番外編 メグちゃんの童話
ある日、一匹のネコさんがやって来て、メグちゃんに言いました。
「メグにゃん。メグにゃん。トモくんが呼んでるニャ。ちょっと来るニャ」
メグちゃんはいつの間にか、身体が小さくなって、
ネコさんがまるでゾウさんのように見えました。
着いてみるとトモくんが、ネコさんのスープ皿の中で、
ミルクに浸かって溺れていました。
「あら、あら」
そう言ってメグちゃんは、トモくんを助けてあげました。
ある日、一羽のカラスさんがやって来て、メグちゃんにいいました。
「メグさん。メグさん。ちょっとおいで。トモくんが呼んでるよ」
カラスさんが、メグちゃんの肩をつかむと、
みるみる小さくなったメグちゃんは、
カラスさんにつれられて、お空を飛んでいきました。
着いてみるとトモくんが、高い木の上のカラスの巣から、
おりられなくて、困っていました。
「あら、あら」
そう言ってメグちゃんは、トモくんを下ろしてあげました。
ある日、織姫さんが窓の外に現れて、メグちゃんに言いました。
「メグ。ちょっとわたしと一緒にいらっしゃい」
織姫さんに手を握られると、メグちゃんはそのまま宇宙に飛んで行きました。
着いてみると、天の川の星屑の中で、
トモくんが、星に揉まれて苦しんでいました。
「あら、あら」
そう言ってメグちゃんは、トモくんを引き上げてあげました。
ある日、白い龍がやって来て、メグちゃんに言いました。
「メグや。一緒に来るのじゃ」
白い龍の背に乗ると、メグちゃんはたちまち世界を駆け巡りました。
着いてみるとトモくんが、丸い水晶のような玉の中に閉じ込められて、
出られなくなっていました。
「わあ、綺麗!」
# # # # #
「……ていうお話書いてみたんだけど、トモ、どう思う?」
「どおって、メグ。なんで僕ばっかり……」
「なんか、変?」
「え、いや……でも、これで終わり?」
「え?」
「最後、助けてくれないの?」
「ああ」
忘れてた。
わたしは、ノートに続きを書きいれる。
その間、トモが、なんで、忘れるんだようとか、ぶつくさ言ってる。
『メグちゃんが、その玉に息を吹きかけると、
まるでシャボンのように弾けて、トモくんが飛び出してきました』
「これでいい?」
トモが、ちょっと考えるそぶりをしている。それから、
「僕も、書き加えていい?」
「え? いいけど……」
わたしの不安をよそに、トモがノートにペンを走らせた。
『トモくんが言いました。
「メグちゃん、どうもありがとう。お礼に、これを贈ります」』
「ねえ、これって何?」
尋ねるわたしに、
トモがそっとキスをした。
わたしは、じっと目を閉じながら、物語の最後の言葉を思い浮かべた。
『そうして、二人は、いつまでも幸せに暮らしました、とさ』
番外編「メグちゃんの童話」
おわり
突然の番外編、いかがでしたか?
それにしても、メグちゃんあなた!(笑)
次回第七話は、「桜色の贈りもの」です
また、よろしく。
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