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あい・らぶ・まみぃ!
作:シロクロ



大好きだ。友達として


働いてた習慣で俺はいつも4時半起きで、睡眠不足は授業でまかなう予定だ。とりあえず暇なのでトレーニングにあてた。これからも朝はトレーニングにあてよう。昨日サボった分もちょっとなまってるし。やっぱりこういうのは毎日やらねぇとな
「おはようございます、弘美さん、起きてください」
すっかり腫れもひき身支度を整えた俺は7時現在も惰眠をむさぼっている弘美を起こしにかかる
「……んぅ…皐月様ぁ…?」
「はい、皐月ですよ」
「この犬が…ヒロに触られないでよ変態」
さっさと起きろこのバカ! てめぇ、弘美のくせに生意気なんだよ!
…そう言えたらどんなに楽か。いっそ猫被るのやめようかな。でもなぁ…母さんと頑張るって約束したし…
口の悪いガキにいちいち怒ってられねぇし、我慢だ俺
「わかりました。じゃあ私は先に行きますから」
「ん〜」
あー、腹減ったなぁ。朝飯は何かな



俺が飯を食ってるとまた騒がしくなった。目があわないようにうつ向いていたが無駄だったようで悪魔2匹がやってきた
「おはよう皐月、昨日はよく眠れて?」
「親元を離れたばかりでは心細いでしょう? 私も会長も心配していましたの」
「おはよーございます。お気遣いありがとうございます。はい、実は少しばかり不安だったのですが弘美さんがいらしたので楽しく凄させていただきました」
「へぇ…ヒロがねぇ。あの気まぐれな猫をよく懐かせたね」
「……皆さん見てますよ」
つーかお前らの差し金なのは分かってるから
「聞こえやしないさ」
「紗理奈、フォークの角度が悪いわ」
「はいはい」
姑みたいなやつだな
「皐月」
「?」
「今あなた何か不愉快なことを考えなかった?」
お前はテレパシストか!
「まさか…そんなことありえませんよ、七海様」
「そう。ところであなたテーブルマナーが最高に悪いわ。今日の放課後の淑女会ではあなたのテーブルマナー講座をするから。分かってると思うけど体調不良も急に泣き出してホームシックも認めないわよ」
「……いたのか?」
「淑女会は3人で運命共同体だもの。あと口を慎みなさい。なあに? その素行の悪い男の方のような言い方は?」
つい素で言っちまった
「す、すみません……って盗み聞きは淑女がすることですか?」
「たしなみよ」
嘘つけこのクソ女! ふざけやがって…
七海から紗理奈に目をやるとあはは、と空笑いされた
「ごめんごめん、でもあんなことがあったし。気になるのは当然でしょ?」
「まあ…いいですけど」
気持ちは分かるし一応俺を気遣ってくれたのだろう。だが何が気に食わないって七海の態度だ
紗理奈のように軽くで良いから謝罪しようとは思わないのか。全く…昨日の弘美と言い、『ごめん』が言えないとは重症だな
俺がじ〜っと見てるとさすがに居心地悪くなったのか七海は視線をさまよわせてから、コホンとわざとらしく咳払いをする
「べ、別にそんなに長くではないわ。会ったばかりで礼儀のなっていないがさつな田舎育ちの芋娘なあなたでも、一応今のところはギリギリ補欠とは言え淑女会に席をおいているのだから心配で、ほんの少し様子を伺っていたのよ」
うわ…何でそこまで言われてんだよ。まぁ初対面でペット扱いだし、俺の態度も悪かったし、仲間とか思われてるとは最初から思ってねぇけどさ
「海老フライに思い出があるってあたりで部屋に戻ったし、そう目くじらたてないでよ。別に皐月の過去にも興味ないし」
うん、喧嘩売ってるか? まああっさりしてるとこは好感持てるし、そう怒ってないし良いけどな
「皆さんおはようございます」
……あれ? 普通に普通な愛らしい声色の挨拶。だけど…妙に俺の背筋をなでつけるようで、ばっと振り向くと弘美がいた
「おはようヒロ、今日はいつもより少し遅いわね」
「どうかしたの?」
「別にぃ。犬が何の役にもたたないからって…怒っちゃ駄目ですよねぇ」
何故か、何故かとても怒っていらっしゃる弘美様は俺の隣に座り、ぎゅ〜と足を踏む
「!! …っ…あのぉ、私何かしました? ぃたっ」
痛い痛い痛い。めちゃめちゃ痛い。なんなんだこのクソガキ
「なぁんで起こさないのよ」
回りの生徒に見えないようにずずいと顔を近づけてくる弘美は般若も真っ青な表情だ
「お、起こしたけど、弘美さんが触るなって…」
「逆らうわけ? 下僕になったくせにぃ?」
了承した覚えは1ミリもないぞ。つかなんだそのヤクザ顔負けの睨みは
「あ〜…ごめんなさい?」
「なんで疑問系なのよ」
「だって弘美さんが起きな―」
「だって禁止」
「でも―」
「でもも禁止」
「しかし」
「禁止」
「だが」
「禁止」
「にもかかわらず」
「禁止。ってか意味わかんないししつこい」
禁止禁止ってお前のがうるさいし、だいたい無茶言ってるのはお前だ!
「何よその目は」
「……別に、理不尽なクソガキだなぁとか思ってませんし。あー昨日はまだ可愛かったのになぁとかも思ってませんよ」
「は…!?」
「ごちそう様。では皆さん、お先に失礼しま〜す」
また文句言われないうちにさっさと引き上げた。当然食事はすでに腹の中だ



