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    ラブレター (3)
 昼休み、トモの席に近づいた。今日は避けていたのに。
 普段、わたしがトモと話していても、みんなは特に気にしない。そういう関係だと思われてるんだ。
 でも……でもね、本当はそうじゃないんだ。
 そう思っただけで悲しくなる。
「ト、トモ……」
 声が震える。
「ああ、メグ。昨日の用事、大丈夫だった?」
「うん。そのことなんだけど……いえ、そのことじゃないんだけど……」
 なんだか、よくわからない。落ち着いて、わたし。
「あ、あの。トモってさ、ラ、ラブレター……出したことある?」
 わたしは必死だった。
 トモは怪訝な顔をする。
「えっと、他人のラブレターはいっぱい渡したねえ」
 うん。知ってる。でもそうじゃなくて……
「あの、自分のを、出したことは?」
 え? と彼は驚いた顔。それから、
「うんにゃ。無いよ」
 と答えた。
 じゃあ、まだあの手紙渡してないんだ。
 いつ、渡すんだろう。
「で、でも、ラブレター書いたことある?」
 その質問にトモが照れるのがわかった。
「書いたことは……ある。一回だけだけど」
 わかっていた答え。わたしは、また、落ち込む。
「あ、あの……」
 誰に? と訊こうと思って、でも、わたしの舌はもう動いてくれなかった。
「メグ? どうした?」
 トモがそんなわたしを見る。
 ごめん。見ないで。
「あ、なんでもない」
 そういって、自分の席に戻った。
 トモは、わたしを不思議そうに見ていた。


 部活を休んで、家に帰った。
 わたしは、もう一度トモのラブレターを見たかった。
 そして、彼女の手がかりを探したかった。
 わたしの脳裏に、考えが浮かんだ。いけない考えだ。
 それは、トモの部屋に忍び込むこと。そして、彼女の手がかりを探すこと。
 わたしなら、誰にも見られず、トモの部屋に入れる。
 カプセルは、以前トモの探し物を手伝った時に使ったものが、わたしの部屋にいくつか在った。
 だから、それを使えば、わたしは透明になれる。
 それは、いけない考えだ。よく、わかってる。
 でも、今のわたしは、どうしても彼女の手がかりが欲しかった。
 
 
 
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