
 落ち着いて、わたし。落ち着いて。
 わたしは、うつむきがちに歩いていた。周りなんか見てない。
 トモの手が、わたしの手を引いた。
 とっさに手を引っ込めかけて、ハッとして彼を見る。
 彼が怪訝な顔をしている。
 そう言えば、最近こうやって歩いてたんだ。
 わたしは、そんなことも忘れるぐらい、狼狽していた。
 それから学校まで、一言も話せなかった。いつもだったら軽口の一つも言い合うのに。
 めずらしく、トモもあまり話しかけてこなかった。
 わたしが、あんまりうつむいてたんで、話しかけられなかったのかな?
 その日、一日、私たちは、なんだかぎくしゃくしていた。


 夜。
 ベッドに潜り込みながら、預かったピンクの卵を眺めていた。
 あ〜あ。結局、今日はトモに話せなかったなあ。この預かりもののこと。
 なんだか、恥ずかしくて、話しかけられなかった。
 おかしいな。夢なのに。
 ……でも、きれいよね、これ。
 きっと、明日は、トモに見せてあげよう。
 そう、そうしよう。うん。

     *     *     *

 それが、夢だということは、分かりすぎるぐらいわかっていた。
 でも、心臓の高鳴りを押さえることが出来ない。
 だって、なんで、夢の続きなんて……
 昨日の続きなんて……

 トモの指がわたしの胸に触れる。
 そこが、まるで焼けるように熱く感じて、声がでちゃう。
 わたしの開いた口を、彼の口がふさぐ。
 火傷しそうなほど熱いキス。
 乳房を愛撫する彼の指の動きに、たまらず声が漏れる。
 くぐもった、声にならない声。
 わたしは、恥ずかしさと、さっきから感じだした気持ちよさに、目をつぶろうとした。
 目をつぶる? 夢の中で? 
 それが不可能だとわかった頃、彼の手が、わたしの腿に伸びた。
 わたしは彼にしがみついた。
 これ以上ないほど、上気している。体が熱い。
 えっと、トモ。
 私たち、このまま、最後までいっちゃうの?
 いいんだよね?
 大丈夫よね?
 彼の指が腿の間をスーと動いた。
 わたしは、気持ちよさに悲鳴を上げそうになった。
 だって、だってね。こんな事、夢にも思わなかった。夢にも……
 あれ?
 ゆ……め……
 これって……夢?
 そうだったけ? でも……
 わたしはその時、確かにトモの存在を感じていた。けれど……
 いつの間にか夢の中で、意識を失っていた。

     *     *     *

 まったくぅ。
 同じ夢を、二日続けて見るなんて。しかも、あんな夢を。
 どうして? なんで? あ〜恥ずかしい。
 どうしちゃったんだろう、わたし。
 えっと、もしかして……欲求不満?
 まさかね。たぶん違う(と思う)。
 ふんだ!
 夢なんかもういい。もう開き直った。もう、恥ずかしくないもん。
 今日はちゃんとするんだ。心の準備は出来た。
 よし、出発。
 
 
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