「おはようございます、皐月さん」
教室にはいると佐枝子と目があいびくついたが、にっこり笑って挨拶をしてくれた
「ささ佐枝子、さん…おようございます」
「昨日はよく眠れましたか?」
まるで何事もなかったかのような態度に、いぶかしみながらも席につく
「は、はい。お陰様で」
「ふふ…皐月さん、淑女会にお入りになられたそうですね」
「あ、はい」
「羨ましいですわ」
「あはは、じゃあ変わりますか?」
ああ! もしかして俺を改めて友人にしてくれるつもりなのか!? お前って最高だぜ!
「いいえ、私淑女会にはあまり関心はありませんの」
「え? では何が羨ましいんですか?」
「勿論、皐月さんと堂々と一緒にいれるお三方ですよ」
佐枝子は何でもないように言いながら悪戯っぽく俺にウインクをした


「え…」

その綺麗な綺麗なウインクに、俺は見惚れた。そして一瞬、言われた意味がわからなかった
「今日、お昼ご一緒しませんこと? それとももう誰かとお約束でも?」
「ま、まさか。それに佐枝子さんのお誘いなら、他の人に誘われたとしてもお断りしますよ」
「まあ、嬉しいですわ」
にっこり、佐枝子は花のように笑う。悪魔3組のような派手な、人を無理矢理にも惹き付けるような美しさはない
だけど、彼女は誰が見たって確かに美しい部類で、その強い目に見つめられて、佐枝子の美しい、美しすぎてまぶしいようなその意思ある瞳に、俺は鳥肌がたった
「……」
いますぐにだって、聞きたい
俺のこと、好きなの? こんな俺のことを、まだ好きでいてくれてるのか?
どくん、どくんと嫌にゆったりと自分の心音が聞こえた
お前は綺麗だよ。見た目より何より、その心が



途中紗理奈に淑女会は昼休みも部室でとることが多いと誘われたが、勿論先約があると断った
目に見えて怒っていたが回りに人がいたので何事もなかった
危ない危ない…あいつは絶対に口と同時に手もでるやつだ
ちなみにでは放課後に、と言われた後にすれ違いざまに「調子に乗ってられるのも今のうちだよ」と小声で言われた
恐…つか行きたくねー
「では行きましょうか」
「はい」
購買でパンを買って、また屋上かと思ったら中庭の奥のベンチに来た。中庭と言ってもかなり広く、サッカーができそうだ
勿論お嬢様にそんなことをするやつはいないが。そういや部活は何があんのかな
働かないから時間あるし…やろうかな
「私…考えたんです」
並んで食事を(二人とも購買で買った)食べながら何となく無言でいたが、佐枝子が話しだした
「…うん」
「あの…やっぱり、やっぱり…私、皐月さんが好きです」
「……うん」
ああ、どうしよう。マジで嬉しい。赤い顔の佐枝子は可愛いし、思わず、付き合ってくださいって言いそうだ
俺はにやけそうな顔をうつむかせながら何を言えばいいか分からずに曖昧に頷く
「女の子同士なのは分かってます…気持悪い、ですか?」
不安そうな顔をみせる佐枝子に俺は思わず立ち上がる
「そ、そんなことない!」
声の大きさに我ながら驚いて座る。幸い広くて距離がいちいちあいてるのでさっきの声も人には聞こえなかったようだ
「……その、凄く嬉しい。俺は…まだ恋とかわかんねぇけど佐枝子のことは好きだし……好かれるのは、純粋に嬉しい」
「……」
「でも…好きって言ってくれて嬉しいし、本当に佐枝子のことは好きだけど……けど俺の答えは、変わらない」
勢いで付き合ったって、そんなの失礼なだけだ
「それでいいんです。私と…友達になってくれますか?」
「勿論!」
大好きだ佐枝子。これが恋なら良かったのに
でもまだ俺にはやっぱり母さんが一番で、これは恋じゃないんだ
「ありがとうございます…皐月さん、大好きです」
「『私』もです」
だけど間違いなく、崎山皐月も滝口皐月も、あなたのことが大好きですよ















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